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2009年10月24日
認知症を理解する パート6
認知症を理解する パート6
5.認知症の診断・治療
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
早期診断・早期治療が大事なわけ
認知症はどうせ治らない病気だから病院へ行っても仕方ないという人がいますが、これは誤った考えです。認知症ついても早期受診、早期治療は非常に重要です。
治る病気や一時的な症状の場合がある
正常圧水頭症とか、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫等の場合、脳外科的な処置で劇的に良くなる場合があります。甲状腺ホルモンの異常な場合は、内科的な治療でよくなります。薬の不適切な使用が原因で認知症のような症状が出た場合は、薬をやめるか調整すれば回復します。ところが、こうした状態のまま長期間放置すると、脳の細胞が死んだり、恒久的な機能不全に陥って回復が不可能になります。一日も早く受診することが重要です。
早い時期に受診することのメリット
アルツハイマー病では、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすることができます。病気が理解できる時点で受診し、すこしづつ理解を深めていけば生活上の障害を軽減でき、その後のトラブルを減らすことも可能です。障害の軽いうちに障害の重くなったときの後見人を自分で決めておく(任意後見制度)などの準備や手配をしておけば、認知症であっても自分らしい生き方を全うすることが可能です。
初期は専門の医療機関の受診が不可欠
認知症の診断は初期ほど難しく、高度な検査機器と熟練した技術を要する検査が必要です。専門への医療機関受診が不可欠です。
受診の内容
CT,MRI、脳血流検査などの画像検査、記憶・知能などに関する心理的検査に加え、認知症のような症状を引き起こす身体の病気ではないことを確認する検査を行ないます。
認知症の治療
アルツハイマー型は薬で中核症状の進行を遅らせることができる
「塩酸ドネベジル」という薬が開発され、広く使用されています。衰えた海馬の細胞を活性化し、最大でおよそ10ヶ月、進行を遅らせることができますが、脳の細胞が死んでいくスピードを遅くしたり止めたりする作用はありません。本格的な治療薬は現在、開発が進んでおり、遠くない将来ワクチン療法が可能になるかも知れません」。
脳血管性認知症は進行を止められることもある
脳血管障害の再発や、怪我、身体の病気、環境の激変など大きなストレスによって階段を落ちるように進行することが多いので、これらを防ぐことにより進行が止まることがあります。事故や環境の変化が起こってしまったときは、本人がストレスにさらされないよう、できるだけ保護的に支援することが重要です。
精神症状には原因や状況に応じた療法を
中核症状以外の幻覚、妄想、うつなどの精神症状、失禁などの行動上の問題は、原因や状況に応じて、薬物療法、心理療法、環境の調整、周囲の人の理解など対応方法の工夫をします。
周辺症状と呼ばれるこれらの精神症状や、行動障害は、脳の細胞が壊れたこと(気質因子)、が複合的に関与して起こります。したがって、まず正しい見立てをして原因の推定をし、合理的な治療方針を決定し、現実的な対応をすることが重要です。
認知症の経過と専門家との関係
認知症の経過
認知症の経過は個人差が大きく、認知症が80代、90代で起こった場合は、脳の萎縮が進む前に別の病気や老衰で亡くななくます。早い時期に始まっても、進行が非常に遅い人や進行が止まってしまう人もあります。しかし、認知症によって脳の障害がどんどん進行する場合、精神機能の障害だけでなく身体機能の低下が起こり、数年から十数年の経過で歩行ができなくなり、寝たきりになります。最終的には口から食べ物を飲み込むことができなくなり、肺炎を繰り返すようになって亡くなります。
軽症のうちから専門家と信頼関係を築く
認知症が進行して寝たきりになる頃には、自分で介護や医療上の決定ができなくなります。しかし、現在の日本では、誰かにインフォームドコンセントの権限を委任するという法的制度がありません。法的後見人にも医療上の代諸権はないとされています。
早期に診断を受けても、できるだけ自分の力で生きていきたいと思う人、あるいは頼るべき人もなく、自分で生きていかざるを得ない人も少なくありません。そういうときは、地域福祉権利擁護や新しい成年後見制度(補助や任意後見)を活用しましょう。
かかりつけ医に相談に乗ってもらうケアマネジャーを持ち、これらの制度を十分利用すれば、かなり進行するまで自分の意思に沿った生活をすることができます。終末医療や介護の方針については、信頼できる誰かに任せなければならないので、自分の周りにいる人たちと十分コミュニケーションを保ち、自分の生き方や考え方を理解してもらいましょう。
本人に代わって意思決定を代行するときは、本人のこれまでの人生、価値観、現在の状況、、医学的な現状の評価と予後の見通しなどを参考に、決定をしなければなりません。

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5.認知症の診断・治療
(認知症サポーター養成講座標準教材より)
早期診断・早期治療が大事なわけ
認知症はどうせ治らない病気だから病院へ行っても仕方ないという人がいますが、これは誤った考えです。認知症ついても早期受診、早期治療は非常に重要です。
治る病気や一時的な症状の場合がある
正常圧水頭症とか、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫等の場合、脳外科的な処置で劇的に良くなる場合があります。甲状腺ホルモンの異常な場合は、内科的な治療でよくなります。薬の不適切な使用が原因で認知症のような症状が出た場合は、薬をやめるか調整すれば回復します。ところが、こうした状態のまま長期間放置すると、脳の細胞が死んだり、恒久的な機能不全に陥って回復が不可能になります。一日も早く受診することが重要です。
早い時期に受診することのメリット
アルツハイマー病では、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすることができます。病気が理解できる時点で受診し、すこしづつ理解を深めていけば生活上の障害を軽減でき、その後のトラブルを減らすことも可能です。障害の軽いうちに障害の重くなったときの後見人を自分で決めておく(任意後見制度)などの準備や手配をしておけば、認知症であっても自分らしい生き方を全うすることが可能です。
初期は専門の医療機関の受診が不可欠
認知症の診断は初期ほど難しく、高度な検査機器と熟練した技術を要する検査が必要です。専門への医療機関受診が不可欠です。
受診の内容
CT,MRI、脳血流検査などの画像検査、記憶・知能などに関する心理的検査に加え、認知症のような症状を引き起こす身体の病気ではないことを確認する検査を行ないます。
認知症の治療
アルツハイマー型は薬で中核症状の進行を遅らせることができる
「塩酸ドネベジル」という薬が開発され、広く使用されています。衰えた海馬の細胞を活性化し、最大でおよそ10ヶ月、進行を遅らせることができますが、脳の細胞が死んでいくスピードを遅くしたり止めたりする作用はありません。本格的な治療薬は現在、開発が進んでおり、遠くない将来ワクチン療法が可能になるかも知れません」。
脳血管性認知症は進行を止められることもある
脳血管障害の再発や、怪我、身体の病気、環境の激変など大きなストレスによって階段を落ちるように進行することが多いので、これらを防ぐことにより進行が止まることがあります。事故や環境の変化が起こってしまったときは、本人がストレスにさらされないよう、できるだけ保護的に支援することが重要です。
精神症状には原因や状況に応じた療法を
中核症状以外の幻覚、妄想、うつなどの精神症状、失禁などの行動上の問題は、原因や状況に応じて、薬物療法、心理療法、環境の調整、周囲の人の理解など対応方法の工夫をします。
周辺症状と呼ばれるこれらの精神症状や、行動障害は、脳の細胞が壊れたこと(気質因子)、が複合的に関与して起こります。したがって、まず正しい見立てをして原因の推定をし、合理的な治療方針を決定し、現実的な対応をすることが重要です。
認知症の経過と専門家との関係
認知症の経過
認知症の経過は個人差が大きく、認知症が80代、90代で起こった場合は、脳の萎縮が進む前に別の病気や老衰で亡くななくます。早い時期に始まっても、進行が非常に遅い人や進行が止まってしまう人もあります。しかし、認知症によって脳の障害がどんどん進行する場合、精神機能の障害だけでなく身体機能の低下が起こり、数年から十数年の経過で歩行ができなくなり、寝たきりになります。最終的には口から食べ物を飲み込むことができなくなり、肺炎を繰り返すようになって亡くなります。
軽症のうちから専門家と信頼関係を築く
認知症が進行して寝たきりになる頃には、自分で介護や医療上の決定ができなくなります。しかし、現在の日本では、誰かにインフォームドコンセントの権限を委任するという法的制度がありません。法的後見人にも医療上の代諸権はないとされています。
早期に診断を受けても、できるだけ自分の力で生きていきたいと思う人、あるいは頼るべき人もなく、自分で生きていかざるを得ない人も少なくありません。そういうときは、地域福祉権利擁護や新しい成年後見制度(補助や任意後見)を活用しましょう。
かかりつけ医に相談に乗ってもらうケアマネジャーを持ち、これらの制度を十分利用すれば、かなり進行するまで自分の意思に沿った生活をすることができます。終末医療や介護の方針については、信頼できる誰かに任せなければならないので、自分の周りにいる人たちと十分コミュニケーションを保ち、自分の生き方や考え方を理解してもらいましょう。
本人に代わって意思決定を代行するときは、本人のこれまでの人生、価値観、現在の状況、、医学的な現状の評価と予後の見通しなどを参考に、決定をしなければなりません。

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