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2009年11月15日
長谷川和夫先生の医学的知識パート4
長谷川和夫先生の医学的知識パート4
(静岡県認知症の人と家族の会 コールセンター相談員研修会の1部より)
パート4
私の分からなくなったことをそのまま受け入れてしまうパーソンセンタード方式。こちらの都合でやることと違うのです。認知症の人が家に帰りたい!。実家に帰りたい!。そういう体験をしているわけですから、「こっちへいらっしゃい」はだめです。その人の物語を理解して対応しましょう。
少人数の患者さんを今診察しています。前の大学病院と今の診療から、ちょっと変わってきました。奥が深くて富士山のふもとに着いたようです。認知症の予防はベーター蛋白を起こさないようにすることです。予防法はありません。自分の認知機能を高めて一定以上に保つことが大切です。レベルが高ければいいですね。
高血圧、高脂血欠症、糖尿病、肥満(メタボ)が脳血管性認知症の原因でもあります。そのための食生活に注意し、脂っこいものは控えましょう。運動不足をしていると肥満、高血圧が出てきます。ジョギング、水泳、テニス、歩くことがとても大切です。歩幅を一歩半としかかとからつくように歩きましょう。胸を張って少し前を見て、手を振って毎日ではなくても週に3日くらいは続けましょう。
タバコはいけません。ヘビースモーカーの方タバコを吸う方はエビデンスがあって、オランダのアムステルダムでの調査では認知症になる確率は1.9倍。アメリカ、ブルックリンも1.9倍、中国、タイはヘビースモーカーの方は1.8倍と高いデーターが出ています。
引きこもり、うつ状態を治療し運動不足を解消し、一日一回はは外出しましょう。魚は豊富に摂りましょう。ゲームは認知予防にいいです。囲碁、将棋、マージャン、トランプなどは良いです。読み書きとして日記をつけることは良い。私は1987年から日記をつけています。ここ15~16年はびっしり書いています。夜寝る前に毎日書くことにし、回想法にしている。家にいるときはごろごろしていて会うのは家内だけ(笑い)である。「聞いているの?」と言われる。努めて、何か観察します。朝すずめがこちらに向けて話しかけているようにと思う。10行くらい書きます。昨日のこと、おとといのこと、手帳を見て参考にして書くようにこころがけています。以上で医学的知識のお話を終わります。

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(静岡県認知症の人と家族の会 コールセンター相談員研修会の1部より)
パート4
私の分からなくなったことをそのまま受け入れてしまうパーソンセンタード方式。こちらの都合でやることと違うのです。認知症の人が家に帰りたい!。実家に帰りたい!。そういう体験をしているわけですから、「こっちへいらっしゃい」はだめです。その人の物語を理解して対応しましょう。
少人数の患者さんを今診察しています。前の大学病院と今の診療から、ちょっと変わってきました。奥が深くて富士山のふもとに着いたようです。認知症の予防はベーター蛋白を起こさないようにすることです。予防法はありません。自分の認知機能を高めて一定以上に保つことが大切です。レベルが高ければいいですね。
高血圧、高脂血欠症、糖尿病、肥満(メタボ)が脳血管性認知症の原因でもあります。そのための食生活に注意し、脂っこいものは控えましょう。運動不足をしていると肥満、高血圧が出てきます。ジョギング、水泳、テニス、歩くことがとても大切です。歩幅を一歩半としかかとからつくように歩きましょう。胸を張って少し前を見て、手を振って毎日ではなくても週に3日くらいは続けましょう。
タバコはいけません。ヘビースモーカーの方タバコを吸う方はエビデンスがあって、オランダのアムステルダムでの調査では認知症になる確率は1.9倍。アメリカ、ブルックリンも1.9倍、中国、タイはヘビースモーカーの方は1.8倍と高いデーターが出ています。
引きこもり、うつ状態を治療し運動不足を解消し、一日一回はは外出しましょう。魚は豊富に摂りましょう。ゲームは認知予防にいいです。囲碁、将棋、マージャン、トランプなどは良いです。読み書きとして日記をつけることは良い。私は1987年から日記をつけています。ここ15~16年はびっしり書いています。夜寝る前に毎日書くことにし、回想法にしている。家にいるときはごろごろしていて会うのは家内だけ(笑い)である。「聞いているの?」と言われる。努めて、何か観察します。朝すずめがこちらに向けて話しかけているようにと思う。10行くらい書きます。昨日のこと、おとといのこと、手帳を見て参考にして書くようにこころがけています。以上で医学的知識のお話を終わります。
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2009年11月14日
長谷川和夫先生の医学的知識 パート3
長谷川和夫先生の医学的知識パート3
(静岡県認知症の人と家族の会 コールセンター相談員研修会の1部より)
パート3
レビー小体病もこの頃注目されています。パーキンソン症状、幻覚があります。筋肉が硬くなり顔の表情も硬く表情に乏しい。歩行障害、幻視体験(ベッドの下に水が流れてきた)、認知症が起こってきます。レビー小体型認知症は小坂憲司氏(横浜市立大学名誉教授)が発見し、世界的に有名です。国際的に認められ、高い評価が得られています。アリセプトが効果があります。
甲状腺機能低下障害や糖尿病にかかるとアルツハイマー病になりやすい。医者に行くと心理テスト(認知症を見分けるためのテスト)が行われます。長谷川式認知症スケール(HDSR)MMSE(ミニメンタルステート)でどの位認知機能が低下しているかを診ます。認知症と分かったら二段がまえで診ます。画像診断(CT、MRI)でなるべく早い時期に正確に診立てをし早く対応することが必要です。ここは安心して暮らせるいいケアーが大切!
認知症には、中核症状と周辺症状があります。認知症があるために、現実の暮らしの中で間違い行動があり、周りについていけなくなります。アルツハイマー病と宣告されたら、憂うつになりうつ状態となります。うつ状態が重なると注意力が散漫となり、不安、イライラ、暴言・怒鳴るなど出現します。これらの行動を周りの方は問題行動(BPSD)ととらえてしまいます。本人は問題行動と思っていません。周りの仕方が不十分で間違った行動をするとかえってて混乱します。
いいケアをすると問題行動が少なくなります。私は精神科医ですのでそういうことはすごく関心があります。本人の視点から見てこの世界がどう見えるか!本人中心のケアーが必要になってきます。パーソンセンタードケアが重要です。本人がどう思っているか理解をして取り組むケアです。口で言うことはやさしいが中々難しい。
これからお話することは何回も家族の会で話しています。僕ももちろん話したことは覚えていますよ(笑い)家内の父が80歳のときアルツハイマーー病になりまして86歳で肺炎で亡くなりました。20数年前、聖マリアンナ病院で精神科の教授をしていた頃、東京都板橋のでショートや医師の往診を利用していました。ある晩のこと、一緒に食事をしていて「困ったなー」どうしたの?「皆さんはどちらさんでしょう」と、私はそのときこれは相貌失認だ、人の顔が分からなくなりそれがうまくいかなくなりネットワークが壊れた、これは相貌失認でアルツハイマーの第3期だ。みなシーンとなり、家内は私をにらむ様に観ている。あせっていたとき、高3の娘が「私たちのことが分からないと言っているけど、おじいちゃんじゃないの」「皆さんは私のことを知っているのですか、安心した」と、こういうことを言えばよかったと思いました。『知っているから大丈夫、あなたは分からなくてもいいよ。こっちが知っているから』、これがパーソンセンタードケアというのかなーと思います。

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(静岡県認知症の人と家族の会 コールセンター相談員研修会の1部より)
パート3
レビー小体病もこの頃注目されています。パーキンソン症状、幻覚があります。筋肉が硬くなり顔の表情も硬く表情に乏しい。歩行障害、幻視体験(ベッドの下に水が流れてきた)、認知症が起こってきます。レビー小体型認知症は小坂憲司氏(横浜市立大学名誉教授)が発見し、世界的に有名です。国際的に認められ、高い評価が得られています。アリセプトが効果があります。
甲状腺機能低下障害や糖尿病にかかるとアルツハイマー病になりやすい。医者に行くと心理テスト(認知症を見分けるためのテスト)が行われます。長谷川式認知症スケール(HDSR)MMSE(ミニメンタルステート)でどの位認知機能が低下しているかを診ます。認知症と分かったら二段がまえで診ます。画像診断(CT、MRI)でなるべく早い時期に正確に診立てをし早く対応することが必要です。ここは安心して暮らせるいいケアーが大切!
認知症には、中核症状と周辺症状があります。認知症があるために、現実の暮らしの中で間違い行動があり、周りについていけなくなります。アルツハイマー病と宣告されたら、憂うつになりうつ状態となります。うつ状態が重なると注意力が散漫となり、不安、イライラ、暴言・怒鳴るなど出現します。これらの行動を周りの方は問題行動(BPSD)ととらえてしまいます。本人は問題行動と思っていません。周りの仕方が不十分で間違った行動をするとかえってて混乱します。
いいケアをすると問題行動が少なくなります。私は精神科医ですのでそういうことはすごく関心があります。本人の視点から見てこの世界がどう見えるか!本人中心のケアーが必要になってきます。パーソンセンタードケアが重要です。本人がどう思っているか理解をして取り組むケアです。口で言うことはやさしいが中々難しい。
これからお話することは何回も家族の会で話しています。僕ももちろん話したことは覚えていますよ(笑い)家内の父が80歳のときアルツハイマーー病になりまして86歳で肺炎で亡くなりました。20数年前、聖マリアンナ病院で精神科の教授をしていた頃、東京都板橋のでショートや医師の往診を利用していました。ある晩のこと、一緒に食事をしていて「困ったなー」どうしたの?「皆さんはどちらさんでしょう」と、私はそのときこれは相貌失認だ、人の顔が分からなくなりそれがうまくいかなくなりネットワークが壊れた、これは相貌失認でアルツハイマーの第3期だ。みなシーンとなり、家内は私をにらむ様に観ている。あせっていたとき、高3の娘が「私たちのことが分からないと言っているけど、おじいちゃんじゃないの」「皆さんは私のことを知っているのですか、安心した」と、こういうことを言えばよかったと思いました。『知っているから大丈夫、あなたは分からなくてもいいよ。こっちが知っているから』、これがパーソンセンタードケアというのかなーと思います。
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2009年11月12日
長谷川和夫先生の医学的知識 パート2
長谷川和夫先生の医学的知識
(静岡県認知症の人と家族の会 コールセンター相談員研修会の1部より)
パート2
アルツハイマー病の進行を止めるアリセプト。進行を止めるのがアルツハイマー病の本質です。自然現象、子供の発育、年をとるのを止める薬。アルツハイマー病は老いと背中合わせです。老化の進行を抑制する、薬の効果を限定する薬。自然現象を止める薬はアリセプト。何の変化もなく非常にせつないため、試しに中止してみると、ガクッと進行する。今のところ唯一適応する薬で副作用が少なく胃腸障害位で重篤な副作用はありません。
若年認知症は64歳以下、40代50代の人たちがアルツハイマー病、脳血管性認知症、ピック病等にかかると大変、経済的に大変です。就労の道が問題となります。①.家族の奥様はパートに行くことができません。②.若年性認知症専門のデイサービス、グループホームがありません。物忘れがひどいだけで高齢者の人たちと一緒にデイサービスで過ごせない。③.もし私が認知症になったらNHKに報道するか、誰が長谷川式認知症を僕にするか(笑い)宜しくお願いします。
若い人が認知機能障害になると周りの人は、奇異な感じがする。厚労省は緊急プロジェクトを立ち上げました。厚労省のホームページをご覧下さい。若年性性認知症コールセンター TEL 0800-1000-2707
若年認知症は数が少なく10万人に対して4000人位で、専門のデイサービスを創ったとしても、大きな町でも人が集まらないし、送迎が難しい。実際問題として来てもらうしかなく対応は難しい。電話相談が突破口となりました。
ピック病の対応は難しい。アルツハイマー病は側頭葉・海馬が侵され、もの忘れが最初に起こってきます。ピックは前頭葉から起こってきます。前頭葉は指揮者のような総合判断を行うところです。抑制が効かなくなり、人と会話していても衝動的に立ちあがってしまいます。スーパーのレジでは、人が見ているのに小銭を持っていってしまい、直ちに拘束されますが、多動でじっとしていません。また、決まった道を散歩します。10時になると決まったコースを散歩し毎日それをやります。デイサービスへいったん行くとちゃんと待っています。決まった時間帯できっちりできます。日曜日も待っています。多動の他は何もしない。トントンと窓際に座りながら手すりをたたいています。手すりはへこんでしまっています。常同行為といいます。抗精神薬を使わざるを得ません。

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(静岡県認知症の人と家族の会 コールセンター相談員研修会の1部より)
パート2
アルツハイマー病の進行を止めるアリセプト。進行を止めるのがアルツハイマー病の本質です。自然現象、子供の発育、年をとるのを止める薬。アルツハイマー病は老いと背中合わせです。老化の進行を抑制する、薬の効果を限定する薬。自然現象を止める薬はアリセプト。何の変化もなく非常にせつないため、試しに中止してみると、ガクッと進行する。今のところ唯一適応する薬で副作用が少なく胃腸障害位で重篤な副作用はありません。
若年認知症は64歳以下、40代50代の人たちがアルツハイマー病、脳血管性認知症、ピック病等にかかると大変、経済的に大変です。就労の道が問題となります。①.家族の奥様はパートに行くことができません。②.若年性認知症専門のデイサービス、グループホームがありません。物忘れがひどいだけで高齢者の人たちと一緒にデイサービスで過ごせない。③.もし私が認知症になったらNHKに報道するか、誰が長谷川式認知症を僕にするか(笑い)宜しくお願いします。
若い人が認知機能障害になると周りの人は、奇異な感じがする。厚労省は緊急プロジェクトを立ち上げました。厚労省のホームページをご覧下さい。若年性性認知症コールセンター TEL 0800-1000-2707
若年認知症は数が少なく10万人に対して4000人位で、専門のデイサービスを創ったとしても、大きな町でも人が集まらないし、送迎が難しい。実際問題として来てもらうしかなく対応は難しい。電話相談が突破口となりました。
ピック病の対応は難しい。アルツハイマー病は側頭葉・海馬が侵され、もの忘れが最初に起こってきます。ピックは前頭葉から起こってきます。前頭葉は指揮者のような総合判断を行うところです。抑制が効かなくなり、人と会話していても衝動的に立ちあがってしまいます。スーパーのレジでは、人が見ているのに小銭を持っていってしまい、直ちに拘束されますが、多動でじっとしていません。また、決まった道を散歩します。10時になると決まったコースを散歩し毎日それをやります。デイサービスへいったん行くとちゃんと待っています。決まった時間帯できっちりできます。日曜日も待っています。多動の他は何もしない。トントンと窓際に座りながら手すりをたたいています。手すりはへこんでしまっています。常同行為といいます。抗精神薬を使わざるを得ません。
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2009年11月09日
長谷川和夫先生の医学的知識パート1
長谷川和夫先生の医学的知識について
(静岡県認知症の人と家族の会 認知症コールセンター相談員研修会の一部より)
パート1
長生きすると社会に起こってくる状態が変化してきます。長寿社会、80歳を超えますと認知症が増えてきます。長生きするということはいいことです。しかし、介護を要する方が増えてきます。認知症になると判断力が低下し、読み書き、ソロバンができなくなります。認識して知る認知機能は人間として高次のもので、動物にはありません。コンピューターが故障すると電車が止まったり、飛行機が飛ばなくなります。それには必ず原因があります。
アルツハイマー型認知症は認知症の中で7割を占めています。今の民主党みたいなもの(笑い)。アルツハイマー病は脳の中のベーター蛋白が増加し、ネットワークが壊れてしまいます。認知症には交通事故による頭部外傷、甲状腺機能低下症、酸素が脳へいかなくなる脳血管性認知症等があります。脳卒中麻痺、舌がもつれて呂律が回らなくなるのは脳血管性認知症の後遺症の1つで、予防が可能となります。
アルツハイマー病は後遺症ではないベーター蛋白の増加によるもので進行性が特徴です。ハンチントン病、ピック病、レビー小体病、進行性というのが厄介です。アルツハイマーというドイツの医学者が老人斑というしみのようなものを発見しました。ベーター蛋白病といったほうがほんとうはいいんですよね。(笑い)いずれにしても進行していきます。診断する特徴はいつとはなしに起こっててくる物忘れと、言葉のやりとりや料理を順序だだててできなくなります。
認知機能という物忘れだけの状態を“MCI”軽度認知症といいます。MCIの人をなるべく発見して、早めに予防体制を取ることが必要です。回りも本人も自覚しており、心理テストも異常なし。その人達を5年くらい観察していると、半分くらいアルツハイマー病です。この1年は著しい。MRI異常なし。いたづらにMCIと診断すると人権問題になります。
1999年アリセプトが使われはじめて10年になります。アセチルコリン分解を抑制する薬でアセチルコリンは記憶を担当する神経伝達物質で、そんなに分解することはやめてくれ!といっている。本当はベーター蛋白を減らす薬が必要です。

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(静岡県認知症の人と家族の会 認知症コールセンター相談員研修会の一部より)
パート1
長生きすると社会に起こってくる状態が変化してきます。長寿社会、80歳を超えますと認知症が増えてきます。長生きするということはいいことです。しかし、介護を要する方が増えてきます。認知症になると判断力が低下し、読み書き、ソロバンができなくなります。認識して知る認知機能は人間として高次のもので、動物にはありません。コンピューターが故障すると電車が止まったり、飛行機が飛ばなくなります。それには必ず原因があります。
アルツハイマー型認知症は認知症の中で7割を占めています。今の民主党みたいなもの(笑い)。アルツハイマー病は脳の中のベーター蛋白が増加し、ネットワークが壊れてしまいます。認知症には交通事故による頭部外傷、甲状腺機能低下症、酸素が脳へいかなくなる脳血管性認知症等があります。脳卒中麻痺、舌がもつれて呂律が回らなくなるのは脳血管性認知症の後遺症の1つで、予防が可能となります。
アルツハイマー病は後遺症ではないベーター蛋白の増加によるもので進行性が特徴です。ハンチントン病、ピック病、レビー小体病、進行性というのが厄介です。アルツハイマーというドイツの医学者が老人斑というしみのようなものを発見しました。ベーター蛋白病といったほうがほんとうはいいんですよね。(笑い)いずれにしても進行していきます。診断する特徴はいつとはなしに起こっててくる物忘れと、言葉のやりとりや料理を順序だだててできなくなります。
認知機能という物忘れだけの状態を“MCI”軽度認知症といいます。MCIの人をなるべく発見して、早めに予防体制を取ることが必要です。回りも本人も自覚しており、心理テストも異常なし。その人達を5年くらい観察していると、半分くらいアルツハイマー病です。この1年は著しい。MRI異常なし。いたづらにMCIと診断すると人権問題になります。
1999年アリセプトが使われはじめて10年になります。アセチルコリン分解を抑制する薬でアセチルコリンは記憶を担当する神経伝達物質で、そんなに分解することはやめてくれ!といっている。本当はベーター蛋白を減らす薬が必要です。
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2009年11月07日
認知症介護 家族の接し方10か条 第5条意欲の活性化
家族の接し方 10か条
(認知症予防協会)
第5条 意欲の活性化
本人を 生きいきさせる 良い刺激
人は誰でも快い環境や雰囲気、ほどよい刺激を受けると、気分が良くなり気持ちが晴れやかになります。認知症老人も同じです。認知症だから何にも感じないのではありません。新しいことを記憶することは困難ですが、気持ちは豊かです。
特に、昔の歌や踊り、長い間行なってきた料理や仕事などは、“手続き記憶”といって、認知症になってもかなりの部分残っています。理屈ではなく体で覚えているのです。
集団の場が好きな人は、グループ活動をしている場へ参加し、興味のある場面であれば自然に溶け込んで楽しむ機会になります。参加することで他者との機会も広がり、他者との関係ができたり、関係の中で快い刺激も出てきます。
例えば、色々なグループ活動をしている場面に接していくうちに、今まで経験したことがなくても、絵などを描いたことがなくても、偶然描いた作品が他者からほめられたりすると、そのことがきっかけで味のある作品が生まれてくる場合があります。認知症になっても隠れた能力を発揮することができるのです。
それらの機会を上手に作ることが大切です。また、独りが好きな人は昔習った楽器や好きな音楽を聞くのも良いでしょう。縫い物が好きなのであれば簡単な小物などを作り、日常生活の中で使用し、役にたっていることを伝え、感謝の気持ちを表すことも一つの方法です。
失敗感を持たせないように、完成した作品から、可能性を見出せるようにするとともに、他者が評価することで自信を取り戻せ、新しいことを挑戦する糸口にします。
完全で穏やかな生活の中に、心が動くような楽しい生活環境をつくることなのです。感覚は健康な人と同じです。精神的な部分に触れるような働きかけが意欲を引き出し、生きいきするのです。良い刺激を絶えず与える工夫をしましょう。

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(認知症予防協会)
第5条 意欲の活性化
本人を 生きいきさせる 良い刺激
人は誰でも快い環境や雰囲気、ほどよい刺激を受けると、気分が良くなり気持ちが晴れやかになります。認知症老人も同じです。認知症だから何にも感じないのではありません。新しいことを記憶することは困難ですが、気持ちは豊かです。
特に、昔の歌や踊り、長い間行なってきた料理や仕事などは、“手続き記憶”といって、認知症になってもかなりの部分残っています。理屈ではなく体で覚えているのです。
集団の場が好きな人は、グループ活動をしている場へ参加し、興味のある場面であれば自然に溶け込んで楽しむ機会になります。参加することで他者との機会も広がり、他者との関係ができたり、関係の中で快い刺激も出てきます。
例えば、色々なグループ活動をしている場面に接していくうちに、今まで経験したことがなくても、絵などを描いたことがなくても、偶然描いた作品が他者からほめられたりすると、そのことがきっかけで味のある作品が生まれてくる場合があります。認知症になっても隠れた能力を発揮することができるのです。
それらの機会を上手に作ることが大切です。また、独りが好きな人は昔習った楽器や好きな音楽を聞くのも良いでしょう。縫い物が好きなのであれば簡単な小物などを作り、日常生活の中で使用し、役にたっていることを伝え、感謝の気持ちを表すことも一つの方法です。
失敗感を持たせないように、完成した作品から、可能性を見出せるようにするとともに、他者が評価することで自信を取り戻せ、新しいことを挑戦する糸口にします。
完全で穏やかな生活の中に、心が動くような楽しい生活環境をつくることなのです。感覚は健康な人と同じです。精神的な部分に触れるような働きかけが意欲を引き出し、生きいきするのです。良い刺激を絶えず与える工夫をしましょう。

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2009年11月06日
認知症介護 家族の接し方10か条 第4条説得より納得
家族の接し方 10か条
(認知症予防協会)
第4条 理屈より 気持ちを通わせ 納得を
認知症高齢者は、勘違いや間違ったことを言ったり、したりすることが多いものです。この際に介護者は、正しい事実を示しながら理屈による説得をするのが普通です。しかし、中等度以上の認知症の場合には、それではなかなか納得しません。
それは、認知症高齢者は、以前に起こった知的体験や、出来事を広範囲に忘れているので、今の問題とそれに関係する忘れられた過去のものとの比較や関連付けができなく、また批判や反省もできなく、知的な判断が悪いと言えます。
さらに、事柄の内容の小さな個々のものは分かっても、それを組み合わせて全体として認識しないので、意味が分からず不問視されて、そのため矛盾というものがなく非倫理的な考え方なのです。したがって、理屈による説得には通じないことが多いのです。この際には、なじみの関係の中で、共感的な(相手と同じような考え方になり、心の面から通じる)納得を図ることが重要です。
中等度以上の老年認知症の80歳の助成のケースで説舞しましょう。彼女は食事をして10分もすると食べたことを忘れて、介護者にご飯を要求していました。介護者は彼女の唇にご飯粒がついていて、食卓におかずのかけらが落ちていル事実を指摘しながら、、ご飯を食べたことを理屈による説得を続けましたが、「それは他人が食べたもので知らない」と否定し続けました。
押し問答を繰り返していると、「私のご飯を食べさせないで殺すきか」と怒りだしてきました。その時、いつも食堂で並んで食べているなじみの女性高齢者が戻ってきて、「さっき私と一緒に食べたでしょう」と言うとそれは簡単に受け入れて、食事の要求はしなくなりました。
なじみの人のいう言葉には気持ちが通じて、心で分かるような納得のしかたをしているのです。これはそう難しいことではありません。なじみの関係をつくっておけば、容易にできることです。そうでなく高齢者の勘違いを、注意・叱責・監視・是正をし続けると、高齢者は困惑や混乱をしやすく、認知症の進み方を助長したりします。

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(認知症予防協会)
第4条 理屈より 気持ちを通わせ 納得を
認知症高齢者は、勘違いや間違ったことを言ったり、したりすることが多いものです。この際に介護者は、正しい事実を示しながら理屈による説得をするのが普通です。しかし、中等度以上の認知症の場合には、それではなかなか納得しません。
それは、認知症高齢者は、以前に起こった知的体験や、出来事を広範囲に忘れているので、今の問題とそれに関係する忘れられた過去のものとの比較や関連付けができなく、また批判や反省もできなく、知的な判断が悪いと言えます。
さらに、事柄の内容の小さな個々のものは分かっても、それを組み合わせて全体として認識しないので、意味が分からず不問視されて、そのため矛盾というものがなく非倫理的な考え方なのです。したがって、理屈による説得には通じないことが多いのです。この際には、なじみの関係の中で、共感的な(相手と同じような考え方になり、心の面から通じる)納得を図ることが重要です。
中等度以上の老年認知症の80歳の助成のケースで説舞しましょう。彼女は食事をして10分もすると食べたことを忘れて、介護者にご飯を要求していました。介護者は彼女の唇にご飯粒がついていて、食卓におかずのかけらが落ちていル事実を指摘しながら、、ご飯を食べたことを理屈による説得を続けましたが、「それは他人が食べたもので知らない」と否定し続けました。
押し問答を繰り返していると、「私のご飯を食べさせないで殺すきか」と怒りだしてきました。その時、いつも食堂で並んで食べているなじみの女性高齢者が戻ってきて、「さっき私と一緒に食べたでしょう」と言うとそれは簡単に受け入れて、食事の要求はしなくなりました。
なじみの人のいう言葉には気持ちが通じて、心で分かるような納得のしかたをしているのです。これはそう難しいことではありません。なじみの関係をつくっておけば、容易にできることです。そうでなく高齢者の勘違いを、注意・叱責・監視・是正をし続けると、高齢者は困惑や混乱をしやすく、認知症の進み方を助長したりします。

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2009年11月02日
認知症介護 家族の接し方10か条 第3条心のゆとり
家族の接し方10か条
(認知症予防協会より)
第3条 心のゆとり
怒らずに 相手に合わせる ゆとり持つ
在宅介護は日常生活の一環です。介護は家事や自営の場合はしごと、 、時には育児と平行して行なわなければなりません。ですから、介護者は理にかなった介護をと心がけても、なかなか思うように行かない場合が多くあります。認知症老人の意に添った介護を続けるためには、介護者は心に余裕を持ちたいものです。
認知症老人の行動には、介護者にとって迷惑なこと、驚くこと、いやがらせめいたことがあります。いわゆる問題行動といわれる行動です。しかし、その行動を問題と表現するのは介護者側であって、認知症老人にはそんなつもりはありません。皆さん目的や要求など、それなりのわけがあっての行動です。認知症老人の行動に対して、介護者側の価値観を押し付けて、行動を制することは、老人のプライドを傷つけたり、不安をかきたてたりします。そのことがストレスとなり、状態を悪くすることにつながります。
家族介護者は、認知症老人と毎日24時間一緒の生活では心理的に追い詰められ、良い介護が望めない場合があります。そのためには在宅介護は家族構成や環境などが異なりますが、可能な限り家族は介護の役割分担することです。曽於のことは介護者を孤立させない配慮となります。
さらに、介護者は介護者は完全主義はやめ、介護をオープンにし、多くの、特に近隣者の協力を得るようにしましょう。そして介護保険の通所サービスを利用し、時間的にも、精神的にもゆとりを持」などを利用するのも良いでしょう。
自分の現状や日頃の思いを話し、相手が受け入れてくれることにより、自然に自分の立場を客観視することができます。そのことがゆとりにつながり、認知症老人の心を思い優しさが生まれます。そして相手に合わせる対応ができるのです。

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(認知症予防協会より)
第3条 心のゆとり
怒らずに 相手に合わせる ゆとり持つ
在宅介護は日常生活の一環です。介護は家事や自営の場合はしごと、 、時には育児と平行して行なわなければなりません。ですから、介護者は理にかなった介護をと心がけても、なかなか思うように行かない場合が多くあります。認知症老人の意に添った介護を続けるためには、介護者は心に余裕を持ちたいものです。
認知症老人の行動には、介護者にとって迷惑なこと、驚くこと、いやがらせめいたことがあります。いわゆる問題行動といわれる行動です。しかし、その行動を問題と表現するのは介護者側であって、認知症老人にはそんなつもりはありません。皆さん目的や要求など、それなりのわけがあっての行動です。認知症老人の行動に対して、介護者側の価値観を押し付けて、行動を制することは、老人のプライドを傷つけたり、不安をかきたてたりします。そのことがストレスとなり、状態を悪くすることにつながります。
家族介護者は、認知症老人と毎日24時間一緒の生活では心理的に追い詰められ、良い介護が望めない場合があります。そのためには在宅介護は家族構成や環境などが異なりますが、可能な限り家族は介護の役割分担することです。曽於のことは介護者を孤立させない配慮となります。
さらに、介護者は介護者は完全主義はやめ、介護をオープンにし、多くの、特に近隣者の協力を得るようにしましょう。そして介護保険の通所サービスを利用し、時間的にも、精神的にもゆとりを持」などを利用するのも良いでしょう。
自分の現状や日頃の思いを話し、相手が受け入れてくれることにより、自然に自分の立場を客観視することができます。そのことがゆとりにつながり、認知症老人の心を思い優しさが生まれます。そして相手に合わせる対応ができるのです。

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2009年11月01日
最高のカウンセラーはすぐそばに
わが家流でいい! ほがらか介護
(介護カウンセラー羽成幸子氏より)
最高のカウンセラーはすぐそばに
人生の数だけ介護法はあります。つまり100人いたら100通りの介護法があるのです。人はそれぞれ、異なる環境、異なる家族の歴史を持っています。ですから介護者の気持ちもそれぞれ異なるわけで、人に分かってもらえないのも当然でしょう。
ですが、やはり“誰かに分かってもらいたい“理解してもらいたい”と思うのが介護者の率直な気持ちです。ところで、実はすぐそばにカウンセラーがいるのです。それは介護される人です。一番の理解者は介護される人であってほしいと思います。
介護者の気持ちを受け止めてくれる人は、日ごろの介護を良く知っている人です。それが介護される人なのです。介護される人を弱者と捕らえるのは間違っています。多くの場合人生の先輩です。老いは体を不自由にしたり、身体機能を衰えさせたりしますが、人間を弱くしているわけではありません。
長年培ってきた経験や、養った寛容さを信じて、自分の気持ちをもっとぶつけてみてはいかがでしょうか。長い人生を生き抜いてきた先輩の強さを知ると、介護者の気持ちは、がぜん楽になります。
認知症の母親を抱えている娘さんがいました。ウンチを引きさしにしまったり、手ぬぐいに包んだりする行動に、ほとほと困り果てた娘さんは、母親に向かって思わず、「お母さん、死んでよ」と叫びました。叫んだ瞬間娘さんは、自分の言葉におののきました。ですがそのお母さんの切り返しが見事でした。「お前も一緒に連れて行く!」
私ははこのやり取りが大好きです。母さん心の強さは娘さんの心を大きく包みこんでくれました。これでよいと思います。私も言うことを聞いてくれない義母に、「おばあちゃんの世話、もう嫌になっちゃった」と言ったことがあります。すると義母はすかさず、「あんた私だったら、3回で逃げ出すよ」と言い返してくれました。この一言で私の気持ちは一気に晴れました。
向き合うことをあきらめないかぎり、介護される人は、最高のカウンセラーなのです。

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(介護カウンセラー羽成幸子氏より)
最高のカウンセラーはすぐそばに
人生の数だけ介護法はあります。つまり100人いたら100通りの介護法があるのです。人はそれぞれ、異なる環境、異なる家族の歴史を持っています。ですから介護者の気持ちもそれぞれ異なるわけで、人に分かってもらえないのも当然でしょう。
ですが、やはり“誰かに分かってもらいたい“理解してもらいたい”と思うのが介護者の率直な気持ちです。ところで、実はすぐそばにカウンセラーがいるのです。それは介護される人です。一番の理解者は介護される人であってほしいと思います。
介護者の気持ちを受け止めてくれる人は、日ごろの介護を良く知っている人です。それが介護される人なのです。介護される人を弱者と捕らえるのは間違っています。多くの場合人生の先輩です。老いは体を不自由にしたり、身体機能を衰えさせたりしますが、人間を弱くしているわけではありません。
長年培ってきた経験や、養った寛容さを信じて、自分の気持ちをもっとぶつけてみてはいかがでしょうか。長い人生を生き抜いてきた先輩の強さを知ると、介護者の気持ちは、がぜん楽になります。
認知症の母親を抱えている娘さんがいました。ウンチを引きさしにしまったり、手ぬぐいに包んだりする行動に、ほとほと困り果てた娘さんは、母親に向かって思わず、「お母さん、死んでよ」と叫びました。叫んだ瞬間娘さんは、自分の言葉におののきました。ですがそのお母さんの切り返しが見事でした。「お前も一緒に連れて行く!」
私ははこのやり取りが大好きです。母さん心の強さは娘さんの心を大きく包みこんでくれました。これでよいと思います。私も言うことを聞いてくれない義母に、「おばあちゃんの世話、もう嫌になっちゃった」と言ったことがあります。すると義母はすかさず、「あんた私だったら、3回で逃げ出すよ」と言い返してくれました。この一言で私の気持ちは一気に晴れました。
向き合うことをあきらめないかぎり、介護される人は、最高のカウンセラーなのです。

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2009年10月31日
認知症介護 家族の接し方10か条 第2条
家族の接し方10か条
(認知症予防協会より)
第2条 心の受容
意に添って 心受け止め 温かく
認知症老人の介護が上手にできるか、挫折してしまうかには、種々の要因が関連しますが、何より重要なことは介護者が老人の言動をいかに受け止めることができるかにかかっています。認知症老人は明らかに事実とは違ったことを口走ったり、間違った行動や理解できない行動をしばしば示したりします。
例えば、自分の家にいながら自宅に帰りたいと言って飛び出して行ったり、定年退職しているのにこれから会社に出勤すると言って身支度を始めたり、誰かが財布を盗んだと言って騒いだりします。また、執拗な要求や理由もなく突然怒り出したりすることもあります。
認知症老人とっては、たとえ事実とは違っていても自分なりの考えや思い込みががあってそのように口走ったり、要求したり、行動したりしているようです。そのような時に、間違っているからと言ってその度に強い調子で間違いを正したり、理屈で説明したり、頭ごなしに叱ったりすることは避けなければなりません。特に頼っている人からの叱責は認知症老人の心を強く傷つけます。叱られることによって認知症老人は、時に向きになって反発し興奮したり、あるいはどんな態度をとったらよいのかわからなくなり、途方にくれ遂には混乱してしまったりします。。
落ち込んだり認知症が進むことさえみられます。少しぐらい失敗や問題があっても認知症老人が思っていること、行動しようとしていること、心配していることをよく聞いてあげ、その心をくみ取って納得が得られるような、意に沿った温かい対応をしてあげることが何よりも大切です。
それには、介護者が認知症老人にみられる特性を十分に理解し、少しくらいなら間違いは多めにみて上げるくらいの心のゆとりを持ち、本人の欠点ばかり目を向けないで、残された健康な心の部分を支えてあげましょう。

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(認知症予防協会より)
第2条 心の受容
意に添って 心受け止め 温かく
認知症老人の介護が上手にできるか、挫折してしまうかには、種々の要因が関連しますが、何より重要なことは介護者が老人の言動をいかに受け止めることができるかにかかっています。認知症老人は明らかに事実とは違ったことを口走ったり、間違った行動や理解できない行動をしばしば示したりします。
例えば、自分の家にいながら自宅に帰りたいと言って飛び出して行ったり、定年退職しているのにこれから会社に出勤すると言って身支度を始めたり、誰かが財布を盗んだと言って騒いだりします。また、執拗な要求や理由もなく突然怒り出したりすることもあります。
認知症老人とっては、たとえ事実とは違っていても自分なりの考えや思い込みががあってそのように口走ったり、要求したり、行動したりしているようです。そのような時に、間違っているからと言ってその度に強い調子で間違いを正したり、理屈で説明したり、頭ごなしに叱ったりすることは避けなければなりません。特に頼っている人からの叱責は認知症老人の心を強く傷つけます。叱られることによって認知症老人は、時に向きになって反発し興奮したり、あるいはどんな態度をとったらよいのかわからなくなり、途方にくれ遂には混乱してしまったりします。。
落ち込んだり認知症が進むことさえみられます。少しぐらい失敗や問題があっても認知症老人が思っていること、行動しようとしていること、心配していることをよく聞いてあげ、その心をくみ取って納得が得られるような、意に沿った温かい対応をしてあげることが何よりも大切です。
それには、介護者が認知症老人にみられる特性を十分に理解し、少しくらいなら間違いは多めにみて上げるくらいの心のゆとりを持ち、本人の欠点ばかり目を向けないで、残された健康な心の部分を支えてあげましょう。

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2009年10月29日
認知症介護 家族の接し方 10か条 第1条
家族の接し方10か条
(認知症予防協会より)
第1条 なじみの関係
顔なじみ 落ち着き与える 安心感
認知症というハンディキャップを持った高齢者に、認知症を一生の問題とし対応してゆくときには、その成果との援助や介護が大きな課題となります。これについては、日常生活の動作(食事、排泄、更衣、清潔、移動など)の介助は必須のものです。しかし、身近な人(家族、親戚、近くの知人等)との人間関係を主にした社会生活活動の援助も、少しでも人間らしく生きていく上で、欠かせない重要なものです。これらについて高齢者の生き方では、良く知り頼りになる“馴染みの人”(普通は家族)とともに、安心した普通の生活が送れるようにすることが、基本的に重視されます。
中等度以上の認知症高齢者の場合には、常に身近にいて心が結びついている人は、他人でも昔から、知って分かっている人(身内、知人、世話になった人、、小学校の同級生)と勘違いして、全くそのつもりで、もっともらしい態度で頼りにして生きていったりします。
この際には、間違っていようが、親近感や同じ仲間という“なじみの心”で結ばれていて、高齢者に最も必要な安心・安住がもたらされていることが注目されます。これを特に施設入所の認知症高齢者で見ていると、その相手は名前は覚えてなくても顔は見知り覚えて、“顔なじみの関係”ができて一緒に暮らしていくと、入所の主な理由の問題行動や精神症状は自然に消えていったりします。
この“なじみの関係”の意義は、個々には安心安住の拠り所があり、一緒に生きいきと楽しげに暮らし、認知症高齢者の生きがいになっています。特になじみの関係に一番近く自然な姿は原則としていうまでもなく家族です。そこは高齢者が最も住みよく生きよいと所で、これは在宅介護の基盤ともなっています。
この反対派、高齢者を冷たく不適切に扱うと、家は不安の場となり身内の人でも他人にされたり、忘れられていったりします。以上のことは、健常な高齢者にも全く同じようにいえることです。

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(認知症予防協会より)
第1条 なじみの関係
顔なじみ 落ち着き与える 安心感
認知症というハンディキャップを持った高齢者に、認知症を一生の問題とし対応してゆくときには、その成果との援助や介護が大きな課題となります。これについては、日常生活の動作(食事、排泄、更衣、清潔、移動など)の介助は必須のものです。しかし、身近な人(家族、親戚、近くの知人等)との人間関係を主にした社会生活活動の援助も、少しでも人間らしく生きていく上で、欠かせない重要なものです。これらについて高齢者の生き方では、良く知り頼りになる“馴染みの人”(普通は家族)とともに、安心した普通の生活が送れるようにすることが、基本的に重視されます。
中等度以上の認知症高齢者の場合には、常に身近にいて心が結びついている人は、他人でも昔から、知って分かっている人(身内、知人、世話になった人、、小学校の同級生)と勘違いして、全くそのつもりで、もっともらしい態度で頼りにして生きていったりします。
この際には、間違っていようが、親近感や同じ仲間という“なじみの心”で結ばれていて、高齢者に最も必要な安心・安住がもたらされていることが注目されます。これを特に施設入所の認知症高齢者で見ていると、その相手は名前は覚えてなくても顔は見知り覚えて、“顔なじみの関係”ができて一緒に暮らしていくと、入所の主な理由の問題行動や精神症状は自然に消えていったりします。
この“なじみの関係”の意義は、個々には安心安住の拠り所があり、一緒に生きいきと楽しげに暮らし、認知症高齢者の生きがいになっています。特になじみの関係に一番近く自然な姿は原則としていうまでもなく家族です。そこは高齢者が最も住みよく生きよいと所で、これは在宅介護の基盤ともなっています。
この反対派、高齢者を冷たく不適切に扱うと、家は不安の場となり身内の人でも他人にされたり、忘れられていったりします。以上のことは、健常な高齢者にも全く同じようにいえることです。

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2009年10月26日
認知症を理解する パート8
認知症を理解する パート8
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
7.認知症の人と接するときの心がまえ
「認知症の本人には自覚がない」は大きな間違い
認知症の症状に、最初に気づくのは本人です。物忘れによる失敗や、今まで苦もなく家事や仕事がうまくいかなくなるなどのことが徐々に多くなり、何となくおかしいと感じ始めます。とくに、認知症特有の言われても思い出せない物忘れが重なると、多くの人は何かが起こっているという不安を感じ始めます。しかし、ここから先は人それぞれです。
認知症を心配して抑うつ的になる人、そんなことは絶対ないと思うあまり、自分が忘れているのではなく、周囲の人が自分を陥れようとしているのだと妄想的になる人など。認知症になったのではないか、という不安は健康な人の想像を絶するものでしょう。認知症の人は何も分からないのではなく、誰よりも一番心配なのも、苦しいのも、悲しいのも本人です。
私は忘れていない!」に隠された悲しみ
現実には、少なからぬ認知症に人が、私は物忘れなんかない、病院なんかいく必要はない、と言い張り、家族を困らせています。早く診断をし、はっきりとした見通しを持って生活したい、本人を支えていきたいと願う家族にとって、本人のこうした頑なな否認は大きな困惑の元になります。
しかし、その他の事柄はまだまだ十分な理解力や判断力をもっているのに、自分の深刻なもの忘れに対してだけ、不自然なほど目をつぶる理由を考えて見ましょう。
こういう人でも、他の認知症の人のもの忘れが尋常でないということはすぐに分かります。つまり、私は忘れてなんかいない!という主張は、私が認知症だなんて!!というやり場のない怒りや悲しみ不安から、自分の心を守るための自衛反応なのです。
周囲の人が「認知症という病気になった人」の本当のこころを理解することは容易ではありませんが、認知症の人の隠された悲しみの表現であることを知っておくことは大切です。
こころのバリアフリーを
足の不自由な人は、杖や車椅子などの道具を使って自分の力で動こうとします。駅にはエレベーターの設置などバリアフリー化が進み、乗り降りがしやすくなってきています。また、手助けのいるときには援助を頼みます。
しかし、認知症の人は自分の障害を補う「杖」の使い方を覚えることができません。「杖」のつもりでメモを書いてもううまく思い出せず、何のことか分からなくなります。認知症の人への援助には、障害を理解し、さりげなく援助できる「人間杖」が必要です。
交通機関や店など町のあらゆるところで、温かく見守り、適切な援助をしてくれる人がいれば外出もでき、自分でやれることもずいぶん増えるでしょう。こころのバリアフリー社会をつくることが認知症サポーターの役割です。
かかわる人の心がまえ
認知症の問題は、介護問題だと考えるのはやめましょう。誰でも自分や家族が認知症になる可能性があります。。認知症という病気のことを理解したうえで、自分だったらどう生き抜くかということを考えなければ、認知症の人の支援は難しいのです。
健康な人の心情がさまざまであると同じように、認知症の人の心情もさまざまです。「認知症の人」がいるのではなく、私の友達のAさんが認知症になっただけです。友人としてすべきことは、認知症の障害を補いながら、今までどおり友達のAさんと付き合い続けることです。たまたま駅でまごまごしていたBさんは、認知症のために自動改札が通れられないらしい、だったら、ちょっと手助けして改札を通る手伝いをすればいい。さりげなく、自然に、それが一番の援助です

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(認知症サポーター養成講座標準教材より)
7.認知症の人と接するときの心がまえ
「認知症の本人には自覚がない」は大きな間違い
認知症の症状に、最初に気づくのは本人です。物忘れによる失敗や、今まで苦もなく家事や仕事がうまくいかなくなるなどのことが徐々に多くなり、何となくおかしいと感じ始めます。とくに、認知症特有の言われても思い出せない物忘れが重なると、多くの人は何かが起こっているという不安を感じ始めます。しかし、ここから先は人それぞれです。
認知症を心配して抑うつ的になる人、そんなことは絶対ないと思うあまり、自分が忘れているのではなく、周囲の人が自分を陥れようとしているのだと妄想的になる人など。認知症になったのではないか、という不安は健康な人の想像を絶するものでしょう。認知症の人は何も分からないのではなく、誰よりも一番心配なのも、苦しいのも、悲しいのも本人です。
私は忘れていない!」に隠された悲しみ
現実には、少なからぬ認知症に人が、私は物忘れなんかない、病院なんかいく必要はない、と言い張り、家族を困らせています。早く診断をし、はっきりとした見通しを持って生活したい、本人を支えていきたいと願う家族にとって、本人のこうした頑なな否認は大きな困惑の元になります。
しかし、その他の事柄はまだまだ十分な理解力や判断力をもっているのに、自分の深刻なもの忘れに対してだけ、不自然なほど目をつぶる理由を考えて見ましょう。
こういう人でも、他の認知症の人のもの忘れが尋常でないということはすぐに分かります。つまり、私は忘れてなんかいない!という主張は、私が認知症だなんて!!というやり場のない怒りや悲しみ不安から、自分の心を守るための自衛反応なのです。
周囲の人が「認知症という病気になった人」の本当のこころを理解することは容易ではありませんが、認知症の人の隠された悲しみの表現であることを知っておくことは大切です。
こころのバリアフリーを
足の不自由な人は、杖や車椅子などの道具を使って自分の力で動こうとします。駅にはエレベーターの設置などバリアフリー化が進み、乗り降りがしやすくなってきています。また、手助けのいるときには援助を頼みます。
しかし、認知症の人は自分の障害を補う「杖」の使い方を覚えることができません。「杖」のつもりでメモを書いてもううまく思い出せず、何のことか分からなくなります。認知症の人への援助には、障害を理解し、さりげなく援助できる「人間杖」が必要です。
交通機関や店など町のあらゆるところで、温かく見守り、適切な援助をしてくれる人がいれば外出もでき、自分でやれることもずいぶん増えるでしょう。こころのバリアフリー社会をつくることが認知症サポーターの役割です。
かかわる人の心がまえ
認知症の問題は、介護問題だと考えるのはやめましょう。誰でも自分や家族が認知症になる可能性があります。。認知症という病気のことを理解したうえで、自分だったらどう生き抜くかということを考えなければ、認知症の人の支援は難しいのです。
健康な人の心情がさまざまであると同じように、認知症の人の心情もさまざまです。「認知症の人」がいるのではなく、私の友達のAさんが認知症になっただけです。友人としてすべきことは、認知症の障害を補いながら、今までどおり友達のAさんと付き合い続けることです。たまたま駅でまごまごしていたBさんは、認知症のために自動改札が通れられないらしい、だったら、ちょっと手助けして改札を通る手伝いをすればいい。さりげなく、自然に、それが一番の援助です

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2009年10月25日
認知症を理解する パート7
認知症を理解する パート7
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
6.認知症の予防についての考え方
発症のリスクを少なくすする
認知症は脳の神経細胞ネットワークが何らかの原因で壊れてしまうことで生じ、加齢が最も大きな要因です。このため認知症は防ぎようがないと思われがちです。しかし、認知症の2割を占める脳血管性認知症の予防には、高血圧や高脂血症、肥満などの対策がとても有効です。また、認知症の半数以上を占めるアルツハイマー病でも、運動をはじめとする生活習慣病対策が発症のリスクを減らす(発症を遅らせる)ことが示されています。
とくに、楽しく運動することは、脳のアルツハイマー病変を弱めたり、記憶をつかさどる海馬の働きを高めることが示されています。認知症の発症を完全に防ぐことは困難ですが、生活習慣(運動や食事)に気を配ることで、発症や進行を遅らせることが期待されています。
老化によるの脳の病変に廃用(使わないこと)が加わると認知症の発症や進行を早めます。つまり、廃用は認知症の減員というより、加速因子と言えるでしょう。また、廃用の背景には、鬱病やアルツハイマー病初期に見られるうつ状態が、しばしば隠れています。ただ誘い出す対応だけでなく、その方の抱える不安や混乱に理解を示し魔性。また、抗うつ剤などの治療が必要なこともあります。
脳の活性化を図る
脳の活性化には、色々な方法がありますが、大切なことは楽しく行なうことです。仲間と一緒に昔の遊びや仕事などを語る回想法、音読や計算などの学習、音楽や絵画などの趣味活動を通じ、仲間と楽しく過ごすなかで、役割を演じ、前向きに生きる意欲がわいてきます。本人が嫌がるのに強要するのは本人のストレスや自信喪失につながり、逆効果の場合も少なくありません。
自治体では地域支援事業の介護予防事業のプログラムの一つとして「認知症予防」や「閉じこもり予防」などに取り組んでいます。仲間と楽しい時間を共有することによって、認知症の症状悪化、「廃用性認知機能低下」について一定の効果が期待されます。廃用防止の視点から積極的な活用が望まれます。

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(認知症サポーター養成講座標準教材より)
6.認知症の予防についての考え方
発症のリスクを少なくすする
認知症は脳の神経細胞ネットワークが何らかの原因で壊れてしまうことで生じ、加齢が最も大きな要因です。このため認知症は防ぎようがないと思われがちです。しかし、認知症の2割を占める脳血管性認知症の予防には、高血圧や高脂血症、肥満などの対策がとても有効です。また、認知症の半数以上を占めるアルツハイマー病でも、運動をはじめとする生活習慣病対策が発症のリスクを減らす(発症を遅らせる)ことが示されています。
とくに、楽しく運動することは、脳のアルツハイマー病変を弱めたり、記憶をつかさどる海馬の働きを高めることが示されています。認知症の発症を完全に防ぐことは困難ですが、生活習慣(運動や食事)に気を配ることで、発症や進行を遅らせることが期待されています。
老化によるの脳の病変に廃用(使わないこと)が加わると認知症の発症や進行を早めます。つまり、廃用は認知症の減員というより、加速因子と言えるでしょう。また、廃用の背景には、鬱病やアルツハイマー病初期に見られるうつ状態が、しばしば隠れています。ただ誘い出す対応だけでなく、その方の抱える不安や混乱に理解を示し魔性。また、抗うつ剤などの治療が必要なこともあります。
脳の活性化を図る
脳の活性化には、色々な方法がありますが、大切なことは楽しく行なうことです。仲間と一緒に昔の遊びや仕事などを語る回想法、音読や計算などの学習、音楽や絵画などの趣味活動を通じ、仲間と楽しく過ごすなかで、役割を演じ、前向きに生きる意欲がわいてきます。本人が嫌がるのに強要するのは本人のストレスや自信喪失につながり、逆効果の場合も少なくありません。
自治体では地域支援事業の介護予防事業のプログラムの一つとして「認知症予防」や「閉じこもり予防」などに取り組んでいます。仲間と楽しい時間を共有することによって、認知症の症状悪化、「廃用性認知機能低下」について一定の効果が期待されます。廃用防止の視点から積極的な活用が望まれます。

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2009年10月24日
認知症を理解する パート6
認知症を理解する パート6
5.認知症の診断・治療
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
早期診断・早期治療が大事なわけ
認知症はどうせ治らない病気だから病院へ行っても仕方ないという人がいますが、これは誤った考えです。認知症ついても早期受診、早期治療は非常に重要です。
治る病気や一時的な症状の場合がある
正常圧水頭症とか、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫等の場合、脳外科的な処置で劇的に良くなる場合があります。甲状腺ホルモンの異常な場合は、内科的な治療でよくなります。薬の不適切な使用が原因で認知症のような症状が出た場合は、薬をやめるか調整すれば回復します。ところが、こうした状態のまま長期間放置すると、脳の細胞が死んだり、恒久的な機能不全に陥って回復が不可能になります。一日も早く受診することが重要です。
早い時期に受診することのメリット
アルツハイマー病では、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすることができます。病気が理解できる時点で受診し、すこしづつ理解を深めていけば生活上の障害を軽減でき、その後のトラブルを減らすことも可能です。障害の軽いうちに障害の重くなったときの後見人を自分で決めておく(任意後見制度)などの準備や手配をしておけば、認知症であっても自分らしい生き方を全うすることが可能です。
初期は専門の医療機関の受診が不可欠
認知症の診断は初期ほど難しく、高度な検査機器と熟練した技術を要する検査が必要です。専門への医療機関受診が不可欠です。
受診の内容
CT,MRI、脳血流検査などの画像検査、記憶・知能などに関する心理的検査に加え、認知症のような症状を引き起こす身体の病気ではないことを確認する検査を行ないます。
認知症の治療
アルツハイマー型は薬で中核症状の進行を遅らせることができる
「塩酸ドネベジル」という薬が開発され、広く使用されています。衰えた海馬の細胞を活性化し、最大でおよそ10ヶ月、進行を遅らせることができますが、脳の細胞が死んでいくスピードを遅くしたり止めたりする作用はありません。本格的な治療薬は現在、開発が進んでおり、遠くない将来ワクチン療法が可能になるかも知れません」。
脳血管性認知症は進行を止められることもある
脳血管障害の再発や、怪我、身体の病気、環境の激変など大きなストレスによって階段を落ちるように進行することが多いので、これらを防ぐことにより進行が止まることがあります。事故や環境の変化が起こってしまったときは、本人がストレスにさらされないよう、できるだけ保護的に支援することが重要です。
精神症状には原因や状況に応じた療法を
中核症状以外の幻覚、妄想、うつなどの精神症状、失禁などの行動上の問題は、原因や状況に応じて、薬物療法、心理療法、環境の調整、周囲の人の理解など対応方法の工夫をします。
周辺症状と呼ばれるこれらの精神症状や、行動障害は、脳の細胞が壊れたこと(気質因子)、が複合的に関与して起こります。したがって、まず正しい見立てをして原因の推定をし、合理的な治療方針を決定し、現実的な対応をすることが重要です。
認知症の経過と専門家との関係
認知症の経過
認知症の経過は個人差が大きく、認知症が80代、90代で起こった場合は、脳の萎縮が進む前に別の病気や老衰で亡くななくます。早い時期に始まっても、進行が非常に遅い人や進行が止まってしまう人もあります。しかし、認知症によって脳の障害がどんどん進行する場合、精神機能の障害だけでなく身体機能の低下が起こり、数年から十数年の経過で歩行ができなくなり、寝たきりになります。最終的には口から食べ物を飲み込むことができなくなり、肺炎を繰り返すようになって亡くなります。
軽症のうちから専門家と信頼関係を築く
認知症が進行して寝たきりになる頃には、自分で介護や医療上の決定ができなくなります。しかし、現在の日本では、誰かにインフォームドコンセントの権限を委任するという法的制度がありません。法的後見人にも医療上の代諸権はないとされています。
早期に診断を受けても、できるだけ自分の力で生きていきたいと思う人、あるいは頼るべき人もなく、自分で生きていかざるを得ない人も少なくありません。そういうときは、地域福祉権利擁護や新しい成年後見制度(補助や任意後見)を活用しましょう。
かかりつけ医に相談に乗ってもらうケアマネジャーを持ち、これらの制度を十分利用すれば、かなり進行するまで自分の意思に沿った生活をすることができます。終末医療や介護の方針については、信頼できる誰かに任せなければならないので、自分の周りにいる人たちと十分コミュニケーションを保ち、自分の生き方や考え方を理解してもらいましょう。
本人に代わって意思決定を代行するときは、本人のこれまでの人生、価値観、現在の状況、、医学的な現状の評価と予後の見通しなどを参考に、決定をしなければなりません。

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5.認知症の診断・治療
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
早期診断・早期治療が大事なわけ
認知症はどうせ治らない病気だから病院へ行っても仕方ないという人がいますが、これは誤った考えです。認知症ついても早期受診、早期治療は非常に重要です。
治る病気や一時的な症状の場合がある
正常圧水頭症とか、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫等の場合、脳外科的な処置で劇的に良くなる場合があります。甲状腺ホルモンの異常な場合は、内科的な治療でよくなります。薬の不適切な使用が原因で認知症のような症状が出た場合は、薬をやめるか調整すれば回復します。ところが、こうした状態のまま長期間放置すると、脳の細胞が死んだり、恒久的な機能不全に陥って回復が不可能になります。一日も早く受診することが重要です。
早い時期に受診することのメリット
アルツハイマー病では、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすることができます。病気が理解できる時点で受診し、すこしづつ理解を深めていけば生活上の障害を軽減でき、その後のトラブルを減らすことも可能です。障害の軽いうちに障害の重くなったときの後見人を自分で決めておく(任意後見制度)などの準備や手配をしておけば、認知症であっても自分らしい生き方を全うすることが可能です。
初期は専門の医療機関の受診が不可欠
認知症の診断は初期ほど難しく、高度な検査機器と熟練した技術を要する検査が必要です。専門への医療機関受診が不可欠です。
受診の内容
CT,MRI、脳血流検査などの画像検査、記憶・知能などに関する心理的検査に加え、認知症のような症状を引き起こす身体の病気ではないことを確認する検査を行ないます。
認知症の治療
アルツハイマー型は薬で中核症状の進行を遅らせることができる
「塩酸ドネベジル」という薬が開発され、広く使用されています。衰えた海馬の細胞を活性化し、最大でおよそ10ヶ月、進行を遅らせることができますが、脳の細胞が死んでいくスピードを遅くしたり止めたりする作用はありません。本格的な治療薬は現在、開発が進んでおり、遠くない将来ワクチン療法が可能になるかも知れません」。
脳血管性認知症は進行を止められることもある
脳血管障害の再発や、怪我、身体の病気、環境の激変など大きなストレスによって階段を落ちるように進行することが多いので、これらを防ぐことにより進行が止まることがあります。事故や環境の変化が起こってしまったときは、本人がストレスにさらされないよう、できるだけ保護的に支援することが重要です。
精神症状には原因や状況に応じた療法を
中核症状以外の幻覚、妄想、うつなどの精神症状、失禁などの行動上の問題は、原因や状況に応じて、薬物療法、心理療法、環境の調整、周囲の人の理解など対応方法の工夫をします。
周辺症状と呼ばれるこれらの精神症状や、行動障害は、脳の細胞が壊れたこと(気質因子)、が複合的に関与して起こります。したがって、まず正しい見立てをして原因の推定をし、合理的な治療方針を決定し、現実的な対応をすることが重要です。
認知症の経過と専門家との関係
認知症の経過
認知症の経過は個人差が大きく、認知症が80代、90代で起こった場合は、脳の萎縮が進む前に別の病気や老衰で亡くななくます。早い時期に始まっても、進行が非常に遅い人や進行が止まってしまう人もあります。しかし、認知症によって脳の障害がどんどん進行する場合、精神機能の障害だけでなく身体機能の低下が起こり、数年から十数年の経過で歩行ができなくなり、寝たきりになります。最終的には口から食べ物を飲み込むことができなくなり、肺炎を繰り返すようになって亡くなります。
軽症のうちから専門家と信頼関係を築く
認知症が進行して寝たきりになる頃には、自分で介護や医療上の決定ができなくなります。しかし、現在の日本では、誰かにインフォームドコンセントの権限を委任するという法的制度がありません。法的後見人にも医療上の代諸権はないとされています。
早期に診断を受けても、できるだけ自分の力で生きていきたいと思う人、あるいは頼るべき人もなく、自分で生きていかざるを得ない人も少なくありません。そういうときは、地域福祉権利擁護や新しい成年後見制度(補助や任意後見)を活用しましょう。
かかりつけ医に相談に乗ってもらうケアマネジャーを持ち、これらの制度を十分利用すれば、かなり進行するまで自分の意思に沿った生活をすることができます。終末医療や介護の方針については、信頼できる誰かに任せなければならないので、自分の周りにいる人たちと十分コミュニケーションを保ち、自分の生き方や考え方を理解してもらいましょう。
本人に代わって意思決定を代行するときは、本人のこれまでの人生、価値観、現在の状況、、医学的な現状の評価と予後の見通しなどを参考に、決定をしなければなりません。

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2009年10月23日
認知症を理解する パート5
認知症を理解する パート5
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
身の回りのことに支障が起こってくる
排泄の失敗をれに認知症が進行すると、入浴、更衣、排泄、食事、など、基本的な生活動作に援助を必要とします。本人にとっても非常にショッキングな出来事ですが、周りの対応で本人のプライドを傷つけずにすみます。排泄の失敗の原因は1つではないことを理解しておくことが大切です。
①.トイレの場所が分からなくなる
場所の見当識障害、はじめは夜間だが、その後日中でも分からなくなる。
②.衣類の着脱に手間取って汚してしまう
脳血管性認知症で運動障害がある場合、アルツハイマー型認知症で行為がうまくできなくなっている場合など
③.切迫するまで尿意、便意を感じなくなる
④.尿意、便意を全く感じなくなる
最初に起こるのは、①か②です。①では、トイレの場所を分かりやすく、風呂場、玄関のたたきなど、トイレと間違えやすい場所のドアを隠す。夜間は、廊下の明かりをつけておく、トイレの明かりをつけドアを開け放しておく。②であれば、脱ぎ着に時間がかからない衣服で着慣れているものをにする。こうしたちょっとした工夫である程度解決します。③の場合は、排尿、排便の周期を観察して、定期的なトイレの遊動で対応できます。オムツが必要になるは④です。
排泄の失敗にはぜんりつせんひだいや膀胱炎など、身体の病気が原因のこともあります。本人が痛みなど身体の異常を感じにくくなるということもあるので、周囲の人が気をかける必要がああります。
周囲の人が疲弊する精神症状
しまい忘れから、もの取られ妄想へ
幻覚、妄想、抑うつ、夜間せんもうなどにの精神症状についてどう理解したらいいででしょう。なくしたものを盗まれたと思い込む、もの取られ妄想を例に考えて見ましょう
大事なものをしまい忘れるのは認知症の人なら多くの人に起こる中核症状です。いつものしまい忘れでなく、違う場所にしまいこみ、すっかり忘れたために、「通帳がなくなった!!」と始まります。人に頼らず自立して生きていきたいという気持ちの強い人では、じぶんがわすれるわけなどない(忘れたなどということが受け入れられない)と思うあまり、そばで世話をしてくれている人が盗んだという、もの取られ妄想がしばしば起こります。
これは、もの忘れという中核症状に、自立心が強いという性格や、心ならずも家族に迷惑をかけているという状況が影響して起こる周辺症状です。なくし物が出てくればそれで収まる妄想ですから、周囲の人はあまり振興にならず、疑われている介護者が疲弊しないように心理的な支援をすることが大事です。こういう妄想は時間が来れば自然に見られなくなります。
もの取られ妄想がより複雑な妄想になることも
妄想的になりやすい素質をもった人に、ストレスがかかった時に、単純なもの取られ妄想から、「嫁は家の財産をねらっている」とか「家を乗っ取られる」といった妄想に発展します。これには「妄想になりやすい」という素質が深く関与しているので、妄想を治療する抗精神薬が効果を上げるげることが少なくありません。
単純なもの取られ妄想にしては訴えがオーバーだったり、執拗だったたりするときは、妄想の対象となっている人を守るためにも、本人の症状を軽減するためにも、認知症をよく理解する専門医に相談することが重要です。

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(認知症サポーター養成講座標準教材より)
身の回りのことに支障が起こってくる
排泄の失敗をれに認知症が進行すると、入浴、更衣、排泄、食事、など、基本的な生活動作に援助を必要とします。本人にとっても非常にショッキングな出来事ですが、周りの対応で本人のプライドを傷つけずにすみます。排泄の失敗の原因は1つではないことを理解しておくことが大切です。
①.トイレの場所が分からなくなる
場所の見当識障害、はじめは夜間だが、その後日中でも分からなくなる。
②.衣類の着脱に手間取って汚してしまう
脳血管性認知症で運動障害がある場合、アルツハイマー型認知症で行為がうまくできなくなっている場合など
③.切迫するまで尿意、便意を感じなくなる
④.尿意、便意を全く感じなくなる
最初に起こるのは、①か②です。①では、トイレの場所を分かりやすく、風呂場、玄関のたたきなど、トイレと間違えやすい場所のドアを隠す。夜間は、廊下の明かりをつけておく、トイレの明かりをつけドアを開け放しておく。②であれば、脱ぎ着に時間がかからない衣服で着慣れているものをにする。こうしたちょっとした工夫である程度解決します。③の場合は、排尿、排便の周期を観察して、定期的なトイレの遊動で対応できます。オムツが必要になるは④です。
排泄の失敗にはぜんりつせんひだいや膀胱炎など、身体の病気が原因のこともあります。本人が痛みなど身体の異常を感じにくくなるということもあるので、周囲の人が気をかける必要がああります。
周囲の人が疲弊する精神症状
しまい忘れから、もの取られ妄想へ
幻覚、妄想、抑うつ、夜間せんもうなどにの精神症状についてどう理解したらいいででしょう。なくしたものを盗まれたと思い込む、もの取られ妄想を例に考えて見ましょう
大事なものをしまい忘れるのは認知症の人なら多くの人に起こる中核症状です。いつものしまい忘れでなく、違う場所にしまいこみ、すっかり忘れたために、「通帳がなくなった!!」と始まります。人に頼らず自立して生きていきたいという気持ちの強い人では、じぶんがわすれるわけなどない(忘れたなどということが受け入れられない)と思うあまり、そばで世話をしてくれている人が盗んだという、もの取られ妄想がしばしば起こります。
これは、もの忘れという中核症状に、自立心が強いという性格や、心ならずも家族に迷惑をかけているという状況が影響して起こる周辺症状です。なくし物が出てくればそれで収まる妄想ですから、周囲の人はあまり振興にならず、疑われている介護者が疲弊しないように心理的な支援をすることが大事です。こういう妄想は時間が来れば自然に見られなくなります。
もの取られ妄想がより複雑な妄想になることも
妄想的になりやすい素質をもった人に、ストレスがかかった時に、単純なもの取られ妄想から、「嫁は家の財産をねらっている」とか「家を乗っ取られる」といった妄想に発展します。これには「妄想になりやすい」という素質が深く関与しているので、妄想を治療する抗精神薬が効果を上げるげることが少なくありません。
単純なもの取られ妄想にしては訴えがオーバーだったり、執拗だったたりするときは、妄想の対象となっている人を守るためにも、本人の症状を軽減するためにも、認知症をよく理解する専門医に相談することが重要です。

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2009年10月20日
認知症を理解する パート4
認知症を理解する パート4
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
症状5ー感情表現の変化
認知症になるとその場の状況が読めない
通常、自分の感情を表現した場合の周囲のリアクションは想像がつきます。私たちが育ってきた文化や環境、周囲の個性を学習して記憶しているからです。さらに相手が知っている人なら、、かなり確実に予測ができます。
認知症の人はときとして周囲の人が予測しない、思いがけない周囲の反応を示します。それは認知症による記憶障害や、見当識障害、、理解、判断の障害のため、周囲からの刺激や情報に対して解釈できなくなっているからです。
たとえば、「そんな馬鹿な」!ということばを、その場の状況を読めずに、自分が「馬鹿」と言われたと解釈した認知症の人にストレートに怒りの感情をぶつけられたら、怒られた人は、びっくりしてしまいます。認知症の人の行動が分かっていれば、少なくとも本人にとっては不自然な感情表現ではないことが理解できます。
4.周辺症状とその支援
元気がなくなり、引っ込み思案になることがある
認知症の初期にうつ状態を示すことがありますが、原因には「物忘れなど認知機能の低下を自覚し、将来を悲観してうつ状態になる」 という考え方と、「元気や、やる気が出ないこと自体が、脳の細胞が死んでしまった結果である」という考え方があります。
自身を失い、すべてが面倒に
認知症の症状が出てくると、周囲が気づく前から、本人は漠然と気づいています。これまでテキパキできた料理も手順が悪く来たら出前をとることになり、日ごろの食事もできあいの惣菜ですますようになります。
家の整理、整頓や掃除も同じです。片付けるつもりが散らかって収拾がつかなくなり、室内はごちゃごちゃ、大事なものはどこかにいってしまうことになります。意欲や気力が減退したように見えるので、うつ病とよく間違えられます。周囲からだらしがなくなったと思われることもあるよです。全てが面倒で、以前はおもしろかったことでも、興味がわかないと感じる場合も多いようです。
将来の望みを失ってうつ状態になる場合も
能力の低下を強く自覚し、密かに認知症に関する本で調べたりしている人もいます。そして自ら認知症を疑って将来に望みをなくし、うつ状態になることもあります。周囲の対応としては、本人に恥を欠かせないようにすることが大事です。「できることをやってもらう」ことは必要ですが、できたはずのことができなくなるという経験をさせ、本人の自信をなくすという結果になったのでは逆効果です。自分の能力が低下してしまったことを再認識させるようなことは、ますます自信を失わせます。例えば、昔、書道が上手かったからといって書道を強調すると、本人にとっては下手になった文字を見るのは辛いと考えることもあるのです。
それとなく手助けして成功体験に結びつけることができれば、少しでも笑顔が戻るようになるでしょう。うつ状態にあるときには周囲からの「がんばれ」が負担になるので、注意が必要です。

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(認知症サポーター養成講座標準教材より)
症状5ー感情表現の変化
認知症になるとその場の状況が読めない
通常、自分の感情を表現した場合の周囲のリアクションは想像がつきます。私たちが育ってきた文化や環境、周囲の個性を学習して記憶しているからです。さらに相手が知っている人なら、、かなり確実に予測ができます。
認知症の人はときとして周囲の人が予測しない、思いがけない周囲の反応を示します。それは認知症による記憶障害や、見当識障害、、理解、判断の障害のため、周囲からの刺激や情報に対して解釈できなくなっているからです。
たとえば、「そんな馬鹿な」!ということばを、その場の状況を読めずに、自分が「馬鹿」と言われたと解釈した認知症の人にストレートに怒りの感情をぶつけられたら、怒られた人は、びっくりしてしまいます。認知症の人の行動が分かっていれば、少なくとも本人にとっては不自然な感情表現ではないことが理解できます。
4.周辺症状とその支援
元気がなくなり、引っ込み思案になることがある
認知症の初期にうつ状態を示すことがありますが、原因には「物忘れなど認知機能の低下を自覚し、将来を悲観してうつ状態になる」 という考え方と、「元気や、やる気が出ないこと自体が、脳の細胞が死んでしまった結果である」という考え方があります。
自身を失い、すべてが面倒に
認知症の症状が出てくると、周囲が気づく前から、本人は漠然と気づいています。これまでテキパキできた料理も手順が悪く来たら出前をとることになり、日ごろの食事もできあいの惣菜ですますようになります。
家の整理、整頓や掃除も同じです。片付けるつもりが散らかって収拾がつかなくなり、室内はごちゃごちゃ、大事なものはどこかにいってしまうことになります。意欲や気力が減退したように見えるので、うつ病とよく間違えられます。周囲からだらしがなくなったと思われることもあるよです。全てが面倒で、以前はおもしろかったことでも、興味がわかないと感じる場合も多いようです。
将来の望みを失ってうつ状態になる場合も
能力の低下を強く自覚し、密かに認知症に関する本で調べたりしている人もいます。そして自ら認知症を疑って将来に望みをなくし、うつ状態になることもあります。周囲の対応としては、本人に恥を欠かせないようにすることが大事です。「できることをやってもらう」ことは必要ですが、できたはずのことができなくなるという経験をさせ、本人の自信をなくすという結果になったのでは逆効果です。自分の能力が低下してしまったことを再認識させるようなことは、ますます自信を失わせます。例えば、昔、書道が上手かったからといって書道を強調すると、本人にとっては下手になった文字を見るのは辛いと考えることもあるのです。
それとなく手助けして成功体験に結びつけることができれば、少しでも笑顔が戻るようになるでしょう。うつ状態にあるときには周囲からの「がんばれ」が負担になるので、注意が必要です。

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2009年10月18日
認知症を理解する パート3
認知症を理解する パート3
(認知主サポーター養成講座標準教材より)
症状3-理解・判断力の障害
認知症になると、ものを考えることにも障害が起こります。具体的な現象で次の変化が起こります。
1.考えるスピードが遅くなる
逆の見方をするなら、時間をかければ自分なりの結論にいたることが出来ます。急がせないことが大切です。
2.二つ以上のことが重なると上手く処理できなくなる。
一度に処理できる情報の量が減ります。念を押そうと思って長々と説明すると、益々混乱します。必要な話はシンプルにに表現することが大切です。
3.些細な変化、いつもと違う出来事で混乱をきたしやすくなる。
お葬式での不自然な行動や、夫の入院で混乱してしまったことをきっかけに認知症が発覚する場合があります。予想外のことが起こったとき、補いを守ってくれる人がいれば日常生活は継続できます。
4.観念的な事柄と現実的、具体的な事柄が結びつかなくなる
「糖尿病だから食べすぎはいけないと」ということはわかっているのに、目の前のお饅頭を食べてよいのかどうか判断できない。「倹約は大切」と言いながらセールスマンの口車にのって高価な羽布団を何組も買ってしまうということが起こります。また、目に見えないメカニズムが理解できなくなるので、自動販売機や交通機関の自動改札、銀行のATMなどの前では、まごまごしてしまいます。全自動洗濯機、火が目に見えないIHクッカーなど上手く使えなくなります。
症状4-実行機能障害
計画を立てて按配することが出来なくなる
スパーマーケットで大根を見て、健康な人は冷蔵庫にあった油揚げと一緒に味噌汁を作ろうと考えます。認知症になると冷蔵庫の油揚げのことはすっかり忘れて、大根と一緒に油揚げを買ってしまいます。
ところが、あとになっていざ夕食の準備に取りかかると、さっき買ってきた大根も油揚げも頭から消えています。冷蔵庫を開けて目に入った別の野菜で味噌汁を作り、冷蔵庫に油揚げが2つと大根が残ります。こういうことが幾度となく起こり冷蔵庫には同じ食材が並びます。
認知症の人にとっては、ご飯を炊き、同時進行でおかずを作るのは至難の業です。健康な人は頭の中で計画を立て、予想外の変化にも適切に按配してスムーズに進めることが出来ます。認知症になると按配したりができなくなり、日常生活が上手く進まなくなります。
保たれている能力を活用する支援
でも、認知症の人は「何も出来ない」わけではありません。献立を考えたり、料理を並行して進めることは上手くできませんが、だれかが、全体に目を配りつつ、按配をすれば一つひとつの調理の作業は上手に出来ます。「今日の味噌汁は、大根と油揚げだよね」の一言で油揚げが冷蔵庫にたまることはありません。「炊飯器のスイッチはそろそろ入れたほうが良いかな?」と聞いてくれる人がいれば、今までどうり、食事の準備ができます。こういう援助は根気がいるし疲れますが、認知症の人にとっては必要な支援です。
こうした手助けをしてくれる人がいれば、そのさきは自分でできるということが沢山あります。

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(認知主サポーター養成講座標準教材より)
症状3-理解・判断力の障害
認知症になると、ものを考えることにも障害が起こります。具体的な現象で次の変化が起こります。
1.考えるスピードが遅くなる
逆の見方をするなら、時間をかければ自分なりの結論にいたることが出来ます。急がせないことが大切です。
2.二つ以上のことが重なると上手く処理できなくなる。
一度に処理できる情報の量が減ります。念を押そうと思って長々と説明すると、益々混乱します。必要な話はシンプルにに表現することが大切です。
3.些細な変化、いつもと違う出来事で混乱をきたしやすくなる。
お葬式での不自然な行動や、夫の入院で混乱してしまったことをきっかけに認知症が発覚する場合があります。予想外のことが起こったとき、補いを守ってくれる人がいれば日常生活は継続できます。
4.観念的な事柄と現実的、具体的な事柄が結びつかなくなる
「糖尿病だから食べすぎはいけないと」ということはわかっているのに、目の前のお饅頭を食べてよいのかどうか判断できない。「倹約は大切」と言いながらセールスマンの口車にのって高価な羽布団を何組も買ってしまうということが起こります。また、目に見えないメカニズムが理解できなくなるので、自動販売機や交通機関の自動改札、銀行のATMなどの前では、まごまごしてしまいます。全自動洗濯機、火が目に見えないIHクッカーなど上手く使えなくなります。
症状4-実行機能障害
計画を立てて按配することが出来なくなる
スパーマーケットで大根を見て、健康な人は冷蔵庫にあった油揚げと一緒に味噌汁を作ろうと考えます。認知症になると冷蔵庫の油揚げのことはすっかり忘れて、大根と一緒に油揚げを買ってしまいます。
ところが、あとになっていざ夕食の準備に取りかかると、さっき買ってきた大根も油揚げも頭から消えています。冷蔵庫を開けて目に入った別の野菜で味噌汁を作り、冷蔵庫に油揚げが2つと大根が残ります。こういうことが幾度となく起こり冷蔵庫には同じ食材が並びます。
認知症の人にとっては、ご飯を炊き、同時進行でおかずを作るのは至難の業です。健康な人は頭の中で計画を立て、予想外の変化にも適切に按配してスムーズに進めることが出来ます。認知症になると按配したりができなくなり、日常生活が上手く進まなくなります。
保たれている能力を活用する支援
でも、認知症の人は「何も出来ない」わけではありません。献立を考えたり、料理を並行して進めることは上手くできませんが、だれかが、全体に目を配りつつ、按配をすれば一つひとつの調理の作業は上手に出来ます。「今日の味噌汁は、大根と油揚げだよね」の一言で油揚げが冷蔵庫にたまることはありません。「炊飯器のスイッチはそろそろ入れたほうが良いかな?」と聞いてくれる人がいれば、今までどうり、食事の準備ができます。こういう援助は根気がいるし疲れますが、認知症の人にとっては必要な支援です。
こうした手助けをしてくれる人がいれば、そのさきは自分でできるということが沢山あります。

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2009年10月18日
認知症を理解する パート2
認知症を理解する パート2
(認知症サポータ養成講座標準教材より)
3.中核症状
症状1ー記憶障害
人間には、目や耳のとらえた沢山の情報の中から関心のあるものを一時的にとらえておく器官(海馬、仮にイソギンチャクと呼ぶ)と、重要な情報を頭の中に長期に保存する「記憶の壷」が脳の中にあると考えてください。いったん「記憶の壷」に入れば、普段は思い出さなくても、必要なときに必要な情報を取り出すことができます。
しかし、年をとるとイソギンチャクの力が衰え、、一度に沢山の情報を捕まえておくことができなくなり、捕まえても、「壷」に移すのに手間取るようになります。「壷」の中から必要な情報を探し出すことも、時々失敗します。年をとっても
覚えが悪くなったッたり、ど忘れが増えるのはこのためです。それでもイソギンチャクの足はそれなりに機能しているので、二度三度と繰り返しているうち、大事な情報は「壷」に収まります。
ところが、認知症になると、いそぎんちゃくはの足が衰えてしまうため「壷」に収めることができなくなります。新しいことを記憶できずに、先ほど聞いたことさえ思い出せないのです。さらに、病気が進行すれば、「壷」が溶け始め、覚えていたはずの記憶も失われていきます。
症状2-見当識障害
見当識障害は、記憶障害と並んで早くから現れる障害です。
まず、時間や季節感の感覚が薄れることから
時間に関する見当識が薄らぐと、長時間待つとか、予定に合わせて準備することができなくなります。何回も年を押しておいた外出の時刻に準備ができなかったりします。もう少し進むと、時間感覚けでなく日付や季節、年次におよび、何回も今日は何日かと質問します。季節感のない服を着る、自分の年が分からないなどが起こります。
進行すると迷子になったり、遠くに歩いていこうとする
初めは方向感覚が薄らいでも、周囲の景色をヒントに道を間違えないで歩くことができますが、暗くてヒントがなくなると迷子になります。進行すると、近所で迷子になったり、夜、自宅のお手洗いの場所が分からなくなったりします。また、とうてい歩いていけそうにない距離を歩いて出かけようとします。
人間関係の見当識はかなり進行してから
過去に獲得した記憶をを失うという症状まで進行すると、自分の年齢や人の生死に関する記憶がなくなり、周囲の人との関係が分からなくなります。80歳の人が、30代以降の記憶が薄れてしまい、50歳の娘に対し、姉さん、叔母さんと呼んで家族を混乱させます。
又、とっくに亡くなった母親が心配しているからと、遠く離れた郷里の実家に歩いて帰ろうとすることもあります。
見当識とは、、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど、基本的な状況を把握することをいいます。

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(認知症サポータ養成講座標準教材より)
3.中核症状
症状1ー記憶障害
人間には、目や耳のとらえた沢山の情報の中から関心のあるものを一時的にとらえておく器官(海馬、仮にイソギンチャクと呼ぶ)と、重要な情報を頭の中に長期に保存する「記憶の壷」が脳の中にあると考えてください。いったん「記憶の壷」に入れば、普段は思い出さなくても、必要なときに必要な情報を取り出すことができます。
しかし、年をとるとイソギンチャクの力が衰え、、一度に沢山の情報を捕まえておくことができなくなり、捕まえても、「壷」に移すのに手間取るようになります。「壷」の中から必要な情報を探し出すことも、時々失敗します。年をとっても
覚えが悪くなったッたり、ど忘れが増えるのはこのためです。それでもイソギンチャクの足はそれなりに機能しているので、二度三度と繰り返しているうち、大事な情報は「壷」に収まります。
ところが、認知症になると、いそぎんちゃくはの足が衰えてしまうため「壷」に収めることができなくなります。新しいことを記憶できずに、先ほど聞いたことさえ思い出せないのです。さらに、病気が進行すれば、「壷」が溶け始め、覚えていたはずの記憶も失われていきます。
症状2-見当識障害
見当識障害は、記憶障害と並んで早くから現れる障害です。
まず、時間や季節感の感覚が薄れることから
時間に関する見当識が薄らぐと、長時間待つとか、予定に合わせて準備することができなくなります。何回も年を押しておいた外出の時刻に準備ができなかったりします。もう少し進むと、時間感覚けでなく日付や季節、年次におよび、何回も今日は何日かと質問します。季節感のない服を着る、自分の年が分からないなどが起こります。
進行すると迷子になったり、遠くに歩いていこうとする
初めは方向感覚が薄らいでも、周囲の景色をヒントに道を間違えないで歩くことができますが、暗くてヒントがなくなると迷子になります。進行すると、近所で迷子になったり、夜、自宅のお手洗いの場所が分からなくなったりします。また、とうてい歩いていけそうにない距離を歩いて出かけようとします。
人間関係の見当識はかなり進行してから
過去に獲得した記憶をを失うという症状まで進行すると、自分の年齢や人の生死に関する記憶がなくなり、周囲の人との関係が分からなくなります。80歳の人が、30代以降の記憶が薄れてしまい、50歳の娘に対し、姉さん、叔母さんと呼んで家族を混乱させます。
又、とっくに亡くなった母親が心配しているからと、遠く離れた郷里の実家に歩いて帰ろうとすることもあります。
見当識とは、、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど、基本的な状況を把握することをいいます。

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2009年10月17日
認知症を理解するパート1
認知症を理解する パート1
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
1.認知症とはどういうものですか?
脳は、私たちのほとんどがあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動もスムーズに運ばなくなります。認知症とは色々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が得てくる状態(およそ6ヶ月以上継続)を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、最も多いのは、脳の神経細胞がゆっくり死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体病等がこの「変性疾患」二あたります。
続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、能動脈硬化などのために、神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症です。
2.認知症の症状ー中核症状と周辺症状
脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などちゅうかっく症状と呼ばれるものです。これらの中核症状のため周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。
本人がもともと持っている性格、環境、人間関係などさまざまな要因がからみ合って、うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。。これらを周辺症状と呼ぶことがあります。
このほか認知症にはその原因となる病気によって多少の違いはあるものの、さまざまな身体的症状も出てきます。とくに血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体症状が合併することがあります。アルツハイマー型認知症でも、振興すると』歩行がつたなくなり、終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。

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(認知症サポーター養成講座標準教材より)
1.認知症とはどういうものですか?
脳は、私たちのほとんどがあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動もスムーズに運ばなくなります。認知症とは色々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が得てくる状態(およそ6ヶ月以上継続)を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、最も多いのは、脳の神経細胞がゆっくり死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、レビー小体病等がこの「変性疾患」二あたります。
続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、能動脈硬化などのために、神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症です。
2.認知症の症状ー中核症状と周辺症状
脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などちゅうかっく症状と呼ばれるものです。これらの中核症状のため周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。
本人がもともと持っている性格、環境、人間関係などさまざまな要因がからみ合って、うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。。これらを周辺症状と呼ぶことがあります。
このほか認知症にはその原因となる病気によって多少の違いはあるものの、さまざまな身体的症状も出てきます。とくに血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体症状が合併することがあります。アルツハイマー型認知症でも、振興すると』歩行がつたなくなり、終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。

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2009年10月14日
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第8法則
認知症をよく理解するための
8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師)
第8 法則 衰弱の進行に関する法則
「認知症の老化の速度は非常に速く、認知症のない人の約3倍のスピードで進行する」という特徴をいいます。認知症高齢者グループと正常高齢者グループのそれぞれ1年ごとの死亡率を5年間追跡した調査結果(聖マリアンナ医科大学長谷川和夫前理事長ら調査)、認知症高齢者の4年後の死亡率は83.2%で、正常高齢者グループの28.4%と比べると3倍になっていました。したがって何年何十年にわたって介護し続けなければならないのかと思い悩んでいる家族に対して、私は、次のように説明することにしています
「同じ年齢の正常な人と比べると、認知症の人の場合、老化が3倍のスピードで進むと考えてください。例えば、2年たてば6歳年をとったと同じ状態になりますから、6割位の人は認知症が出てから6~7年以内に死亡しています。見てあげられる期間は短いのです。」
介護に関する原則
「認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを、感じさせないようにする」。これが「介護に関する原則」です。私は認知症の人を介護する介護者に対して、「本人の感情や言動をまず受け入れて、それに合うシナリオを考え演じられる名優になってください。それが本人にとっても、あなたにとっても一番よい方法です。そして名優は時には悪役を演じなければなりませんよ」と話すことにしています。
認知症の人の世話をすることはときに大変辛く苦労が多いものです。介護者は家族の間で、あるいは経済的にも、また、社会に対しても、いろいろな問題を背負い込むものです。そんな場合も自分自身も俳優であると発想することは、心の負担をほんの少しでも軽くすることにもなるはずです。
とにかく認知症の人が、自分は周囲から認められているのだ、ここは安心して住めるところだ、と感じられるように日ごろから対応することが、一番楽で上手な介護になるのです。
「感情残像の法則」のところでも述べましたように一旦抱いた感情に関しては残像のように長い間残るので、認知症の人に良い感情をもってもらうことが介護のポイントになるのです。

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8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師)
第8 法則 衰弱の進行に関する法則
「認知症の老化の速度は非常に速く、認知症のない人の約3倍のスピードで進行する」という特徴をいいます。認知症高齢者グループと正常高齢者グループのそれぞれ1年ごとの死亡率を5年間追跡した調査結果(聖マリアンナ医科大学長谷川和夫前理事長ら調査)、認知症高齢者の4年後の死亡率は83.2%で、正常高齢者グループの28.4%と比べると3倍になっていました。したがって何年何十年にわたって介護し続けなければならないのかと思い悩んでいる家族に対して、私は、次のように説明することにしています
「同じ年齢の正常な人と比べると、認知症の人の場合、老化が3倍のスピードで進むと考えてください。例えば、2年たてば6歳年をとったと同じ状態になりますから、6割位の人は認知症が出てから6~7年以内に死亡しています。見てあげられる期間は短いのです。」
介護に関する原則
「認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを、感じさせないようにする」。これが「介護に関する原則」です。私は認知症の人を介護する介護者に対して、「本人の感情や言動をまず受け入れて、それに合うシナリオを考え演じられる名優になってください。それが本人にとっても、あなたにとっても一番よい方法です。そして名優は時には悪役を演じなければなりませんよ」と話すことにしています。
認知症の人の世話をすることはときに大変辛く苦労が多いものです。介護者は家族の間で、あるいは経済的にも、また、社会に対しても、いろいろな問題を背負い込むものです。そんな場合も自分自身も俳優であると発想することは、心の負担をほんの少しでも軽くすることにもなるはずです。
とにかく認知症の人が、自分は周囲から認められているのだ、ここは安心して住めるところだ、と感じられるように日ごろから対応することが、一番楽で上手な介護になるのです。
「感情残像の法則」のところでも述べましたように一旦抱いた感情に関しては残像のように長い間残るので、認知症の人に良い感情をもってもらうことが介護のポイントになるのです。

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2009年10月11日
家族介護者の心理 パート2
家族介護者の心理 パート2
( 認知症の人と家族の会 東京都支部 笹森貞子氏の一部より)
ステップ 2 拒絶期
介護者はせっかく気づき上げた我が家の生活リズムを守ろうと必死ですが、信じられないような老人の言動に振り回されストレスで一杯のことでしょう。介護者が嫁の場合は、結婚して嫁いでいる実の娘や親戚から好意とはいえ、色々な助言をされ混乱するのがこの時期なのです。なかには介護方法を学べとばかりに分厚い図書を送ってきたり、介護の支援もせず口だけ出す人もいます。それがまた、介護者の負担になりさらにストレスが溜まります。大変な思いの日々を送っている介護者にとってはどんなに理論的的に正しくても断定的に言われると感謝よりむしろ反感を覚えるものです。
介護者は孤立無援のような気持ちで介護を抱え込み被害者意識が強まり、介護に対して 否定的になってしまう場合があります。この時期は介護する家族、介護される老人にとって、とても辛い時期です。介護する家族は被害者意識が強く、逃げ腰となり、老人の辛さまで気づくゆとりがありません。このような時期はとくに介護者にとっては心の支えになる支援者が必要です。身内も介護に対する意見をいうより、介護者を支えるときです。介護支援ができなくても、ちょっとした言葉の気づかいが大きな支えになるときもあるのです。
この時期専門職の方には、介護者の辛い立場を十分受け止めていただき、共感受容していただきたいものです。「あなたの味方です」「どうぞ私に向かって愚痴をいっぱいはきだしてください」という気持ちで受け止めましょう。
ステップ 3 居直り期
「混乱」「拒絶」と通ってきた介護者自身、、多くのことを経験します。介護の現場に反発して逃げ出そうと考えたり、反省したりそれ以外の人間関係に悩んだり、色々な意味で介護の現実を知ってきました。経験から貴重なことを学び、認知症老人に対する理解も進み、それなりの対応の仕方も身につけました。そして1日1日が過ぎていきます。
介護者は「あんなに辛い思いをしながら介護を乗り切ってきた。これからも色々な場面で悩み奮闘するだろうが、あのときの苦しみを思えば今やっている介護は楽なものだこれからも頑張ってやるしかない!」「自然流でやれるだけやろう」というような心境になります。まさに居直りの境地です。
このように前向きな気持ちになり、周囲を見回して経験者の話を聞いたり、多くの人の協力を得ようという気持ちになります。
近所の人に認知症である身内の話を堂々と話すことができるようになり、協力をを依頼できるようになります。
介護者は複雑な悩み、迷いを抱えながらも結局ここまで到達したのです。介護を逃げずにここまで頑張ってきたという事実が、介護者の今後の介護の支えになるでしょう。常にプラス思考でくよくよせず、常に前向きな気持ちを持ち続けていこうという気持ちになります。
専門職の方には「ここまでよく頑張りましたね」「これからは自分の時間を持ちながら、自分にご褒美を上げる気持ちで休息の時間を持ちましょう」と伝えてほしいものです。専門職の評価は介護者の大きな心の支えになりますし、大きな力になります。

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( 認知症の人と家族の会 東京都支部 笹森貞子氏の一部より)
ステップ 2 拒絶期
介護者はせっかく気づき上げた我が家の生活リズムを守ろうと必死ですが、信じられないような老人の言動に振り回されストレスで一杯のことでしょう。介護者が嫁の場合は、結婚して嫁いでいる実の娘や親戚から好意とはいえ、色々な助言をされ混乱するのがこの時期なのです。なかには介護方法を学べとばかりに分厚い図書を送ってきたり、介護の支援もせず口だけ出す人もいます。それがまた、介護者の負担になりさらにストレスが溜まります。大変な思いの日々を送っている介護者にとってはどんなに理論的的に正しくても断定的に言われると感謝よりむしろ反感を覚えるものです。
介護者は孤立無援のような気持ちで介護を抱え込み被害者意識が強まり、介護に対して 否定的になってしまう場合があります。この時期は介護する家族、介護される老人にとって、とても辛い時期です。介護する家族は被害者意識が強く、逃げ腰となり、老人の辛さまで気づくゆとりがありません。このような時期はとくに介護者にとっては心の支えになる支援者が必要です。身内も介護に対する意見をいうより、介護者を支えるときです。介護支援ができなくても、ちょっとした言葉の気づかいが大きな支えになるときもあるのです。
この時期専門職の方には、介護者の辛い立場を十分受け止めていただき、共感受容していただきたいものです。「あなたの味方です」「どうぞ私に向かって愚痴をいっぱいはきだしてください」という気持ちで受け止めましょう。
ステップ 3 居直り期
「混乱」「拒絶」と通ってきた介護者自身、、多くのことを経験します。介護の現場に反発して逃げ出そうと考えたり、反省したりそれ以外の人間関係に悩んだり、色々な意味で介護の現実を知ってきました。経験から貴重なことを学び、認知症老人に対する理解も進み、それなりの対応の仕方も身につけました。そして1日1日が過ぎていきます。
介護者は「あんなに辛い思いをしながら介護を乗り切ってきた。これからも色々な場面で悩み奮闘するだろうが、あのときの苦しみを思えば今やっている介護は楽なものだこれからも頑張ってやるしかない!」「自然流でやれるだけやろう」というような心境になります。まさに居直りの境地です。
このように前向きな気持ちになり、周囲を見回して経験者の話を聞いたり、多くの人の協力を得ようという気持ちになります。
近所の人に認知症である身内の話を堂々と話すことができるようになり、協力をを依頼できるようになります。
介護者は複雑な悩み、迷いを抱えながらも結局ここまで到達したのです。介護を逃げずにここまで頑張ってきたという事実が、介護者の今後の介護の支えになるでしょう。常にプラス思考でくよくよせず、常に前向きな気持ちを持ち続けていこうという気持ちになります。
専門職の方には「ここまでよく頑張りましたね」「これからは自分の時間を持ちながら、自分にご褒美を上げる気持ちで休息の時間を持ちましょう」と伝えてほしいものです。専門職の評価は介護者の大きな心の支えになりますし、大きな力になります。
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2009年10月11日
家族介護者の心理について
家族介護者の心理 パート1
(認知症の人と家族の会 東京都支部代表笹森貞子氏のコメントの一部より)
2人3脚を開業して2年が経過しました、鷹岡病院での看護課長時代には体験できない利用者様の生き生きした笑顔が今の私の原動力かもしれません。今回は介護家族の苦悩の大変さをいつも身近に感じていますので、家族介護者のたどる心理についてお話します。
一昨日SBSの金スマで放映された南田洋子さんを介護する奮闘記をご覧になった方も多いと思います。色々なことを感じとり考えさせられました。
認知症老人を在宅で介護する家族介護者の心理について考えてみたいと思います。ほとんどの家族介護者は「混乱」「拒絶」「居直り」「受容」段階を通過するようです。認知症の看護を20年以上関わってきましたが、私もこの過程はは実感しています。その過程過程の中でどのように支援させいただくか、私のこれからの課題でもあります。一緒に学んで見ましょう!
ステップ 1 混乱期
多くの人は認知症老人を家庭でお世話するのは始めての経験です。身内の衰えに出会ったとき、それを認めたくない思い、そのような病気になってほしくない願い、さらに老人のこれからのこと、家族のいきさつの生活のことを考え、遂に感情的になったり落ち込んだり祖ます。
老人に対しても「しっかりしてほしい」と激しく関わったり、どちらかというと老人を追い詰めるような言動に出てしまうことが多いようです。今は老人性認知症をマスコミも取り上げて何かと情報も入りますし、認知症について学んでいる人もいます。冷静に受け止められる人もいますが、反面頭で理解していても現実とのギャップに悩み不安を増す人もいます。
混乱期では老人の衰えと、出会った時期の対応が大切です。家族も不安のあまり「ぼけたんじゃないの」「しっかりしてよ」などの声を掛ける人がいますが慎みたいものです。混乱している本人自身が今、一番辛い時期なのです。老人が逆に攻撃的になったりうつ的になったりします。このような早い時期にこそ受診が必要なのです。専門職の方に期待したいことは家族にきちんと認知症のことを教え、対応の仕方の基本を助言してほしいということです。少なくともよかれと思って自己流で逆の対応をしないようにしてほしいものです。

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(認知症の人と家族の会 東京都支部代表笹森貞子氏のコメントの一部より)
2人3脚を開業して2年が経過しました、鷹岡病院での看護課長時代には体験できない利用者様の生き生きした笑顔が今の私の原動力かもしれません。今回は介護家族の苦悩の大変さをいつも身近に感じていますので、家族介護者のたどる心理についてお話します。
一昨日SBSの金スマで放映された南田洋子さんを介護する奮闘記をご覧になった方も多いと思います。色々なことを感じとり考えさせられました。
認知症老人を在宅で介護する家族介護者の心理について考えてみたいと思います。ほとんどの家族介護者は「混乱」「拒絶」「居直り」「受容」段階を通過するようです。認知症の看護を20年以上関わってきましたが、私もこの過程はは実感しています。その過程過程の中でどのように支援させいただくか、私のこれからの課題でもあります。一緒に学んで見ましょう!
ステップ 1 混乱期
多くの人は認知症老人を家庭でお世話するのは始めての経験です。身内の衰えに出会ったとき、それを認めたくない思い、そのような病気になってほしくない願い、さらに老人のこれからのこと、家族のいきさつの生活のことを考え、遂に感情的になったり落ち込んだり祖ます。
老人に対しても「しっかりしてほしい」と激しく関わったり、どちらかというと老人を追い詰めるような言動に出てしまうことが多いようです。今は老人性認知症をマスコミも取り上げて何かと情報も入りますし、認知症について学んでいる人もいます。冷静に受け止められる人もいますが、反面頭で理解していても現実とのギャップに悩み不安を増す人もいます。
混乱期では老人の衰えと、出会った時期の対応が大切です。家族も不安のあまり「ぼけたんじゃないの」「しっかりしてよ」などの声を掛ける人がいますが慎みたいものです。混乱している本人自身が今、一番辛い時期なのです。老人が逆に攻撃的になったりうつ的になったりします。このような早い時期にこそ受診が必要なのです。専門職の方に期待したいことは家族にきちんと認知症のことを教え、対応の仕方の基本を助言してほしいということです。少なくともよかれと思って自己流で逆の対応をしないようにしてほしいものです。
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2009年10月10日
認知症を理解するための8大法則 1原則 第7法則
認知症を理解するための
8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師)
第7法則 症状の了解可能性に関する法則
老年期の知的低下の特性や、第1~第6法則でまとめたような認知症の特徴を考えれば、認知症の症状のほとんどは、認知症の人の立場に立ってみれば十分理解できるものである、という内容の法則です。
夜間不眠といって、夜間になると目を覚まして、家族、特に介護者の名前を呼んで起こすことがあります。家族にとっては大変な悩みとなります。どうしてこのようなことが起こるのか考えてみましょう。
認知症が始まると、時間や場所の見当がつかなくなる「見当識障害」が知的機能の低下の一面として出てきます。そうすると、今自分が寝ている所も分からなくなる。目を覚ますと、真っ暗でシーンとして誰もいない。認知症の人にとってみれば、自分がどこにいるのかわからなくなって、大変な恐怖感を覚えるわけです。
私たちが旅館に泊まって、夜中に目を覚ましたときのことを考えてみて下さい。自分の寝ているところがいつもの部屋と様子が違うので、誰れでも一瞬不安を感じます。ところが次の瞬間、旅館に泊まっていることを思い出して安心し、再び何事もなかったように眠るのです。もし、そのとき、いくら考えても自分がなぜここにいるのかがわからなかったらどうでしょう。「いったいなぜ、こんな知らないところにいるんだろう」「家族は自分を置き去りにして、どこかへ行ってしまったのではないか」「眠っている間に誘拐されて、ここに閉じ込められているのではないか」
さまざまな考えが次々と頭に浮かんできて、数分後にはひどい恐怖に襲われることになるでしょう。
そういうときに私たちはどうするかというと、誰もいなければ一番頼りになる人の名前を呼んで、その人が来てくれるまで呼び続けるでしょう。また、歩く自由があれば、あらゆる部屋を探し回って自分の知っている人がいないか、つまり夫や妻はいないか、子供はいないかと探し回るはずです。
認知症の人も、このような状態に置かれたのと全く同じ行動を示していると考えれば、そんなにおかしくないはずです。したがって夜間の徘徊をおさえるにどうすればよいかということは、認知症の人の気持ちになってみればよく分かります。まず、ここは自分の部屋だと分かるようにしてあげて恐怖感を和らげてあげることがポイントです。
そのコツには以下のようなことがあげられます。
部屋も老化も明るくしておく、めをさましたときに、いつも使っているタンスや衣類が分かるようにしておく、夜中でも手日やラジオを適切な音量でつけておく、家族の声や好きな歌など録音したテープを流すなどいろいろな音が聞こえるようにしておくなど。大事なことは、認知症のひとの恐怖感をいかにおさえるかということです。
(社)認知症の人と家族の会のベテラン介護者は、こういうケースで困ったときは、添い寝をしてあげ、目を覚ましたときには「大丈夫よ」と言って手を握ってあげるということをしていました。そうすると、それほどひどく騒がないで眠ってくれるし、自分もよく休めるという事でした。私たちも子どもの頃何年間も母親に添い寝をしてもらいながら眠りについたことを思い出せばよいでしょう。
ところで、認知症の人の言動を正しく了解する上では、過去の経験が現在の認知症の症状と深い関連をもっている場合も少なくないことを覚えておいて下さい。周囲の人は本人の生活歴・職業歴を詳しく知って、認知症の人の気持ちを理解するように勤めることが大切です。

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8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師)
第7法則 症状の了解可能性に関する法則
老年期の知的低下の特性や、第1~第6法則でまとめたような認知症の特徴を考えれば、認知症の症状のほとんどは、認知症の人の立場に立ってみれば十分理解できるものである、という内容の法則です。
夜間不眠といって、夜間になると目を覚まして、家族、特に介護者の名前を呼んで起こすことがあります。家族にとっては大変な悩みとなります。どうしてこのようなことが起こるのか考えてみましょう。
認知症が始まると、時間や場所の見当がつかなくなる「見当識障害」が知的機能の低下の一面として出てきます。そうすると、今自分が寝ている所も分からなくなる。目を覚ますと、真っ暗でシーンとして誰もいない。認知症の人にとってみれば、自分がどこにいるのかわからなくなって、大変な恐怖感を覚えるわけです。
私たちが旅館に泊まって、夜中に目を覚ましたときのことを考えてみて下さい。自分の寝ているところがいつもの部屋と様子が違うので、誰れでも一瞬不安を感じます。ところが次の瞬間、旅館に泊まっていることを思い出して安心し、再び何事もなかったように眠るのです。もし、そのとき、いくら考えても自分がなぜここにいるのかがわからなかったらどうでしょう。「いったいなぜ、こんな知らないところにいるんだろう」「家族は自分を置き去りにして、どこかへ行ってしまったのではないか」「眠っている間に誘拐されて、ここに閉じ込められているのではないか」
さまざまな考えが次々と頭に浮かんできて、数分後にはひどい恐怖に襲われることになるでしょう。
そういうときに私たちはどうするかというと、誰もいなければ一番頼りになる人の名前を呼んで、その人が来てくれるまで呼び続けるでしょう。また、歩く自由があれば、あらゆる部屋を探し回って自分の知っている人がいないか、つまり夫や妻はいないか、子供はいないかと探し回るはずです。
認知症の人も、このような状態に置かれたのと全く同じ行動を示していると考えれば、そんなにおかしくないはずです。したがって夜間の徘徊をおさえるにどうすればよいかということは、認知症の人の気持ちになってみればよく分かります。まず、ここは自分の部屋だと分かるようにしてあげて恐怖感を和らげてあげることがポイントです。
そのコツには以下のようなことがあげられます。
部屋も老化も明るくしておく、めをさましたときに、いつも使っているタンスや衣類が分かるようにしておく、夜中でも手日やラジオを適切な音量でつけておく、家族の声や好きな歌など録音したテープを流すなどいろいろな音が聞こえるようにしておくなど。大事なことは、認知症のひとの恐怖感をいかにおさえるかということです。
(社)認知症の人と家族の会のベテラン介護者は、こういうケースで困ったときは、添い寝をしてあげ、目を覚ましたときには「大丈夫よ」と言って手を握ってあげるということをしていました。そうすると、それほどひどく騒がないで眠ってくれるし、自分もよく休めるという事でした。私たちも子どもの頃何年間も母親に添い寝をしてもらいながら眠りについたことを思い出せばよいでしょう。
ところで、認知症の人の言動を正しく了解する上では、過去の経験が現在の認知症の症状と深い関連をもっている場合も少なくないことを覚えておいて下さい。周囲の人は本人の生活歴・職業歴を詳しく知って、認知症の人の気持ちを理解するように勤めることが大切です。

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2009年10月07日
上手にコミュニケーションしましょう パート2
上手にコミュニケーションしましょう パート2
(長谷川和夫 認知症知りたいことガイドブックより)
難しいのは接し方です。どのように受け答えをするのがよいのでしょうか。どうしても感情的になってしまうのを避けるために、まず接し方(コミュニケーションのとりかた)を考えて見ましょう。
2.非言語を利用する
認知症の人は』感情が保たれていますので、感情に働きかけるような方法をとると良いでしょう。ことばだけでなく、優しい仕草や温かい眼差しで関わるようにしましょう。不安や孤独感のの強いとき歯には、手を握る、肩を抱く、背中をさするなどの非言語手コミュニケーションをとても効果的です。
若年性認知症の当事者でオーストラリアのクリスティーン・ブライディンさんは、「私の眼を見て話してください」と述べています。
まだことばのやり取りができない1歳前後の幼児は」、親や大人の言うことをじっと眼を見つめて聞きとろうとします。認知機能が育っていない子供は、それを補うために眼を見て、私たち大人からの情報を理解しようとしているのです。
認知症の人も、この点では同じかもしれません。温かい眼差しは、安心感を与えるコミュニケーションになります。
3.説明より感情の交流を
認知症のお年寄りへのかかわりは、「感情の交流を大切にする』ことが重要になります。感情の働きは、認知症のかなり末期までほじされています。たとえば、おしっこをもらしれ下着を汚してしまったとき、「ああ、またよごしたの!」とどうしても口に出てしまいます。そのばあいは、本人はなぜ叱られたのかはすぐに忘れてしまいますが、屈辱的な気持ちや否定的な感情は持ち続けることになります。
私たちも、叱られるとあまりいい気持ちは』しません。ただ、叱られたy¥理由が分かっていますので、誰かに愚痴を聞いてもらったりして、ストレスを解消することが出来ます。
結局なぜ叱られたかをすぐ忘れてしまう認知症のお年よりは、叱った理由を懇々と説明したりしても効果がないのです。理屈で説明することは避けたほうがよいでしょう。病気のために説明を理解する神経細胞の働きが低下しているのです。言動を拒否したり、止めようとしたり、叱ったりするのではなく、まず本人の気持ちを受け止めることが大事です。

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(長谷川和夫 認知症知りたいことガイドブックより)
難しいのは接し方です。どのように受け答えをするのがよいのでしょうか。どうしても感情的になってしまうのを避けるために、まず接し方(コミュニケーションのとりかた)を考えて見ましょう。
2.非言語を利用する
認知症の人は』感情が保たれていますので、感情に働きかけるような方法をとると良いでしょう。ことばだけでなく、優しい仕草や温かい眼差しで関わるようにしましょう。不安や孤独感のの強いとき歯には、手を握る、肩を抱く、背中をさするなどの非言語手コミュニケーションをとても効果的です。
若年性認知症の当事者でオーストラリアのクリスティーン・ブライディンさんは、「私の眼を見て話してください」と述べています。
まだことばのやり取りができない1歳前後の幼児は」、親や大人の言うことをじっと眼を見つめて聞きとろうとします。認知機能が育っていない子供は、それを補うために眼を見て、私たち大人からの情報を理解しようとしているのです。
認知症の人も、この点では同じかもしれません。温かい眼差しは、安心感を与えるコミュニケーションになります。
3.説明より感情の交流を
認知症のお年寄りへのかかわりは、「感情の交流を大切にする』ことが重要になります。感情の働きは、認知症のかなり末期までほじされています。たとえば、おしっこをもらしれ下着を汚してしまったとき、「ああ、またよごしたの!」とどうしても口に出てしまいます。そのばあいは、本人はなぜ叱られたのかはすぐに忘れてしまいますが、屈辱的な気持ちや否定的な感情は持ち続けることになります。
私たちも、叱られるとあまりいい気持ちは』しません。ただ、叱られたy¥理由が分かっていますので、誰かに愚痴を聞いてもらったりして、ストレスを解消することが出来ます。
結局なぜ叱られたかをすぐ忘れてしまう認知症のお年よりは、叱った理由を懇々と説明したりしても効果がないのです。理屈で説明することは避けたほうがよいでしょう。病気のために説明を理解する神経細胞の働きが低下しているのです。言動を拒否したり、止めようとしたり、叱ったりするのではなく、まず本人の気持ちを受け止めることが大事です。

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2009年10月06日
上手にコミュニケーションしましょう
上手にコミュニケーションしましょう パート1
(長谷川和夫医師の知りたいことガイドブックより)
難しいのは接し方です。どのような受け答えをするのがよいのでしょうか。どうしても感情的になってしまうのを避けるために、まず接し方(コミュニケーションのとり方)を考えてみましょう。
これまで自分を育ててくれた父母、あるいは頼りにしていた年長者(義理の親や配偶者)が認知症になり、介護が必要な状態になると、、自分達が介護し、逆に頼りにされるという役割を担うことになります。つまり、立場に逆転が起こるということになります。それは当惑感や迷惑感を引き起こします。
また、本人の症状も日によって異なったり、体調によって変動したりします。昨日はうまくコミュニケーションが取れたのに、同じような言い方が今日はまったくだめだという状態に悩むこともあるでしょう。
なお、中には間違った行動が見られるのに行動能力はとてもしっかりしている人がいます。そのような場合、ちょっと言葉を交わしたぐらいでは、著しい障害はないように見えることもあります。
さて、具体的に、認知症の人とのコミュニケーションにおいて、注意しておく点をあげて見ます。
1. 近くでゆっくり話す
お年寄りと会話をする場合は、少なくとも1メートル以内に近寄って話しかけるようにします。テーブルやベッドなどで隔てて話したり、お年寄りが他のことに心を奪われているときに話しかけたりしても効果的ではありません。認知症の程度や理解力、視覚、聴覚、、言語など、お年寄りのコミュニケーション能力(障害)を正しく評価して、最も効果的に話しかえるようにします。
注意したいのは後ろから呼びかけることです。振り向いてバランスを崩し、転倒する危険性があるからです。また、会話だけでなく、介護を行なう場面でも介護者がお年寄りのペースに合わせていくことが大切です。
認知症の人は、口頭で話してもすぐ忘れてしまいます。そんなときには、紙に書いて情報を伝えるのもよい方法です。水道の蛇口の閉め忘れに対して、「使った後は閉めてください」と書いても効果はなかったのに、「節水」と書いて蛇口にぶら下げたところ、うまくいったという例があります。くどくどとした説明文より簡潔な表現が分かりやすかったのでしょう。

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(長谷川和夫医師の知りたいことガイドブックより)
難しいのは接し方です。どのような受け答えをするのがよいのでしょうか。どうしても感情的になってしまうのを避けるために、まず接し方(コミュニケーションのとり方)を考えてみましょう。
これまで自分を育ててくれた父母、あるいは頼りにしていた年長者(義理の親や配偶者)が認知症になり、介護が必要な状態になると、、自分達が介護し、逆に頼りにされるという役割を担うことになります。つまり、立場に逆転が起こるということになります。それは当惑感や迷惑感を引き起こします。
また、本人の症状も日によって異なったり、体調によって変動したりします。昨日はうまくコミュニケーションが取れたのに、同じような言い方が今日はまったくだめだという状態に悩むこともあるでしょう。
なお、中には間違った行動が見られるのに行動能力はとてもしっかりしている人がいます。そのような場合、ちょっと言葉を交わしたぐらいでは、著しい障害はないように見えることもあります。
さて、具体的に、認知症の人とのコミュニケーションにおいて、注意しておく点をあげて見ます。
1. 近くでゆっくり話す
お年寄りと会話をする場合は、少なくとも1メートル以内に近寄って話しかけるようにします。テーブルやベッドなどで隔てて話したり、お年寄りが他のことに心を奪われているときに話しかけたりしても効果的ではありません。認知症の程度や理解力、視覚、聴覚、、言語など、お年寄りのコミュニケーション能力(障害)を正しく評価して、最も効果的に話しかえるようにします。
注意したいのは後ろから呼びかけることです。振り向いてバランスを崩し、転倒する危険性があるからです。また、会話だけでなく、介護を行なう場面でも介護者がお年寄りのペースに合わせていくことが大切です。
認知症の人は、口頭で話してもすぐ忘れてしまいます。そんなときには、紙に書いて情報を伝えるのもよい方法です。水道の蛇口の閉め忘れに対して、「使った後は閉めてください」と書いても効果はなかったのに、「節水」と書いて蛇口にぶら下げたところ、うまくいったという例があります。くどくどとした説明文より簡潔な表現が分かりやすかったのでしょう。

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2009年10月05日
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第6法則
認知症をよく理解するための
8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師)
第6 法則 こだわりの法則 パート2
これからの高齢社会では、警察官、郵便局員、銀行員、医療機関のスタッフの「業務の1つ」として、「認知症の人に上手に対応すること」を加える必要があるでしょう。認知症の人が警察等に電話をかけたり出かけたりするのを阻止することは家族に大変な負担がかかりますが、社会全体が理解して、認知症の人のこだわりに上手に対処できるようになりますと、深刻な「認知症問題」の問題性が軽くなることはあきらかです。
場面転換によりこだわりが取れることが少なくありません。話題を昔話や趣味の話にもっていったり、昔の写真等を見せると、こだわりが消えてしまう場合がよくあります。
また、お茶や食事にするとうまくいく場合が多いいので試してみましょう。往診していた92歳の男性が、夜中に騒いで眠らないとき、「軽食を出して食べさせたらよく眠ってくれるようになりました」と家族は報告してきました。
いちいち対応して消耗するのが介護者ですが、見方を変えて対応しないでそのままにしておくことが介護を楽にすることになります。
例えば、タンスから着物を引き出し部屋一面に広げている場合、畳んでタンスに戻してもすぐ引き出して散らかしてしまいます。「目に見えないと大切な着物がなくなったと心配しているからだ。お母さんの着物なのだし、自分の部屋だから好きなようにさせておこう」と考えてしまえば簡単です。
物に対する執着などは長く続くことがありますが、一般的には、一つのこだわりの症状はせいぜい半年から1年間しか続きません。「1年間の辛抱だ」と考えることもよいでしょう。
きれいで整った環境、規則正しい生活が誰にとっても望ましいものと考えがちですが、知的機能の低下によって社会的規範の束縛から自由になった認知症の人にとっては窮屈で不自由なもの以外の何者でありません。そのままにしておいて何が問題なのかと考える習慣をつけると、介護者にとってのこだわりが取れていくでしょう。

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8大法則 1原則
(認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師)
第6 法則 こだわりの法則 パート2
これからの高齢社会では、警察官、郵便局員、銀行員、医療機関のスタッフの「業務の1つ」として、「認知症の人に上手に対応すること」を加える必要があるでしょう。認知症の人が警察等に電話をかけたり出かけたりするのを阻止することは家族に大変な負担がかかりますが、社会全体が理解して、認知症の人のこだわりに上手に対処できるようになりますと、深刻な「認知症問題」の問題性が軽くなることはあきらかです。
場面転換によりこだわりが取れることが少なくありません。話題を昔話や趣味の話にもっていったり、昔の写真等を見せると、こだわりが消えてしまう場合がよくあります。
また、お茶や食事にするとうまくいく場合が多いいので試してみましょう。往診していた92歳の男性が、夜中に騒いで眠らないとき、「軽食を出して食べさせたらよく眠ってくれるようになりました」と家族は報告してきました。
いちいち対応して消耗するのが介護者ですが、見方を変えて対応しないでそのままにしておくことが介護を楽にすることになります。
例えば、タンスから着物を引き出し部屋一面に広げている場合、畳んでタンスに戻してもすぐ引き出して散らかしてしまいます。「目に見えないと大切な着物がなくなったと心配しているからだ。お母さんの着物なのだし、自分の部屋だから好きなようにさせておこう」と考えてしまえば簡単です。
物に対する執着などは長く続くことがありますが、一般的には、一つのこだわりの症状はせいぜい半年から1年間しか続きません。「1年間の辛抱だ」と考えることもよいでしょう。
きれいで整った環境、規則正しい生活が誰にとっても望ましいものと考えがちですが、知的機能の低下によって社会的規範の束縛から自由になった認知症の人にとっては窮屈で不自由なもの以外の何者でありません。そのままにしておいて何が問題なのかと考える習慣をつけると、介護者にとってのこだわりが取れていくでしょう。

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2009年10月03日
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第6法則
認知症をよく理解するための
8大法則 1原則
認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師
第6法則 こだわりの法則 パート1
「あるひとつのことに集中すると、そこから抜け出せない」。周囲が説明したり説得したり、否定したりすればするほど、逆にこだわり続ける」という特徴がその内容です。
ある人とある人の間に何らかのこだわりが生じた場合、普通、相手を説得したり、相手に説明したり、命令したりしてそのこだわりを解消しようとします。ところが認知症の世界ではこの方法はほとんど通用しません。
こだわりに原因がわかれば、その原因を取り去るようにする、そのままにしておいても差し支えなければそのまま認める、第3者に入ってもらいこだわりを和らげる、別の場面への展開を考える、などの方法が認知症の人のこだわりに対応する基本的なやり方です。
認知症の人の過去の生活体験がこだわりとして現れることがよくありますから、本人の生活体験を知っていると、こだわりに対して上手に対応できます。
例えば、お金や物に対する執着は醜く、他人には話せないと家族は思い、どのように対応していいか家族は戸惑ってしまいます。私の経験では、金銭に対し強く執着している認知症の人は、多くの場合、かって経済的に厳しい体験を持っています。女手ひとつで子供を育てた人、倒産や詐欺にあった経験をもっている人、長い間一人暮らしをしていた人など、どの人も、生きていくのに最も重要な手段である金銭や物に執着するのは無理もない人たちであるといえます。
また、道に落ちているものを収集している場合、家がゴミの山になることはたまらないことですが、もったいないと思って拾ってくる認知症の人のほうが、貴重な資源を平気で捨てる人よりよほどノーマルではないでしょうか。
具体的な例を見ていきましょう。私が担当している保健所の認知症相談(老人精神保健相談)に、初老期の女性が次のような相談に来られました。
「私が外出から帰ると主人は私のところにやってきて、“今までどこに行っていたのだ。どこで男と逢っていたのだ”と毎回言うようになりました。先日、息子と一緒に帰宅しましたら、息子と関係しているとまで言い出しました。情けなくて・・・。どうしたらよいでしょうか」さらに話を聞きますと、1年ほど前から物忘れがひどくなり物を紛失するようになったため、印鑑や預金通帳を奥さんが保管することにして、夫が請求しても渡さないことにしたということでした。
「自分にとって大切なものをあなたがもっていってしまったと考えて、ご主人はあなたに対し猜疑心を持ったのです。請求されれば通帳や印鑑を渡しなさい。無くくなっても再発行や改印届けを出せばよいのですから」とアドバイスをしました。
翌月の認知症相談に奥さんがやって来て、「先生の言われたとおりにしましたら、浮気妄想はきれいになくなりました。荒れは本当に認知症だったのですか?」
こだわり続ける認知症の人に対して、その場しのぎの対応や虚偽の言葉で納得させることがしばしば必要となることがあります。「第2法則=症状の出現強度に関する法則」にあるように、よその人に対してしっかりした態度を示すことから、第3者がかかわると、こだわりが軽くなることが少なくありません。
認知症に人は、警察官や役所の人、郵便局や銀行の職員、医師など者気的な信頼度が高い人には、認知症が相当進んでも信頼するものです。
「私の年金を嫁が勝手に引き出している」と疑い続けている人に対して、預金通帳を見せながら、「1円も引き出されていない」と家族が説得しても聞き入れませんが、郵便局員から「○○さん、年金は間違えなく振り込まれていますよ、安心して下さい」といわれると素直に信じ安心した表情を見せてくれます。残念ながら一安心しても、記銘力低下(ひどい物忘れ)のためしばらくすると再び心配し始め郵便局へ行くことになります。そのときも郵便局員は同じように安心する言葉をさらりとかけてほしいと思います。

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8大法則 1原則
認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師
第6法則 こだわりの法則 パート1
「あるひとつのことに集中すると、そこから抜け出せない」。周囲が説明したり説得したり、否定したりすればするほど、逆にこだわり続ける」という特徴がその内容です。
ある人とある人の間に何らかのこだわりが生じた場合、普通、相手を説得したり、相手に説明したり、命令したりしてそのこだわりを解消しようとします。ところが認知症の世界ではこの方法はほとんど通用しません。
こだわりに原因がわかれば、その原因を取り去るようにする、そのままにしておいても差し支えなければそのまま認める、第3者に入ってもらいこだわりを和らげる、別の場面への展開を考える、などの方法が認知症の人のこだわりに対応する基本的なやり方です。
認知症の人の過去の生活体験がこだわりとして現れることがよくありますから、本人の生活体験を知っていると、こだわりに対して上手に対応できます。
例えば、お金や物に対する執着は醜く、他人には話せないと家族は思い、どのように対応していいか家族は戸惑ってしまいます。私の経験では、金銭に対し強く執着している認知症の人は、多くの場合、かって経済的に厳しい体験を持っています。女手ひとつで子供を育てた人、倒産や詐欺にあった経験をもっている人、長い間一人暮らしをしていた人など、どの人も、生きていくのに最も重要な手段である金銭や物に執着するのは無理もない人たちであるといえます。
また、道に落ちているものを収集している場合、家がゴミの山になることはたまらないことですが、もったいないと思って拾ってくる認知症の人のほうが、貴重な資源を平気で捨てる人よりよほどノーマルではないでしょうか。
具体的な例を見ていきましょう。私が担当している保健所の認知症相談(老人精神保健相談)に、初老期の女性が次のような相談に来られました。
「私が外出から帰ると主人は私のところにやってきて、“今までどこに行っていたのだ。どこで男と逢っていたのだ”と毎回言うようになりました。先日、息子と一緒に帰宅しましたら、息子と関係しているとまで言い出しました。情けなくて・・・。どうしたらよいでしょうか」さらに話を聞きますと、1年ほど前から物忘れがひどくなり物を紛失するようになったため、印鑑や預金通帳を奥さんが保管することにして、夫が請求しても渡さないことにしたということでした。
「自分にとって大切なものをあなたがもっていってしまったと考えて、ご主人はあなたに対し猜疑心を持ったのです。請求されれば通帳や印鑑を渡しなさい。無くくなっても再発行や改印届けを出せばよいのですから」とアドバイスをしました。
翌月の認知症相談に奥さんがやって来て、「先生の言われたとおりにしましたら、浮気妄想はきれいになくなりました。荒れは本当に認知症だったのですか?」
こだわり続ける認知症の人に対して、その場しのぎの対応や虚偽の言葉で納得させることがしばしば必要となることがあります。「第2法則=症状の出現強度に関する法則」にあるように、よその人に対してしっかりした態度を示すことから、第3者がかかわると、こだわりが軽くなることが少なくありません。
認知症に人は、警察官や役所の人、郵便局や銀行の職員、医師など者気的な信頼度が高い人には、認知症が相当進んでも信頼するものです。
「私の年金を嫁が勝手に引き出している」と疑い続けている人に対して、預金通帳を見せながら、「1円も引き出されていない」と家族が説得しても聞き入れませんが、郵便局員から「○○さん、年金は間違えなく振り込まれていますよ、安心して下さい」といわれると素直に信じ安心した表情を見せてくれます。残念ながら一安心しても、記銘力低下(ひどい物忘れ)のためしばらくすると再び心配し始め郵便局へ行くことになります。そのときも郵便局員は同じように安心する言葉をさらりとかけてほしいと思います。

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2009年10月02日
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第5法則
認知症を良く理解するための
8大法則 1原則
認知症の人と家族の会副代表 杉山孝博医師
第5法則 感情残像の法則
認知症の人は、第1法則の記憶障害に関する法則が示すように、自分が話したり、聞いたり、行動したことはすぐわすれてしまいます。しかし、感情の世界はしっかる残っていて、瞬間的に目に入った光が消えた後でも残像として残るように、その人がそのときいだいた感情は相当時間続きます。このことを「感情残像の法則」といいます。出来事の事実関係は把握できないのですが、それが感情の波として残されるのです。
認知症の人の症状に気づき、医師からも認知症と診断されると、家族は認知症を少しでも軽くしたいと思い、いろいろ教えたり、詳しい説明をしたり、注意したり、叱ったりします。しかし、このような努力はほとんどの場合、効を奏しないばかりか、認知症の症状をかえって悪化させてしまうのです。
まわり(とくに一生懸命介護している人)からどんな説明を受けても、その内容はすぐに忘れてしまい、単に相手をうるさい人、いやなことを言う人、怖い人と捕らえてしまいます。つまり、自分のことをいろいろ気遣ってくれる身近な人と思わないのです。
これをどう理解したらいいでしょうか。
認知症の人は、記憶などの知的能力の低下によって、一般常識が通用する理性の世界から出てしまって、感情を支配する世界に住んでいる、と考えたらいいでしょう。
動物の世界に似た一面があります。弱肉強食の世界に住む動物たちは、相手が敵か味方か、安心して気を許せる対象か、否かを速やかに判断し、感情として表現します。認知症の人も実は同じような存在なのです。安全で友好的な世界から抜け出してしまった認知症の人は、感情を研ぎすまして生きざるをえない世界の中に置かれているのです。
周囲のものはそのような本人が穏かな気持になれるよう、心から同情の気持で接することが必要となります。つまり認知症の人を介護するときは、「説得よりも同情」です。感情が残るといっても、悪い感情ばかりが残るのではないので、よい感情が本人に残るように接することが大切です。
自分を認めてくれ優しくしてくれる相手には、本人も穏かな接触をもてるようになるものです。最初のうちは難しいかもしれませんが、「どうもありがとう。助かるわ」「そう、それは大変だね」「それはよかったね」などの言葉が言えるようになれば、その介護者は上手な介護ができているといえます。
例えば認知症の人が濡れた洗濯物を取りこんでいるのを見つけたとき「まだ乾いてないのにお母さん、どうしてわからないの、余計なことをしてくれて」というのと「ああ、お母さん手伝ってくださってありがとう。後は私がやりますからそちらで休んでいてください」というのとでは介護のしやすさが大きく違ってくるものです。

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8大法則 1原則
認知症の人と家族の会副代表 杉山孝博医師
第5法則 感情残像の法則
認知症の人は、第1法則の記憶障害に関する法則が示すように、自分が話したり、聞いたり、行動したことはすぐわすれてしまいます。しかし、感情の世界はしっかる残っていて、瞬間的に目に入った光が消えた後でも残像として残るように、その人がそのときいだいた感情は相当時間続きます。このことを「感情残像の法則」といいます。出来事の事実関係は把握できないのですが、それが感情の波として残されるのです。
認知症の人の症状に気づき、医師からも認知症と診断されると、家族は認知症を少しでも軽くしたいと思い、いろいろ教えたり、詳しい説明をしたり、注意したり、叱ったりします。しかし、このような努力はほとんどの場合、効を奏しないばかりか、認知症の症状をかえって悪化させてしまうのです。
まわり(とくに一生懸命介護している人)からどんな説明を受けても、その内容はすぐに忘れてしまい、単に相手をうるさい人、いやなことを言う人、怖い人と捕らえてしまいます。つまり、自分のことをいろいろ気遣ってくれる身近な人と思わないのです。
これをどう理解したらいいでしょうか。
認知症の人は、記憶などの知的能力の低下によって、一般常識が通用する理性の世界から出てしまって、感情を支配する世界に住んでいる、と考えたらいいでしょう。
動物の世界に似た一面があります。弱肉強食の世界に住む動物たちは、相手が敵か味方か、安心して気を許せる対象か、否かを速やかに判断し、感情として表現します。認知症の人も実は同じような存在なのです。安全で友好的な世界から抜け出してしまった認知症の人は、感情を研ぎすまして生きざるをえない世界の中に置かれているのです。
周囲のものはそのような本人が穏かな気持になれるよう、心から同情の気持で接することが必要となります。つまり認知症の人を介護するときは、「説得よりも同情」です。感情が残るといっても、悪い感情ばかりが残るのではないので、よい感情が本人に残るように接することが大切です。
自分を認めてくれ優しくしてくれる相手には、本人も穏かな接触をもてるようになるものです。最初のうちは難しいかもしれませんが、「どうもありがとう。助かるわ」「そう、それは大変だね」「それはよかったね」などの言葉が言えるようになれば、その介護者は上手な介護ができているといえます。
例えば認知症の人が濡れた洗濯物を取りこんでいるのを見つけたとき「まだ乾いてないのにお母さん、どうしてわからないの、余計なことをしてくれて」というのと「ああ、お母さん手伝ってくださってありがとう。後は私がやりますからそちらで休んでいてください」というのとでは介護のしやすさが大きく違ってくるものです。

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2009年09月30日
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第4法則
認知症をよく理解するための
8大法則 1原則
認知症の人と家族の会副代表 杉山孝博医師
第4 法則 まだら症状の法則
認知症の人は、認知症が始まると常に異常な行動ばかりするわけではありません。正常な部分と認知症として理解すべき部分とが混じり合って存在しているというのが、「まだら症状の法則」です。
非常にしっかりした面もありますから、本人が認知症であるとはなかなかとらえられません。家族はついつい、「何故こんなことができないの」と言って叱ったり、教えこもうとしたりします。本人の言動を認知症の症状であるのか、そうでないのかをどう見分けたらよいでしょうか。
介護者のもっとも大きな混乱の原因の一つは、上手く見分けられなくて振り回されることにあります。初めから認知症の症状だとわかっていれば、そして、対応の仕方を上手くすれば、認知症による混乱はほとんどなくなります。
「常識的な人なら行わないような言動をお年寄りがしていて周囲に混乱が起こっている場合、“認知症問題”が発生しているので、その原因になった言動は、“認知症の症状”である」と割り切ることがコツです。
「私の大事なお金を盗んだだろう。ドロボー」という「物盗られ妄想」も、寝たきりの人が言うのと、見かけは正常に近い人が言うのとでは介護者の混乱はまったく違います。しかし、家族に向かって「ドロボー!」呼ばわりすることは異常ですから、いずれも同じ「認知症の症状」なのです。
ところで、認知症のない普通の人でもまだら症状はあるものです。「あの人がどうしてあんなバカなことを・・・」といいたくなる場面は少なくありませんし、会社では有能で素晴らしい判断力や企画力を発揮する人が、家に帰ると「粗大ごみ」扱いされるのですから。
このように認知症の人だけが異常な「まだら症状」を示すのではなく、私たち一人ひとりが日常的にしていることなのだと理解できれば、広い気持で認知症の人と接することができるようになるのではないでしょうか。
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8大法則 1原則
認知症の人と家族の会副代表 杉山孝博医師
第4 法則 まだら症状の法則
認知症の人は、認知症が始まると常に異常な行動ばかりするわけではありません。正常な部分と認知症として理解すべき部分とが混じり合って存在しているというのが、「まだら症状の法則」です。
非常にしっかりした面もありますから、本人が認知症であるとはなかなかとらえられません。家族はついつい、「何故こんなことができないの」と言って叱ったり、教えこもうとしたりします。本人の言動を認知症の症状であるのか、そうでないのかをどう見分けたらよいでしょうか。
介護者のもっとも大きな混乱の原因の一つは、上手く見分けられなくて振り回されることにあります。初めから認知症の症状だとわかっていれば、そして、対応の仕方を上手くすれば、認知症による混乱はほとんどなくなります。
「常識的な人なら行わないような言動をお年寄りがしていて周囲に混乱が起こっている場合、“認知症問題”が発生しているので、その原因になった言動は、“認知症の症状”である」と割り切ることがコツです。
「私の大事なお金を盗んだだろう。ドロボー」という「物盗られ妄想」も、寝たきりの人が言うのと、見かけは正常に近い人が言うのとでは介護者の混乱はまったく違います。しかし、家族に向かって「ドロボー!」呼ばわりすることは異常ですから、いずれも同じ「認知症の症状」なのです。
ところで、認知症のない普通の人でもまだら症状はあるものです。「あの人がどうしてあんなバカなことを・・・」といいたくなる場面は少なくありませんし、会社では有能で素晴らしい判断力や企画力を発揮する人が、家に帰ると「粗大ごみ」扱いされるのですから。
このように認知症の人だけが異常な「まだら症状」を示すのではなく、私たち一人ひとりが日常的にしていることなのだと理解できれば、広い気持で認知症の人と接することができるようになるのではないでしょうか。

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2009年09月28日
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第3法則
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第3法則
認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師
第3法則 自己有利の法則
「自分にとって不利なことは絶対認めない」というものです。「大事なものがない」と大騒ぎするので、家族も一緒になって探したところ、認知症の人が使っている引き出しの中から見つかった場合、家族から「そらごらんなさい。ここにしまっておいたのに忘れたのでしょう。おじいちゃんしかここにしまう人はいないんだから」と言われても、「いや自分はそんなところへしまった覚えはない。誰がそこへしまったんだ」と必ず言い返します。
言い返しがあまりにも素早く、しかも難しいことわざなどを交えてするので、周囲のものは本人が認知症になっているとはとても思えません。しかし、言い訳の内容には明らかな誤りや、矛盾が含まれているため、「都合の良いことばかりいう自分勝手な人」「嘘つきだ」など、本人を低い人格だと考えて、そのことで介護意欲を低下させてしまう家族も少なくないようです。
こうした認知症の人の言動には、自己保存のメカニズムが本能的に働いているに違いありません。つまり人は誰でも、自分の能力低下や生存に必要な喪失を認めようとしない傾向を持っており、認知症の人も同様なのです。
社会生活に適応するということは、本能の直接的な現われを推理力判断力などの知的機能によって抑制することにほかなりませんが、認知症の人は知的機能が低下するため、本能的な行動が表面に現れやすくなっているのです。
「自己有利の法則」を知っていると、無意味なやりとりや、かえって有害な押し問答を繰り返さずに混乱を早めに収拾することができるようになります。日々の介護で混乱されている家族は「自分たちはこの法則で説明できる症状に振り回されているのではないか」と考えてみてください

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認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師
第3法則 自己有利の法則
「自分にとって不利なことは絶対認めない」というものです。「大事なものがない」と大騒ぎするので、家族も一緒になって探したところ、認知症の人が使っている引き出しの中から見つかった場合、家族から「そらごらんなさい。ここにしまっておいたのに忘れたのでしょう。おじいちゃんしかここにしまう人はいないんだから」と言われても、「いや自分はそんなところへしまった覚えはない。誰がそこへしまったんだ」と必ず言い返します。
言い返しがあまりにも素早く、しかも難しいことわざなどを交えてするので、周囲のものは本人が認知症になっているとはとても思えません。しかし、言い訳の内容には明らかな誤りや、矛盾が含まれているため、「都合の良いことばかりいう自分勝手な人」「嘘つきだ」など、本人を低い人格だと考えて、そのことで介護意欲を低下させてしまう家族も少なくないようです。
こうした認知症の人の言動には、自己保存のメカニズムが本能的に働いているに違いありません。つまり人は誰でも、自分の能力低下や生存に必要な喪失を認めようとしない傾向を持っており、認知症の人も同様なのです。
社会生活に適応するということは、本能の直接的な現われを推理力判断力などの知的機能によって抑制することにほかなりませんが、認知症の人は知的機能が低下するため、本能的な行動が表面に現れやすくなっているのです。
「自己有利の法則」を知っていると、無意味なやりとりや、かえって有害な押し問答を繰り返さずに混乱を早めに収拾することができるようになります。日々の介護で混乱されている家族は「自分たちはこの法則で説明できる症状に振り回されているのではないか」と考えてみてください

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2009年09月27日
認知症をよく理解するための8大法則 1原則 第2法則
認知症をよく理解するための
8大法則 1原則
認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師
第2法則 症状の出現強度に関する法則
認知症の症状が、より身近なものに対して、強く出るというのがこの法則のな内容です。
介護者に対してひどい認知症の症状に示して困らせるのに、よその人には応対がしっかりできるんで、介護者と周囲の人たちの間に認知症の症状の理解に大きな差が出ます。
「一生懸命介護してあげているのに感謝しないばかりか“私のものを盗んだ”とか“お前は何もしてくれない”などとひどい言い方をする」と、介護者一人が嘆き辛い思いをして、他の家族は「大げさすぎる」と言って介護者の苦労を感謝しないばかりか、むしろ非難すると言った「認知症問題」が、これまで数多くの家庭に発生しました。
診察室や認知症相談の場や、訪問調査員の訪問の際、認知症の人は普段の動きからは想像できないほど、しっかりと対応できるため、認知症がひどくないと判断されがちです。家族は、専門家でさえ現実の状態が理解できないのだと思い、絶望と不振に陥るのです。
認知症の人は何故こうした「いじわる」ともとれる行動をとるのでしょうか。私は次のように解釈しています。
幼児はいつも世話をしてくれる母親に対して甘えたり、わがままを言って困らせますが、父親やよその人に対しては、もっとしっかりした態度をとるものです。母親を絶対的に信頼しているから、わがままが出るのです。
認知症の人も介護者をもっとも頼りにしているから認知症の症状を強く出すと言うのは類推のしすぎでしょうか。そして又、私たち自身も、自分の家の中と他人の前とでは違った対応の仕方をするものです。よその人に対しては体裁を整えます。ですから、認知症の人が他人の前でしっかりした対応をするのを異常だと思う方が、異常だと思いませんか。自分も相手も同じ立場だと
理解できたときに初めて、相手にやさしくなれるのではないでしょうか。

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8大法則 1原則
認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師
第2法則 症状の出現強度に関する法則
認知症の症状が、より身近なものに対して、強く出るというのがこの法則のな内容です。
介護者に対してひどい認知症の症状に示して困らせるのに、よその人には応対がしっかりできるんで、介護者と周囲の人たちの間に認知症の症状の理解に大きな差が出ます。
「一生懸命介護してあげているのに感謝しないばかりか“私のものを盗んだ”とか“お前は何もしてくれない”などとひどい言い方をする」と、介護者一人が嘆き辛い思いをして、他の家族は「大げさすぎる」と言って介護者の苦労を感謝しないばかりか、むしろ非難すると言った「認知症問題」が、これまで数多くの家庭に発生しました。
診察室や認知症相談の場や、訪問調査員の訪問の際、認知症の人は普段の動きからは想像できないほど、しっかりと対応できるため、認知症がひどくないと判断されがちです。家族は、専門家でさえ現実の状態が理解できないのだと思い、絶望と不振に陥るのです。
認知症の人は何故こうした「いじわる」ともとれる行動をとるのでしょうか。私は次のように解釈しています。
幼児はいつも世話をしてくれる母親に対して甘えたり、わがままを言って困らせますが、父親やよその人に対しては、もっとしっかりした態度をとるものです。母親を絶対的に信頼しているから、わがままが出るのです。
認知症の人も介護者をもっとも頼りにしているから認知症の症状を強く出すと言うのは類推のしすぎでしょうか。そして又、私たち自身も、自分の家の中と他人の前とでは違った対応の仕方をするものです。よその人に対しては体裁を整えます。ですから、認知症の人が他人の前でしっかりした対応をするのを異常だと思う方が、異常だと思いませんか。自分も相手も同じ立場だと
理解できたときに初めて、相手にやさしくなれるのではないでしょうか。

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