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2011年08月30日
2011年08月30日
認知症を理解するための8大法則第6法則こだわりの法則 1
認知症をよく理解するための
8大法則 1原則
認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師
第6法則 こだわりの法則 パート1
「あるひとつのことに集中すると、そこから抜け出せない」。周囲が説明したり説得したり、否定したりすればするほど、逆にこだわり続ける」という特徴がその内容です。ある人とある人の間に何らかのこだわりが生じた場合、普通、相手を説得したり、相手に説明したり、命令したりしてそのこだわりを解消しようとします。ところが認知症の世界ではこの方法はほとんど通用しません。
こだわりに原因がわかれば、その原因を取り去るようにする、そのままにしておいても差しさえなければそのまま認める、第3者に入ってもらいこだわりを和らげる、別の場面への展開を考える、などの方法が認知症の人のこだわりに対応する基本的なやり方です。認知症の人の過去の生活体験がこだわりとして現れることがよくありますから、本人の生活体験を知っていると、こだわりに対して上手に対応できます。
例えば、お金や物に対する執着は醜く、他人には話せないと家族は思い、どのように対応していいか家族は戸惑ってしまいます。私の経験では、金銭に対し強く執着している認知症の人は、多くの場合、かって経済的に厳しい体験を持っています。女手ひとつで子供を育てた人、倒産や詐欺にあった経験をもっている人、長い間一人暮らしをしていた人など、どの人も、生きていくのに最も重要な手段である金銭や物に執着するのは無理もない人たちであるといえます。また、道に落ちているものを収集している場合、家がゴミの山になることはたまらないことですが、もったいないと思って拾ってくる認知症の人のほうが、貴重な資源を平気で捨てる人よりよほどノーマルではないでしょうか。
具体的な例をみていきましょう。私が担当している保健所の認知症相談(老人精神保健相談)に、初老期の女性が次のような相談に来られました。「私が外出から帰ると主人は私のところにやってきて、“今までどこに行っていたのだ。どこで男と逢っていたのだ”と毎回言うようになりました。先日、息子と一緒に帰宅しましたら、息子と関係しているとまで言い出しました。情けなくて・・・。どうしたらよいでしょうか」さらに話を聞きますと、1年ほど前から物忘れがひどくなり物を紛失するようになったため、印鑑や預金通帳を奥さんが保管することにして、夫が請求しても渡さないことにしたということでした。
「自分にとって大切なものをあなたがもっていってしまったと考えて、ご主人はあなたに対し猜疑心を持ったのです。請求されれば通帳や印鑑を渡しなさい。無くなっても再発行や改印届けを出せばよいのですから」とアドバイスをしました。翌月の認知症相談に奥さんがやって来て、「先生の言われたとおりにしましたら、浮気妄想はきれいになくなりました。あれは本当に認知症だったのですか?」
こだわり続ける認知症の人に対して、その場しのぎの対応や虚偽の言葉で納得させることがしばしば必要となることがあります。「第2法則=症状の出現強度に関する法則」にあるように、よその人に対してしっかりした態度を示すことから、第3者がかかわると、こだわりが軽くなることが少なくありません。認知症に人は、警察官や役所の人、郵便局や銀行の職員、医師など社会的な信頼度が高い人には、認知症が相当進んでも信頼するものです。
「私の年金を嫁が勝手に引き出している」と疑い続けている人に対して、預金通帳を見せながら、「1円も引き出されていない」と家族が説得しても聞き入れませんが、郵便局員から「〇〇さん、年金は間違えなく振り込まれていますよ、安心して下さい」といわれると素直に信じ安心した表情を見せてくれます。残念ながら一安心しても、記銘力低下(ひどい物忘れ)のためしばらくすると再び心配し始め郵便局へ行くことになります。そのときも郵便局員は同じように安心する言葉をさらりとかけてほしいと思います。
<ホーム長のつぶやき>
こだわりが強くこちらの誘いかけにも応じない場合、2人3脚では、説得したり説明したりしないように心がけています。少し時間をあけてから、再び誘導しやっていただきます。また、金銭面では、お金の預かり券を発行した様に見せかけて、書いた紙を手渡し持っていただいたりと演技をします。入浴にこだわりがあって入らない場合、入浴券をラミネートで作成し本人に手渡します。この方法で上手くいく場合もあります。
「ご飯を食べていない」といわれても食べたばかり、再び摂取するとカロリーオーバーになる場合、ご飯茶碗の下にお粥を入れその上にご飯を盛り付けます。また、第3者の利用者さんに「さっき一緒に食べたね」と言われ「そうだったけか」と納得する場合もあります。また、「今作っているので、お茶菓子でも食べて待っていてください」と、誘い食事を忘れていただけるようにしばらく寄り添います。
上記のように過去の体験を知ることによって、生活を支援する上で大変役に立つことが多いのです。是非スタッフに過去の職歴や出来事や悲しい思い出などをお話ください。こだわりの理由が過去の体験に隠されていることが多く、原因を見つけることができます。「ホーム長が言うのなら分かりました」という場面は以外と多くあります。上記のように役所の方、警察官、郵便局や銀行の職員のように社会的信頼の高い人の言うことは意外と受け入れてくれたりします。
その場の演技で納得しても、すぐに忘れてしまい、こだわりが始まりますが、そう長くは続きません。いつも気分が良い状態“快”の状態で過ごしていただけるように配慮することが大切です。難しいことですが、「また同じことを言い出した」と声を荒げたり、顔の表情筋をこわばらせると、余計本人の不安感が募り逆効果になります。こだわりの法則を理解していると対応方法が違ってきますね。介護がずっと楽になるはずです。

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8大法則 1原則
認知症の人と家族の会 副代表杉山孝博医師
第6法則 こだわりの法則 パート1
「あるひとつのことに集中すると、そこから抜け出せない」。周囲が説明したり説得したり、否定したりすればするほど、逆にこだわり続ける」という特徴がその内容です。ある人とある人の間に何らかのこだわりが生じた場合、普通、相手を説得したり、相手に説明したり、命令したりしてそのこだわりを解消しようとします。ところが認知症の世界ではこの方法はほとんど通用しません。
こだわりに原因がわかれば、その原因を取り去るようにする、そのままにしておいても差しさえなければそのまま認める、第3者に入ってもらいこだわりを和らげる、別の場面への展開を考える、などの方法が認知症の人のこだわりに対応する基本的なやり方です。認知症の人の過去の生活体験がこだわりとして現れることがよくありますから、本人の生活体験を知っていると、こだわりに対して上手に対応できます。
例えば、お金や物に対する執着は醜く、他人には話せないと家族は思い、どのように対応していいか家族は戸惑ってしまいます。私の経験では、金銭に対し強く執着している認知症の人は、多くの場合、かって経済的に厳しい体験を持っています。女手ひとつで子供を育てた人、倒産や詐欺にあった経験をもっている人、長い間一人暮らしをしていた人など、どの人も、生きていくのに最も重要な手段である金銭や物に執着するのは無理もない人たちであるといえます。また、道に落ちているものを収集している場合、家がゴミの山になることはたまらないことですが、もったいないと思って拾ってくる認知症の人のほうが、貴重な資源を平気で捨てる人よりよほどノーマルではないでしょうか。
具体的な例をみていきましょう。私が担当している保健所の認知症相談(老人精神保健相談)に、初老期の女性が次のような相談に来られました。「私が外出から帰ると主人は私のところにやってきて、“今までどこに行っていたのだ。どこで男と逢っていたのだ”と毎回言うようになりました。先日、息子と一緒に帰宅しましたら、息子と関係しているとまで言い出しました。情けなくて・・・。どうしたらよいでしょうか」さらに話を聞きますと、1年ほど前から物忘れがひどくなり物を紛失するようになったため、印鑑や預金通帳を奥さんが保管することにして、夫が請求しても渡さないことにしたということでした。
「自分にとって大切なものをあなたがもっていってしまったと考えて、ご主人はあなたに対し猜疑心を持ったのです。請求されれば通帳や印鑑を渡しなさい。無くなっても再発行や改印届けを出せばよいのですから」とアドバイスをしました。翌月の認知症相談に奥さんがやって来て、「先生の言われたとおりにしましたら、浮気妄想はきれいになくなりました。あれは本当に認知症だったのですか?」
こだわり続ける認知症の人に対して、その場しのぎの対応や虚偽の言葉で納得させることがしばしば必要となることがあります。「第2法則=症状の出現強度に関する法則」にあるように、よその人に対してしっかりした態度を示すことから、第3者がかかわると、こだわりが軽くなることが少なくありません。認知症に人は、警察官や役所の人、郵便局や銀行の職員、医師など社会的な信頼度が高い人には、認知症が相当進んでも信頼するものです。
「私の年金を嫁が勝手に引き出している」と疑い続けている人に対して、預金通帳を見せながら、「1円も引き出されていない」と家族が説得しても聞き入れませんが、郵便局員から「〇〇さん、年金は間違えなく振り込まれていますよ、安心して下さい」といわれると素直に信じ安心した表情を見せてくれます。残念ながら一安心しても、記銘力低下(ひどい物忘れ)のためしばらくすると再び心配し始め郵便局へ行くことになります。そのときも郵便局員は同じように安心する言葉をさらりとかけてほしいと思います。
<ホーム長のつぶやき>
こだわりが強くこちらの誘いかけにも応じない場合、2人3脚では、説得したり説明したりしないように心がけています。少し時間をあけてから、再び誘導しやっていただきます。また、金銭面では、お金の預かり券を発行した様に見せかけて、書いた紙を手渡し持っていただいたりと演技をします。入浴にこだわりがあって入らない場合、入浴券をラミネートで作成し本人に手渡します。この方法で上手くいく場合もあります。
「ご飯を食べていない」といわれても食べたばかり、再び摂取するとカロリーオーバーになる場合、ご飯茶碗の下にお粥を入れその上にご飯を盛り付けます。また、第3者の利用者さんに「さっき一緒に食べたね」と言われ「そうだったけか」と納得する場合もあります。また、「今作っているので、お茶菓子でも食べて待っていてください」と、誘い食事を忘れていただけるようにしばらく寄り添います。
上記のように過去の体験を知ることによって、生活を支援する上で大変役に立つことが多いのです。是非スタッフに過去の職歴や出来事や悲しい思い出などをお話ください。こだわりの理由が過去の体験に隠されていることが多く、原因を見つけることができます。「ホーム長が言うのなら分かりました」という場面は以外と多くあります。上記のように役所の方、警察官、郵便局や銀行の職員のように社会的信頼の高い人の言うことは意外と受け入れてくれたりします。
その場の演技で納得しても、すぐに忘れてしまい、こだわりが始まりますが、そう長くは続きません。いつも気分が良い状態“快”の状態で過ごしていただけるように配慮することが大切です。難しいことですが、「また同じことを言い出した」と声を荒げたり、顔の表情筋をこわばらせると、余計本人の不安感が募り逆効果になります。こだわりの法則を理解していると対応方法が違ってきますね。介護がずっと楽になるはずです。

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2011年08月30日
2011年08月30日
2人3脚の菜園ではスイカ、ゴーヤ、花おくら、無花果を収穫
花おくらは10枚くらい収穫、無花果は初めての収穫
畑には“でんすけスイカ”が大きくなってきました。
こちらはひょうたんかぼちゃだそうです。
花おくらに蟻がついています。とっていただきました。
食べるとおくらの味、鮮度が命です。
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