ブログ引越ししました。(2011年12月5日) ≫ http://aisin.i-ra.jp/
2011年06月18日
今日の午後2人3脚特性ネット使用して風船バレーで汗を流す
2011年06月18日
医師の目人の目・認知症 第36条 過去の姿に固執せず
医師の目・人の目
「知ってますか?認知症」 パート36
公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
過去の姿に固執せず
「細かいところによく気配りができ、いつも身奇麗にしていたお母さんが、これほどだらしがなくなるとは!とても信じられません」肉親に認知症が始まるとどの家族も現実を認めようとしない。これまでのイメージに固執して元通りのしっかりした人になってもらおうと、教え込んだり、説明したり、叱ったりする。
それで効果かが得られるだろうか。分別ある、しっかりした肉親が戻ってくるだろうか。多くの場合、答えは「ノー」である。何度教えてもすぐ忘れてしまう「記銘力低下の特徴」、説明されたり否定されたりすればするほど、こだわりを強めてしまう「こだわりの法則1・こだわりの法則2」そのようなことをする人をくどい人、いやな人ととらえてしまう「感情残像の法則」などの特徴から、認知症の症状がかえってひどくなる場合が多いのだ。
正常な言動と認知症の症状である異常な言動が混在するという「まだら症状の法則」にあるように、認知症の人はしっかりした言動をしばしばするし、一時的な混乱が落ち着くと、認知症が治ったと思えるような穏かな状態になることもよくある。こんなとき、家族は「やはり認知症ではなかったのだ」「認知症が治った」と思いがちだ。家族がそのように考えても悪いとは思わないが、残念ながら、元の状態に戻そうとする努力はマイナスの結果をもたらす場合が多い。
結局、現実を認め、それをそのまま受け入れるしかない。現実を受け入れたくない家族の気持ちはよく分かるが、過去にこだわりを持っている時こそ、介護が最も困難な時期である。かつて社会に活躍して地位の高かった人、趣味が豊かであった人、優しく尊敬されていた人が認知症になると、現実とのギャップが大きく、家族の混乱が甚だしい場合が多い。
これまでの連載で取り上げてきた認知症の特徴を十分理解して、本人の世界に合わせて対応することが大切だ。「昔の母のイメージにこだわらないで、まだこれもできる、こんな良いところもあると『良いこと探し』をするようにしたら、気持ちが楽になりました。介護者の体験で色々体験を聞かせてもらったことが良かったです」とある介護者は語った。介護のコツの一つが「過去にこだわらないで現在を認めよう」である。
<ホーム長のつぶやき>
杉山先生は「認知症をよく理解するための8大法則・1原則」の本を書き、いま、川崎幸(さいわい)クリニックの医師業務の傍ら全国に講演活動を行なっています。「こだわりの法則」や「感情残像の法則」「まだら症状の法則」を過去記事からリンクしてありますので、どうぞクリックしてご覧下さい。
認知症の治療が遅れる原因の一つに、この「まだら症状」があります。正常な部分もあるので、家族は「まだ大丈夫、何とかやれる」と思い込み受診が遅れてしまいます。認知症の方の不安や混乱がひどくなり、いろいろな症状が出始め、家族だけでは介護しきれなくなり、ようやく、受診をするケースが多いのです。是非認知症かな?と思われるボーダーラインで受診をお勧めします。本人が認知症という病気の理解ができていれば、脳の異変に気づき病院へ受診するかもしれません。そして早期にお近くのサロンや老人会などへの活動をお勧めします。「行きたくない」と言ったときは、かなり認知症が進行していると見たほうが良いでしょう。
家族の会(すぎなの会)でも認知症サポーター養成講座をやっています。自分が病気になったとき、身内や友人が認知症という病気になったとき、認知症の対応方法を学んでいると本人の混乱も少なくてすみます。早く関わり、認知症を理解している家族や友人、知人に囲まれて生活できれば、普通に穏かに生活をすることができます。進行してきたら、介護保険のサービスを少しでも使いながら支援していきたいものです。

にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい

にほんブログ
「知ってますか?認知症」 パート36
公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
過去の姿に固執せず
「細かいところによく気配りができ、いつも身奇麗にしていたお母さんが、これほどだらしがなくなるとは!とても信じられません」肉親に認知症が始まるとどの家族も現実を認めようとしない。これまでのイメージに固執して元通りのしっかりした人になってもらおうと、教え込んだり、説明したり、叱ったりする。
それで効果かが得られるだろうか。分別ある、しっかりした肉親が戻ってくるだろうか。多くの場合、答えは「ノー」である。何度教えてもすぐ忘れてしまう「記銘力低下の特徴」、説明されたり否定されたりすればするほど、こだわりを強めてしまう「こだわりの法則1・こだわりの法則2」そのようなことをする人をくどい人、いやな人ととらえてしまう「感情残像の法則」などの特徴から、認知症の症状がかえってひどくなる場合が多いのだ。
正常な言動と認知症の症状である異常な言動が混在するという「まだら症状の法則」にあるように、認知症の人はしっかりした言動をしばしばするし、一時的な混乱が落ち着くと、認知症が治ったと思えるような穏かな状態になることもよくある。こんなとき、家族は「やはり認知症ではなかったのだ」「認知症が治った」と思いがちだ。家族がそのように考えても悪いとは思わないが、残念ながら、元の状態に戻そうとする努力はマイナスの結果をもたらす場合が多い。
結局、現実を認め、それをそのまま受け入れるしかない。現実を受け入れたくない家族の気持ちはよく分かるが、過去にこだわりを持っている時こそ、介護が最も困難な時期である。かつて社会に活躍して地位の高かった人、趣味が豊かであった人、優しく尊敬されていた人が認知症になると、現実とのギャップが大きく、家族の混乱が甚だしい場合が多い。
これまでの連載で取り上げてきた認知症の特徴を十分理解して、本人の世界に合わせて対応することが大切だ。「昔の母のイメージにこだわらないで、まだこれもできる、こんな良いところもあると『良いこと探し』をするようにしたら、気持ちが楽になりました。介護者の体験で色々体験を聞かせてもらったことが良かったです」とある介護者は語った。介護のコツの一つが「過去にこだわらないで現在を認めよう」である。
<ホーム長のつぶやき>
杉山先生は「認知症をよく理解するための8大法則・1原則」の本を書き、いま、川崎幸(さいわい)クリニックの医師業務の傍ら全国に講演活動を行なっています。「こだわりの法則」や「感情残像の法則」「まだら症状の法則」を過去記事からリンクしてありますので、どうぞクリックしてご覧下さい。
認知症の治療が遅れる原因の一つに、この「まだら症状」があります。正常な部分もあるので、家族は「まだ大丈夫、何とかやれる」と思い込み受診が遅れてしまいます。認知症の方の不安や混乱がひどくなり、いろいろな症状が出始め、家族だけでは介護しきれなくなり、ようやく、受診をするケースが多いのです。是非認知症かな?と思われるボーダーラインで受診をお勧めします。本人が認知症という病気の理解ができていれば、脳の異変に気づき病院へ受診するかもしれません。そして早期にお近くのサロンや老人会などへの活動をお勧めします。「行きたくない」と言ったときは、かなり認知症が進行していると見たほうが良いでしょう。
家族の会(すぎなの会)でも認知症サポーター養成講座をやっています。自分が病気になったとき、身内や友人が認知症という病気になったとき、認知症の対応方法を学んでいると本人の混乱も少なくてすみます。早く関わり、認知症を理解している家族や友人、知人に囲まれて生活できれば、普通に穏かに生活をすることができます。進行してきたら、介護保険のサービスを少しでも使いながら支援していきたいものです。
にほんブログ村ランキング参加中!よかったらクリックして下さい

にほんブログ