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2010年03月28日

杉山ドクターのやさしい医学講座

第3章 介護保険における特定疾患
                    (認知症の人と家族の会 副代表 杉山孝博医師より)


3.骨折を伴う骨粗鬆症

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、老化により骨の内部がすきまだらけになった状態をいい、骨がもろくてつぶれやすくなるのが特徴です。女性に多い病気です。その理由は、女性は妊娠、出産、授乳などのためにカルシウム不足を起こしやすいこと。骨の形成維持にかかわっている女性ホルモンが閉経後急速に少なくなること、骨の基質をつくる蛋白質の合成が少ないこと、などです。



主な治療法としては、カルシウムの多い食事をとる食事療法、活性型ビタミンD・女性ホルモン剤・カルシウム剤などの内服やカルシウムの吸収・骨への沈着を促す注射などの薬物療法、コルセット作成・温熱療法などの理学療法などがあります。



成人のカルシウム必要量は一日600㎎と定められていますが、日本人の平均摂取量は52㎎といまだに不足気味です。牛乳をはじめ乳製品はカルシウム含有量と吸収率の両面からみて最も優れた食品です。チリメンジャコ・サクラエビ・ヒジキ・ワカメなどの小魚や海藻類、豆腐や納豆などの豆製品、コマツナ・チンゲンサイ・カブの葉などの緑黄色野菜もカルシウムが多く含まれていますので、献立に取り入れたいものです。



日光に当たると、ビタミンDが活性化され、腸からのカルシウムの吸収力や骨の形成力が増します。また、骨に力が加わると骨へのカルシウムの沈着が促進されます。閉じこもりがちなお年寄りを屋外に誘い出すようにすることが大切です。寝たきりは骨からのカルシウムの遊離を促すので、、座位や立位、室内歩行など寝たきり予防のケアに心掛けましょう。




骨折は、お年寄りの寝たきりの原因の20%を占めていて、その原因の大部分に骨粗鬆症が関係しています。もちろ、老化により筋力や反射神経が衰えて、転倒しやすくなっていることも背景の1つです。



骨折すると手術や固定のため、一定期間の安静が必要とされ、その間、筋力の低下と意欲の減退が起こり、回復しないまま寝たきりととなってしまいます。お年寄りの骨折中、最も多いのが脊椎の圧迫骨折です。自分の体重に耐え切れず、脊椎がつぶれてくるもので、、腰椎や下肢の痛みに対して、コルセットや鎮痛剤でおさえるのが普通です。



次に多いのが、大腿骨頚部骨折で、人工骨頭を入れたり、釘を打ち込んで固定したりする手術が行なわれます。そのほか、手首や上腕骨の方に近い部分の骨折があります。これらの骨折は、手術しないで、整復したりギブスで固定して、骨が自然にくっつくのを待つことがほとんどです。




骨折の予防には転倒予防も重要です。まず、つまずかないように環境を整えること、足元にまとわりつかないような衣服や履物を身につけること、体重を適正に保つこと、そして、体を動かすことや運動に心掛けることで反射神経を鍛えるようにすること、などです。










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Posted by 2人3脚 at 20:44Comments(0)医学講座

2010年03月28日

Q&Aもの忘れが多くなってきましたが受診を拒みます

Q 62 もの忘れが目立ってきて、ちぐはぐな行動が出てきたため家族は目が離せなくなってきました。受診をさせようと思うのですが、受診に応じてくれません。どうしたらいいでしょうか?



A:専門医療の受診の工夫がコールセンターマニュアルに載っていたのでご紹介します。杉山ドクターのやさしい医学講座でおなじみの杉山孝博先生が受診に結びつかせる工夫を教えてくれています。



医療機関の探し方と医療機関に受診するための工夫





専門医療機関とその探し方

精神科、精神内科、老年科、あるいは「もの忘れ外来」、認知症疾患センターなどに受診することになりますが、それぞれの診療科担当医が必ずしも認知症専門医ではありません。地域の保健所、保健センター、地域包括支援センター、認知症疾患センターなどに問い合わせること、インターネットで認知症専門医を検索することによって情報を集めるのがよいでしょう。



専門医の受診の工夫

早期診断、早期治療の必要性は理解できていても、病識のない認知症の人を医療機関に受診させるのは非常に大変です。本人が自発的に受診するか、あるいは本人に説明して納得が得られた上で、受診することになれば一番望ましいことですが、納得しない場合が圧倒的に多いのが現実です。その場合、認知症の特徴を理解した上で、色々な工夫が必要となります。



介護支援専門員としてもそのような家族の悩みに答えられるような指導法を持つことが必要です。筆者の経験から、スムーズな受診のためのコツをまとめると次のようになります。



●「もの忘れ外来」「老年科」「診療内科」「神経内科」などのある病院で、まず一般的な健康診断を実施して、その延長として認知症の受診に移行する。

●介護者が「私の健康診断に付き合って下さい」とお願いする。


●病院が嫌だという場合には、保健所では老人保健相談をしていることが多いので、「保健所に健康診断に行きましょう」と誘う。

●信頼を持っているかかりつけ医に「知り合いのよい先生を紹介しましょう」と専門医へ受診をすすめてもらう。

●頭痛、だるさ、腹痛などの身体症状を訴えるときには受診を納得させやすい。

●日ごろ顔を合わせない息子や娘、ヘルパーやケアマネージャー、保健所のソーシャルワーカー、などに付き添ってもらう。

●付き添いは二人がよい。受診手続きや順番待ちのとき、一人が相手をしていられる。

●受診の日を早くから言わないで、当日さりげなく言う。


結局、「ドラマ仕立て」で、受診に持っていくことが有効な方法といえます。










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