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2011年06月14日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック パート29
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート29
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
7 抑うつ症状
意欲や気力が低下する
レビー小体型認知症の初期にあらわれやすいものに、抑うつ症状があります。レビー小体型認知症の場合、約7割の人がこの抑うつ症状を有しています。アルツハイマー型認知症などにおいても高い割合で見られますが、レビー小体型認知症では、その2倍以上といわれています。レビー小体型認知症をよく知っている医師であれば、抑うつ症状のある高齢者が、受診に訪れた場合、まずレビー小体型認知症を疑うことができますが、そうでない場合、うつ病や血管性うつ病、と誤診してしまうことが多々あります。
抑うつ症状とは、気分がふさぎこみ、悲観的で、憂うつな状態を言います。「(私は)役に立たない人間だ」「死にたい」と言った事故否定的な発現も見られます。レビー小体型認知症の抑うつ症状の場合、こうした憂うつな気分に支配されるとともに、意欲の低下や、自発性の低下があらわれます・。具体的にはやる気がでない、興味・関心が減る、食事を取らなくなる、部屋に引きこもるなどです。レビー小体型認知症では、既に述べてきた、パーキンソン症状や認知の変動、幻視からくる不安感などが、抑うつ症状に影響を及ぼしていることも考えられます。
<ホーム長のつぶやき>
抑うつ症状についてこれから入れていきます。アルツハイマーの初期症状でも抑うつ気分が続きうつの治療が長期に続き、アルツハイマー型認知症の治療が遅れてしまう場合があります。今はCT、MRI、心筋シンチグラフィー、脳スペクトなどで早期に診断が出来ますので、セカンドオピニオンをお勧めします。また、新薬のメマリー錠、レミニール錠、リバスタッチ(貼り薬)なども相次いで発売されました。アリセプト錠の副作用で悩み、服用できない方(胃腸障害で気持ちが悪くなり服用できない)には特に朗報です。
特に高齢者で抑うつ症状がひどくなると、動くことも億劫になり1日中ごろごろ横になり、水分や食事もまともに摂らなくなります。一気に寝だこ(褥そう)が出来てしまった方も、以前勤めていた精神科外来で目にしました。早めの対策を打ち、受診をしましょう。褥そうは痩せがひどく、栄養不足になると、仙骨(尾てい骨上部)や大転子部(腸骨)に出来やすくなります。出来てしまえば痛みも発生します。注意しましょう。

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2011年06月02日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート28
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート28
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
6 自律神経症状
起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい
めまいにも注意
レビ小体型認知症では、めまいを伴うことがあります。めまいを起こす病気と言えば、メニエール病が有名ですが、自律神経症状やうつ病などが引き起こす場合もあります。
めまいにはいくつかの種類がありますが、主なものは「回転性めまい」と「浮動性めまい」です。浮動性めまいは「動揺性めまい」「非回転性めまい」などと呼ばれることがあります。
「回転性めまい」は、自分の身体あるいは、足場がぐるぐると回転しているように感じるめまいです。吐き気や嘔吐を催したり身体のバランスを失って倒れたりすることもあります。主に三半規管の異常が原因とされています。「浮動性めまい」は、船から降り立ったときのように、「ふわふわ」「ふらふら」と身体が揺れているような感覚をもっています。
脳幹や小脳に起因し、数分で治まることも少なくありません。レビー小体型認知症の人の場合、回転性めまいよりも、この浮動性めまいが多くみられます。自律神経症状として、肩こりの症状をもつ人がいますが、マッサージなどで肩こりを緩和することで、めまいが軽減する場合があります。
<ホーム長のつぶやき>
浮動性めまいを体験したことがあります。少々疲れ気味で肩こりがひどかったときのことです。寝ていて寝返りを右に打つと、体が中に浮いたような感覚で「ふわふわ」感がしばらく続きました。布団がたためません。下を向くとふらつきがひどく吐き気が襲ってきます。母の苦しみがその時はじめて分かったような気がしました。病弱な母でした。いつも学校から帰ると仕事を休んで寝ている姿がそこにありました。めまいのときは瞳がくるくる回っているではありませんか。めまいでこんな瞳が動くのかと思いました。その時の衝撃は今でも忘れることができません。季節の変わり目になると必ずこの病気になっていました。ひどいときは嘔吐や下痢が続きます。60歳で仕事をやめたら症状が取れました。
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2011年05月21日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック パート27
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート27
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
6 自律神経症状
起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい
頻尿など排泄にまつわる症状
排泄にまつわる自律神経症状としては、便秘や頻尿・尿失禁などが非常に多く見られます。便秘がひどくなると、イレウス(腸閉塞)を起こしたり、周辺症状を助長させたりする場合があります。
人間が1日に排泄する尿量は1,000~1,500ccとされ、1回200~300ccの尿を計5回くらい排泄するのが普通です。一日の排尿が10回以上を「頻尿」といいます。頻尿やそれに伴う尿漏れ・尿失禁などは、本人あるいは家族にとって、困りごとの1つです。頻尿はさまざまな原因が考えられますが、膀胱の自律神経に障害があると、急にがまんできないほどの強い尿意を感じる「過活動性膀胱」がおこります。
過活動性膀胱では、たまっている尿の量とは無関係に膀胱の筋肉が収縮するために、日中または夜間に何度もトイレに行きたくなり、間に合わないと尿漏れや、尿失禁につながってしまいます。(過活動性膀胱による失禁を「切迫性尿失禁」とよびます)。なお、頻尿やそれに伴う尿漏れ・尿失禁を少なくしようと、なるべく水分をとらないように努める人がいますが、高齢者の場合、脱水症状を起こすことにもなりかねないため、水分は適度に摂取することが必要です。
<ホーム長のつぶやき>
過去記事「周辺症状」(レビー小体型認知症パート5)や「尿失禁」(Q&Aパート26)でもう一度復習してみましょう。レビー小体型認知症だけでなく、高齢になると色々な尿失禁がみられます。2人3脚ではオムツも身体拘束ととらえ、なるべくオムツをしないように訓練をしています。その方の排泄パターンを排泄チェックシートで確認し、尿誘導を試みます。そのうち尿意を感じるようになり自分でトイレにいかれる方もいます。プライバシーに配慮しながらさりげなくトイレへお誘いします。頻尿は本人にとってはとてもつらいものです。ひどい方で10分~30分おきにトイレに行かれます。それだけで疲れてしまいます。そのようなときは医師との連携を密にしています。
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2011年05月15日
転ばむ先の入れ歯なり・8020歯を大切に
8020・歯を大切に
転ばむ先の入れ歯なり
大井 孝 東北大大学院歯学研究科助教授
少し前のこと、喜寿を迎えた父がスーパーで買い物中に転倒して救急車で病院に担ぎこまれました。頭を多少打ったようですが、幸い骨折や脳への問題もなく、小さなコブができただけで済みました。普段からこうした有事に備えて厚手のニット帽をかぶって外出する父の用意が良かったようです。今でこそサラッと書いています、最初に電話でそれを知ったときは音を立てて血の気が引いてゆくようでした。
さて、それでというわけではありませんが、今回の話題は高齢者の転倒骨折です。転倒骨折は高齢者が要介護に至る大きな原因です。平成16年度に厚労省が実施した国民生活基礎調査では、脳血管疾患、老衰による衰弱に次ぐ要介護の原因であるという結果が出ています。高齢者の転倒で骨折部位が多いのは、大腿骨、上腕骨、頭骨(前腕の親指側にある長い骨)で、特に大腿骨の骨折は受傷後に起こる心身の活動性低下や、筋の廃用性萎縮によって要介護になる割合が非常に高いことが知られています。
廃用性萎縮とは、安静期間が長くなることによって生じる器官や組織の萎縮です。転倒骨折のリスクを高めるものには、加齢による筋力、バランス、視覚などの身体機能低下や脳卒中、関節炎、骨租しょう症などの疾患、それから段差、障害物、証明などの環境要因が挙げられます。
身体を支えたり、バランスをとるとき、人は下あごの位置を固定し、特にその位置で強いかみ締め力(咬合力)を発揮します。そこで私たちは仙台市に住む70歳以上の高齢者828名を対象に、約3年11ヶ月間にわたり転倒骨折の発生を追跡して、追跡開始時の噛み合わせや咬合力がその後の転倒骨折発生にどのように関係するかを調査しました。その結果、29名、(3.5%)に転倒骨折が見られ、咬合力が大きいグループに比べ、て小さいグループは4倍以上転倒骨折を発生しやすいことがわかりました。
一方で、自分の歯による噛み合わせの多寡と転倒骨折発生には関連が認められませんでした。したがって、たとえ自分の歯による噛み合わせが少なくなってしまったとしても、しっかりした義歯で噛み合わせを回復し、咬合力を増すことで転倒骨折のリスクをいくらかでも軽減させられる可能性が示されました。「転ばぬ先の入れ歯なり」、と言ったところでしょうか。それとニット帽も。
<ホーム長のつぶやき>
上記のことをブログアップしたのは常日ごろから私の思っていることです。訪問歯科医と連携しながら、いま、2人3脚では口腔ケアに力を入れたり、虫歯の治療や義歯の調整をしていただいています。特に男性は大腿骨頚部骨折をすると女性に比べて4倍の確立で死に直面してしまいます。そうならないためにも歯はとても大事なことです。廃用症候群に陥ると全身の筋肉も落ちてしまいます。特に飲み込む力、噛む力が弱くなり誤嚥性肺炎を起こしてしまい、死亡するケースが多いのです。
以前ブログにアップした、「知らないと怖い口の中の汚れ」も参考にしてみてください。カテゴリーの医学講座の目次をクリックすると見ることができます。
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転ばむ先の入れ歯なり
大井 孝 東北大大学院歯学研究科助教授
少し前のこと、喜寿を迎えた父がスーパーで買い物中に転倒して救急車で病院に担ぎこまれました。頭を多少打ったようですが、幸い骨折や脳への問題もなく、小さなコブができただけで済みました。普段からこうした有事に備えて厚手のニット帽をかぶって外出する父の用意が良かったようです。今でこそサラッと書いています、最初に電話でそれを知ったときは音を立てて血の気が引いてゆくようでした。
さて、それでというわけではありませんが、今回の話題は高齢者の転倒骨折です。転倒骨折は高齢者が要介護に至る大きな原因です。平成16年度に厚労省が実施した国民生活基礎調査では、脳血管疾患、老衰による衰弱に次ぐ要介護の原因であるという結果が出ています。高齢者の転倒で骨折部位が多いのは、大腿骨、上腕骨、頭骨(前腕の親指側にある長い骨)で、特に大腿骨の骨折は受傷後に起こる心身の活動性低下や、筋の廃用性萎縮によって要介護になる割合が非常に高いことが知られています。
廃用性萎縮とは、安静期間が長くなることによって生じる器官や組織の萎縮です。転倒骨折のリスクを高めるものには、加齢による筋力、バランス、視覚などの身体機能低下や脳卒中、関節炎、骨租しょう症などの疾患、それから段差、障害物、証明などの環境要因が挙げられます。
身体を支えたり、バランスをとるとき、人は下あごの位置を固定し、特にその位置で強いかみ締め力(咬合力)を発揮します。そこで私たちは仙台市に住む70歳以上の高齢者828名を対象に、約3年11ヶ月間にわたり転倒骨折の発生を追跡して、追跡開始時の噛み合わせや咬合力がその後の転倒骨折発生にどのように関係するかを調査しました。その結果、29名、(3.5%)に転倒骨折が見られ、咬合力が大きいグループに比べ、て小さいグループは4倍以上転倒骨折を発生しやすいことがわかりました。
一方で、自分の歯による噛み合わせの多寡と転倒骨折発生には関連が認められませんでした。したがって、たとえ自分の歯による噛み合わせが少なくなってしまったとしても、しっかりした義歯で噛み合わせを回復し、咬合力を増すことで転倒骨折のリスクをいくらかでも軽減させられる可能性が示されました。「転ばぬ先の入れ歯なり」、と言ったところでしょうか。それとニット帽も。
<ホーム長のつぶやき>
上記のことをブログアップしたのは常日ごろから私の思っていることです。訪問歯科医と連携しながら、いま、2人3脚では口腔ケアに力を入れたり、虫歯の治療や義歯の調整をしていただいています。特に男性は大腿骨頚部骨折をすると女性に比べて4倍の確立で死に直面してしまいます。そうならないためにも歯はとても大事なことです。廃用症候群に陥ると全身の筋肉も落ちてしまいます。特に飲み込む力、噛む力が弱くなり誤嚥性肺炎を起こしてしまい、死亡するケースが多いのです。
以前ブログにアップした、「知らないと怖い口の中の汚れ」も参考にしてみてください。カテゴリーの医学講座の目次をクリックすると見ることができます。

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2011年05月06日
レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックパート26
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート26
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
6 自律神経症状
起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい
体温の調節が困難に
レビー小体型認知症では、しばしば体温の調節に障害が見られます。これも、自律神経症状の一つです。具具体的な症状としては、多汗や寝汗などがあげられます。人間は、発汗によって体温が高くなりすぎるのを防いでいますが、その調節を担っている自律神経に異常をきたすために、こうした発汗障害が起こります。汗をひどくかくため、洋服を一日に何度も着替えたり、夜中に夜間着を頻繁に着替えたりすることになります。
手っ取り早く発汗を抑えるには、濡れたタオルを、外頚動脈が走っている頚に巻くといった方法が効果的です。一方皮膚の血管が拡張することによって、低体温症になりやすいことも特徴です。体温が下がることによって、免疫機能や代謝機能も低下してしまいます。低体温症は手足の冷えとしてあらわれることが多くありますが、上半身または顔だけ汗をたくさんかく一方で、手足が冷たいという人もいます。
手足の局所的な冷汗を訴える場合は、入浴や足浴や手浴などを行います。入浴は心身をリラックスさせ、交感神経と副交感神経のバランスを整える効果も期待できます。就寝前に入浴する場合、お湯の温度はぬるめがよいでしょう。なお、こうした体温調整が難しいレビー小体型認知症の人には、室内の温度や湿度の調節も大切です。温度は25℃くらいに、湿度は40~60%に設定し、被服内温度(着衣の中の温度)31~35℃に保つようにします。また、部屋と台所、居間、トイレなどの各所において、5℃以上の温度差がないようにします。
<ホーム長のつぶやき>
2人3脚でも全面介助の方が多くおります。自分で訴えることのできない全面介助の方には特にバイタル測定に神経を使います。真冬など室内が寒かったりすると体温は低下します。また、西陽などが当たって部屋の温度が上がってしまったときなど、体温は上昇してしまいます。衣類の調整、掛け物の調整に神経を使います。
高熱が出ても発汗がない方もいます。汗をかいたら体温が下がるので温かい蒸しタオルで素早く全身を清拭し衣類を交換します。また、汗をかかないでいつまでも高熱が続いたりすると、本人にも負担がかかります。ペットボトル(500mℓ)を凍らせ、タオルなどで巻き、腋窩(わきの下)をクーリングし、早く体温を下げてあげます。ここで勉強したように濡れたタオルで外頚動脈を冷やすと発汗を抑えられることは知りませんでした。早速この技法を取り入れたいと思います。年齢に関係なく寝たきりになると体温調整が難しくなりますので、温度や湿度に神経を使いましょう。
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2011年05月02日
認知症の新薬・震災で遅れていますがもうすぐ発売されます
認知症の新薬
昨年の今頃認知症の新薬が相次いで発売されそうですとブログに載せました。今日はその効能を詳しくお知らせいたします。
アリセプト
アセチルコリンを低下させ脳の活性化を図ります。
①.感情表現が豊かになる。
②.意思表示がはっきりする
③.自発性や周囲の関心が高まる
ドネベジル塩酸塩
アリセプト:3mg、5mg、10mg(7.5mgドクターによっては5mgを1錠半使用)
FAST Stage1A~10A 中等度3A以上
高度6A以上
中等度~高度 メマンチン
グルタミン酸 神経細胞の過剰な興奮を抑えます
脳の機能をアップ、弱った神経細胞を守ります
軽度~中等度 リバスチグミン(貼る薬)
両方ともアリセプトと同じ働きアセチルコリンを低下させます
2種類を一緒に服用することが可能となります。副作用
が強くて服用できなかったかたに朗報です。
軽度~中等度 ガランタミン
認知症の早期発見治療
PET SCAMでPIBを用いるとアルツハイマ-病の診断に有用です。PIB(ピッツバーグ コンパウンドB):トレ-サ-薬の一種ベ-タ-アミロイドPCにつく
SPECT 特に発症前の診断に有効
認知症かかりつけ医のフォロ-アップ研修では上記の薬剤の使用方法を学んでいるそうです。

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昨年の今頃認知症の新薬が相次いで発売されそうですとブログに載せました。今日はその効能を詳しくお知らせいたします。
アリセプト
アセチルコリンを低下させ脳の活性化を図ります。
①.感情表現が豊かになる。
②.意思表示がはっきりする
③.自発性や周囲の関心が高まる
ドネベジル塩酸塩
アリセプト:3mg、5mg、10mg(7.5mgドクターによっては5mgを1錠半使用)
FAST Stage1A~10A 中等度3A以上
高度6A以上
中等度~高度 メマンチン
グルタミン酸 神経細胞の過剰な興奮を抑えます
脳の機能をアップ、弱った神経細胞を守ります
軽度~中等度 リバスチグミン(貼る薬)
両方ともアリセプトと同じ働きアセチルコリンを低下させます
2種類を一緒に服用することが可能となります。副作用
が強くて服用できなかったかたに朗報です。
軽度~中等度 ガランタミン
認知症の早期発見治療
PET SCAMでPIBを用いるとアルツハイマ-病の診断に有用です。PIB(ピッツバーグ コンパウンドB):トレ-サ-薬の一種ベ-タ-アミロイドPCにつく
SPECT 特に発症前の診断に有効
認知症かかりつけ医のフォロ-アップ研修では上記の薬剤の使用方法を学んでいるそうです。

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2011年04月23日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック・パート25
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート25
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
6 自律神経症状
起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい
起立性低血圧を軽減するには
治すことが難しい起立性低血圧ですが、対性療法としてそれを軽減・改善できる方法がいくつかあります。起立性低血圧を起こす回数を少しでも減らすためには、食事や睡眠などの生活習慣を見直していくことが必要です。
起立性低血圧を軽減するための生活習慣
1.水分をこまめにとる
2.ミネラルやビタミンを含んだ栄養バランスのよい食事を取る
3.一回の食事量を少なめにし、数回に分ける
4..適度な塩分を摂取する
5.便秘をしないようにする
6.足の筋力を落とさないように、適度な運動をする
7.適度な休養と十分な睡眠をとる
8.眠る時は「枕」を高くする
9.ストレスを溜めないようにする
10.深呼吸を行なう
11.弾性タイツ「ストッキング」を着用する
12.自律訓練法を行なう
<ホーム長のつぶやき>
前回でも記載しましたが、レビー小体型認知症以外の方、特に高齢者の方は降圧剤、利尿剤、血管拡張剤、抗パーキンソン病薬を服用している方が2人3脚でも多くみられます。多分上記の薬を服用されている高齢者は多くいらっしゃることでしょう。立ちくらみ(起立性低血圧)が起こしやすいので注意しましょう。
上記の生活習慣は、病気をしていない高齢者にも役立つことばかりです。実行してみてください。足がむくみやすい方は弾性ソックスはおすすめです。エコノミー症候群を起こさずすみますし、むくみも取れ本人も楽になり転倒の予防にもつながります。腹7分が何事にも良いそうですよ。私も実行したいのですが意思が弱い。<笑い>
2011年04月06日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート24
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート24
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
6 自律神経症状
起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい
気をつけたい起立性低血圧
レビー小体型の人には、血圧のバランスが悪かったり、貧脈であったり、動悸が激しかったりする傾向があります。これらはみな自律神経症状によるものです。血圧の異常が筆頭として上げられるものが起立性低血圧です。起立性低血圧とは、起き上がったり立ち上がったりした際に急激な血圧低下をきたす症状です。(いわゆる「立ちくらみ」がこれに含まれます)。
原因は、立ち上がる(起き上がる)際、血圧維持のために、機能するはずの交感神経がうまく働かないことや、心臓から送りだされる血液の量が少なくなるためです。高齢者の場合、足の脚力が低下していて、心臓に戻る血流のはたらきが弱まっていることもその一因とされます。
また、降圧剤や血管拡張剤、利尿剤、抗パーキンソン病薬の服用も、起立性低血圧を引き起こすと考えられます。起立性低血圧は、具体的数値でいうと、立ち上がった、(起き上がった)ときに、最低血圧が20mmHg以上低くなる状態を指します。普段から低血圧の人だけに起こるというものでもありません。
起立性低血圧が起こったときは
起立性低血圧は、しばしば転倒や失神を起こす危険性があります。とりわけ、高齢者の場合には反射機能が低下しているため、注意が必要です。したがって、起き上がる際は、体の向きを変えながら、ゆっくりと時間をかけて動くことが大切です。また、立ち上がった際は、その場で足の上げ下げや足踏みを行なうのも効果的です。
なお、失神は食後に起こる場合も少なくありません。消化に伴って、血液が胃腸などに集まり、、脳への血流が減るためです。、そのため食後は急に立ち上がらず、安静にすることが必要です。また、排泄の際に力むことで血圧低下をもたらすこともあるため、注意が必要です。
失神が起きた場合には、速やかに救急車や医療職を呼ぶ必要がありますが、その際には、JCSスケールなどの指標をもとに、意識の程度を伝えることが大切です。
JKSとは Japan Coma Scale の略です。
覚醒の程度は9段階。Ⅰは1桁、Ⅱは2桁、Ⅲは3桁の数値であらわす。
Ⅰ 1 ほぼ意識鮮明だが、今ひとつはっきりしない
覚醒している 2 見当識障害がある
3 自分の名前や生年月日が言えない
Ⅱ 10 普通の呼びかけで目を開ける
刺激を与えると 20 大声で叫ぶ、体を揺すると目を開ける
覚醒する 30 痛み刺激を与えながら呼ぶと、かろうじて目を開ける
Ⅲ 100 痛み刺激に対して、払いのけるような動作をする
刺激を与えても 200 痛み刺激に対し、少し手足を動かしたり、顔をしかめたりする
覚醒しない 300 痛み刺激に反応しない
<ホーム長のつぶやき>
起立性低血圧で倒れる理由が勉強になりました。根拠に基づく理由を知り、食後すぐに歯磨きに誘導をしていましたが、しばらくお茶でも飲んでゆっくりしてから口腔ケアへ誘導することにします。よく噛み食事を摂っていると、消化に伴って血液が胃腸に集まり、脳の血流が特に高齢者は減ってくるのですね。私も気をつけなければ・・・。食後は急に立ち上がらず、右を下にして臥床するのも胃の働きを助けるそうです。胃から十二指腸への消化の運動を助けます。よく子どもの頃「食後すぐに横になると牛になるよ、行儀が悪い」と怒られたものですが、高齢者は逆の発想を抱いた方が良さそうです。
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2011年04月03日
医師の目・人の目認知症 第31条 混乱を経て割り切りへ
医師の目・人の目
「知ってますか?認知症」 パート31
公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
混乱を経て割り切りへ
前回に引き続いて介護家族のたどる4つのステップを考えていきたい。第2ステップは「混乱・怒り・拒絶」だ。「戸惑い・否定」をしていても、現実には異常な言動が続く。すると家族は、そのような言動に対して、どう理解し対応してよいかわからなくなって、混乱状態に陥る。
丁寧に説明し、教えれば理解するだろうと期待して頑張ってみても、効果がえられない。いくら注意しても同じ事を繰り返す。一晩中騒いで眠らせてくれない。このような状態になると心優しい介護者であってもつい「いいかげんにしてよ。さっき注意したばかりでしょう!」と、怒りの気持ちがわき上がってくる。
さらに介護の成果か一向に得られず、孤立して介護を続けざるを得ない介護者は精神的・身体的に疲労困憊(こんぱい)して、ついには「とても面倒を見切れない。このままでは私も家族も倒れてしまう」「お母さんさえいなければ、どんなに気持ちが楽になるだろう」などと言って、認知症の人を拒絶しようとする。
これが第2ステップの「混乱・怒り・拒絶」である。この段階では介護者の苦悩は極限に達する。日常的な苦労に加えて、この状態が何年間続くのかという不安が重くのしかかり、介護を苦しめることになる。
第2ステップの特徴は、認知症に関する正確な知識もなく、適切な医療や介護サービスを受けずに、介護者が常識的な対応をすることで、かえって認知症の症状を悪化させていることである。介護を「拒絶」しようとしても、親類の援助を得られない、施設に入所できない場合には、介護は続いていく。すると、そのうちに「一生懸命やってきたけれど、どうも効果がないばかりか、かえって混乱がひどくなってしまう」ということが分かってくる。
そういう段階では無駄なことはしなくなる。第3ステップの「割り切り、あるいはあきらめ」の境地に至るのである。同時に、認知症の介護を通して、あるいは本や新聞、社団法人「認知症の人と家族の会」などを通して、色々な情報を得ることで、さまざまな介護のテクニックにも次第に精通してくる。
そして社会・医療・福祉からある程度の援助があれば、病院や施設に預けず、家庭で介護しようという気持ちにもなってくる。その一方で認知症が進行し、より多彩な症状が出てくるのも、この時期である。
<ホーム長のつぶやき>
認知症という病気を理解しないで介護している人が大半です。我々家族の会の人たちもこのステップを経験しながら介護してきた人たちがたくさんいます。ですのでコールセンターなどで相談にのる場合、このスッテプの過程を経験しているからこそ今悩んでいる方々の苦しみに共感することができています。
認知症という病気や対応方法を知っていると、このステップが短かくてすみます。是非認知症キャラバンメイトによる認知症サポーター養成講座の研修を受けたり、研修会や家族の会のつどいに参加することで認知症本人の苦しみが理解できるようになります。寄り添う介護ができてきますと、認知症による精神運動興奮(BPSD)が減ってきたり、消失していきます。このステップは介護家族がだれでも経験することで、あなただけではないことを理解しましょう。

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「知ってますか?認知症」 パート31
公益法人認知症の人と家族の会・公益法人認知症の人と家族の会副代表
神奈川県支部代表・公益法人認知症グループホーム協会顧問
川崎幸(さいわい)病院 杉山孝博
共同通信社の配信で、下記の地方紙に平成21年4月以降1年間にわたって毎週連載されました。杉山先生の許可を得まして連載52回シリーズをお届けいたします。(高知、中国、埼玉、上毛、徳島、千葉、下野、佐賀、岐阜、新潟日報、山陰中央新報、山梨日日、宮崎日日、熊本日日中部経済、日本海、秋田魁新報、山形、愛媛、琉球などの新聞社から配信されました。
混乱を経て割り切りへ
前回に引き続いて介護家族のたどる4つのステップを考えていきたい。第2ステップは「混乱・怒り・拒絶」だ。「戸惑い・否定」をしていても、現実には異常な言動が続く。すると家族は、そのような言動に対して、どう理解し対応してよいかわからなくなって、混乱状態に陥る。
丁寧に説明し、教えれば理解するだろうと期待して頑張ってみても、効果がえられない。いくら注意しても同じ事を繰り返す。一晩中騒いで眠らせてくれない。このような状態になると心優しい介護者であってもつい「いいかげんにしてよ。さっき注意したばかりでしょう!」と、怒りの気持ちがわき上がってくる。
さらに介護の成果か一向に得られず、孤立して介護を続けざるを得ない介護者は精神的・身体的に疲労困憊(こんぱい)して、ついには「とても面倒を見切れない。このままでは私も家族も倒れてしまう」「お母さんさえいなければ、どんなに気持ちが楽になるだろう」などと言って、認知症の人を拒絶しようとする。
これが第2ステップの「混乱・怒り・拒絶」である。この段階では介護者の苦悩は極限に達する。日常的な苦労に加えて、この状態が何年間続くのかという不安が重くのしかかり、介護を苦しめることになる。
第2ステップの特徴は、認知症に関する正確な知識もなく、適切な医療や介護サービスを受けずに、介護者が常識的な対応をすることで、かえって認知症の症状を悪化させていることである。介護を「拒絶」しようとしても、親類の援助を得られない、施設に入所できない場合には、介護は続いていく。すると、そのうちに「一生懸命やってきたけれど、どうも効果がないばかりか、かえって混乱がひどくなってしまう」ということが分かってくる。
そういう段階では無駄なことはしなくなる。第3ステップの「割り切り、あるいはあきらめ」の境地に至るのである。同時に、認知症の介護を通して、あるいは本や新聞、社団法人「認知症の人と家族の会」などを通して、色々な情報を得ることで、さまざまな介護のテクニックにも次第に精通してくる。
そして社会・医療・福祉からある程度の援助があれば、病院や施設に預けず、家庭で介護しようという気持ちにもなってくる。その一方で認知症が進行し、より多彩な症状が出てくるのも、この時期である。
<ホーム長のつぶやき>
認知症という病気を理解しないで介護している人が大半です。我々家族の会の人たちもこのステップを経験しながら介護してきた人たちがたくさんいます。ですのでコールセンターなどで相談にのる場合、このスッテプの過程を経験しているからこそ今悩んでいる方々の苦しみに共感することができています。
認知症という病気や対応方法を知っていると、このステップが短かくてすみます。是非認知症キャラバンメイトによる認知症サポーター養成講座の研修を受けたり、研修会や家族の会のつどいに参加することで認知症本人の苦しみが理解できるようになります。寄り添う介護ができてきますと、認知症による精神運動興奮(BPSD)が減ってきたり、消失していきます。このステップは介護家族がだれでも経験することで、あなただけではないことを理解しましょう。

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2011年03月28日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート23
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック パート23
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
6 自律神経症状
起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい
自律神経症状とは
自律神経症状(自律神経障害または自律神経失調症ともいう)もレビー小体型認知症の人によく見られるものです。レビー小体型認知症では、脳の中にだけレビー小体が現れるわけではありません。自律神経内(例えば心臓や食道など)にもそれらが見られます。それによって、自律神経症状をきたすわけです。
自律神経は、活動する神経といわれる「交感神経」と、休む神経といわれる「副交感神経」の2つで成り立っています。交感神経は、血管を収縮させ、血圧や脈拍を上げる作用があります。一方、副交感神経は、血管を拡張させ、血圧や脈拍を下げる作用を担っています。通常、この両神経はバランスを保ちながら働いています。
自律神経症状とは、この2つの神経がうまく切り替わらず、身体的不調をきたすものです。症状は一つだけではなく数えきれないほど多岐にわたりますが、主なものに、起立性低血圧、多汗、寝汗、便秘、倦怠感(だるさ)などがあります。レビー小体型認知症の人では、こうした症状のうち、どれか一つあるいは二つきたしたり、さまざまな症状を多数併せもったりすることがあります。自律神経症状をきたす代表的な病気には、レビー小体型認知症のほかに、ドレーガー症候群、やメニエール病などがあります。
シャイ・ドレーガー症候群
特定疾患(難病)並びに特定疾病(介護保険)に指定されている症候群。自律神経症状を主とし、起立性低血圧によるめまい、ふらつきが目立つ。40~60代の男性に発症しやすい。進行するにつれパーキンソン症状や言語障害などがあらわれる。この症候群を初発症状とし、その後、レビー小体型認知症と診断される例も少なくない。
自律神経症状は多種多様
・めまい、ドライアイ ・のぼせ、起立性低血圧、失神 ・頭痛、イライラ ・耳鳴り ・動悸、胸痛 ・食欲不振 ・手足の冷え、しびれ ・頻尿、インポテンツ ・微熱、多汗、寝汗 ・むくみ ・倦怠感 ・下痢、便秘 ・肩こり、背中の痛み ・息苦しさ
<ホーム長のつぶやき>
認知症の方は自分の身体的苦しみを上手に表出することができないので、精神的行動障害(BPSD)につながるのかもしれません。レビー小体型認知症もアルツハイマー型認知症も同様です。自律神経症の症状がこれほど多岐にわたっているとは思いませんでした。上記に書いたように認知症の方はよくこのような症状を呈します。納得のいく症状ばかりで驚きました。人間の身体は微妙にリンパの流れやホルモンバランス、アレルギー反応そして自律神経などによって大きく左右することをあらためて感じました。このように多くのことを学ぶことによっていち早く利用者様の身体的異常のシグナルや苦痛を感じ取ることができるかもしれません。いや感じ取らなければいけません。自分で訴えることができない利用者様が多いからです。
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2011年03月22日
アルツハイマー病治療薬・3品目がいよいよ使用可能に!
アルツハイマー病治療薬
3品目がいよいよ使用可能になりました
新たなアルツハイマー型認知症治療薬である第一三共(株)のメマリー錠(メマンチン塩酸塩)、ヤンセンファーマ(株)のレミニール錠(ガランタミン臭化水素酸塩)が3月中にも使用可能になる見込みです。
メマリー錠は中程度、高度の症状の進行抑制に効果があるとされ、アリセプトと併用することでより効果を上げるといわれています。
レミニール錠は軽度、中等度の症状において記憶、注意及び集中力が改善される効果があるといわれています。
また、小野薬品工業(株)リバスタッチ、ノバルディスファーマ(株)イクセロン(リバスチグミン)も3月に正式に承認され6月ごろ販売の見込みです。貼り薬という便利さがあり胃腸障害などの副作用が少ないといわれています。
こららの治療薬の服用には医師の処方が必要です。主治医の相談してください。3つの治療薬はそらぞれ異なる効能が期待され、従来のアリセプトに加え、治療薬の選択肢が大きく広がることは確かです。「「家族の会」は今後も、厚生労働省や製薬会社に根本的な治療薬の開発要望を続けます。

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3品目がいよいよ使用可能になりました
新たなアルツハイマー型認知症治療薬である第一三共(株)のメマリー錠(メマンチン塩酸塩)、ヤンセンファーマ(株)のレミニール錠(ガランタミン臭化水素酸塩)が3月中にも使用可能になる見込みです。
メマリー錠は中程度、高度の症状の進行抑制に効果があるとされ、アリセプトと併用することでより効果を上げるといわれています。
レミニール錠は軽度、中等度の症状において記憶、注意及び集中力が改善される効果があるといわれています。
また、小野薬品工業(株)リバスタッチ、ノバルディスファーマ(株)イクセロン(リバスチグミン)も3月に正式に承認され6月ごろ販売の見込みです。貼り薬という便利さがあり胃腸障害などの副作用が少ないといわれています。
こららの治療薬の服用には医師の処方が必要です。主治医の相談してください。3つの治療薬はそらぞれ異なる効能が期待され、従来のアリセプトに加え、治療薬の選択肢が大きく広がることは確かです。「「家族の会」は今後も、厚生労働省や製薬会社に根本的な治療薬の開発要望を続けます。

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2011年03月22日
知っていますかレビー小体型認知症の歴史 パート6
知っていますか?
レビー小体型認知症パート6
今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ366号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が連載で掲載中です。いま、ガイドブックで通して学んでいますので、より理解することができるのではないでしょうか。
●レビー小体型認知症の歴史
これまで5回にわたってレビー小体型認知症(DLB)について述べてきました。今回は最終回なので、DLBの歴史を簡単に紹介し、DLBの今後について私が考えることを記載することにします。
前回DLBとパーキンソン病の関係について述べましたが、DLBの歴史を述べるにはパーキンソン病の歴史から始めなければなりません。パーキンソン病は1817年にイギリスのジェームス・パーキンソンによって初めて詳しい症例の記載がなされましたが、彼は「震顫麻痺」(しんせんまひ)という名前をつけました。パーキンソン病という名前をつけたのは1900年代後半のパリのシャルコーです。彼はさらにこの病気では、認知症も起こることもあることを初めて指摘しました。
しかし、その当時はパーキンソン病では脳にどのような変化があるかわかっていませんでした。1912年にミュンヘンでアルツハイマーのもとで研究していたレビーがパーキンソン病の脳幹や間脳の神経細胞の中に特有な封入体を見つけ、それが1919年にパリのトレチアコッフによりレビー小体と名づけられました。さらに1950年代になって、グリーンフィールドらがパーキンソン病では脳幹のいろいろな部位にレビー小体が必発することを明らかにし、初めてパーキンソン病の脳の変化が明らかになりました。
しかし、その後もレビー小体は大脳皮質にはほとんど出現しないと信じられていました。ところが、1976年以来私たちが脳幹のほかに大脳皮質にもレビー小体がたくさんみられ、認知症とパーキンソン症状をきたす剖検例を続けて何例か報告し、大脳皮質にもたくさんのレビー小体が出現して認知症が起こることを明らかにしました。そしてそれを1984年に「びまん性レビー小体病」と名づけました。その前に私たちは「レビー小体病」という名称を提唱し、レビー小体が主に脳幹に起こりパーキンソン症状を示す脳幹型(パーキンソン病のこと)と大脳皮質にもたくさんのレビー小体が出現し、認知症とパーキンソン症状を示すびまん型(びまん性レビー小体病のこと)、さらにそれらの中間の移行型があることを指摘しました。
その後、さらに1998年には大脳皮質にはたくさんのレビー小体が出るが脳幹には余りレビー小体が起こらず、認知症は起こるがパーキンソン症状が起こらないものを「大脳型」レビー小体病と名づけました。1995年にイギリスで初めて国際ワークショップが開催され、私も基調講演をしましたが、この会の結果が1996年に発表され、「レビー小体型認知症」という名称、その診断基準が初めて報告されました。
その後、レビー小体の本体がアルファー・シスクレインという蛋白からなることが1998年にポリメロポウラスらに報告されるに至りました。そして2005年にはDLBの診断基準の改定版が発表され、臨床診断がより正しく下されるようになりました。2006年には私が横浜で第4回国際ワークショップを開催し、それを機に毎年11月に横浜でDLB研究会を開催し、さらに2008年には家族を支える会を発足させ、毎年11月に家族を支える会と研究会が合同で総会を開いています。
また、「レビー小体型認知症の臨床」(医学書院)が発刊され、さらに家族を支える会から「知っていますかレビー小体型認知症」『レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」(いずれもメディカ出版)が発刊され全国的に家族を支える会の支部が広がり、現在13支部ができています。
●レビー小体型認知症の今後
DLBは歴史が浅いのにいまや高齢者の認知症の20%を占め、アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多いポピラーな認知症となりました。わが国でもダイブDLBが知られるようになり、正しく診断され筒あり、その頻度はまだ増えると思われます。DLBの第5回ワークショップは2012年に開催されると思われますが、そこでは寄り頻度の高い生物学的診断マーカーが論議されると思われます。その一つにわが国で開発されたMIBG心筋シンチグラフィーが話題になり重要な診断マーカーに数えられる可能性があります。現在、山田正仁教授(金沢大)や織茂智之先生(関東中央病院)を中心にその準備が行なわれています。
その他、髄液や血液、さらに皮膚生検でレビー小体の主成分であるアルファー・シスクレインの検出が話題になるでしょう。その他、DLB治療が話題になると思われます。DLBのBPSD に対する治療薬としてコリンエステラーゼ阻害薬(特に日本で開発されたドネベジル臨床治験でデータ)、さらに非定型抗精神病薬などが話題になるでしょうし、認知障害への治療薬の可能性が議論されるでしょう。
もちろん、より正確な臨床診断基準やDLBの危険因子や予防法も話題になるかと思われます。とにかく、頻度が高く、BPSDが早くから起こり、介護が大変なDLBがより早く正しく診断され、適切な対応がなされること、危険因子が明らかになり、早く治療法が確立されることを願って、このシリーズを締めたいと思います。 (おわり)
<ホーム長のつぶやき>
MIBG心筋シンチグラフィーをテレビ番組で放映されたときは本当に驚きました。アルツハイマー型認知症より早期に発見される可能性が出てきました。BPSDが活発で当事者である本人がもっともつらい、さらに介護者は幻視やレム睡眠行動障害などに振り回されます。いま、レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックを小阪先生の許可を得ましてブログにアップ中です。レビー小体型認知症を理解することによって介護の仕方が変わり、本人も介護者も楽になります。カテゴリー内の医学講座の目次をクリックするとガイドブックを見ることができます。どうぞ参考になさってください。レビー小体型認知症・家族を支える会はまだあまり知られていません。ホームページに詳しく載っていますので参考にしてください。

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レビー小体型認知症パート6
今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ366号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が連載で掲載中です。いま、ガイドブックで通して学んでいますので、より理解することができるのではないでしょうか。
●レビー小体型認知症の歴史
これまで5回にわたってレビー小体型認知症(DLB)について述べてきました。今回は最終回なので、DLBの歴史を簡単に紹介し、DLBの今後について私が考えることを記載することにします。
前回DLBとパーキンソン病の関係について述べましたが、DLBの歴史を述べるにはパーキンソン病の歴史から始めなければなりません。パーキンソン病は1817年にイギリスのジェームス・パーキンソンによって初めて詳しい症例の記載がなされましたが、彼は「震顫麻痺」(しんせんまひ)という名前をつけました。パーキンソン病という名前をつけたのは1900年代後半のパリのシャルコーです。彼はさらにこの病気では、認知症も起こることもあることを初めて指摘しました。
しかし、その当時はパーキンソン病では脳にどのような変化があるかわかっていませんでした。1912年にミュンヘンでアルツハイマーのもとで研究していたレビーがパーキンソン病の脳幹や間脳の神経細胞の中に特有な封入体を見つけ、それが1919年にパリのトレチアコッフによりレビー小体と名づけられました。さらに1950年代になって、グリーンフィールドらがパーキンソン病では脳幹のいろいろな部位にレビー小体が必発することを明らかにし、初めてパーキンソン病の脳の変化が明らかになりました。
しかし、その後もレビー小体は大脳皮質にはほとんど出現しないと信じられていました。ところが、1976年以来私たちが脳幹のほかに大脳皮質にもレビー小体がたくさんみられ、認知症とパーキンソン症状をきたす剖検例を続けて何例か報告し、大脳皮質にもたくさんのレビー小体が出現して認知症が起こることを明らかにしました。そしてそれを1984年に「びまん性レビー小体病」と名づけました。その前に私たちは「レビー小体病」という名称を提唱し、レビー小体が主に脳幹に起こりパーキンソン症状を示す脳幹型(パーキンソン病のこと)と大脳皮質にもたくさんのレビー小体が出現し、認知症とパーキンソン症状を示すびまん型(びまん性レビー小体病のこと)、さらにそれらの中間の移行型があることを指摘しました。
その後、さらに1998年には大脳皮質にはたくさんのレビー小体が出るが脳幹には余りレビー小体が起こらず、認知症は起こるがパーキンソン症状が起こらないものを「大脳型」レビー小体病と名づけました。1995年にイギリスで初めて国際ワークショップが開催され、私も基調講演をしましたが、この会の結果が1996年に発表され、「レビー小体型認知症」という名称、その診断基準が初めて報告されました。
その後、レビー小体の本体がアルファー・シスクレインという蛋白からなることが1998年にポリメロポウラスらに報告されるに至りました。そして2005年にはDLBの診断基準の改定版が発表され、臨床診断がより正しく下されるようになりました。2006年には私が横浜で第4回国際ワークショップを開催し、それを機に毎年11月に横浜でDLB研究会を開催し、さらに2008年には家族を支える会を発足させ、毎年11月に家族を支える会と研究会が合同で総会を開いています。
また、「レビー小体型認知症の臨床」(医学書院)が発刊され、さらに家族を支える会から「知っていますかレビー小体型認知症」『レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック」(いずれもメディカ出版)が発刊され全国的に家族を支える会の支部が広がり、現在13支部ができています。
●レビー小体型認知症の今後
DLBは歴史が浅いのにいまや高齢者の認知症の20%を占め、アルツハイマー型認知症に次いで2番目に多いポピラーな認知症となりました。わが国でもダイブDLBが知られるようになり、正しく診断され筒あり、その頻度はまだ増えると思われます。DLBの第5回ワークショップは2012年に開催されると思われますが、そこでは寄り頻度の高い生物学的診断マーカーが論議されると思われます。その一つにわが国で開発されたMIBG心筋シンチグラフィーが話題になり重要な診断マーカーに数えられる可能性があります。現在、山田正仁教授(金沢大)や織茂智之先生(関東中央病院)を中心にその準備が行なわれています。
その他、髄液や血液、さらに皮膚生検でレビー小体の主成分であるアルファー・シスクレインの検出が話題になるでしょう。その他、DLB治療が話題になると思われます。DLBのBPSD に対する治療薬としてコリンエステラーゼ阻害薬(特に日本で開発されたドネベジル臨床治験でデータ)、さらに非定型抗精神病薬などが話題になるでしょうし、認知障害への治療薬の可能性が議論されるでしょう。
もちろん、より正確な臨床診断基準やDLBの危険因子や予防法も話題になるかと思われます。とにかく、頻度が高く、BPSDが早くから起こり、介護が大変なDLBがより早く正しく診断され、適切な対応がなされること、危険因子が明らかになり、早く治療法が確立されることを願って、このシリーズを締めたいと思います。 (おわり)
<ホーム長のつぶやき>
MIBG心筋シンチグラフィーをテレビ番組で放映されたときは本当に驚きました。アルツハイマー型認知症より早期に発見される可能性が出てきました。BPSDが活発で当事者である本人がもっともつらい、さらに介護者は幻視やレム睡眠行動障害などに振り回されます。いま、レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックを小阪先生の許可を得ましてブログにアップ中です。レビー小体型認知症を理解することによって介護の仕方が変わり、本人も介護者も楽になります。カテゴリー内の医学講座の目次をクリックするとガイドブックを見ることができます。どうぞ参考になさってください。レビー小体型認知症・家族を支える会はまだあまり知られていません。ホームページに詳しく載っていますので参考にしてください。
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2011年03月13日
健康特急便 高尿酸血症・通風について、生活習慣の見直し
富士ニュースの健康特急便パート1
高尿酸血症・痛風
ご存知ですか?『痛風』
脳血管疾患や心疾患の合併症も
高尿酸血症・痛風は、以前は「贅沢病」や「帝王病」と呼ばれていましたが、現代では誰もがかかる可能性がある身近な病気です。男性に多く見られ、特に30歳代・40歳代の人がかかっています。血液中の「尿酸」の値が高い状態を「高尿酸血症」(痛風)といいます。尿酸は細胞の核などに含まれるプリン体が分解してできる過程と、エネルギー代謝の過程の中でプリン体から尿酸が作られます。
作られた尿酸は主に腎臓でろ過され尿として排泄されていきます。プリン体は食べ物から体に入るだけでなく、体内でも作られているので、私たちの体の中には常に一定の尿酸が存在しています。
高尿酸血症は3つのタイプがあり、「尿酸酸性過剰型」といわれるプリン体を多く含む食品の採りすぎや、アルコールの影響などの原因によるもの、腎臓の機能低下等により尿酸の排泄がされにくい、「尿酸排泄低下型」、療法を併せ持つ「混合型」に分けられます。体内の尿酸が蓄積され7.0mg/dl以上を超えると高尿酸血漿といわれます。この状態が長く続くと、血液中に溶けきらなかった尿酸は間接内に沈着し、足の親指の付け根や、かかとに腫れ、熱激しい痛みを伴う急性関節炎を引き起こします。
急性の痛みは数日から1週間程度で改善していきますが、一般的には尿酸値が高い期間が長いほど痛風発作は起こりやすくなります。しかしこの痛みよりも怖いのは合併症です。腎臓障害や尿路結石、などだけでなく脳血管疾患を始め、心疾患、腎障害などが高尿酸血症により起こります。
―続く―

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高尿酸血症・痛風
ご存知ですか?『痛風』
脳血管疾患や心疾患の合併症も
高尿酸血症・痛風は、以前は「贅沢病」や「帝王病」と呼ばれていましたが、現代では誰もがかかる可能性がある身近な病気です。男性に多く見られ、特に30歳代・40歳代の人がかかっています。血液中の「尿酸」の値が高い状態を「高尿酸血症」(痛風)といいます。尿酸は細胞の核などに含まれるプリン体が分解してできる過程と、エネルギー代謝の過程の中でプリン体から尿酸が作られます。
作られた尿酸は主に腎臓でろ過され尿として排泄されていきます。プリン体は食べ物から体に入るだけでなく、体内でも作られているので、私たちの体の中には常に一定の尿酸が存在しています。
高尿酸血症は3つのタイプがあり、「尿酸酸性過剰型」といわれるプリン体を多く含む食品の採りすぎや、アルコールの影響などの原因によるもの、腎臓の機能低下等により尿酸の排泄がされにくい、「尿酸排泄低下型」、療法を併せ持つ「混合型」に分けられます。体内の尿酸が蓄積され7.0mg/dl以上を超えると高尿酸血漿といわれます。この状態が長く続くと、血液中に溶けきらなかった尿酸は間接内に沈着し、足の親指の付け根や、かかとに腫れ、熱激しい痛みを伴う急性関節炎を引き起こします。
急性の痛みは数日から1週間程度で改善していきますが、一般的には尿酸値が高い期間が長いほど痛風発作は起こりやすくなります。しかしこの痛みよりも怖いのは合併症です。腎臓障害や尿路結石、などだけでなく脳血管疾患を始め、心疾患、腎障害などが高尿酸血症により起こります。
―続く―

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2011年03月08日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート22
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート22
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
5 レム睡眠行動障害
悪夢で大きな寝言
睡眠の質を考える
レム睡眠行動障害を起こす頻度を減らすためには、精神的に安定した穏かな状態で日中を過ごすようにします。日中に不安なことや嫌なことがあると、悪夢を見やすいからです。また、夜中にぐっすり眠れるように、日中は身体を積極的に動かすことや、昼夜のリズムを規則正しく整えることも大切です。また、風邪や発熱、脱水などの不調があると起こりやすくなるため、健康管理にも注意が必要です。
寝る時間を決める(体感して習慣づける)ことも大事です。なぜなら起きる時間(睡眠時間)が決まってくるからです(寝る時間が定まらない場合は、起きる時間のほうを守ります)。そうすることによって、介護者がレム睡眠の時間帯を予見でき、レム睡眠行動障害に対する心構えと余裕が生まれることになります。
部屋の明るさは、入眠時は15~30ルクス(日中の居間の10分の1程度)、就寝後は1~2ルクス(フットライトの明かり程度)に調整するのがいいでしょう。眠気を促す方法としては、温かい牛乳などを口にするのもいいと言われています。レビー小体型認知症に顕著な別の症状として、認知症の極端な変動が見られる事は先に述べましたが、日中、それが著しい時は、夜中にこのレム睡眠行動障害が現れる可能性が高いことを頭に入れておいた方がよいかもしれません。
薬の服用は慎重に
レム睡眠行動障害には、一般にクロナゼパムなどの薬が用いられます。また、てんかんに用いられるリボトリールという薬が処方されることがあります。ただし、効き目があらわれる人とあらわれない人がいます。
なお、一般に睡眠剤は眠りの訪れを早めることを可能にしますが、レム睡眠自体をなくすことはできないため、問題解決にはなりません。そればかりか、副作用などの悪影響が見られることもあるので、睡眠剤の服用は慎重にすべきです。
<ホーム長のつぶやき>
これらの睡眠の質は一般の高齢者にも利用できますね。2人3脚でも入眠が困難な利用者様にほっとミルクをおすすめしています。暖かい牛乳は睡眠導入剤にもなります。決まった時間に眠り決まった時間に起きることが大切です。一日のメリハリをつけ、日中は体をよく動かし穏やかに過ごしていただくことが大切です。どなたにでも共通することです。しかし、レム睡眠行動障害の方は起床時間に神経を使い声掛けよりも目覚まし時計などで起きていただくことを前回学びました。睡眠薬は高齢者にはとても怖いですね。尿意で目覚め、トイレ通い時ふらついて転倒したら骨折につながりかねないので注意が必要ですね。
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2011年02月26日
レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック パート21
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート21
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
5 レム睡眠行動障害
悪夢で大きな寝言
レム睡眠行動障害がみられた場合
上の図のように、最初のレム睡眠は、就寝してからノンレム睡眠を経て約90分後にやって来ます。このときに大きな寝言や奇声などの異常行動がみられることがあるわけですが、大体10分以内に治まるはずです。ですから暴れて危険なことがない限り、、そっと見守っていればあまり問題にはなりません。
朝方の場合はどうしたらいいのでしょうか。朝方のレム睡眠時間は長いため、10分以上待ってもレム睡眠行動障害が止まらないことがあります。したがってこの場合は起こすのも一つの方法です。ただし、体をゆすって急に起こしてはいけません。なぜなら悪夢と現実が混同してしまい、混乱や興奮が高じる場合があるからです。(稀に心筋梗塞などをきたすこともあります)。
具体的な対応方法としては、部屋の電気をつけて明るくしたり、懐中電灯を顔に当てたりして、自然に目を覚まさせるようにします。また、目覚まし時計やキッチンタイマーなどを用いて覚醒を促すのも手です。こうした音は、ダイレクトに脳内に届くため、「起きてください」「朝ですよ」と言った声かけよりも有効です。
<ホーム長のつぶやき>
いい勉強になりましたね。声掛けで起こすより脳内で感知して目覚める方がさわやかに起きられるのですね。色々な音色の目覚まし時計があります。声を掛ける目覚まし時計もあるので、レビー小体型認知症の方はそれは辞めたほうがよさそうです。寝入ったばかりの寝言や大きな声は様子をみましょう。2人3脚でも眠るまで大声を上げる方がおられます。その方は幻視とよくお話をしています。そのうち小声になり、眠りにつきます。目をつぶっているのに声を上げられますので、レム睡眠に入っているのでしょう。そっと職員は見守っています。
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2011年02月24日
レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック パート20
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート20
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
5 レム睡眠行動障害
悪夢で大きな寝言
レム睡眠とノンレム睡眠
身体が休息していて脳が活動している状態を「レム睡眠」といいます。特徴として、眼球(目玉)がキョロキョロと速く動くことから(rapid eye movements)、その頭文字を取って、REM睡眠といいます。そのときにペンライトなどを当てると、眼球が忙しく動いている様子が分かります。血圧も心拍数も不安定な状態です。夢は、このレム睡眠時に見ています。
一方、「ノンレム(non rapid eye movements)睡眠」はこれと逆の状態です。脳が休んでいて、眼球の動きは穏かです。血圧や心拍数も落ち着いています。ただし、身体は起きていて寝返りを繰り返します、一般に人は1~3回くらい寝返りをするとされています。
赤ちゃんでは全睡眠時間の4分の3がレム睡眠であり、反対に成人では薬4分の3がノンレム睡眠だといわれています。レム睡眠とノンレム睡眠は、交互に繰り返されます。まず、ノンレム睡眠の後にレム睡眠がやってきます。そして、再びノンレム睡眠へ切り替わります頭を見て分かるとおり、約90分間という一定した時間を保つノンレム睡眠に対しレム睡眠は朝方になるにつれて時間が長くなっていきます。朝方に長い夢を見る事が多いのはこのためです。
レビー小体型認知症の場合、レム睡眠の時間が少し長い傾向にありますしたがって、図に示した健康的な人の典型的パターンに当てはまらない場合も出てきますが、こうした周期を頭に入れておき、睡眠時の移動行動が、レム睡眠の最中に起こるということをまず覚えておきましょう。
最初のレム睡眠は90分から始まり7~8分程度続く
<ホーム長のつぶやき>
時計で示すとレム睡眠とノンレム睡眠のメカニズムの様子がよく分かります。レビー小体型認知症の場合レム睡眠が少し長くなる傾向にあるようなので、レム睡眠行動障害が出るようです。次回はこのメカニズムや悪夢の対策についてアップします。学ぶことによってコミュニケーションが変わってきます。より理解しようと努めることによって寄りそう介護ができてきます。
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2011年02月19日
がんを知る~最新医療と暮らしの応援~パート3
がんを知る
~最新医療と暮らしの応援~
静岡県立静岡がんセンター公開講座・静岡新聞パート3 画像診断科部長 遠藤正浩氏
CT とPET検査
エックス線撮影に対してCT(コンピューター断層撮影)は細かいところまで映し出すことができます。昨年米国国立がん研究所が、喫煙者を対象にした調査の結果、低線量CTによる検診は胸部エックス線に比べ、肺がんの死亡を20%軽減させると速報しました。今後の詳細報告が注目されます。
しかし、よく見えるがゆえに数ミリの影も映ってしまい、がんと断定できないために経過観察するしかなく、患者さんに不安な時間を与えてしまう結果になりかねません。また、放射腺の被爆量がエックス線に比べて100倍以上という問題も今後議論する必要があります。
PET(陽電子放射断層撮影法)検査は保険適応に哉、肺がん診療での有用性が明らかになるにつれ欠かせない診断法になっています。特にCT画像と融合した「PET/CT」は従来のPET の弱点を補う検査として重要性が増しています。がんは胎内で活発に分裂し、絵なるぎー源であるブドウ糖を盛んに消費します。PET ha放射腺の出る物質つけたブドウ糖のような薬剤を注入し、より多く消費している部分を見ける仕組みです。
CT検査で見つかった肺の中の病変が、盛んに分裂していればがんの可能性が高いといった診断にも利用されています。しかし、肺がんの中にはゆっくりと増大し、薬のあまり集まらないものもあり、専門医の総合的判断が要求されます。また、リンパ節への転移や、遠隔転移の診断の際にも、転移の疑いがあるか、ないかを確定できるので、全身麻酔下でのリンパ節生検など、患者さんの負担が大きい検査の回避にも役立ちます。
遺伝子レベルの治療
分子生物顎の進歩に伴い、最新技術が、がんの分子・遺伝子レベルでの診断や治療も活用され、「分子標的薬」が盛んに研究されています。通常、抗がん剤は正常細胞とがん細胞の区別ができず、双方に同じような影響を与えてしまいます。分子標的の技術を使うと、がんが増える際に必要な「分裂しろ」「血管を増やせ」などといったシグナル発信に欠かせない、「リン酸化」などを阻害できるので、特定の遺伝子異常が原因で発症している患者さんにとって、効果が高く、副作用が少ないがん治療が、可能となります。
将来、遺伝子診断に基づき、一人ひとりに合った治療法や治療薬が選択できる時代が到来することを期待しています。
タウンミーティング質疑応答
事前や当日寄せられた質問を中心に山口建総長を交えて、質疑応答が行なわれました。紙面の都合により本講座の内容に即した質問事項をまとめました。
Q:オピオイドが胎内に残留して、賛成を生じ、効き目が落ちてしまうことはありませんか。
篠:薬は全身を巡り、肝臓で分解された後に、あるいはそのまま、尿中に排泄されます。したがって、腎機能や、肝機能が低下すると、残留時間が長くなるので、医師や薬剤師が処方する量や、感覚を調整します。また、痛みがチュよくなった場合には、オピオイドを増量して対応します。酸性が生じ鎮痛効果が落ちることはありません。
Q:進行した肺がんに対し抗がん剤治療はどれだけ有効ですか。
遠藤:抗がん剤治療では、がんが半分以上小さくなれば効果があると判断します。また、薬の組み合わせにより、延命効果も見込めるようになってきました。しかし、副作用も強いので、担当医と相談しながら、薬を選ぶ必要があります。
山口:副作用により、QOLが低下している場合などは、抗がん剤治療のメリットを見極め、緩和治療に方針を変える勇気も必要です。
<ホーム長のつぶやき>
公開講座の様子を3回シリーズで静岡新聞より抜粋させていただきました。いまやペイン療法(痛みを和らげる方法)は上手に薬剤のコンとロールをすれば副作用も少なく最小限に痛みをコンとロールできることが分かりました。オピオイドを正しく理解すれば患者さんは毎日を快適に送ることができます。痛みの波に併せて使用が可能なんてすごいですね。CTやPETの最新医療の検査により早期に診断がされ治療ができます。分子生物学の進歩により最新技術が、がんの分子・遺伝子レベルでの診断や治療にも活用されすごい医学の進歩を感じます。認知症も早期診断治療がされ、認知症を防止する薬ができて欲しいものです。タバコは絶対いけません。しかし、なかなか禁煙できず悩む人が多いのが現状です。強い意志でやめられないものでしょうか。
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~最新医療と暮らしの応援~
静岡県立静岡がんセンター公開講座・静岡新聞パート3 画像診断科部長 遠藤正浩氏
CT とPET検査
エックス線撮影に対してCT(コンピューター断層撮影)は細かいところまで映し出すことができます。昨年米国国立がん研究所が、喫煙者を対象にした調査の結果、低線量CTによる検診は胸部エックス線に比べ、肺がんの死亡を20%軽減させると速報しました。今後の詳細報告が注目されます。
しかし、よく見えるがゆえに数ミリの影も映ってしまい、がんと断定できないために経過観察するしかなく、患者さんに不安な時間を与えてしまう結果になりかねません。また、放射腺の被爆量がエックス線に比べて100倍以上という問題も今後議論する必要があります。
PET(陽電子放射断層撮影法)検査は保険適応に哉、肺がん診療での有用性が明らかになるにつれ欠かせない診断法になっています。特にCT画像と融合した「PET/CT」は従来のPET の弱点を補う検査として重要性が増しています。がんは胎内で活発に分裂し、絵なるぎー源であるブドウ糖を盛んに消費します。PET ha放射腺の出る物質つけたブドウ糖のような薬剤を注入し、より多く消費している部分を見ける仕組みです。
CT検査で見つかった肺の中の病変が、盛んに分裂していればがんの可能性が高いといった診断にも利用されています。しかし、肺がんの中にはゆっくりと増大し、薬のあまり集まらないものもあり、専門医の総合的判断が要求されます。また、リンパ節への転移や、遠隔転移の診断の際にも、転移の疑いがあるか、ないかを確定できるので、全身麻酔下でのリンパ節生検など、患者さんの負担が大きい検査の回避にも役立ちます。
遺伝子レベルの治療
分子生物顎の進歩に伴い、最新技術が、がんの分子・遺伝子レベルでの診断や治療も活用され、「分子標的薬」が盛んに研究されています。通常、抗がん剤は正常細胞とがん細胞の区別ができず、双方に同じような影響を与えてしまいます。分子標的の技術を使うと、がんが増える際に必要な「分裂しろ」「血管を増やせ」などといったシグナル発信に欠かせない、「リン酸化」などを阻害できるので、特定の遺伝子異常が原因で発症している患者さんにとって、効果が高く、副作用が少ないがん治療が、可能となります。
将来、遺伝子診断に基づき、一人ひとりに合った治療法や治療薬が選択できる時代が到来することを期待しています。
タウンミーティング質疑応答
事前や当日寄せられた質問を中心に山口建総長を交えて、質疑応答が行なわれました。紙面の都合により本講座の内容に即した質問事項をまとめました。
Q:オピオイドが胎内に残留して、賛成を生じ、効き目が落ちてしまうことはありませんか。
篠:薬は全身を巡り、肝臓で分解された後に、あるいはそのまま、尿中に排泄されます。したがって、腎機能や、肝機能が低下すると、残留時間が長くなるので、医師や薬剤師が処方する量や、感覚を調整します。また、痛みがチュよくなった場合には、オピオイドを増量して対応します。酸性が生じ鎮痛効果が落ちることはありません。
Q:進行した肺がんに対し抗がん剤治療はどれだけ有効ですか。
遠藤:抗がん剤治療では、がんが半分以上小さくなれば効果があると判断します。また、薬の組み合わせにより、延命効果も見込めるようになってきました。しかし、副作用も強いので、担当医と相談しながら、薬を選ぶ必要があります。
山口:副作用により、QOLが低下している場合などは、抗がん剤治療のメリットを見極め、緩和治療に方針を変える勇気も必要です。
<ホーム長のつぶやき>
公開講座の様子を3回シリーズで静岡新聞より抜粋させていただきました。いまやペイン療法(痛みを和らげる方法)は上手に薬剤のコンとロールをすれば副作用も少なく最小限に痛みをコンとロールできることが分かりました。オピオイドを正しく理解すれば患者さんは毎日を快適に送ることができます。痛みの波に併せて使用が可能なんてすごいですね。CTやPETの最新医療の検査により早期に診断がされ治療ができます。分子生物学の進歩により最新技術が、がんの分子・遺伝子レベルでの診断や治療にも活用されすごい医学の進歩を感じます。認知症も早期診断治療がされ、認知症を防止する薬ができて欲しいものです。タバコは絶対いけません。しかし、なかなか禁煙できず悩む人が多いのが現状です。強い意志でやめられないものでしょうか。

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2011年02月16日
がんを知る~最新医療と暮らしの応援~パート2
がんを知る
~最新医療と暮らしの応援~
静岡県立静岡がんセンター公開講座・静岡新聞パート2
痛みを和らげる方法
~くすりの話~
(県立静岡ガンセンター薬剤部薬剤長 篠 道弘)
痛みは我慢しない
薬には病気を治すものと症状をコンとロールするものがあり、がんの痛みを和らげる薬は後者に当てはまります。痛みを我慢すると食欲が落ちたり、睡眠不足になったりと体力を消耗します。また、放射腺治療に必要な姿勢がとれない、痛みで動けず寝たきりになり、床ずれ(褥創)ができるなど患者さんの生活の質(QOL)が低下します。
しかし痛みの場所や程度は検査では分かりません。痛みのコントロールのためには、患者自身が医師や薬剤師らに「どこが、どのくらい、どのように痛いのか」また、処方された痛み止めがどのくらい効いたのかを積極的に伝えることが重要です。
1986年WHO(世界保健機構)が痛み止めの使い方ガイドライン「WHO3段階除痛ラダー」を発表し、現在世界中にこのガイドラインに沿った治療が行なわれています。痛みの増強に対して、利用する薬を3段階に分類し、痛みに応じて適切な処方をする仕組みになっています。
第1段階として、アスピリンなどに代表される麻薬成分を含まない「非オピオイド系」痛み止めを、それでも痛みが残るようであれば、モルヒネなどの麻薬成分が含まれる「オピオイド系」の痛み止めを使います。
オピオイドを正しく知る
オピオイド系の痛み止めは鎮痛作用が強力でがん以外にも、心筋梗塞の痛みなどに使用されています。オピオイドは痛みをとる作用が強力なだけで、ほかの感覚には影響しないので「服用すると何もかもわからなくなる」わけではありません。また、依存症、いわゆる麻薬中毒を心配される方もいますが、がんの痛みにオピオイドを使っている限りは中毒を心配する必要はありません。
また、非オピオイド系薬は2~3倍に増量すれば効果の上限に達してしまいますが、オピオイドは患者さんそれぞれの痛みに応じて、桁が違うほどの投与量を処方することもあります。飲み薬をはじめ、座薬、注射、貼り薬など形もさまざまなので、病院側が、患者さんの状態に合わせた処方を考える必要があります。
効果の高いオピオイドですが、副作用もあります。オピオイドが消化管の「蠕動運動」を遅くし、便秘が起こります。程度に合せて下剤も一緒に使用して対処します。吐き気も代表的な副作用の一つです。成分が脳の吐き気を感じる部分に作用するのです。気持ち悪くなったり、実際には嘔吐したりする患者さんには、、吐き気止めを投与しコントロールします。
眠気は、薬本来の成分と、痛みが取り除かれたことにより、それまでの睡眠不足を解消するための眠気が重なって起こります。副作用を上手にコンとロールしながら使用するオピオイドですが、一度服用を始めたら一生使い続けなければいけないと誤解している患者さんも見受けられます。目的が痛み止めなので、痛みそのものが和らいだり、痛みの原因が解消されたりした場合は、医師の指示に従って、徐々に量を減らし、最終的には投与を中止する場合もあります。
痛みの波に合わせて服用
飲み薬には、成分がゆっくり放出され、長時間効き目が続く「除放性製剤」と効き目は短いもののすぐに効果を表す「速効性製剤」があります。痛みを波、薬を防波堤に例えると、普段の波は、適量の除放性製剤で防ぎ、突然の強い痛みは速効性製剤を緊急救助的に追加して防ぎます。これを「レスキュー・ドーズ」と呼びます。波が常に防波堤を越えるようになると、薬の量を増やして痛みに対応するのが最近の治療です。
オピオイドを正しく理解すれば、痛みが和らぎ、患者さんの毎日がより意義深いものになります。静岡がんセンターは「痛みを和らげる方法」というガイドブックを作成しオピオイドが初めて処方された患者さんへの説明に活用しています。さらに、自らの痛みを正確に把握し、適切な疼痛治療に生かすために「痛み日記」を用意し、飲んだ薬の種類、痛みの改善具合、副作用の程度などの記録を促しています。現在多くの病院で、医師、看護師、そのほかの専門家を加えた緩和ケアチームが活躍しています。痛みがある場合は我慢せず、緩和ケアチームに相談してください。
<ホーム長のつぶやき>
痛みは我慢せず、医師と相談しましょう。いま、麻薬の使い方によって痛みをコントロールしてくれる医師が多くなってきました。怖がらず痛み止めを使える時代になってきました。痛みの波に併せて服用するレスキュー・ドーズに感動しました。知識をたくさん得ることが必要ですね。
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痛みを和らげる方法
~くすりの話~
(県立静岡ガンセンター薬剤部薬剤長 篠 道弘)
痛みは我慢しない
薬には病気を治すものと症状をコンとロールするものがあり、がんの痛みを和らげる薬は後者に当てはまります。痛みを我慢すると食欲が落ちたり、睡眠不足になったりと体力を消耗します。また、放射腺治療に必要な姿勢がとれない、痛みで動けず寝たきりになり、床ずれ(褥創)ができるなど患者さんの生活の質(QOL)が低下します。
しかし痛みの場所や程度は検査では分かりません。痛みのコントロールのためには、患者自身が医師や薬剤師らに「どこが、どのくらい、どのように痛いのか」また、処方された痛み止めがどのくらい効いたのかを積極的に伝えることが重要です。
1986年WHO(世界保健機構)が痛み止めの使い方ガイドライン「WHO3段階除痛ラダー」を発表し、現在世界中にこのガイドラインに沿った治療が行なわれています。痛みの増強に対して、利用する薬を3段階に分類し、痛みに応じて適切な処方をする仕組みになっています。
第1段階として、アスピリンなどに代表される麻薬成分を含まない「非オピオイド系」痛み止めを、それでも痛みが残るようであれば、モルヒネなどの麻薬成分が含まれる「オピオイド系」の痛み止めを使います。
オピオイドを正しく知る
オピオイド系の痛み止めは鎮痛作用が強力でがん以外にも、心筋梗塞の痛みなどに使用されています。オピオイドは痛みをとる作用が強力なだけで、ほかの感覚には影響しないので「服用すると何もかもわからなくなる」わけではありません。また、依存症、いわゆる麻薬中毒を心配される方もいますが、がんの痛みにオピオイドを使っている限りは中毒を心配する必要はありません。
また、非オピオイド系薬は2~3倍に増量すれば効果の上限に達してしまいますが、オピオイドは患者さんそれぞれの痛みに応じて、桁が違うほどの投与量を処方することもあります。飲み薬をはじめ、座薬、注射、貼り薬など形もさまざまなので、病院側が、患者さんの状態に合わせた処方を考える必要があります。
効果の高いオピオイドですが、副作用もあります。オピオイドが消化管の「蠕動運動」を遅くし、便秘が起こります。程度に合せて下剤も一緒に使用して対処します。吐き気も代表的な副作用の一つです。成分が脳の吐き気を感じる部分に作用するのです。気持ち悪くなったり、実際には嘔吐したりする患者さんには、、吐き気止めを投与しコントロールします。
眠気は、薬本来の成分と、痛みが取り除かれたことにより、それまでの睡眠不足を解消するための眠気が重なって起こります。副作用を上手にコンとロールしながら使用するオピオイドですが、一度服用を始めたら一生使い続けなければいけないと誤解している患者さんも見受けられます。目的が痛み止めなので、痛みそのものが和らいだり、痛みの原因が解消されたりした場合は、医師の指示に従って、徐々に量を減らし、最終的には投与を中止する場合もあります。
痛みの波に合わせて服用
飲み薬には、成分がゆっくり放出され、長時間効き目が続く「除放性製剤」と効き目は短いもののすぐに効果を表す「速効性製剤」があります。痛みを波、薬を防波堤に例えると、普段の波は、適量の除放性製剤で防ぎ、突然の強い痛みは速効性製剤を緊急救助的に追加して防ぎます。これを「レスキュー・ドーズ」と呼びます。波が常に防波堤を越えるようになると、薬の量を増やして痛みに対応するのが最近の治療です。
オピオイドを正しく理解すれば、痛みが和らぎ、患者さんの毎日がより意義深いものになります。静岡がんセンターは「痛みを和らげる方法」というガイドブックを作成しオピオイドが初めて処方された患者さんへの説明に活用しています。さらに、自らの痛みを正確に把握し、適切な疼痛治療に生かすために「痛み日記」を用意し、飲んだ薬の種類、痛みの改善具合、副作用の程度などの記録を促しています。現在多くの病院で、医師、看護師、そのほかの専門家を加えた緩和ケアチームが活躍しています。痛みがある場合は我慢せず、緩和ケアチームに相談してください。
<ホーム長のつぶやき>
痛みは我慢せず、医師と相談しましょう。いま、麻薬の使い方によって痛みをコントロールしてくれる医師が多くなってきました。怖がらず痛み止めを使える時代になってきました。痛みの波に併せて服用するレスキュー・ドーズに感動しました。知識をたくさん得ることが必要ですね。

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2011年02月15日
2011年02月15日
がんを知る~最新医療と暮らしの応援~パート1
がんを知る
~最新医療と暮らしの応援~
静岡県立静岡がんセンター公開講座・静岡新聞パート1
肺がんの最新医療
高い死亡率の肺がん
遠藤正浩医師画像診断科部長
肺がんは日本人の部位別死亡率で男性のトップ、女性でも第3位の病気です。本県でも男性のトップで2割を占め、女性も大腸がん、胃がんに次いで第3位。しかも患者数は増加中です。一方イギリスやアメリカでは死亡率は減少していますが、これは禁煙運動の成果と見られています。
肺がんは大きく分けると、腺がん、扁平上皮がん、小細胞がんに分類され、この3種類でこの肺がんの95%を占めます。禁煙と関係が深いのが扁平上皮がんと小細胞がんで、喫煙比率が高い男性に多く見られます。特に肺で発生する小細胞がんは、約9割以上喫煙者にしか発生しません。扁平上皮がんはタバコのフィルターの影響や、禁煙運動の多少の成果により減少傾向にあります。
一方腺がんは男女ともに幅広い年齢層で非常に増えています。腺組織は体内で唾液や、胃液などの分泌駅を作る細胞で、肺胞を構成する肺胞上皮細胞や、クララ細胞、杯細胞などから発生するのが腺がんです。タバコをすわない人も罹患する特徴があります。
社会的損失を招く喫煙
肺がんの死亡率を減らす明確な方法は禁煙です。禁煙週間のある男性はそうでない人に比べ肺がんになる可能性が約4.4倍、女性は2.8倍です。さらに男性喫煙者は非喫煙者に比べ2倍、女性は約1.6倍です、肺がんで死亡する危険性が増えるとされています。喫煙者の煙を吸い込んでしまう「受動喫煙」肺がんのリスクは1.1倍~1.4倍ほど高くなると昨年、厚生労働省研究班が発表しました。喫煙さえしなければこうしたリスクをすべて減らすことができるのです。
禁煙と肺がんのリスクが広く知られ、禁煙したことが増加したことや、昨年のタバコ税などが奏功し、わが国の喫煙は減少傾向です。平成21年度の喫煙率は男性38.9%、女性は11.9%でした。男子の喫煙が減っているのに女性は横ばいで、外来で診察していても「こっそり数本吸っています」という女性が意外に多いのですが、こうした「隠れ喫煙族」も肺がんのリスクに晒されていることを認識してください。
特に若い女性が喫煙によりがん患者となるのは社会的に大きな損失です。公共の場所での禁煙拡大や、自販機での販売中止など社会的な禁煙関係の整備と、検診などで個人的に禁煙を支援する仕組みを充実させる必要があります。ニコチン依存症を治す禁煙治療も重要です。最近では飲み薬もあるので、保険を使って禁煙できる社会制度が整っています。
禁煙期間が長ければリスクは確実に減ります。禁煙4年未満で約2倍だった肺がんリスクは、10年未満で1.6倍。10年以上禁煙すれば1.4倍に激減することが分かっています。禁煙と、検診による早期発見、早期治療が何より重要です。
<ホーム長のつぶやき>
介護保険の施設を運営してみて感じることは、男性利用者様の喫煙です。風邪など引くと気管支炎に罹患することが多く長引きます。また、肺気腫も併発します。タバコをやめることによって肺がんへのリスクも減少することが明確に分かってきました。なるべく健康で長生きしていただくために、2人3脚では利用者さんには禁煙していただきます。認知症の方は、泊りを多く入れることで禁煙ができたケースが多々ありました。害のあるものは避ける努力をしたいものです。
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肺がんの最新医療
高い死亡率の肺がん
遠藤正浩医師画像診断科部長
肺がんは日本人の部位別死亡率で男性のトップ、女性でも第3位の病気です。本県でも男性のトップで2割を占め、女性も大腸がん、胃がんに次いで第3位。しかも患者数は増加中です。一方イギリスやアメリカでは死亡率は減少していますが、これは禁煙運動の成果と見られています。
肺がんは大きく分けると、腺がん、扁平上皮がん、小細胞がんに分類され、この3種類でこの肺がんの95%を占めます。禁煙と関係が深いのが扁平上皮がんと小細胞がんで、喫煙比率が高い男性に多く見られます。特に肺で発生する小細胞がんは、約9割以上喫煙者にしか発生しません。扁平上皮がんはタバコのフィルターの影響や、禁煙運動の多少の成果により減少傾向にあります。
一方腺がんは男女ともに幅広い年齢層で非常に増えています。腺組織は体内で唾液や、胃液などの分泌駅を作る細胞で、肺胞を構成する肺胞上皮細胞や、クララ細胞、杯細胞などから発生するのが腺がんです。タバコをすわない人も罹患する特徴があります。
社会的損失を招く喫煙
肺がんの死亡率を減らす明確な方法は禁煙です。禁煙週間のある男性はそうでない人に比べ肺がんになる可能性が約4.4倍、女性は2.8倍です。さらに男性喫煙者は非喫煙者に比べ2倍、女性は約1.6倍です、肺がんで死亡する危険性が増えるとされています。喫煙者の煙を吸い込んでしまう「受動喫煙」肺がんのリスクは1.1倍~1.4倍ほど高くなると昨年、厚生労働省研究班が発表しました。喫煙さえしなければこうしたリスクをすべて減らすことができるのです。
禁煙と肺がんのリスクが広く知られ、禁煙したことが増加したことや、昨年のタバコ税などが奏功し、わが国の喫煙は減少傾向です。平成21年度の喫煙率は男性38.9%、女性は11.9%でした。男子の喫煙が減っているのに女性は横ばいで、外来で診察していても「こっそり数本吸っています」という女性が意外に多いのですが、こうした「隠れ喫煙族」も肺がんのリスクに晒されていることを認識してください。
特に若い女性が喫煙によりがん患者となるのは社会的に大きな損失です。公共の場所での禁煙拡大や、自販機での販売中止など社会的な禁煙関係の整備と、検診などで個人的に禁煙を支援する仕組みを充実させる必要があります。ニコチン依存症を治す禁煙治療も重要です。最近では飲み薬もあるので、保険を使って禁煙できる社会制度が整っています。
禁煙期間が長ければリスクは確実に減ります。禁煙4年未満で約2倍だった肺がんリスクは、10年未満で1.6倍。10年以上禁煙すれば1.4倍に激減することが分かっています。禁煙と、検診による早期発見、早期治療が何より重要です。
<ホーム長のつぶやき>
介護保険の施設を運営してみて感じることは、男性利用者様の喫煙です。風邪など引くと気管支炎に罹患することが多く長引きます。また、肺気腫も併発します。タバコをやめることによって肺がんへのリスクも減少することが明確に分かってきました。なるべく健康で長生きしていただくために、2人3脚では利用者さんには禁煙していただきます。認知症の方は、泊りを多く入れることで禁煙ができたケースが多々ありました。害のあるものは避ける努力をしたいものです。

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2011年02月12日
排尿障害の症状と治療・冬に増え、高齢者に多い
排尿障害の症状と治療
冬に増え、高齢に多い
冬に増える病気は多くありますが、尿に関する病気もその1つです。主な尿トラブルについて、名古屋大学医学部付属病院泌尿器科の後藤百万(ももかず)教授に聞きました。 (生活ワイド ・健康より)
65歳以上の約7割の人に、何らかの排尿障害があると言われています。代表的な排尿トラブルには、夜間と昼間の頻尿、尿を出しにくい、尿漏れ、排尿に伴う痛みなどがあります。しかし排尿トラブルの多くは、生活の工夫、薬物療法、手術、体操などで、症状の改善が可能です。
排尿障害の原因はさまざまですが、要因の一つに「過活動膀胱」があります。膀胱が過敏になることで、排尿のトラブルが起きるものです。通常、膀胱にたまった尿が一定量に達すると、脳に信号が送られ尿意を感じます。尿意があってもしばらくは我慢ができ、排尿しようと思ったときに初めて、膀胱が収縮して、尿が排出されます。しかし過活動膀胱になると、たまった尿が少量であっても膀胱が勝手に収縮し、突然、我慢できないほどの強い尿意を感じます。これを「尿意切迫感」と言います。
膀胱の勝手な収縮と尿意切迫感は繰り返し起こり、トイレが間に合わず、尿が漏れることがあります。このような尿漏れを「切迫性尿失禁」と呼びます。過活動膀胱は男女問わず起こります。過活動膀胱による頻尿や切迫性尿失禁があると、外出を避けたくなるなど、生活に支障が生じやすいため、積極的に治療を受けた方がよいでしょう。
前立腺の病気などが原因
腎臓で作られた尿は膀胱にたまり、尿道を通って体外に出されます。このとき膀胱や尿道括約筋が適切な収縮と緩みを行うことで、排尿されます。男性の場合、前立腺が膀胱の下にあり、尿道を囲んでいます。そのため前立腺に病気があると、排尿トラブルが起きやすくなります。中高年男性に多いのが、前立腺肥大症。大きくなった前立腺が尿道や膀胱出口を圧迫して尿の通りが悪くなり、「頻尿」「尿が出にくい」「残尿感」などの症状が表れます。前立腺肥大症は過活動膀胱の原因にもなり60%が過活動膀胱を併発します。
尿失禁が起きやすい女性
女性の尿失禁ををタイプ別に見ると、尿道括約筋障害が原因の腹圧性膀胱炎(お腹に力が入ったときなどに尿が漏れる)が約5割と一番多く、過活動膀胱による切迫性尿失禁が約2割、両者を併せ持つ混合性尿失禁約3割。大半に腹圧性尿失禁が関係しています。女性の骨盤内には、膀胱や尿道、子宮や膣、直腸などがあります。これらの臓器は、骨盤の底にあるいくつもの筋肉や結合組織から成る「骨盤底」に支えられています。
女性の尿道は「短くて動きやすい」「後ろ側に、動きやすい膣がある」など、もともと腹圧性尿失禁が起こりやすい構造になっています。さらに、妊娠・出産、加齢、肥満、呼吸器疾患(喘息や気管支炎など)などによって骨盤底が緩むと、尿道が動きやすくなる、尿道括約筋が尿道を締める力が弱まるなどの状態になり、咳やくしゃみでも尿漏れが起こすことがあります。腹圧によって膀胱の出口が開くとともに、尿道を閉じられず、尿が漏れてしまうのです。
65歳以上の約7割にトラブル
就寝前のアルコールは控える
過活動膀胱・切迫性尿失禁の治療には、まず、「利尿作用のあるアルコール飲料などを、就寝前に飲まない」「尿意を感じたらすぐにトイレに行く」「外出先ではトイレの場所を確認しておく」などの生活指導が挙げられます。次に「膀胱訓練」。尿意が起こっても我慢し、排尿の間隔を空けるようにします。1、2ヶ月かけて、最終的には2、3時間ほど排尿の間隔を空けられる事をめざします。骨盤底の筋力を強化し、緩みを改善する「骨盤底筋訓練(体操)」を行なうこともあります。
過活動膀胱の薬物療法には、膀胱を収縮させる物質を抑える「抗コリン薬」などが使われます。前立腺肥大症の治療では、軽症の場合、「α遮断薬」「抗男性ホルモン薬」などによる薬物療法が行なわれます。併せて、「排尿を我慢しすぎない」「飲酒を控える」などの生活指導が行なわれることもあります。
症状の程度によっては、手術をします。尿道から内視鏡を挿入し、レーザーや電気メスで前立腺の組織を取り除きます。レーザーでは1泊、電気メスでは3~7日程度入院します。レーザーの一部を除いて、保険が適用されます。最後に、尿トラブル症状を緩和するためのアドバイスを挙げますので参考にしてください。
●必要以上の水分摂取を避ける(水分のとりすぎは頻尿の原因に)
●日中、日に当たる。または夕方に散歩する(足にたまった水分を出す)
●寝る前に、ぬるめの風呂に入る。足浴もよい
●寒い場所を避ける
<ホーム長のつぶやき>
以前載せたブログも参考にしてみてください。
●2010.1.27 付け 杉山Drのやさしい医学講座 夜間頻尿
●2009.7.20 付け 教えてホーム長Q&A Q26 尿失禁を見つけたときどうしたらいいですか?

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冬に増え、高齢に多い
冬に増える病気は多くありますが、尿に関する病気もその1つです。主な尿トラブルについて、名古屋大学医学部付属病院泌尿器科の後藤百万(ももかず)教授に聞きました。 (生活ワイド ・健康より)
65歳以上の約7割の人に、何らかの排尿障害があると言われています。代表的な排尿トラブルには、夜間と昼間の頻尿、尿を出しにくい、尿漏れ、排尿に伴う痛みなどがあります。しかし排尿トラブルの多くは、生活の工夫、薬物療法、手術、体操などで、症状の改善が可能です。
排尿障害の原因はさまざまですが、要因の一つに「過活動膀胱」があります。膀胱が過敏になることで、排尿のトラブルが起きるものです。通常、膀胱にたまった尿が一定量に達すると、脳に信号が送られ尿意を感じます。尿意があってもしばらくは我慢ができ、排尿しようと思ったときに初めて、膀胱が収縮して、尿が排出されます。しかし過活動膀胱になると、たまった尿が少量であっても膀胱が勝手に収縮し、突然、我慢できないほどの強い尿意を感じます。これを「尿意切迫感」と言います。
膀胱の勝手な収縮と尿意切迫感は繰り返し起こり、トイレが間に合わず、尿が漏れることがあります。このような尿漏れを「切迫性尿失禁」と呼びます。過活動膀胱は男女問わず起こります。過活動膀胱による頻尿や切迫性尿失禁があると、外出を避けたくなるなど、生活に支障が生じやすいため、積極的に治療を受けた方がよいでしょう。
前立腺の病気などが原因
腎臓で作られた尿は膀胱にたまり、尿道を通って体外に出されます。このとき膀胱や尿道括約筋が適切な収縮と緩みを行うことで、排尿されます。男性の場合、前立腺が膀胱の下にあり、尿道を囲んでいます。そのため前立腺に病気があると、排尿トラブルが起きやすくなります。中高年男性に多いのが、前立腺肥大症。大きくなった前立腺が尿道や膀胱出口を圧迫して尿の通りが悪くなり、「頻尿」「尿が出にくい」「残尿感」などの症状が表れます。前立腺肥大症は過活動膀胱の原因にもなり60%が過活動膀胱を併発します。
尿失禁が起きやすい女性
女性の尿失禁ををタイプ別に見ると、尿道括約筋障害が原因の腹圧性膀胱炎(お腹に力が入ったときなどに尿が漏れる)が約5割と一番多く、過活動膀胱による切迫性尿失禁が約2割、両者を併せ持つ混合性尿失禁約3割。大半に腹圧性尿失禁が関係しています。女性の骨盤内には、膀胱や尿道、子宮や膣、直腸などがあります。これらの臓器は、骨盤の底にあるいくつもの筋肉や結合組織から成る「骨盤底」に支えられています。
女性の尿道は「短くて動きやすい」「後ろ側に、動きやすい膣がある」など、もともと腹圧性尿失禁が起こりやすい構造になっています。さらに、妊娠・出産、加齢、肥満、呼吸器疾患(喘息や気管支炎など)などによって骨盤底が緩むと、尿道が動きやすくなる、尿道括約筋が尿道を締める力が弱まるなどの状態になり、咳やくしゃみでも尿漏れが起こすことがあります。腹圧によって膀胱の出口が開くとともに、尿道を閉じられず、尿が漏れてしまうのです。
65歳以上の約7割にトラブル
就寝前のアルコールは控える
過活動膀胱・切迫性尿失禁の治療には、まず、「利尿作用のあるアルコール飲料などを、就寝前に飲まない」「尿意を感じたらすぐにトイレに行く」「外出先ではトイレの場所を確認しておく」などの生活指導が挙げられます。次に「膀胱訓練」。尿意が起こっても我慢し、排尿の間隔を空けるようにします。1、2ヶ月かけて、最終的には2、3時間ほど排尿の間隔を空けられる事をめざします。骨盤底の筋力を強化し、緩みを改善する「骨盤底筋訓練(体操)」を行なうこともあります。
過活動膀胱の薬物療法には、膀胱を収縮させる物質を抑える「抗コリン薬」などが使われます。前立腺肥大症の治療では、軽症の場合、「α遮断薬」「抗男性ホルモン薬」などによる薬物療法が行なわれます。併せて、「排尿を我慢しすぎない」「飲酒を控える」などの生活指導が行なわれることもあります。
症状の程度によっては、手術をします。尿道から内視鏡を挿入し、レーザーや電気メスで前立腺の組織を取り除きます。レーザーでは1泊、電気メスでは3~7日程度入院します。レーザーの一部を除いて、保険が適用されます。最後に、尿トラブル症状を緩和するためのアドバイスを挙げますので参考にしてください。
●必要以上の水分摂取を避ける(水分のとりすぎは頻尿の原因に)
●日中、日に当たる。または夕方に散歩する(足にたまった水分を出す)
●寝る前に、ぬるめの風呂に入る。足浴もよい
●寒い場所を避ける
<ホーム長のつぶやき>
以前載せたブログも参考にしてみてください。
●2010.1.27 付け 杉山Drのやさしい医学講座 夜間頻尿
●2009.7.20 付け 教えてホーム長Q&A Q26 尿失禁を見つけたときどうしたらいいですか?

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2011年02月10日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート19
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート19
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
5 レム睡眠行動障害
悪夢で大きな寝言
レム睡眠行動障害とは
レビー小体型認知症に特徴的なレム睡眠行動障害は、「うわーつ」などと奇声をあげたり、「この野郎!」「助けて」と大声で寝言を叫んだりするのが一般的です。目をつむったまま、腕や足をばたつかせたり、急に起き上がったりします。ベッドから転落したり、ベッド柵・壁などに激しく体をぶつけたり、あるいは隣で寝ている配偶者をたたいたりすることもあります。ただし夢遊病のように歩き回るようなことはほとんどありません。
このレム睡眠行動障害は、悪夢を見ていることがほとんどです。例えば借金取りに追われる夢だったり、嫌いな相手に暴力をふるわれる夢だったりします。なお、意識障害であるせん妄とこのレム睡眠行動障害とは別のものですが、傍目には区別することが難しい場合がしばしばあります。なお、レビー小体型認知症の場合、日中の覚醒している(と思われる)ときに、こうしたレム睡眠行動障害に似た現象がみられる人も存在します。
睡眠物質と覚醒物質
レビー小体型認知症のレム睡眠行動障害への対処を考えるにあたっては、睡眠のしくみを頭に入れておくことが必要です。脳の中で、「眠りなさい」という睡眠物質を出している場所は、視床下部前部や前脳基底部というところです。一方、「目を覚ましなさい」という覚醒物質を出すのが視床下部後部や橋(きょう)、脳幹網様体と呼ばれるところです。
レビー小体型認知症やアルツハイマー型認知症では、この覚醒物質を生成する機能が低下してしまいます。その結果、覚醒物質よりも睡眠物質のほうが強くなってしまい、起きていても半分眠っている状態がみられるわけです。
<ホーム長のつぶやき>
レビー小体型認知症の厄介な症状の一つがレム睡眠行動障害です。この異常な行動をしっかりと理解し、関わっていくことが大切だと思いました。悪夢にうなされ行動に出てしまうことは防ぎようもないことです。睡眠物質と覚醒物質のアンバランスはよく2人3脚でも体験しています。昼夜逆転です。また、昼も夜もよく眠っている日もあります。半分眠っている時によく誤嚥する場合があるので注意が必要です。しっかり目覚めてから食事を摂っていただいています。

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わかるガイドブックパート19
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
5 レム睡眠行動障害
悪夢で大きな寝言
レム睡眠行動障害とは
レビー小体型認知症に特徴的なレム睡眠行動障害は、「うわーつ」などと奇声をあげたり、「この野郎!」「助けて」と大声で寝言を叫んだりするのが一般的です。目をつむったまま、腕や足をばたつかせたり、急に起き上がったりします。ベッドから転落したり、ベッド柵・壁などに激しく体をぶつけたり、あるいは隣で寝ている配偶者をたたいたりすることもあります。ただし夢遊病のように歩き回るようなことはほとんどありません。
このレム睡眠行動障害は、悪夢を見ていることがほとんどです。例えば借金取りに追われる夢だったり、嫌いな相手に暴力をふるわれる夢だったりします。なお、意識障害であるせん妄とこのレム睡眠行動障害とは別のものですが、傍目には区別することが難しい場合がしばしばあります。なお、レビー小体型認知症の場合、日中の覚醒している(と思われる)ときに、こうしたレム睡眠行動障害に似た現象がみられる人も存在します。
睡眠物質と覚醒物質
レビー小体型認知症のレム睡眠行動障害への対処を考えるにあたっては、睡眠のしくみを頭に入れておくことが必要です。脳の中で、「眠りなさい」という睡眠物質を出している場所は、視床下部前部や前脳基底部というところです。一方、「目を覚ましなさい」という覚醒物質を出すのが視床下部後部や橋(きょう)、脳幹網様体と呼ばれるところです。
レビー小体型認知症やアルツハイマー型認知症では、この覚醒物質を生成する機能が低下してしまいます。その結果、覚醒物質よりも睡眠物質のほうが強くなってしまい、起きていても半分眠っている状態がみられるわけです。
<ホーム長のつぶやき>
レビー小体型認知症の厄介な症状の一つがレム睡眠行動障害です。この異常な行動をしっかりと理解し、関わっていくことが大切だと思いました。悪夢にうなされ行動に出てしまうことは防ぎようもないことです。睡眠物質と覚醒物質のアンバランスはよく2人3脚でも体験しています。昼夜逆転です。また、昼も夜もよく眠っている日もあります。半分眠っている時によく誤嚥する場合があるので注意が必要です。しっかり目覚めてから食事を摂っていただいています。
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2011年02月04日
レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック パート18
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート18
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
5 レム睡眠行動障害
悪夢で大きな寝言
レビー小体型認知症に多い
レム睡眠行動障害
レビー小体型認知症では、睡眠中にうなされたり、大きな声で寝言をつぶやいたり、奇声をあげたり、怒ったり、怖がったり、暴れたりといった異常な行動をとることがあります。レム睡眠の最中にあらわれるため、これを「レム睡眠行動障害」といいます。原因は、前述した「認知の変動」と同様、「脳幹網様体」(脳幹の中にある網の目状のもので、呼吸や心拍、血圧などを調節する機能を持つ。視床を介して、覚醒と睡眠にも深く関わっている)が関与していると考えられています。
レビー小体型認知症の人には、このレム睡眠行動障害が最初にあらわれたというケースが少なくありません。振り返ってみると、発病(診断)の10年前あるいは20年前からこれらが見られるようになったりという場合があります。したがって、レム睡眠行動障害は、、やがてレビー小体型認知症を発症することを示唆していることもあるのです。なお、レビー小体型認知症の中期以降では、このレム睡眠行動障害は見られなくなる人がほとんどです。
<ホーム長のつぶやき>
レム睡眠行動障害が出ると家族は安眠を妨げられ、翌朝の仕事にさしさわりが出てきます。介護うつにもなりかねません。介護家族の苦しみは大変です。10年から20年も前に睡眠時に異常な行動をとっている人は要注意ですね。こういうことが早くわかっていれば早期診断や予防ができそうです。しっかり学びましょう。

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わかるガイドブックパート18
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
5 レム睡眠行動障害
悪夢で大きな寝言
レビー小体型認知症に多い
レム睡眠行動障害
レビー小体型認知症では、睡眠中にうなされたり、大きな声で寝言をつぶやいたり、奇声をあげたり、怒ったり、怖がったり、暴れたりといった異常な行動をとることがあります。レム睡眠の最中にあらわれるため、これを「レム睡眠行動障害」といいます。原因は、前述した「認知の変動」と同様、「脳幹網様体」(脳幹の中にある網の目状のもので、呼吸や心拍、血圧などを調節する機能を持つ。視床を介して、覚醒と睡眠にも深く関わっている)が関与していると考えられています。
レビー小体型認知症の人には、このレム睡眠行動障害が最初にあらわれたというケースが少なくありません。振り返ってみると、発病(診断)の10年前あるいは20年前からこれらが見られるようになったりという場合があります。したがって、レム睡眠行動障害は、、やがてレビー小体型認知症を発症することを示唆していることもあるのです。なお、レビー小体型認知症の中期以降では、このレム睡眠行動障害は見られなくなる人がほとんどです。
<ホーム長のつぶやき>
レム睡眠行動障害が出ると家族は安眠を妨げられ、翌朝の仕事にさしさわりが出てきます。介護うつにもなりかねません。介護家族の苦しみは大変です。10年から20年も前に睡眠時に異常な行動をとっている人は要注意ですね。こういうことが早くわかっていれば早期診断や予防ができそうです。しっかり学びましょう。
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2011年01月30日
レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック パート17
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート17
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
4 認知の変動
頭の状態の差が激しい
認知能力を維持するには
介護者は、認知の力が低下しているかどうか常に把握しておく必要があります。状態が把握できていれば、大事なことを伝えたい場合、認知レベルが高い(頭がはっきりしている)時に行なうことができます。
人によっては、認知能力の低下が起こる前に、何らかの身体的サインが見られる場合があります。例えば、とてもそわそわしたり、テーブルを何度もコツコツ叩いたりなどです。
認知能力が低下してしまうと、料理をしたりテレビのリモコンを操作したりといった、物事を手順どうりに段取りよく遂行することが難しくなりますが(これを実行機能障害といいます)、こうした能力を少しでも維持するには、折り紙などが良いといわれています。
新聞や雑誌を一回折る程度のことでも普段から続けることによって、効果が見られる場合があります。なお、認知の変動とパーキンソン症状は連動していることが多くあり、認知能力が低下すると、動きや歩行も悪くなるような例が見られます。
<ホーム長のつぶやき>
アルツハイマー型認知症の方でもレビー小体型認知症の方でも、意思の疎通がしっかりできる時と、できないときがあります。本人の苦しみや要望を認知レベルの高いときにお聴きしています。そうすると自分の意見をしっかりと述べられる場合があります。私たちは生活リハビリの一環として色々なことをしていただいています。頭を下げて仕事を依頼し、できたら感謝の言葉を全スタッフが言っているシーンをよく見かけます。
折り紙は実行機能障害に良いのですね。鶴の折り紙や花の折り紙はよくしています。先日ブログアップした新聞たたみはとっても助かります。感染予防のため、すぐに使えるサイズにたたんでいただいています。量が沢山ですが根気よくたたんでくれます。おやつを入れる箱はよくチラシで作ります。こういうことが認知能力を維持する上で役立つのですね。達成感で利用者様は笑顔が自然と出ています。

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わかるガイドブックパート17
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
4 認知の変動
頭の状態の差が激しい
認知能力を維持するには
介護者は、認知の力が低下しているかどうか常に把握しておく必要があります。状態が把握できていれば、大事なことを伝えたい場合、認知レベルが高い(頭がはっきりしている)時に行なうことができます。
人によっては、認知能力の低下が起こる前に、何らかの身体的サインが見られる場合があります。例えば、とてもそわそわしたり、テーブルを何度もコツコツ叩いたりなどです。
認知能力が低下してしまうと、料理をしたりテレビのリモコンを操作したりといった、物事を手順どうりに段取りよく遂行することが難しくなりますが(これを実行機能障害といいます)、こうした能力を少しでも維持するには、折り紙などが良いといわれています。
新聞や雑誌を一回折る程度のことでも普段から続けることによって、効果が見られる場合があります。なお、認知の変動とパーキンソン症状は連動していることが多くあり、認知能力が低下すると、動きや歩行も悪くなるような例が見られます。
<ホーム長のつぶやき>
アルツハイマー型認知症の方でもレビー小体型認知症の方でも、意思の疎通がしっかりできる時と、できないときがあります。本人の苦しみや要望を認知レベルの高いときにお聴きしています。そうすると自分の意見をしっかりと述べられる場合があります。私たちは生活リハビリの一環として色々なことをしていただいています。頭を下げて仕事を依頼し、できたら感謝の言葉を全スタッフが言っているシーンをよく見かけます。
折り紙は実行機能障害に良いのですね。鶴の折り紙や花の折り紙はよくしています。先日ブログアップした新聞たたみはとっても助かります。感染予防のため、すぐに使えるサイズにたたんでいただいています。量が沢山ですが根気よくたたんでくれます。おやつを入れる箱はよくチラシで作ります。こういうことが認知能力を維持する上で役立つのですね。達成感で利用者様は笑顔が自然と出ています。
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2011年01月22日
冬に多い“究極の生活習慣病”心筋梗塞・狭心症危険因子は
冬に多い“究極の生活習慣病”
心筋梗塞・狭心症
生活ワイド・榊原記念病院の伊東春樹副院長
高脂血症、肥満などが危険因子
心臓にかかわる様々な病気を心臓病と呼び、がんに次いで日本人の死因の第2位を占めています。その原因でもっとも多いのが、虚血性心疾患(冠動脈疾患)という病名で総称される、心筋梗塞や狭心症です。
血管がせまくなる、ふさがる
心筋梗塞や狭心症の多くは心臓に張りめぐらされた冠動脈の硬化によっておこります。重大な危険因子には高脂血症や高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などが挙げられますが、さらにその背景には、食生活や、運動不足など、日常生活のよくない習慣があります。
虚血性心疾患は究極の生活習慣病と呼ぶこともできるのです。また、発症が冬に多いのです。血管の内皮(内膜)が弱くなり傷つくと、コレステロールなどが内皮の下に入り込み、プラーク(粥状の固まり)を作り、血管がふさがっていきます。血管がどの程度ふさがっているかを狭窄率と呼びますが、狭窄率が75%を越えると、狭心症の症状が出ると言われています。
狭心症は血液の通り道が狭くなり、一時的に血流が低下する状態です。薬を飲んだり、安静にすることで、血流量が回復すると発作はおさまります。プラークの表面には内膜がありますが、その膜が破れてプラークが血管内に露出すると、血小板などが集まり、血栓(血液の固まり)を作ります。さらに赤血球もついて大きくなり、数時間から数日で完全に冠動脈をふさいでしまうことがあります。これが心筋梗塞です。心筋梗塞では、詰まった先の心筋が壊死します。その間に、不整脈や心不全、ショックを引き起こし、生命を失うことがあります。
痛みの範囲と感じ方
「胸が締め付けられるように、痛くて苦しい」症状が数分間続く場合、狭心症の可能性があります。ただし、痛みの範囲や感じ方は人によって異なります。「心臓が左よりだから痛みも左側」と考えがちですが、そうとは限りません。多くは胸の中央に症状が出ます。また、みぞおちや左腕、首や奥歯などが痛むことがあります。発作が起きた時は次のことに気をつけてください。
【初めての発作のとき】
①.安全な場所へ移動
・階段の途中であれば手すりにつかまって様子を見る。
・トイレにいた場合、トイレから出て楽な姿勢をとる。
・横になったりしゃがむむと心臓に負担がかかるので、椅子などに座る(血圧が下がったり、意識がない場合は別)
②.衣服を緩め楽な姿勢をとる
・寒ければ毛布などを掛ける
③.10分以上痛みが続くときは救急車を呼ぶ
【何度目かの発作で、医師から薬を処方されているとき】
①.硝酸薬(ニトログリセリン)舌下へ含むか、スプレーする
②.5分経っても効果がない時は、もう一度試す
③.それでも治まらなければ、救急車を呼ぶ
こらえられない胸痛
胸を締め付けられるような痛み」が続く場合は、心筋梗塞の可能性があります。みぞおち、左の奥歯・あご、腕、手、背中が痛むことがあります。次のような症状が10分以上続いたら、救急車を呼びます。
・こらえられない激しい胸痛
・顔が真っ白で、冷や汗がでる
・嘔吐、脈の乱れ、失神、ショック状態
救急車が来るまでは、安全な場所で、楽にして待ちます。狭心症の人は、硝酸薬を服用しましょう。逆に、胸の痛みと、同時に、次のことが当てはまる場合、心臓から来る痛みではない可能性が高いといえます。
・咳や大きな息をする、体位を変える、痛む部位を押すなどのことをすると、痛みが強くなる
・ピンポイントで痛みの部位を指すことができる
・チクっとする痛みがある
薬物療法と手術療法
動脈硬化によって血管が狭くなったり詰まっている場合には、狭窄部分を広げる治療や手術を行ないます。薬物療法では、硝酸薬で血管を広げ、血栓溶解薬を使って血流を再開させます。手術には、冠動脈造影検査の後、バルーン(風船)療法で血管を広げたり、広げた部分を、ステントという金属製の網状の筒で補強するものなどがあります。(経皮血管形成術)
手術は左の冠動脈の根元に狭窄がある時、狭窄が多い時などに有効です。慢性の虚血性心疾患の場合、経皮血管形成術をすべきかどうか医師によく相談してください。1ヵ所に狭窄を起こした人は程度は軽くても、約8割以上の確立で、他の部位にも狭窄を起こしています。生活習慣そのものを見直さない限り、再発の可能性が高いままです。
虚血性心疾患による死亡率をフィンランドでは8割減、米国では半減させることに成功しました。その大きな要因は、高血圧や高脂血症の治療、食事や禁煙、運動でした。一度虚血性心疾患になっても死亡率を下げることができます。しかし日本では、心臓リハビリテーション受けられる病院が少ないうえ、保険診療では5ヶ月までしか受けられません。この点は今後の課題です。心臓リハビリテーションを推進する民間非営利団体(NPO)もありますので、必要な人は調べてもよいでしょう。心筋梗塞や狭心症の危険性は誰にでもあります。再発を防ぎたい人はもちろん、1度もなったことのない人も偏った食事や運動不足に気をつけ、予防に努めたいものです。
<ホーム長のつぶやき>
生活ワイドの記事を2回にわたってブログアップしてみました。この冬はとても寒く心筋梗塞も起こしやすいですね。昨年の12月は2人3脚の町内、境の公民館にて蘇生の訓練を指導させていただきました。心臓が止まってしまってから5分以内でしたらAEDも効果があります。救急車が来るまで蘇生しながら待ったり、AEDを2人3脚に手分けして取りにいくなど、如何にして町内、隣近所で連携していくかで生死が決まります。さらに心肺停止した後、自発呼吸が再開した後の後遺症(脳へのダメージ)を減らすことができます。とてもいい勉強になりました。
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心筋梗塞・狭心症
生活ワイド・榊原記念病院の伊東春樹副院長
高脂血症、肥満などが危険因子
心臓にかかわる様々な病気を心臓病と呼び、がんに次いで日本人の死因の第2位を占めています。その原因でもっとも多いのが、虚血性心疾患(冠動脈疾患)という病名で総称される、心筋梗塞や狭心症です。
血管がせまくなる、ふさがる
心筋梗塞や狭心症の多くは心臓に張りめぐらされた冠動脈の硬化によっておこります。重大な危険因子には高脂血症や高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などが挙げられますが、さらにその背景には、食生活や、運動不足など、日常生活のよくない習慣があります。
虚血性心疾患は究極の生活習慣病と呼ぶこともできるのです。また、発症が冬に多いのです。血管の内皮(内膜)が弱くなり傷つくと、コレステロールなどが内皮の下に入り込み、プラーク(粥状の固まり)を作り、血管がふさがっていきます。血管がどの程度ふさがっているかを狭窄率と呼びますが、狭窄率が75%を越えると、狭心症の症状が出ると言われています。
狭心症は血液の通り道が狭くなり、一時的に血流が低下する状態です。薬を飲んだり、安静にすることで、血流量が回復すると発作はおさまります。プラークの表面には内膜がありますが、その膜が破れてプラークが血管内に露出すると、血小板などが集まり、血栓(血液の固まり)を作ります。さらに赤血球もついて大きくなり、数時間から数日で完全に冠動脈をふさいでしまうことがあります。これが心筋梗塞です。心筋梗塞では、詰まった先の心筋が壊死します。その間に、不整脈や心不全、ショックを引き起こし、生命を失うことがあります。
痛みの範囲と感じ方
「胸が締め付けられるように、痛くて苦しい」症状が数分間続く場合、狭心症の可能性があります。ただし、痛みの範囲や感じ方は人によって異なります。「心臓が左よりだから痛みも左側」と考えがちですが、そうとは限りません。多くは胸の中央に症状が出ます。また、みぞおちや左腕、首や奥歯などが痛むことがあります。発作が起きた時は次のことに気をつけてください。
【初めての発作のとき】
①.安全な場所へ移動
・階段の途中であれば手すりにつかまって様子を見る。
・トイレにいた場合、トイレから出て楽な姿勢をとる。
・横になったりしゃがむむと心臓に負担がかかるので、椅子などに座る(血圧が下がったり、意識がない場合は別)
②.衣服を緩め楽な姿勢をとる
・寒ければ毛布などを掛ける
③.10分以上痛みが続くときは救急車を呼ぶ
【何度目かの発作で、医師から薬を処方されているとき】
①.硝酸薬(ニトログリセリン)舌下へ含むか、スプレーする
②.5分経っても効果がない時は、もう一度試す
③.それでも治まらなければ、救急車を呼ぶ
こらえられない胸痛
胸を締め付けられるような痛み」が続く場合は、心筋梗塞の可能性があります。みぞおち、左の奥歯・あご、腕、手、背中が痛むことがあります。次のような症状が10分以上続いたら、救急車を呼びます。
・こらえられない激しい胸痛
・顔が真っ白で、冷や汗がでる
・嘔吐、脈の乱れ、失神、ショック状態
救急車が来るまでは、安全な場所で、楽にして待ちます。狭心症の人は、硝酸薬を服用しましょう。逆に、胸の痛みと、同時に、次のことが当てはまる場合、心臓から来る痛みではない可能性が高いといえます。
・咳や大きな息をする、体位を変える、痛む部位を押すなどのことをすると、痛みが強くなる
・ピンポイントで痛みの部位を指すことができる
・チクっとする痛みがある
薬物療法と手術療法
動脈硬化によって血管が狭くなったり詰まっている場合には、狭窄部分を広げる治療や手術を行ないます。薬物療法では、硝酸薬で血管を広げ、血栓溶解薬を使って血流を再開させます。手術には、冠動脈造影検査の後、バルーン(風船)療法で血管を広げたり、広げた部分を、ステントという金属製の網状の筒で補強するものなどがあります。(経皮血管形成術)
手術は左の冠動脈の根元に狭窄がある時、狭窄が多い時などに有効です。慢性の虚血性心疾患の場合、経皮血管形成術をすべきかどうか医師によく相談してください。1ヵ所に狭窄を起こした人は程度は軽くても、約8割以上の確立で、他の部位にも狭窄を起こしています。生活習慣そのものを見直さない限り、再発の可能性が高いままです。
虚血性心疾患による死亡率をフィンランドでは8割減、米国では半減させることに成功しました。その大きな要因は、高血圧や高脂血症の治療、食事や禁煙、運動でした。一度虚血性心疾患になっても死亡率を下げることができます。しかし日本では、心臓リハビリテーション受けられる病院が少ないうえ、保険診療では5ヶ月までしか受けられません。この点は今後の課題です。心臓リハビリテーションを推進する民間非営利団体(NPO)もありますので、必要な人は調べてもよいでしょう。心筋梗塞や狭心症の危険性は誰にでもあります。再発を防ぎたい人はもちろん、1度もなったことのない人も偏った食事や運動不足に気をつけ、予防に努めたいものです。
<ホーム長のつぶやき>
生活ワイドの記事を2回にわたってブログアップしてみました。この冬はとても寒く心筋梗塞も起こしやすいですね。昨年の12月は2人3脚の町内、境の公民館にて蘇生の訓練を指導させていただきました。心臓が止まってしまってから5分以内でしたらAEDも効果があります。救急車が来るまで蘇生しながら待ったり、AEDを2人3脚に手分けして取りにいくなど、如何にして町内、隣近所で連携していくかで生死が決まります。さらに心肺停止した後、自発呼吸が再開した後の後遺症(脳へのダメージ)を減らすことができます。とてもいい勉強になりました。

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2011年01月18日
知っていますか?レビー小体型認知症 診断、治療、介護
知っていますか?
レビー小体型認知症パート5
今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ366号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が連載で掲載中です。いま、ガイドブックで通して学んでいますので、より理解することができるのではないでしょうか。
レビー小体型認知症の治療について
今までレビー小体型認知症(DLB)の特徴、症状、診断基準について述べてきたが、今回は治療と介護について簡単に紹介することにする。治療には、認知症の治療と認知症と関連して起こる行動・精神症状(BPSD)の治療があり、それぞれの薬物療法と非薬物療法がある。
認知症の薬物療法としては、DLBに特意的な、薬物療法はない。アルツハイマー型認知症の治療薬であるドネベジル(アリセプト)は実はDLBに最も効果があることがわかっている。それは脳内のアセチルコリン濃度がDLBではより減少しているために、その濃度を高めるコリンエステラーゼ阻害薬であるドネベジルがより効果を示すからである。わが国でも近いうちに、発売される予定のガランタミンやリバスチグミンも同じような効果がある。
しかし、これらは認知症の進行を遅らせる、という効果が期待できないので、根治的な治療が必要であるが、DLBに関しては根治的治療薬の開発は、アルツハイマー型認知症の場合よりも遅れており、これからの研究が期待されている。認知症についての非薬物療法はアルツハイマー型認知症の場合と変わりはないのでここでは省略するが、DLBではアルツハイマー型認知症より特に早い時期には認知症、特に記憶障害が軽いので、早期からの働きかけが大切である。
DLBではBPSDが認知症の目立たないうちに出てくることが多く、しかも症状が多彩であるため、介護が大変である。したがって、このBPSDへの治療が優先される。幻視や妄想を中心とするBPSDにはやはりドネベジルが効果的である事が少なくない。それが効果のないときには漢方薬の抑肝散が使用される。こららは副作用が少なくて、、効果が期待されるので、まず使用されるのがよい。
それでも効果がない場合には、非定型抗精神薬を使用せざるを得ないが、この使用は専門的知識が必要なので、専門医以外は使用するべきではないと筆者は主張している。重要なことは、DLBでは抗精神約に限らずこれらの薬剤には過敏性を示すことが少なくないので、少量から徐々に増量していかなければならない。また、子tれらの薬剤はDLBには保険適応外であるので、医師は家族に十分説明したうえで同意を得てからしようしなければならないので、注意が必要である。
BPSDの非薬物療法(介護については後述)については普通に行われているものに変わりがないので、省略する。もう1つ重要なのは、DLBではパーキンソン症状と自立神経症状への治療である。前者はパーキンソン病の治療と同じであり、後者には症状に応じた治療が必要であるが、紙数の関係でここでは省略する。
●DLBの介護について
DLBでは最も介護が大変な認知症といってもよい。介護の基本は、患者中心の介護(パーソンセンタードケア)とその人の病気に合わせた介護である。特に、後者については、DLBについての理解がないとうまく介護ができないのはいうまでもない。DLBの介護で特に注意しないといけないことは、特に初期には記憶障害がアルツハイマー型認知症より軽いことである。
したがって、よく覚えているので場あたり的な対応や一時的なごまかしが効かないことである。例えば、幻視があると、「何も見えないよ。だから気にしないで」と家族は一方的に否定してしまうことが多いが、本人には見えているのだから「見えない」といっても仕方がない。まず、話をよく聞いて、「悪いことはしないから大丈夫よ。わたしがいるから、悪いことするようなら私が守ってあげるから」と言ったりして、支持的に、そしてできるだけ納得できるように、接することが大切です。
DLBでは幻視に関連して妄想が発生することが多いので、幻視や錯視(例えば人形が飾ってあると、それを人がいると見間違える)が出たら早期の治療が必要である。すなわち室内の置物や飾りを取り除くとか、電気を明るくする(暗いと見間違いが多い)とかの工夫も必要でしょう。最近、「レビー小体型認知症家族を支える会」から出版した「レビ小体型認知症の介護が分かるガイドブック」(小坂憲治・波田野政治著・メディカ出版)に介護の方法が詳しく記載されているので、参考にしていただくとよいと思う。
―つづく―
<ホーム長のつぶやき>
いま、レビー小体型認知症のガイドブックをよくブログにアップしていますので、よくブログを見ていただいている方にとってはとっても分かりやすい記事だと思います。パーソンセンタードは本人の尊厳を保ちながら介護する方法です。寄り添う介護によって本人の苦しみ、不安を理解しようと関わります。また、小阪先生が述べているように抗精神薬の使い方はとっても難しく副作用に悩む認知症の方が多くいます。特に高齢者は後になって薬が効いてくるため、蓄積されやすいため、注意深く観察してほしいです。ふらつきなどから転倒の危険も出てきます。

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レビー小体型認知症パート5
今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ366号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が連載で掲載中です。いま、ガイドブックで通して学んでいますので、より理解することができるのではないでしょうか。
レビー小体型認知症の治療について
今までレビー小体型認知症(DLB)の特徴、症状、診断基準について述べてきたが、今回は治療と介護について簡単に紹介することにする。治療には、認知症の治療と認知症と関連して起こる行動・精神症状(BPSD)の治療があり、それぞれの薬物療法と非薬物療法がある。
認知症の薬物療法としては、DLBに特意的な、薬物療法はない。アルツハイマー型認知症の治療薬であるドネベジル(アリセプト)は実はDLBに最も効果があることがわかっている。それは脳内のアセチルコリン濃度がDLBではより減少しているために、その濃度を高めるコリンエステラーゼ阻害薬であるドネベジルがより効果を示すからである。わが国でも近いうちに、発売される予定のガランタミンやリバスチグミンも同じような効果がある。
しかし、これらは認知症の進行を遅らせる、という効果が期待できないので、根治的な治療が必要であるが、DLBに関しては根治的治療薬の開発は、アルツハイマー型認知症の場合よりも遅れており、これからの研究が期待されている。認知症についての非薬物療法はアルツハイマー型認知症の場合と変わりはないのでここでは省略するが、DLBではアルツハイマー型認知症より特に早い時期には認知症、特に記憶障害が軽いので、早期からの働きかけが大切である。
DLBではBPSDが認知症の目立たないうちに出てくることが多く、しかも症状が多彩であるため、介護が大変である。したがって、このBPSDへの治療が優先される。幻視や妄想を中心とするBPSDにはやはりドネベジルが効果的である事が少なくない。それが効果のないときには漢方薬の抑肝散が使用される。こららは副作用が少なくて、、効果が期待されるので、まず使用されるのがよい。
それでも効果がない場合には、非定型抗精神薬を使用せざるを得ないが、この使用は専門的知識が必要なので、専門医以外は使用するべきではないと筆者は主張している。重要なことは、DLBでは抗精神約に限らずこれらの薬剤には過敏性を示すことが少なくないので、少量から徐々に増量していかなければならない。また、子tれらの薬剤はDLBには保険適応外であるので、医師は家族に十分説明したうえで同意を得てからしようしなければならないので、注意が必要である。
BPSDの非薬物療法(介護については後述)については普通に行われているものに変わりがないので、省略する。もう1つ重要なのは、DLBではパーキンソン症状と自立神経症状への治療である。前者はパーキンソン病の治療と同じであり、後者には症状に応じた治療が必要であるが、紙数の関係でここでは省略する。
●DLBの介護について
DLBでは最も介護が大変な認知症といってもよい。介護の基本は、患者中心の介護(パーソンセンタードケア)とその人の病気に合わせた介護である。特に、後者については、DLBについての理解がないとうまく介護ができないのはいうまでもない。DLBの介護で特に注意しないといけないことは、特に初期には記憶障害がアルツハイマー型認知症より軽いことである。
したがって、よく覚えているので場あたり的な対応や一時的なごまかしが効かないことである。例えば、幻視があると、「何も見えないよ。だから気にしないで」と家族は一方的に否定してしまうことが多いが、本人には見えているのだから「見えない」といっても仕方がない。まず、話をよく聞いて、「悪いことはしないから大丈夫よ。わたしがいるから、悪いことするようなら私が守ってあげるから」と言ったりして、支持的に、そしてできるだけ納得できるように、接することが大切です。
DLBでは幻視に関連して妄想が発生することが多いので、幻視や錯視(例えば人形が飾ってあると、それを人がいると見間違える)が出たら早期の治療が必要である。すなわち室内の置物や飾りを取り除くとか、電気を明るくする(暗いと見間違いが多い)とかの工夫も必要でしょう。最近、「レビー小体型認知症家族を支える会」から出版した「レビ小体型認知症の介護が分かるガイドブック」(小坂憲治・波田野政治著・メディカ出版)に介護の方法が詳しく記載されているので、参考にしていただくとよいと思う。
―つづく―
<ホーム長のつぶやき>
いま、レビー小体型認知症のガイドブックをよくブログにアップしていますので、よくブログを見ていただいている方にとってはとっても分かりやすい記事だと思います。パーソンセンタードは本人の尊厳を保ちながら介護する方法です。寄り添う介護によって本人の苦しみ、不安を理解しようと関わります。また、小阪先生が述べているように抗精神薬の使い方はとっても難しく副作用に悩む認知症の方が多くいます。特に高齢者は後になって薬が効いてくるため、蓄積されやすいため、注意深く観察してほしいです。ふらつきなどから転倒の危険も出てきます。
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2011年01月17日
レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック パート16
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート16
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
4 認知の変動
頭の状態の差が激しい
認知の変動が起こると
レビー小体型認知症の場合、この認知能力が、1日の間で、あるいは1週間や1か月の間で激しく変動するのが特徴です。わかりやすくいえば、頭がはっきりしている状態とボートしている状態が入れ替わり起こります。これを「認知の変動」といいます。脳幹網様体(のうかんもうようたい)の障害が関係しているとされています。
レビー小体方認知症は、アルツハイマー型認知症に比べて、初期には物忘れなどの認知障害はあまりり目立ちません。したがって、頭の回転がよく、物事をよく理解したり判断したりできます。けれども、この認知の変動が起こると、頭の働きが悪くなり、記憶力や理解力、判断力などが極端に低下し、ボートした状態になります。
こうした状態のときに「長谷川式スケールや」や「MMSE」のような知能検査をした場合、明らかに点数が下がることになります。また、「要介護認定」における訪問調査(聞きとり)などにも影響があります。認知能力の低下は、周囲の目に明らかなときがありとともに、認知レベルが回復した際に、本人が、「今まで自分はいったい何をやってたんだろう」と気づいたりすることもあります。
一方で、周囲のものが注視していないと気づかないことも多く、医師に尋ねられて「そういえば、いいときと悪いときの差があります」などと答える家族も少なくありません。また、特定の認知能力に低下が見られることもあります。極端に言葉が出てこなかったり、いつもできていた着替えや歯磨きなどができなくなったりといった例です。なお、レビー小体型認知症は、視覚を司る後頭葉が障害されやすいため、視覚に関わる認知能力が低下することが多々あります。
たとえば、見まちい(誤認)や変形視が生じて、相手や場所が分からなくなるなどです。あるいは、物体との距離がつかめず、道具をうまく使えないといったこともあります。なお、レビー小体型認知症の人は、前夜に十分な睡眠をとっているにも関わらず、常にうとうとしていたり日中に2時間以上眠ったりすることがあります。食事中あるいは病院での診察中などにみられることも少なくありません。
脳幹網様体
脳幹の中にある網の目状のもので、呼吸や心拍、血圧などを調整する機能をもつ。視床を解して、覚醒と睡眠にも深く関わっている。
長谷川式認知症スケール
わが国で広く用いられている認知症の評価検査。「今日は何年、何月、何日、何曜日ですか?」「五つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言ってください」などの9つの設問が用意され、主に短期記憶(新しい出来事の記憶)の障害を見つけやすい。30点満点で、20点以下だと認知症の疑いがあるとされる。
<ホーム長のつぶやき>
認知の変動について分かりやすく説明されており、この変動で家族は大変混乱し介護に疲弊されます。長谷川式認知症スケールは教えてホーム長に載せてあります。ここをクリックすると長谷川式認知症スケールを詳しく見ることができます。
↓
長谷川式認知症スケールパート1
長谷川式認知症スケールパート2

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わかるガイドブックパート16
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
4 認知の変動
頭の状態の差が激しい
認知の変動が起こると
レビー小体型認知症の場合、この認知能力が、1日の間で、あるいは1週間や1か月の間で激しく変動するのが特徴です。わかりやすくいえば、頭がはっきりしている状態とボートしている状態が入れ替わり起こります。これを「認知の変動」といいます。脳幹網様体(のうかんもうようたい)の障害が関係しているとされています。
レビー小体方認知症は、アルツハイマー型認知症に比べて、初期には物忘れなどの認知障害はあまりり目立ちません。したがって、頭の回転がよく、物事をよく理解したり判断したりできます。けれども、この認知の変動が起こると、頭の働きが悪くなり、記憶力や理解力、判断力などが極端に低下し、ボートした状態になります。
こうした状態のときに「長谷川式スケールや」や「MMSE」のような知能検査をした場合、明らかに点数が下がることになります。また、「要介護認定」における訪問調査(聞きとり)などにも影響があります。認知能力の低下は、周囲の目に明らかなときがありとともに、認知レベルが回復した際に、本人が、「今まで自分はいったい何をやってたんだろう」と気づいたりすることもあります。
一方で、周囲のものが注視していないと気づかないことも多く、医師に尋ねられて「そういえば、いいときと悪いときの差があります」などと答える家族も少なくありません。また、特定の認知能力に低下が見られることもあります。極端に言葉が出てこなかったり、いつもできていた着替えや歯磨きなどができなくなったりといった例です。なお、レビー小体型認知症は、視覚を司る後頭葉が障害されやすいため、視覚に関わる認知能力が低下することが多々あります。
たとえば、見まちい(誤認)や変形視が生じて、相手や場所が分からなくなるなどです。あるいは、物体との距離がつかめず、道具をうまく使えないといったこともあります。なお、レビー小体型認知症の人は、前夜に十分な睡眠をとっているにも関わらず、常にうとうとしていたり日中に2時間以上眠ったりすることがあります。食事中あるいは病院での診察中などにみられることも少なくありません。
脳幹網様体
脳幹の中にある網の目状のもので、呼吸や心拍、血圧などを調整する機能をもつ。視床を解して、覚醒と睡眠にも深く関わっている。
長谷川式認知症スケール
わが国で広く用いられている認知症の評価検査。「今日は何年、何月、何日、何曜日ですか?」「五つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言ってください」などの9つの設問が用意され、主に短期記憶(新しい出来事の記憶)の障害を見つけやすい。30点満点で、20点以下だと認知症の疑いがあるとされる。
<ホーム長のつぶやき>
認知の変動について分かりやすく説明されており、この変動で家族は大変混乱し介護に疲弊されます。長谷川式認知症スケールは教えてホーム長に載せてあります。ここをクリックすると長谷川式認知症スケールを詳しく見ることができます。
↓
長谷川式認知症スケールパート1
長谷川式認知症スケールパート2
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2011年01月15日
脳卒中早期発見のために・寒い時期には増加します
脳卒中の早期発見のために
(生活ワイド・聖マリアンナ医科大学・長谷川泰弘教授より)
脳の血管が詰まる、破れるなどの原因で起こる脳卒中。早期発見が重要ですが、症状を見逃して受診が遅れ、重症化を招くこともあります。脳卒中や受診のアドバイスについて、聞きました。
寒い時期には増加
脳卒中は脳血管障害とも言われ、脳の血管に何らかの問題が発生して障害を起こす病気です。「脳梗塞」(脳の血管が詰まる)、「脳出血」(脳内の血管が破裂する)、「くも膜下出血」(脳表面の血管にできた動脈瘤が破裂する)、の3つのタイプがあります。「脳梗塞」は心臓の中にできた血の固まり(不整脈等心臓の病気が原因)がはがれ、脳血管を詰めてしまう塞栓症と、高血圧、高LDLコレステロール血症や糖尿病などによる脳の血管による動脈硬化が原因となって引き起こされる「脳血栓症」に大きく分かれます。
「脳出血」は脳の内部の細い血管が、高血圧によって破れることが原因です。最近は、脳出血よりも脳梗塞の患者が増えており、脳卒中全体の7割を占めています。これは高血圧治療がいきわたってきたことと、高齢化に伴い、動脈硬化による病気を起こす世代が増えていることによると思われます。一方「くも膜下出血」は高血圧や喫煙・飲酒などの生活習慣に加え遺伝的要素が関与しています。寒い冬の時期は血圧が上昇しやすく、最も脳卒中の発生が増える季節ですので、特に注意が必要です。
「突然」の発症が特徴
では、脳卒中の場合、どのような症状が起きるのでしょうか。次のような症状が、「突然」起きた場合は、脳卒中の疑いがあります。何日か前からなんとなくおかしいという場合は脳卒中の可能性は低く、「昨日までなんともなかったのに、今朝、起きたら急に・・・」というように、突然に起こるのが脳卒中の特徴です。
■麻痺やしびれ
体の片側のみに麻痺やしびれがある
■めまい
まっすぐ歩けない、バランスが悪くなる。
■言葉の障害
言葉がうまく出ない、理解不能。ろれつが回らない。
■視野が欠ける
左右どちらの目で見ても、視野が半分ほどしかない。または、物が二重に見える
■頭痛
これまでに経験したことのないほど、激しい頭痛が起こる
「顔・腕・言葉」」ですぐ受診!
3つの検査で判断
脳卒中は、初期の症状が軽くても、次第に悪化することのある病気です。本来一刻も早く病院へ受診する必要があります。特に脳梗塞では、発症3時間以内に血栓溶解療法を受ければ、後遺症が極めて軽く済む可能性が高いのです。しかし、自信を持って脳卒中だと判断し、医療機関を緊急受診できる人は、多くないのが現状です。
また脳卒中の中には、数十分程度で完全に症状が回復する一過性の発作もあり、さらに受診が遅れる場合があります。このような前触れ発作があると、48時間以内に5%が再発します。一時的な症状であっても、油断はできません。最近顔面の左右差、片腕の麻痺、言語障害の三つを評価することで、誰でも自信を持って脳卒中の判断ができることが分かってきました。私は「脳卒中『顔・腕・言葉』ですぐ受診」と覚えてもらうよう訴えています。
脳卒中と判断する場合
適切な方法で検査を行い、次の三つのうち一つでも当てはまれば、7割以上の確率で脳卒中と判断できます。その場合すぐに救急車を呼んでください。
①顔→→→「イー」と言おうとした時、口の片側しか上がらない。
②腕→→→両手の平を上向きにして、肘から先を上げるか、「前にならえ」姿勢をとる。目をつぶって5秒間待つと麻痺のある側が下がり、片麻痺があることが分かる。
③言葉→→→会話してろれつが回らない、意味不明の会話、言葉が出ない症状を見つける。
脳卒中を起こした本人がこれらを行なうのは難しいことが多いので、「様子がおかしい、脳卒中かな?」と思った時、周囲の人がチェックしてあげてください。脳卒中が疑われた場合、自分で運転して病院へ向かうことは絶対に避けましょう。望ましいのは、救急車を呼ぶことです。救急車を待つ間は、麻痺している側を上にして横向きに寝ます。
2人に一人が再発
脳卒中が起こる背景には動脈硬化がありそれを促進するのは、喫煙、運動不足、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった悪い生活習慣や生活習慣病などです。生活習慣との関連が強いことから、治療やリハビリが終えても、生活習慣を見直さない限り、再発の可能性は高いままです。最近の調査では、脳梗塞の場合、2人に1人が発症後10年以内に再発しています。また、10人に1人が1年以内に再発していることが分かってきました。
生活習慣病の治療には、薬物療法や、生活習慣などの改善が必要です。特に、脳出血の再発予防では、血圧のコントロールが大変重要になります。早期の発見・治療のための知識を広めるとともに、一度脳卒中になった人は、再発防止に力を注いでいきたいものです。
<ホーム長のつぶやき>
今私が一番心配なのが、自分の健康です。生活習慣病を改善しなくては。高LDL コレステロールが高く、血圧が軽度に高く、メタボです。運動不足は分かっていますが、いざ実行にうつせない。水着を買いプール用の帽子を購入しましたが、一回もプールにいけず。しかし今年こそは実行しよう。上記のお話はとっても参考になりました。顔・腕・言葉の異常ですぐ受診しましょう。

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(生活ワイド・聖マリアンナ医科大学・長谷川泰弘教授より)
脳の血管が詰まる、破れるなどの原因で起こる脳卒中。早期発見が重要ですが、症状を見逃して受診が遅れ、重症化を招くこともあります。脳卒中や受診のアドバイスについて、聞きました。
寒い時期には増加
脳卒中は脳血管障害とも言われ、脳の血管に何らかの問題が発生して障害を起こす病気です。「脳梗塞」(脳の血管が詰まる)、「脳出血」(脳内の血管が破裂する)、「くも膜下出血」(脳表面の血管にできた動脈瘤が破裂する)、の3つのタイプがあります。「脳梗塞」は心臓の中にできた血の固まり(不整脈等心臓の病気が原因)がはがれ、脳血管を詰めてしまう塞栓症と、高血圧、高LDLコレステロール血症や糖尿病などによる脳の血管による動脈硬化が原因となって引き起こされる「脳血栓症」に大きく分かれます。
「脳出血」は脳の内部の細い血管が、高血圧によって破れることが原因です。最近は、脳出血よりも脳梗塞の患者が増えており、脳卒中全体の7割を占めています。これは高血圧治療がいきわたってきたことと、高齢化に伴い、動脈硬化による病気を起こす世代が増えていることによると思われます。一方「くも膜下出血」は高血圧や喫煙・飲酒などの生活習慣に加え遺伝的要素が関与しています。寒い冬の時期は血圧が上昇しやすく、最も脳卒中の発生が増える季節ですので、特に注意が必要です。
「突然」の発症が特徴
では、脳卒中の場合、どのような症状が起きるのでしょうか。次のような症状が、「突然」起きた場合は、脳卒中の疑いがあります。何日か前からなんとなくおかしいという場合は脳卒中の可能性は低く、「昨日までなんともなかったのに、今朝、起きたら急に・・・」というように、突然に起こるのが脳卒中の特徴です。
■麻痺やしびれ
体の片側のみに麻痺やしびれがある
■めまい
まっすぐ歩けない、バランスが悪くなる。
■言葉の障害
言葉がうまく出ない、理解不能。ろれつが回らない。
■視野が欠ける
左右どちらの目で見ても、視野が半分ほどしかない。または、物が二重に見える
■頭痛
これまでに経験したことのないほど、激しい頭痛が起こる
「顔・腕・言葉」」ですぐ受診!
3つの検査で判断
脳卒中は、初期の症状が軽くても、次第に悪化することのある病気です。本来一刻も早く病院へ受診する必要があります。特に脳梗塞では、発症3時間以内に血栓溶解療法を受ければ、後遺症が極めて軽く済む可能性が高いのです。しかし、自信を持って脳卒中だと判断し、医療機関を緊急受診できる人は、多くないのが現状です。
また脳卒中の中には、数十分程度で完全に症状が回復する一過性の発作もあり、さらに受診が遅れる場合があります。このような前触れ発作があると、48時間以内に5%が再発します。一時的な症状であっても、油断はできません。最近顔面の左右差、片腕の麻痺、言語障害の三つを評価することで、誰でも自信を持って脳卒中の判断ができることが分かってきました。私は「脳卒中『顔・腕・言葉』ですぐ受診」と覚えてもらうよう訴えています。
脳卒中と判断する場合
適切な方法で検査を行い、次の三つのうち一つでも当てはまれば、7割以上の確率で脳卒中と判断できます。その場合すぐに救急車を呼んでください。
①顔→→→「イー」と言おうとした時、口の片側しか上がらない。
②腕→→→両手の平を上向きにして、肘から先を上げるか、「前にならえ」姿勢をとる。目をつぶって5秒間待つと麻痺のある側が下がり、片麻痺があることが分かる。
③言葉→→→会話してろれつが回らない、意味不明の会話、言葉が出ない症状を見つける。
脳卒中を起こした本人がこれらを行なうのは難しいことが多いので、「様子がおかしい、脳卒中かな?」と思った時、周囲の人がチェックしてあげてください。脳卒中が疑われた場合、自分で運転して病院へ向かうことは絶対に避けましょう。望ましいのは、救急車を呼ぶことです。救急車を待つ間は、麻痺している側を上にして横向きに寝ます。
2人に一人が再発
脳卒中が起こる背景には動脈硬化がありそれを促進するのは、喫煙、運動不足、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった悪い生活習慣や生活習慣病などです。生活習慣との関連が強いことから、治療やリハビリが終えても、生活習慣を見直さない限り、再発の可能性は高いままです。最近の調査では、脳梗塞の場合、2人に1人が発症後10年以内に再発しています。また、10人に1人が1年以内に再発していることが分かってきました。
生活習慣病の治療には、薬物療法や、生活習慣などの改善が必要です。特に、脳出血の再発予防では、血圧のコントロールが大変重要になります。早期の発見・治療のための知識を広めるとともに、一度脳卒中になった人は、再発防止に力を注いでいきたいものです。
<ホーム長のつぶやき>
今私が一番心配なのが、自分の健康です。生活習慣病を改善しなくては。高LDL コレステロールが高く、血圧が軽度に高く、メタボです。運動不足は分かっていますが、いざ実行にうつせない。水着を買いプール用の帽子を購入しましたが、一回もプールにいけず。しかし今年こそは実行しよう。上記のお話はとっても参考になりました。顔・腕・言葉の異常ですぐ受診しましょう。

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2011年01月11日
レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブックパート15
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート15
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
4 認知の変動
頭の状態の差が激しい
認知力とは
認知症は、「認知」に障害をきたすために認知症とよばれるわけですが、認知と言う概念は幅広く、様々な内容を指します。認知症の場合、「中核症状」がそれにあたります。具体的には、下記のような記憶や言葉、理解、判断などの能力が障害されたり低下したりします。
認知能力の低下の具体例
記憶 →→→思い出すことができない、
覚えることができない
言葉 →→→言葉の意味が分からない、
やり取りができない
理解 →→→理解ができない
認識 →→→それが何かわからない
判断 →→→判断することができない
注意 →→→複数のことに注意を向けられない
計画 →→→計画が立てられない、準備ができない
手順 →→→物事の手順が分からない
使用 →→→道具や物の使い方がわからない
計算 →→→計算ができない
時間 →→→時間・日にち・曜日・季節などがわからない
場所 →→→ここがどこかわからない
人物 →→→相手が誰なのかわからない
<ホーム長のつぶやき>
アルツハイマー型認知症にも上記の中核症状が当てはまります。認知の能力の低下、じっくりと考えてみてください。例えば記憶については思い出すことができないのです。20代から90代のことがすっぽりと抜けおちてしまい10代や20代のことしか覚えていません。いま、まさにその世界にタイムスリップして話しています。否定はできません。真剣にリアルにお話します。そして新しいことを覚えられません。昔のことにヒントを与えながら覚えていただく方法を探し、支援すると難なくできたりします。手順は一度に色々言われると分かりません。物事の手順が分かりませんがヒントを与えると手順どうりに行かなくてもできることがあります。

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わかるガイドブックパート15
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
4 認知の変動
頭の状態の差が激しい
認知力とは
認知症は、「認知」に障害をきたすために認知症とよばれるわけですが、認知と言う概念は幅広く、様々な内容を指します。認知症の場合、「中核症状」がそれにあたります。具体的には、下記のような記憶や言葉、理解、判断などの能力が障害されたり低下したりします。
認知能力の低下の具体例
記憶 →→→思い出すことができない、
覚えることができない
言葉 →→→言葉の意味が分からない、
やり取りができない
理解 →→→理解ができない
認識 →→→それが何かわからない
判断 →→→判断することができない
注意 →→→複数のことに注意を向けられない
計画 →→→計画が立てられない、準備ができない
手順 →→→物事の手順が分からない
使用 →→→道具や物の使い方がわからない
計算 →→→計算ができない
時間 →→→時間・日にち・曜日・季節などがわからない
場所 →→→ここがどこかわからない
人物 →→→相手が誰なのかわからない
<ホーム長のつぶやき>
アルツハイマー型認知症にも上記の中核症状が当てはまります。認知の能力の低下、じっくりと考えてみてください。例えば記憶については思い出すことができないのです。20代から90代のことがすっぽりと抜けおちてしまい10代や20代のことしか覚えていません。いま、まさにその世界にタイムスリップして話しています。否定はできません。真剣にリアルにお話します。そして新しいことを覚えられません。昔のことにヒントを与えながら覚えていただく方法を探し、支援すると難なくできたりします。手順は一度に色々言われると分かりません。物事の手順が分かりませんがヒントを与えると手順どうりに行かなくてもできることがあります。
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2011年01月05日
レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック・パート14
レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート14
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
3 パーキンソン症状
歩行などに障害あらわれる
パーキンソン体操で身体の硬化を防ぐ
残念ながら、今の医学ではパーキンソン症状を完全に治すことはできません。そのため、抗パーキンソン病薬を用いていくらか緩和させつつ、運動や体操、リハビリテーション(機能訓練)などによって、身体機能を低下させないよう、筋肉や関節が硬くならないよう心がけることが大切です。特に、関節の拘縮(こうしゅく)を防ぐには日々、各関節の屈伸運動を行なうことが欠かせません。
体操といえば、「パーキンソン体操」と呼ばれるものが広く知られています。ポイントは、(ゆっくり」「大きく」動くことです。また、少しずつでもいいので、毎日継続して行なうことです。パーキンソン症状に対して体操や訓練は必要ですが、“やらされている”という気持ちでは、持続させることが難しいため、日常生活の中でも運動を取り入れることを考慮しましょう。たとえば、庭仕事をしたり、手紙を書いてポストに投函に行ったりといったことです。
マッサージや鍼も、直接的にパーキンソン症状を治すわけではありませんが、対症療法として、筋肉の固縮をやわらげたり、精神面で安心感が得られたりといった効果があると思われます。自宅で暮らしている場合には、医療保険による訪問マッサージや訪問リハビリテーションを利用するのも一つの方法です(訪問リハビリテーションは介護保険サービスにもあります)。
パーキンソン体操の例
・口を大きく開く、閉じる
・ほほに息を溜めて膨らませる
・唇の周りを舌で混ぜる
・顔を左右に向ける
・頭を左右に倒す
・腕を上げ、手を握る、開く
・両手を合わせ、手首を左右に倒す
・両手を合わせる、腕を上げる、下げる
・両手を頭の後ろで組み、体を前後に曲げる
・手を振り、かけ声に会わせて足踏みをする
・壁に向かって立ち、両手を壁について背筋を伸ばす
・仰向けになり、両足を曲げ、臀部を持ち上げる
・うつぶせになり上体を起こす
・上半身と下半身を逆方向にねじる
<ホーム長のつぶやき>
上記の体操は今の運動不足の私にぴったりの体操です。早速全部とまではいきませんが、パソコンの前で一息入れることにします。いかにして体操を持続させるかが問題です。楽しみながら音楽に合わせて、一緒にやるのもいいですね。2人3脚でも漫画かイラストで示しながらやってみようと思います。今2人3脚ではイージーウォークという器械を使って足の回転運動を行なっています。運動を行なった利用者さんはシールを貼って自分が行なった運動を評価しています。

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わかるガイドブックパート14
アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護
「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
(小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)
3 パーキンソン症状
歩行などに障害あらわれる
パーキンソン体操で身体の硬化を防ぐ
残念ながら、今の医学ではパーキンソン症状を完全に治すことはできません。そのため、抗パーキンソン病薬を用いていくらか緩和させつつ、運動や体操、リハビリテーション(機能訓練)などによって、身体機能を低下させないよう、筋肉や関節が硬くならないよう心がけることが大切です。特に、関節の拘縮(こうしゅく)を防ぐには日々、各関節の屈伸運動を行なうことが欠かせません。
体操といえば、「パーキンソン体操」と呼ばれるものが広く知られています。ポイントは、(ゆっくり」「大きく」動くことです。また、少しずつでもいいので、毎日継続して行なうことです。パーキンソン症状に対して体操や訓練は必要ですが、“やらされている”という気持ちでは、持続させることが難しいため、日常生活の中でも運動を取り入れることを考慮しましょう。たとえば、庭仕事をしたり、手紙を書いてポストに投函に行ったりといったことです。
マッサージや鍼も、直接的にパーキンソン症状を治すわけではありませんが、対症療法として、筋肉の固縮をやわらげたり、精神面で安心感が得られたりといった効果があると思われます。自宅で暮らしている場合には、医療保険による訪問マッサージや訪問リハビリテーションを利用するのも一つの方法です(訪問リハビリテーションは介護保険サービスにもあります)。
パーキンソン体操の例
・口を大きく開く、閉じる
・ほほに息を溜めて膨らませる
・唇の周りを舌で混ぜる
・顔を左右に向ける
・頭を左右に倒す
・腕を上げ、手を握る、開く
・両手を合わせ、手首を左右に倒す
・両手を合わせる、腕を上げる、下げる
・両手を頭の後ろで組み、体を前後に曲げる
・手を振り、かけ声に会わせて足踏みをする
・壁に向かって立ち、両手を壁について背筋を伸ばす
・仰向けになり、両足を曲げ、臀部を持ち上げる
・うつぶせになり上体を起こす
・上半身と下半身を逆方向にねじる
<ホーム長のつぶやき>
上記の体操は今の運動不足の私にぴったりの体操です。早速全部とまではいきませんが、パソコンの前で一息入れることにします。いかにして体操を持続させるかが問題です。楽しみながら音楽に合わせて、一緒にやるのもいいですね。2人3脚でも漫画かイラストで示しながらやってみようと思います。今2人3脚ではイージーウォークという器械を使って足の回転運動を行なっています。運動を行なった利用者さんはシールを貼って自分が行なった運動を評価しています。
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