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2010年12月31日

知っていますか?レビー小体型認知症・診断、治療、介護は

知っていますか?
レビー小体型認知症パート4



今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ365号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が掲載されていましたので昨日に引き続きご紹介します。



●レビー小体型認知症(DLB)
の臨床診断基準





レビー小体型認知症(DLB)の診断基準は、1995年にイギリスで開催された第一国際ワークショップでの検討結果が1996年にNeurologyという有名な医学雑誌に報告された、いわゆるCDLBガイドライン(Mckeith、Galasko、Kosakaら)が最初の報告です。その後、第三回国際ワークショップが2003年にふたたびイギリスで開催され、その結果が2005年にNeurologyに報告されました。それがCDLBガイドライン改訂版(Mckeith、Dickson、Loweら)であり、現在ではこれが使用されています。




●DLBの中心症状


DLBの中心症状は進行性の認知症あるが、初期には認知症が目立たないのが普通で、初期には記憶障害が少なくないことに注意しなければなりません。その辺がアルツハイマー型認知症と異なるところです。記憶障害が以前より多くなったとはいえ、それは軽度認知障害(MCI)の程度で、認知症ではありません。もちろん進行すると認知症が明らかになります。しかし、それでもアルツハイマー型認知症に比べると、記憶障害は比較的軽いのが特徴です。もっと進行すると認知症そのものは、アルツハイマー型認知症のそれとの区別が困難になります。





●DLBのコアとなる症状




認知症が目立つ前に①具体的内容の人や小動物についての特有な幻視、②認知機能の変動③パーキンソン症状、というコア症状が出てくることが多いのが特徴です。もちろん、これらがすべて出るわけではなく、この三症状のうち二症状があればDLBの可能性が高くなります。そのなかでも特に重要なものが幻視です。これについては、前回詳しく述べたのでここでは省略します。また、認知の変動やパーキンソン症状についても前回説明したので省きます。
                                         ―つづく―





  






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Posted by 2人3脚 at 07:00Comments(2)医学講座

2010年12月30日

知っていますか?レビー小体型認知症診断、治療、介護は

知っていますか?レビー小体型認知症パート3


今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ364号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が掲載されていましたので昨日に引き続きご紹介します。



●レビー小体型認知症の特徴的な症状



睡眠中に大声で怒鳴ったり叫び声を上げて怖がる寝言を言ったり、布団の上で暴れたりすることもありあす。これは「REM睡眠行動障害」と言って最近注目されています。これだけが何年も何十年も前に現れ、後にDLBに特徴的な症状が出現することもしばしばあります。うつ状態が先行することもよくあります。そのため誤診が多く、DLBが見逃されていることが多いのです。





高齢者のうつ病がなかなか治らないときにはDLBを考えることも大切です。起立性低血圧のため立ち上がった時や食事を食べた後にめまいがして転倒することも多く、時には急にごく短期間気を失う(失神)こともあります。また、便秘や失禁なども起こりやすく、これらは自立神経症状なのです。





前述したように、DLBでは早い時期には認知症が目立ちません。記憶障害はアルツハイマー型認知症より軽く、日ごろの事柄を比較的よく覚えています。しかし、進行するとともに記憶の障害も目立ち、認知症がはっきりし、認知症が進行します。その頃には幻視などのBPSDは軽減し、目立たなくなることも多いのですが、自発性が低下し、口数が減少し、何もしたがらなくなり、物事への関心も乏しくなってきます。また、パーキンソン症状が目立ち、起立や歩行が困難になり、転倒しやすく、種々の介助が必要になってきます。また、自律神経症状も目立ようになることもあります。





DLBが進行し、認知症が目立つようになると、アルツハイマー型認知症との区別が難しくなってきます。また改めて取り上げますが、DLBがしばしばアルツハイマー型認知症の病変が程度の差はあれ加わります。そのために、DLBとアルツハイマー型認知症との区別が困難になります。時にはDLBとアルツハイマー型認知症の両方が合併することもあります。





しかし、上に述べた症状を注意深く観察すると両者の区別は可能なことが多いのですが、この場合には臨床心理検査や脳の画像(CTとかMRIとかSPECTなど)、MIBG心筋シンチグラフィーが診断に役立ちますがこれらについて改めて取り上げる予定です。  

                                                ―つづく―   






  






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Posted by 2人3脚 at 07:00Comments(0)医学講座

2010年12月29日

知っていますか?レビー小体型認知症・診断、治療、介護は

知っていますか?レビー小体型認知症パート2


今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ364号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が掲載されていましたのでご紹介します。



●レビー小体型認知症とは何か?


レビー小体型認知症(DLB)は1996年に始めて国際的に承認された比較的新しい認知症ですが、これは1976以降の筆者らの一連の報告により知られるようになり、日本で発見された病気です。しかも、DLBという名称が提唱されてわずか10年ほどで国際的によく知られるようになり、いまや欧米でもわが国でもアルツハイマー型認知症に次いで二番目にに多い高齢者の認知症として知られるようになりました。しかし、病状が多彩で、誤診されていることが少なくないことを前回記載しました。パーキンソン症状(後述)が先行して、後に幻視や認知症が現れることがよくあります。





DLBは65歳以上の高齢者に発病しやすいのですが、65歳未満んに発病することも少なくなく、その場合にはパーキンソン症状で発病し、パーキンソン病と診断されることが多いのです。ドイツのレビLewyは1912年パーキンソン病の脳幹で始めて特異な神経細胞内封入体(レビー小体)を見つけ、後にレビー小体はパーキンソン病には必ず見出される病理所見であることがわかり、1976年以降の一連の論文で、レビー小体が大脳皮質にもたくさん出現し認知症をきたすことが明らかにされたのです。ですから、DLBでは大脳から脳幹(大脳と脊髄の間の部分)に、さらに抹消の交感神経にもレビー小体が現れる、全身病なのです。







●レビ小体型認知症の特徴的な症状


DLBでは認知症が主体ですが、認知症が目立つ前に①具体的な内容の人や小動物についての特有な幻視、②認知機能の変動、③パーキンソン症状がしばしば現れます。幻視はDLBに最も特徴的で重要な症状です。「赤い服を着た女の子が私のすぐそばに座っている。いつの間にか現れていつの間にかいなくなる」「白い服を着た男の人と女の人が何人か廊下を行き来している」「何人かの男の子や女の子が座敷で遊んでいる」とか「黒い大きい犬がそこに座っている」「アリのような黒い虫が廊下の隅に行列を作っている」といった、具体的な内容のありありとした幻視が特徴的です。





「触ろうとすると消えてしまう」「電気をつけると消えてしまう」と話します。家族が否定するため「私にしか見えないようなんです」と話すこともある。幻視の他にテーブルの上の人形が人に見えたり、水道の蛇口のホースが蛇に見えたりする「錯視」、「天井が波を打って見える」「床が歪んで見える」といった「変形視」、「夫が二人いる」「自分の家が他にもある」といった「重複記憶錯誤」といったいろいろな視覚認知障害が現れることもあります。認知の変動もよく見られます。頭がはっきりしているときとボートしている時が日により時により変動します。ぼーとしている時に幻視などの視覚認知障害が起こりやすいのです。





パーキンソン症状としては、手足の振戦、筋肉のこわばり、動作緩慢、前屈姿勢、小股歩行などが多く、進行する尾すり足歩行、すくみ足なども加わる。パーキンソン病とまったく同じ症状が出現しますが、DLBでは振戦は比較的まれです。幻視に基づく妄想や行動異常が出現することもあります。人が無断で言えに現れるため、物を盗んでいくとか、私を監視しているといった被害的な妄想が現れることもありますし、「主人が夜中に女の人と寝ている」などと嫉妬妄想を示すこともあります。このため抗精神病薬が安易に使用され、体が硬くなったり、過鎮静になることもよくあります。これは「抗精神病薬への過敏性」といって、DLBにはよくみられるものです。

                                     ―つづく―











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Posted by 2人3脚 at 17:25Comments(0)医学講座

2010年12月20日

レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート13

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート13



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)




転倒に気をつける


生活の中でとりわけ気をつけなければいけないのは転倒です。レビー小体型認知症の人は、アルツハイマー型認知症の人の約10倍転びやすいという報告があります。筋肉や関節が硬くなるとともに、身体のバランス(重心)を保つことが難しく、歩行が小刻みになるため、容易につまずいたり転んだりすることになります。倒れそうになったとき、とっさに手をつくことができれば幸いですが、反射機能が低下しているため、転倒によって大腿骨頚部骨折や頭部打撲などを生じ、結果として寝たきりになるような例もあります。





日常生活において、椅子からの立ち上がりや階段の上り下りなどの際には、特にに注意が必要です。また、介護者は、後ろから声をかけるのは避けたほうが無難です。振り向きざまにバランスをくずして転倒することもあるためです。転倒は、夕方や夜間に起こることが多いため、介護者はそうした時間帯の見守りを多くすることが求められます。





転倒を防ぐには、生活している家の中の環境を整えることも必要です。まずは、滑りやすいものやつまずきやすいものをなくします。具体的には、玄関マットをはずしたり、コード類は壁際にに沿わせたりします。家具はなるべく凸凹がないように並べ、新聞や雑誌、その他のこまごましたものは、床に置かないようにします。台所や洗面所の床などは、水で濡れたら、そのつど拭き取るようにします。





なお、家屋に手すりをつけたり、階段やお風呂を改修したりするには、介護保険サービスの住宅改修を利用するとよいでしょう。また、服装にも気を配ることが大切です。ズボンの裾は短めにして、引っかからないようにします。外出時は、サンダルなどは避け、両手を使えるよう、リュックサックや斜めがけの鞄が便利です。その他、見過ごされやすいものに爪があります。巻き爪などは、きちんと手入れして治すことによって、転倒の危険性を少しでも減らすようにします。







<ホーム長のつぶやき>


これらのことはレビー小体型認知症に限らず、高齢者にとっても大切な事柄です。後ろからの声かけはとても危険です。しっかり前に立ち視線を会わせてゆっくり喋るようにしましょう。巻き爪も痛みを伴います。爪が長くなると皮膚にくい込むと痛みが強く出ます。角をカットするとさらに爪が巻き爪となり、くい込んできます。皮膚科では巻き爪の治療として爪が巻き込まないようにワイヤー療法の手術をしてくれます。何ヶ月か爪にワイヤーを入れておき定期的に診ていただきます。これはお勧めです。ワイヤーを入れても違和感はないようです。





2人3脚でも転倒には注意をはらいます。床の水には特に注意をはいらいます。転倒して大腿骨頚部骨折や腕の骨折等起こさないようにしましょう。認知症の男性は4倍のスピードで死に至ります。女性は2倍くらいだそうです。杖歩行している人は筋力低下しているため、よく足が絡んで転倒したり、段差がないのにつまづき転倒し骨折にいたるケースがありますので注意しましょう。





2人3脚では11月から住宅改修・リホーム事業を新たにスタートしました。富士市では住宅改修として介護保険で利用者さんが要介護状態になったとき住宅改修を最高額20万円まで利用することができます。(自己負担は1割の2万円)廊下と床の段差、トイレに手すり、浴室に手すり、外階段に手すり、畳を床に変更しバリアフリーにするなど、日常生活を営むのに困難が生じたとき利用することができます。ケアマネージャーがプランを立案します。リスクの高い方は早めに対策を考えましょう。


 






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Posted by 2人3脚 at 07:00Comments(0)医学講座

2010年12月13日

レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート12

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート12



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)



パーキンソン症状
歩行などに障害が現れる



パーキンソン症状があらわれる




歩行障害の特徴とそれに応じた介護


パーキンソン症状においては、歩行に顕著な障害があらわれます。段差のない平らな床面で、なぜかつまづくことが多くなったことから受診し、病気が見つかるケースもあります。障害の特徴をあげれば、足首が伸びてしまう、すり足になる、小股で歩く(歩幅が小さくなる)、腕の振りが少なくなる、一歩目の足が出にくい、歩き出すと止まれない、曲がれないなどです。





最初の一歩がでない「すくみ足」には、床に介護者が足を置いたり、一歩先に目印をつけたりすることで改善することがあります。これは、パーキンソン症状をもつ人が、なんでもない平坦な場所で歩行に支障をきたす一方、階段を上ったり障害物をまたいだりできることにヒントを得た、視角利用した一例です。





歩行の介助を行なう場合、本人は恐怖感を持っているため、介護者への信頼感や安心感が必要になります。一般に、介護者は正面から手を引こうとしがちですが、一歩踏み出すのが難しいにもかかわらず、腕だけ引っ張られれば、腰が突き出た格好になってしまいます。したがって、介護者は横からサポートするのが望ましいでしょう。




また、歩行を促すには、聴覚を利用して、「いち、に、いち、に・・・・」と声を掛けたり、リズム感のある・テンポのいい音楽(たとえば、ワルツ行進曲、フォークダンスの曲など)かけたりすのも有効です。音楽に伴って、手の振りや足の踏み出しが大きくなったり、姿勢や歩調が安定したりすることがあります。歩けないと思われていた人が、ワルツの音楽をかけたらダンスができたというような例もあります。






<ホーム長のつぶやき>




日常的にどう利用者様と向き合ってリハビリ訓練をしていくか、ということのヒントをいただけました。上手に歩けない人も、音楽に合わせてエアロビクス体操ができたりします。音楽をとりいれることはいい刺激になりますね。ゲームも夢中になり立ち上がれない人が立ちあがったり、手を上に上げれない人がゲームに夢中になり手を上に(バンザイ)上げているのです。驚きでした。また、すり足歩行や、小股歩行の方の一歩先に目印をつけることは取り入れたいと思います。以前勤めていた病院の診察室で先生が床にテープを{目立つ黄色のテープ)を貼って歩かせていたことを思い出しました。診察時や先生が手が空いたとき歩かせていたのです。今後、障害者の気持ちをくみ取りながら、アイディアを出していきたいと思います。




 






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Posted by 2人3脚 at 09:38Comments(0)医学講座

2010年12月09日

レビー小体型認知症の介護分かるガイドブック パート11

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート11



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)





パーキンソン症状
歩行などに障害が現れる



パーキンソン症状があらわれる


レビー小体型認知症では、パーキンソン病特有のパーキンソン症状(動作緩慢、無表情、筋肉のこわばり、小股歩行など)があらわれるのが特徴です。パーキンソン症状は、初期に現れる場合と、遅れて出てくる場合の二つがあります。前者は「純粋方」に、後者は「通常型」に多くみられます。





「純粋型」では、パーキンソン症状が初期にあらわれ、その後幻視や認知障害などが加わってくることが多く、「認知症を伴うパーキンソン病」(PDD)ともいわれます。最初は認知障害が目立たないため、レビー小体型認知症ではなく、パーキンソン病と診断されるのが普通です。一方「通常型」は、パーキンソン症状があまり目立たずアルツハイマー型認知症やうつ病、老人性精神病とまちがわれる場合があります。






パーキンソン症状とは


パーキンソン症状は、中脳にある黒質などが障害され、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやアドレナリン・ノルアドレナリンが不足することによって起こります。ドーパミンの量が正常が20%以下になると、パーキンソン症状が現れるといわれています。





パーキンソン症状の主なものは、動きが遅くなる、筋肉・関節が固くなる、すり足、小股歩行・すくみ足になる、転倒しやすくなるなどです。「金固縮」(きんこしゅく)といわれる筋肉が、固くなる症状は、ガタガタ歯車のように感じるため、歯車様固縮と呼ばれることがあります。また、姿勢を保ったり、立て直したりする反射機能が低下するため(これを「姿勢反射障害」といいます)、ちょっとした接触によって転倒しやすくなります。その他、1日の間で身体の動き・調子が悪くなったりよくなったりするのも特徴です(これを「オンオフ現象」といいます)。






なお、レビー小体型認知症の場合、パーキンソン病の代表的な症状である振戦(手のふるえ)がわりと少ない傾向があります。パーキンソン症状に関して介護者が苦労を感じることの症状の1つに、動作が緩慢になることがあげられます。身体を動かそうにも、本人の抵抗が強く、時間がかかります。介護者は、どうしても力任せになりがちで、腰痛などの原因ともなります。






パーキンソン症状の特徴


●表情が乏しい。まばたききが少ない。声が小さい。誤嚥しやすい。
●動作が遅い。前かがみになる。寝返りができない。
●筋肉関節が固くなる
●すり足で小股で歩く。すくみ足になる。歩き出すと止まらない。転びやすい。







パーキンソン症状の程度
 [ヤールの重症度分類]



            Ⅰ度                 軽い
      身体の片側のみに症状がある         ↓
      症状はとても軽い
            ↓

            Ⅱ度                  ↓↓
     身体の両側に症状がある
     姿勢を保つことができる
           ↓

           Ⅲ度                   ↓↓↓

     姿勢を保つことができない
     1人での生活が可能
           ↓

           Ⅳ度                   ↓↓↓↓
     起立・歩行はどうにかできる 
     1人での生活は難しい
           ↓

           Ⅴ度                   ↓↓↓↓↓
    1人で起立・歩行ができない
    日常生活に全面的な介助が必要         重い 
 






<ホーム長のつぶやき>  


パーキンソン症状の出方・症状など詳細をメモにとっておくことが診断の手がかりとなります。些細の事でもすぐにメモを取る習慣が大切です。介護保険の介護調査にも役に立ちます。センター方式のシートをお勧めします。記入できるところから書き込んでおきいざ介護保険や、病院受診時に利用しましょう。筋肉が固くなると動作が緩慢となり、転倒につながることが一番怖いです。筋肉がガタガタと歯車のように感じることやそのつらさを我々介護者は理解しなければなりません。また、パーキンソン症状の人は小股で突進歩行で歩いてしまうのでヒヤヒヤしながら見守っています。  






  






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Posted by 2人3脚 at 13:56Comments(0)医学講座

2010年12月03日

レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブックパート10

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート10



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)




幻視が妄想に発展していくことも



レビー小体型認知症の人には、妄想や作話などがみられることがあります。アルツハイマー認知症の人では、「嫁(あるいはホームヘルパー)に財布を盗まれた」といった被害妄想(この場合、物盗られ妄想とも呼びます)がよく見られます。この現象は、記憶障害に伴って生じるものです。一方、レビー小体型認知症の妄想は、幻視に伴って、あるいは幻視が発展して起こることがほとんどです。その意味でアルツハイマー型認知症のそれとはいくらか異なります。





幻視を起因とする妄想はは、たとえば、蠅がたくさん飛んでいるのが見えるので、あたりかまわず殺虫剤をまく、いないはずの子どもが見えるため、「ゴハンをつくってあげなければ・・・」「世話をするのが私の役目」などと信じるといったものです。また、猫が見えることで「冷蔵庫のおかずを盗っていった」という被害妄想につながるような例です。





アルツハイマー型認知症に比べて多いのが、「嫉妬妄想」といわれるものです。たとえば、「夜中、夫がベッドで他の女と寝ている」「妻の愛人が窓からのぞいて、妻を誘っている」といった、嫉妬を伴う妄想です。こうした嫉妬妄想は、過去の体験や夫婦間の軋轢(あつれき)などが元になっていることがあります。





妄想への対応方法
 


原因である幻視そのものがみられなくなることで妄想が消える場合もありますが、幻視が消失したにもかかわらず妄想が一向になくならないこともあります。あるいは妄想がエスカレートしていくことも少なくありません。あるいは、こうした妄想が抑うつ症状を進行させたり、興奮や暴力などを生じさせたりすることもみられます。





一般に妄想というのは、本人が頑なに思い込み、確信しているため、周囲のものがどれだけ否定しても、正常な思考へ戻すのはとても困難です。ですから、、「そんなことはない」などと否定したり、相手を刺激するような言葉をぶつけても効果的とはいえません。「遠くだれかが自分をあざ笑っている」といったのように、妄想はイライラや怒り、不快感を伴うものです。したがって、優しく手を握ったり、心拍数と同じテンポ(1分間に60回程度)背中を軽くたたいて上げたりするなどの対応が、精神的な安定をもたらすことも少なくありません。





妄想の対象とされた家族や介護者は、距離を置いて近づかないというのも1つの方法です。「助けた」「妄想を改めさせたい」あるいは、「嫌われたくない」と、積極的に関わってしまうことで、かえって妄想を長引かせたり、攻撃的になってしまったりする場合ががあります。興奮が高じて、失禁がひどくなるようなようなこともあります。施設の場合であれば、別の介護者と交代したり家族の場合では、親類や信頼しているケアマネージャーなどの第三者が関わったりすることで、妄想が軽減されることがあります。








<ホーム長のつぶやき>


せん妄の人への対応方法はアルツハイマー型認知症でもレビー小体型認知症でも同じ対応でいいと思います。真剣に訴えてくる認知症の方の訴えを真摯に受け止め、妄想の世界を理解しようと努めることです。耳を傾ける姿勢をとるとそこに信頼関係が結ばれてきます。名前は分からなくて、不安な自分の気持ちを一番わかってくれる人がそばにいるだけでどんなにか心強いこととでしょう。





また、せん妄がエスカレートし自分の世界に入ってしまっているときは、少し距離を開けるようにスタッフには話しています。そんなに長い時間続くものではありません。そして男性スタッフや女性スタッフ、年配のスタッフ、若いスタッフ、せん妄出現時、関わっている相手を替えることで落ち着いてくる場合があります。その瞬間(せん妄出現時)は駄目でも落ち着いてきます。後は日常と変わらずコミュニケーションが図れることがあります。私は駄目だと落ち込んでしまう職員がおりますが、認知症を理解してくるとそのような心配はなくなってきます。それほど認知症の方を理解するということは難しいことだと思います。











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Posted by 2人3脚 at 12:09Comments(0)医学講座

2010年11月30日

介護保険制度改定への5つに危惧・第5の危惧について

介護保険制度改定への五つの危惧 パート5


介護保険部会まとめにあたって意見表明   勝田登志子(認知症の人と家族の会




第5の危惧 住み慣れた自宅・地域で暮らせない



在宅の概念が形骸化され変化している



高齢者の住まいは国際的に比較しても不足との現状認識は理解できる。今後さまざま住居のあり方が検討されることに賛成である。しかし、施設を、「ケアが組み合わされた集合住宅」と位置づけ、医療・看護サービスは外部事業所からの外づけとし、施設に入所していても在宅という考え方は受け入れがたい。





特老事業参入先や多床室施設増設ではなく、42万人に及ぶ特養待機者の解消、、特に要介護4・5の46万7千人が早急に入所できる対策が優先され、療養病床を含め施設類型それぞれの役割を明確にし適正な人員配置を検討すること。所得差でユニット個室に入所できない現状の打開。望めば在宅で暮らし続けられる在宅重視の制度設計こそ必要である。





終わりに家族の会では暮らしと介護保険のアンケートを調査中だが、別紙の通り沢山の意見が寄せられている。“町の中に男女共有の介護トイレの設置”“遠距離介護者への料金補助をすべての交通機関で実施”など介護保険制度意外の声もある。介護の問題は暮らしを支えることでもある。上記の5つの危惧には、いずれも、支給限度基準顎、要介護認定が絡んでいる。私たちのこのたびの提言は10年を経た介護保険制度をさらに持続発展させるために、もう一度根本的に見直してみることが必要ではないかというメッセージでもある。これまでの論議で、拙速にまとめてしまうことに上記の五つの危惧とともに、大きな危惧を感じざるを得ない。







<ホーム長のつぶやき>


特養のユニット化ができたとき本当に愕いた。まさに理想とする介護が大きな施設でも実践できると思った。しかし、人員配置が変わらない限り、寄り添う介護、在宅に近い介護にはほど遠い。ユニットの個室料は高く、42万人に及ぶ特養待機者の望むユニットになっているのだろうか。年金の少ない人は多床室を選択するしかない。理想の介護を望んでも今の人員配置では無理がある。





在宅で暮らし続けられる在宅重視の制度設計こそ必要であると私も強く感じている。小規模多機能型介護とグループホームが併設された施設を立ち上げて3年が経つ。今、理想とする介護を立ち上げて痛切に感じていることは、認知症が重度となってくると、在宅での生活は難しくなる。グループホームが1ユニット(9名)しか許可されていないため認知症の人が共同で生活する場に入居することが難しい。また、年金の所得が少ない人は、特養を待ちながら、デイサービスを利用し、在宅で支援するしかない。





小規模多機能型居宅介護は認知症が重度であってもできるだけ、介護家族の希望を取りいれながら支援できるサービスである。介護に疲れたら、泊りに切り替えたり、訪問介護を取り入れたりできる。通いでも夕食後歯磨きを済ませ帰宅することもできるだ。家族は自分の会社の勤務表で送迎の時間を決める家族もおれれる。介護は3割、自分の仕事を7割、理想とする介護が実現できる。平成18年から始まった地域密着型介護の小規模多機能型居宅介護ががもっと利用者の使いやすいものになり、また、これから事業を起業しようとする人が取り組みやすいものにして欲しい。いま、ここ2人3脚は寄り添う介護が実現しつつある。











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Posted by 2人3脚 at 07:00Comments(0)医学講座

2010年11月26日

レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック パート9

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート9



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)




幻視があらわれたときは・・・・・



最も大事で、かつ基本となることは、幻視というものが、本人にとっては決して幻とは思えないほどリアリティ(真実味)をもって、ありあり(いきいき)と見えるということです。ですから、介護者はまずそのことを十分に理解し、受け入れることです。「そこの子どもがいる」と言われれば、つい「そんなのはいない」等と返答したくなりますが、相手の世界にあわせていくことが大切です。





「何も見えませんよ」「そんなことはありえない」「錯覚に決まっている」などと強く否定したり、感情的に対応すると、本人の混乱や興奮が高じたり、幻視が益々増長させたり、妄想へ発展することもあります。抑うつ症状をひどくさせることもあります。特に怖がっていないようであれば、たとえば、「本当はいませんがあなたには見えるのだから仕方がないですね」「そういう病気だから見えるのは無理はないですよ」「確かにいるけど、悪さをしないから大丈夫」「おまじないをして帰って(消えて)もらいましょう」などと伝えるようにします。





怖がっていたり、興奮していたり、焦っていたりしている場合は、それがどんなものか十分に聞いてあげることです。時には、見えない相手に対して、介護者が立ち向かったり、追っ払ったり、やっつけたりするような演技も有効かもしれません。介護者が、そのようなものは存在しないと繰り返し説明することによって、本人のほうが幻視を認め(自分にしか見えないことが分かり)、安心感が得られることもあります。ただしこの場合も時間をかけて本人の訴えに十分に耳を貸すことが大切です。また、いったんその場所を離れ、別の部屋で話を聞くというのもいいかもしれません。





いずれにしてもはぐらかしたりごまかしたりすることは避けなければなりません。アルツハイマー型認知症の人の場合は記憶が不確かなため、「説得よりも納得」させることを意図して介護者が真実を伝えないのがふさわしい場合もありますが、レビー小体型認知症の人には適切とはいえません。





大抵の幻視は近づいたり、触ってみたりすると消えてしまいます。ですから「近づく」「触る」ことを本人に促すのも一つの手です。ただ本人は気味悪がって近寄ろうとしないことが多いため、「じゃー緒にそこへ行って触ってみましょう」と導き、「ほら、消えちゃうでしょう」安心させるのがよい方法です。「お客さんが来ている」「子どもが遊びに来ている」などという場合には、お茶やお菓子をもって行くというのもよいかもしれません。





なお、介護者は、どこで、どんなときに、どんな状況で、どんなものが見えたかなど幻視のパターンについて把握しておくとよいでしょう。脱水や風邪、腹痛、便秘などがあると幻視がより頻繁に現れるようになるなど、それが身体の不調などを知らせるサインになることもあります。






<ホーム長のつぶやき>



レビー小体型認知症の幻視について理解できました。私たちが幻視に関して、より理解することにとって本人の混乱を少なくし、安心感を対応方法で与えることができます。幻視に左右され興奮されているときは、中々本人とのコミュニケーションを図りずらい物ですが、そして演技をすることは難しいかもしれませんが、幻視が見え始めた段階や精神運動興奮が落ち着いてきたら、幻視に対しての本人の思いや幻視に対して、リアリティーに話してくれるかもしれません。






病院勤務の時代私は幻視体験されているレビー小体だと思われる患者さんに対して、「私が守ってあげるから、大丈夫。そこに出てきている人をやつけてあげるよ」とよく話しました。しかし、幻視体験の恐怖感から抜けだせないでいる患者さんをみるのが気の毒でした。その方は耳が遠く普通のコミュニケーションが図りずらい方でした。ありありと彼女の目に映っているものが身体全体から感じ取られ、抱きしめて恐怖感から守ったこともありました。







午後から夕方にかけて現れることが多かったです。エスカレートするときは手も出ることがあり、髪の毛を振り乱しながら興奮します。親身になってあなたを守ると言う表現をジェスチャーを交えて話してあげると、安心されたように握手を求めてきました。その方は元看護師さんでした。高齢になって発症されました。人の面倒身が良いと近所でも評判の方でした。今、懐かしくそのときの様子がありありと目に浮かんできました。我々スタッフはその幻視に振り回されることなく、冷静にとらえ、対処してあげる努力をしたいものです。













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2010年11月25日

介護保険制度改定への五つの危惧・第4の危惧について

介護保険制度改定への五つの危惧 パート4


介護保険部会まとめにあたって意見表明   勝田登志子(認知症の人と家族の会




第4の危惧 認知症ケアの質が向上しない


認知症のケアはコンピューターによる標準化ではマネジメントできない


国が2015年の介護は認知症ケアと宣言したが、“一般病棟入院時に本人対応のため家族に付き添いを要求する”“ショート利用中に家族に本人の対応を連絡する“”心ない言葉の暴力で傷つく本人や家族”などなど「認知症ケア」はいまだ確立されていない。認知症ケアの本質は、「個別」であり、単なる研修や、資格の問題ではない。認知症を正しく理解し、認知症の人と関係作りができ介護家族の置かれている状況に応じた適切な対応・支援ができる介護・看護・医療職が求められている。





在宅重視を言うならば、施設における認知症ケアはもちろんのこと、認知症ケアマネジメントがしっかりとできる介護支援専門員のあり方など本腰を入れた「認知症ケア」に取り組むべきである。また、介護人材が流動的で、定着しない現状ではとても質の向上までは届かない。安心して働き続けられない低賃金、人材確保が困難で人不足の現場では、認知症のその人らしさを見つめるケアは難しく認知症ケアの担保はされない。







<ホーム長のつぶやき>


認知症を理解し、本人の気持ちや思いに徹したケアの必要性を強く感じている。そのために2人3脚では、2回/月のスタッフ会議・勉強会を開催したり、朝のミーティング時要観察ポイントを短時間で伝えている。富士市では介護保険課主催の認知症の家族教室が5回シリーズで開催されており、認知症の人の理解に取り組んでいる。明日11/26日吉原まちづくりセンターにおいて私がセンター方式の活用についてお話させていただく予定です。使っていない事業所でも介護家族の自分たちから情報を提供し、本人の思いをシートでお伝えできれば、もっと介護施設の職員にもケアについて変化し、質の向上につながっていくと思う。





また、静岡県健康福祉部長寿政策課・介護予防班も年1回4回シリーズで介護家族教室に取り組んでおり昨年は西部、今年は東部地区の沼津で開催されている。12/15サンウェルにて開催の予定でファシリテーターとして参加します。また富士市の介護保険課主催の職員向けのセンター方式「基礎研修」も行われており、受講者の中からファシリテーターが生まれ多くの方々が認知症を理解するために取り組んでいかれることになる。






この不況の中で人材が1番必要とされる職業なのに人材が集まらない理由の1つに低賃金が上げられる。早急に原因を探求し、解決策を見出さないとこの状態ではいつまでも現状は変わらないし、良い人材が発掘できない。国の施策に期待したいのだが・・・・。これからも認知症ケアの質の向上に向けて努力していきたい!











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2010年11月23日

介護保険制度改定への五つの危惧・第3の危惧について

介護保険制度改定への五つの危惧 パート3


介護保険部会まとめにあたって意見表明   勝田登志子(認知症の人と家族の会)




第3の危惧 1割負担の引き上げ


重度者への重点化を言うのならば、むしろ限度額をはずすこと


軽度者への負担割合いの増額には反対である。介護で負担割合いが変化するのは所得でみず、介護で判断され軽度者いじめのようなものである。現在の1割負担を堅持すべきであり、むしろ、在宅で介護の重度化により支給限度基準顎を越えてサービスを利用する人は全額自己負担を余儀なくされており、在宅重視を考えれば、廃止を含め区分支給限度基準顎の検討こそ必要である。





また、介護保険制度に、国が先ほど決定した、「負担を伴う新しい施策を導入するには、別の事業で同規模の資質を削らなければいけない」という考えを適応してはならない。枠が決められた中でのパイの取り合いでは国民の求める安心の福祉の実現はできない。国がまず、国民が願っている安心して暮らせる社会保障の充実を1番の重点課題とし、財源を含め国民が納得できる内容を示すことこそ急務である。「家族の会」は「応分の負担」という考えをすでに提言している。







<ホーム長のつぶやき>



1割負担を堅持していくにはなにが必要なのか国民に対して納得のいく説明をしていただかないといけない。利用者の負担をこれ以上を重くしてはならないと思う。財源がなければ無駄使いしてるところから廻していただきたい。事業種分けで廃止と決められても実施されていないのはその後のフォローをしっかり整えていないためではないか。





重度の方が在宅で暮らすには、支給限度額を目一杯使っても足りず自己負担で支えている家族が多い。今後高齢者が確実に増えていく。相変わらず大きな施設が建設できるメドは立っていないということは、在宅での介護が必然的に強いられる。さらに一人暮らしのお年寄りが増えていくことは確かである。昨日のNHKニュース番組のテレビで、自治体の中から介護保険外で新しい取り組みが世田谷区で取り組み始めている。





お年寄りが介護が必要になったとき94%の人が自宅で暮らしたいと希望している。いま世田谷区では、24時間いつでもコールボタンを押すと生の音声が流れ、夜間すぐに駆けつけてくれるサービスが始まった。一人暮らしの新たな取り組みが1割の負担で始まっている。小規模多機能型居宅介護も24時間365日いつでも駆けつけることができるサービスである。それを取り上げていないということは、あてにされていないということ。登録者も1施設25名までという枠が決められているためかも知れない。ニーズが充足でき、利用する人がたくさんいれば採算が取れる。利用者の立場にたった取り組みに注目したい。











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2010年11月22日

レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブックパート8

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート8



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)





幻視や見まちがいを減らすには環境から


幻視や見まちがいは、室内の環境が誘発している場合が少なくありません。そのため、まずはそうした環境的誘因がないかどうか点検してみることが必要です。具体的にいうと、部屋の廊下の照明の具合、光と影の状態、見まちがいやすいものの有無などです。





その中でも照明は大きな要素です。蛍光灯は影をつくりやすいとともに、高速でチカチカと瞬いているため、見まちがいや幻視を誘発しやすいといえます。したがって、蛍光灯を白熱灯に変えるのも1つの方法です。





また、なるべく室内の照度を統一することも必要です。「とても明るい居間」「少し明るい個室」「暗めの風呂場」「とても暗いトイレ」といったように、それぞれの明るさが異なっている環境は、レビー小体型認知症にとって好ましいとはいえません。どの場所も同じ照度や電球にするだけでも、幻視や見まちがいの頻度を減らすことにつながります。





見まちがいは、暗い場所ではさらに多くなります。そのため、影のできる場所を少なくするよう努めることも必要です。幻視や見まちがいを誘発しそうなものをなくすことも大事なポイントです。





壁に洋服をかけない(人と見まちがうため)、畳やカーペットのしみを取り除く、壁の図柄や模様はシンプルなものに替えるといった工夫です。なお、人物の誤認に対しては、洋服など考慮するといいかもしれません。いつも同じ色の洋服を着たり、エプロンを必ずつけたりすることで、人に対する認知を高められることが期待できます。







<ホーム長のつぶやき>


上記のような心配りができると幻視の誘発を少なくすることがよく理解できました。夜間幻視体験が起きたときは、室内の電気をつけ落ち着くのを待った経験があります。また、廊下の床の模様を手で摘まんで虫を退治している姿をよく見かけました。これで納得です。環境を整えてあげることで本人の苦しみやつらさをぬぐいさってあげることができるのですね。さらに照明についてはだいたい普段使わない箇所は照度が小さくなっています。どこのご家庭もそうですね。しかし、ちょっと工夫すれば、見まちがいや幻視を軽減できる。また、よくどこの家庭も壁に洋服はかけてあります。しかし、それらが大きく見まちがう原因だったこと分かりました。家族へのアドバイスができます。












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2010年11月20日

介護保険制度改定への五つの危惧・介護保険部会パート2

介護保険制度改定への五つの危惧 パート2


介護保険部会まとめにあたって意見表明   勝田登志子(認知症の人と家族の会)


第2の危惧 生活支援を地域(自助、互助)に
        任せて制度の枠が狭まる





巡回型訪問介護だけでは認知症の在宅介護を支えることにはならない。



個人の努力や町内会での支えあいを前提にしてはならない。今後のあり方として、自助、互助、共助、公助という、個人の努力や自治会で支えあうことを前提としたシステムが論じられているが、地域の実態から外れた絵に書いた餅のような話である。昼間家にいるのは要援護者か、病弱の方である。高齢化や生活苦で自治会活動・地域そのものが衰退している。そこをあてにして、公的介護保険の枠を狭めないこと。





在宅介護を支えるには、ホームヘルプはきわめて重要であり、同居家族がいることで生活援助を受けられない現実を早急になくすべきである。都会と地方では違う地域の実情にあった柔軟な在宅支援を可能にすることこそ必要ではないか。「24時間巡回型訪問サービス」、「通所介護の事業所の宿泊サービス」などレスパイトケアもそうした観点で論議を更に深める必要がある。



なじみの関係が認知症ケアには有効なケアといわれながら、事業者の大型化が望ましいとの意向があり、生活の場面では外部大型事業所からの日替わり人材が派遣される可能性も出てきている。認知症ケアはなじみの関係が有効なケアであり、地域の実情に適合した柔軟なサービス提供を試みている。小規模事業所の育成・支援こそ地域経済の活性化の視点からも必要ではないか。






<ホーム長のつぶやき>




我々の代わりに「認知症の人と家族の会」の勝田副代表が社会保障審議会介護保険部会に参加されています。とても心強く思います。なかなか意見が通らないことがはがゆいですが、反対しなければならないことは声に出して言ってくださっていますので強い見方です。今デイサービスなどでお泊りの許可が出たとすれば我々が行なっている事業の小規模多機能型居宅介護事業が衰退してしまいます。ご本人や家族にとって最良な小規模多機能をもっと使いやすいものにしていかなければいけないと思います。これから事業を起こしたいと思っている事業者の方々が魅力がありやりがいのある事業として進んで手を挙げて取組んでほしいものです。






本日テレビや新聞紙上で介護保険料のことについて大きな議論を呼んでいる。厚生労働省が19日示した試算で月顎5000円を超える可能性が示された。65歳以上の高齢者が支払う介護保険料。これまで三年に1回改定されるたびに上昇し現在は全国平均で4160円と、2911円だった2000年から2002年に比べ1.4倍増。高齢者の自己負担を含む総費用は膨らむ一方で、保険料の上昇は避けられない状態とのこと。また、要支援を介護保険から外すという案が出ている。介護度の軽い人の援助こそ重度化の防止となる。もっとたくさん論議して欲しい!











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2010年11月19日

介護保険部会のまとめにあたっての意見表明・五つの危惧

介護保険制度改定への五つの危惧 パート1

介護保険部会まとめにあたって意見表明   勝田登志子(認知症の人と家族の会)



認知症の人と家族の会勝田登志子副代表が私たち家族の会の代表として、このたび社会保障審議会介護保険部会に我々の意見を取りまとめ社会保障審議会介護保険部会・部会長・山崎泰彦様に意見表明を述べました。私は介護の仕事をしておりこんなに心強いことはありません。認知症の人本人や介護家族、そして我々介護職員はどんなに励まされていることでしょうか。家族の会は心強い見方であり家族の会員でよかったと思います。これから揚げるげる五つの危惧は介護の社会化に向けて真剣に考えていかなければ日本の福祉が危ない!





意見表明より


2010年5月31日から10回にわたって行なわれてきた本部会はあと数回をもって終結しようとしています。この部会において私は、「家族の会」の「介護保険制度改正への提言」を示して、1.要介護認定の廃止 2.サービス内容の決定は新サービス担当者会議に委ねる。 3.情報公表制度の廃止 4.自己負担の1割堅持 5.公費負担率を6割に 6.利用者に作業報酬支払いを認める、ことを求めて発言してきました。また、その他の事項についても利用者・家族の立場から意見を述べてきました。





部会での審議の一方で厚生労働省は、次期改定への方向など示しているものもあり、その中では介護サービス情報の公表制度については事業者負担の廃止や義務制を緩和するとしており、これは「家族の会」の提言に答えるものです。しかし、制度全体については、厚生労働省は次期改定でどのような内容で行なおうとしているかは不明な状態です。





「家族の会は」、これまでの議論の経過及び厚生労働省が、「参考にする」と述べている地域包括ケア研修会報告の内容にかんがみ、次期改定にあたって次の五つの危惧を感じています。この危惧を表明いたしますので、委員各位及び厚生労働省が真摯に受け止めていただき、この危惧が杞憂に終わるように努めていただくようにお願いします。





第1の危惧 軽度者の切捨て


認知症と診断された人が要支援等の軽度扱いされる要介護認定の問題。



軽度者を介護保険から外すことがあってはならない。「重度者への重点化」「給付範囲の見直し」の論もあるが、認知症の場合、早期発見・早期診断は現在の、要介護認定では認知症自立度が2以上あっても審査会では審査されず要支援・介護度1となっているケースがある。身体的には、元気で認知症の症状が激しい時こそ、介護が大変ということがあり、また軽度のうちから、サービスを使うことによって重症化を遅らせることもある。






<ホーム長のつぶやき>



2人3脚・グループホームのI様、認知症自立度がⅡbからⅢaとなったのに要介護が2から1に下がってしまった。一人暮らしで、認知症がありとても一人では暮らせない。認定審査に問題があります。主治医は認知症が中度と認めているのにこれはおかしい。私は常日頃から、認知症の早期発見、早期診断、早期治療、早期に介護保険を利用して欲しいと訴えています。認知症の人を支えるには集団治療ではどんどん進行してしまいます。寄り添う介護をして症状が軽くなりADLが改善すると介護度は当然下がります。そして経営は困難になる。要介護認定はあってないようなもの。一番大変なのは要介護1から3なのです。まだグループホームは利用料に差がありませんが、小規模多機能型居宅介護では要介護1と3では利用料が10万円以上(自己負担は1万円以上)の差があります。小規模多機能型居宅介護の制度が進まないわけです。













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2010年11月12日

知っていますか?レビー小体型認知症・診断、治療、介護は

知っていますか?レビー小体型認知症パート1


今、レビー小体型認知症介護がわかるガイドブックをシリーズで掲載中です。認知症の人と家族の会の月刊誌ぽ~れぽ~れ363号に小坂憲司先生(横浜ほうゆう病院・院長)の記事が掲載されていましたのでご紹介します。





●はじめに



このタイトルは、「レビー小体型認知症家族を支える会」の宮田真由美会長からの依頼で書いた一般の方々用の薄い単行本のタイトルである。この本はメディカ出版の尾崎純郎氏の協力を得て2009年9月に出版されたもので、レビー小体型認知症についてのわが国で初めての単行本である。





この病気についての歴史的な事項については改めて取り上げることにするが、1995年の第1回国際ワークショップでdemenntia With Lewybodies(DLB)(これを私が「レビー小体型認知症」と和訳し、それ以来わが国ではこう呼ばれるようになった)という病名とその診断基準が提唱されてからわずか10年あまりで、レビー小体型認知症(以下DLBと略)が国際的によく知られるようになり、現在ではこれはアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症とともに三大認知症の一つとして広く認識されるようになった。





この病気は元々私たちの一連の研究報告により国際的に知られるようになり、私が「びまん性レビー小体病(Diffuse lewy disease.DLBD}と提唱したものを基礎としている。いわば日本で発見された認知症である。





●今、なぜレビー小体型認知症か?


今なぜDLBが大きなトピックになっているかについていかに簡単に説明することにする。




①頻度が高い


DLBの正確な頻度についてはきちんとした報告がないが、一般的に10数%から20数%という報告が多い。私たちの病理解剖に基づいた、正確な診断によると10年前のデータでは、18%であった。(アルツハイマー型認知症が50%、血管性認知症が18%)。現在では、高齢者の認知症の約20%がDLBであるとされ、高齢者の認知症の5人に1人がDLBということになり、わが国では50万人ほどいると推計されている。なお、アメリカでは130万人いると推計されている。このようにDLBはごくありふれたポピュラーな認知症ということになる。



②誤診されていることが多い


ところが、DLBの診断は難しく、誤診されていることが非常に多い。特に早い時期には誤診されることが非常に多い。それはDLBの早い時期には認知症が目立たないことが多く、CTやMRIといった脳画像では、脳萎縮が比較的軽いからである。うつ病とか老年期精神病とか遅発性パラフレニアと誤診されたり晩発性統合失調症と誤診されることもある。最も多い誤診はアルツハイマー型認知症である。





③初期からBPSDが起こりやすい


認知症が目立たないのに、抑うつや幻覚・妄想や不安といった、いわゆるBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia行動・心理学的症状)が目立つことが多い。早い時期にうつ状態を示すことが多いので、うつ病と診断されて、うつ病の治療を受けていることが少なくない。また、幻覚の中でも特有なありありとした具体的な内容の幻視が特徴的である。他の人には見えないのに、ヒトや小動物が見えることが多い。これらの精神症状のため異常な行動が起こることもある。





④初期には認知症が目立たないことが多い


このように初期には記憶障害があっても比較的軽く、いわゆる軽度認知障害mild Cognitive impaiment (MCIと略)のレベルであることが多い。すなわち、記憶障害は同年齢の人より多く、自分も周囲の人も記憶障害が多いことに気づいているが、日常生活にはあまり支障がなく、認知症ではない。





⑤ケアが大変


以上のような症状のために介護が非常に大変である。DLBでは、初期から認知症ではなく、BPSDが目立つことが特徴で、特に介護する人はそれに振り廻されることが多い。しかも、記憶がが比較的保たれるためごまかしはきかないし、、一時的な気休めは通じないため、対応が非常に難しい。





⑥患者・家族のQOLが障害されやすい


そのため患者さんはもちろん、介護する家族の方のQOLがおかされやすい。したがって、できるだけ早期に診断して、的確な治療や、介護の工夫が大切である。





⑦公的に承認された治療法がない



ところが、現在では公的に承認された治療薬がない。アリセプトがアルツハイマー型認知症以上にDLBに効果的であることが国際的にも知られているにも関わらず、これはまだ保険適応にはなっていない。私を中心として最近全国的に臨床治験を行い、その結果を基に早く厚労省にDLBにも使用できるよう折衝中であり、当会でも高見代表の好意で要望書を提出していただいている。要望書はその他、DLB家族を支える会、日本老年精神医学会や日本認知症学会からも提出された。早くドネベジルがDLBに使用可能となり、患者さんやご家族のQOL向上に役立つ日が早く来てほしいと願っている次第である。   (つづく)  












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2010年11月09日

レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート7

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート7



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)




幻視は本人にはありありと見える


幻視とは、「ねずみが壁を這いまわっている」「知らない人が座敷に座っている」子どもたちがベッドの上で遊んでいる」など、実際には見えないものが本人にはありありと(いきいきと)見える症状です。この幻視というのは、レビー小体型認知症にきわめて特徴的なものです。





レビー小体型認知症の人それぞれで見えるものは異なりますが、対象の多くは、、虫や小動物、人などです。されらは動きを伴います。人が見えるという場合、相手を特定できることもあれば、「顔がはっきりしない」「仮面をかぶっているよう」などと表現されることもあります。一般に色彩ははっきりしていることが多いものの、白黒で見えるという人もいます。影になっている場所や、暗い隙間を指さしたりのぞき込んだりして、「あそこにいる」などと話すレビー小体型認知症の人もよくみられます。





アルツハイマー型認知症では、こうした幻視が見られるのは、せん妄のときを除いてまれです。また、アルツハイマー型認知症との比較でいえば、レビー小体型認知症では記憶障害が軽い人が多くいるため、本人が幻視の様子を、数日経っても正確に語れることがよくあります。





《せん妄》


見当識障害の1つであって、意識レベルが低下することによって、実在しない人や物が見えたり、怖がったり、騒いだりするもの、後で尋ねてみても、本人はそのことをお覚えていない。認知症の人では、夜中に起こることがしばしばある。(これを夜間せん妄という)





幻視の例


動物に関するもの


・ねずみが壁を這いまわっている
・蛇が天井に張りついている
・ご飯の上に虫がのっている






人に関するもの


・知らない人が座敷に座っている
・おばあさんがこちらを見て立っている
・子どもたちがベッドの上で遊んでいる
・兵隊がぞろぞろやってくる
・□□さん[知人、家族、他界した人など]が遊びに来ている
・誰かがベッドで寝ている
・窓から男の人が入ってくる
・女の幽霊が現れる






環境に関するもの


・大きな川が流れている
・身体が濡れている、水たまりができている
・光線が飛んでくる
・きれいな花が咲いている
・物が吸い込まれていく








<ホーム長のつぶやき>


幻視のリアルな体験をよく依然勤めていた病院で直説患者さんから聴いたことがある。レビー小体型認知症の方は比較的記憶障害が軽度の人が多いことが明らかにされている。ですからよけい自分の幻視体験をリアルに把握している方が多い。「ねーねーちょっと牛がいるんやけど、あんたには見えへんのか」「「壁を見てごらん、きれいやろう。カラー映画を見ているようや」と言われたこと思い出す。





鷹岡病院の名誉院長の故梶原先生は術後(肝臓がん)の幻視の体験をリアルに話された。「とても素晴らしい景色ではじめて幻視をみたよ」「今まで患者さんから聞いてはいたが自分が体験するとは思わなかった」と話されていた。その後、幻視体験を訴える人に対して真摯に受け止め、否定せず傾聴する姿勢が大切だと思うようになった。












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2010年11月06日

レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブック パート6

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート6



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)


幻視と妄想
見えないものが見える


レビー小体型認知症の人にみられる特徴的な症状といえば、視覚にまつわるものがあげられます。たとえば幻視や見まちがいです。また、それに伴う妄想や作話などもしばしば起こってきます。視覚機能に異変をきたす原因は、後頭葉(脳の後ろ側)の視覚野の血流が悪くなることが関係しているといわれています。





見まちがいや錯覚が起こりやすい


多く見られるのが、見まちがい(誤認)や錯覚です。これを錯視(さくし)と呼ぶこともあります。たとえばハンガーに掛けてある洋服が人間に見えたり、人形を女の子と見まちがったり3つの点が人の顔(目が2つ、口が1つ)に見えたり、、水道のホースがヘビに見えたり、布団や丸めておいた洋服を動物と勘違いしたりするなどの例です。こうしたことは日常生活の中で、私たちも経験しますが、レビー小体型認知症の人では、その程度や頻度が高くなります。





また、変形視というのがあります。物体や周囲がゆがんだり、ひすんだり、曲がったり、あるいは小さく(大きく)見えるような現象です。具体的には、「廊下や道路が波打って見える」「天井や柱がゆがんで見える」「自動車のボンネットがひずんでみえる」「平面に描かれたものが浮かび上がって見える」といった例です。ある人の例では、家の外へ出たら、すべての道路標識hが曲がって見えたということもあります。





人の顔を区別できなくなったりすることもあります(これを人物誤認といいます)。たとえば、私たちがたくさん蟻(あり)を見て1匹1匹の顔を判別するのは困難ですが、それと同じように、レビー小体型認知症では、どの人の顔も同じに見えてしまうことがあります。また、配偶者が違う人の顔に見えたりすることもあります。そのことで、相手が目の前にいることにもかかわらず、「どこに行った?」と探したり、口論になったりなど、家族間でトラブルになる例も見られます。







<ホーム長のつぶやき>


上の記事から幻視や錯覚が起きる原因がなんとなくわかった気がました。幻視体験はご本人が一番つらいのだと思います。恐怖でおののいているときは、「私たちが傍にいるので安心して」などと声を掛けます。そんなに長時間悩まされませんの安全を確認しながら見守ります。しかし、また少しすると騒ぎだします。「ああー、今、ものすごい幻視体験が起きているのだなあ」と思うようにしています。




ある日、娘さん二人が面会に来られました。ちょうど娘の名前を呼び続けていたので、「よかったですね、娘さんが来てくれましたよ」と言うと、「どこに娘がいるの、この人たちは私の娘なんかではない」と言い張ります。しばらく談笑しているとようやく娘さんと認めてくれるようになります。家族はもう慣れた会話で、驚きもしませんが、内心はつらいのだと思います。「病気がさせる言動ですから」と説明します。




あるとき入浴介助の場面になると大騒ぎをします。原因はいまだにわからないのですが、入浴介助の職員が抱き抱え、風呂の入浴チェアーに移動する際、必ず肩に噛みつきます。そのうち職員は噛みつかれないために肩にバスタオル掛け介助するようになりました。何かが見えそのための恐怖感からの行動ですが、浴槽内の何が怖いのかいまだにわかりません。まだ、たまに噛みつくことがあります。




私たち職員や介護家族がこのような恐ろしい見まちがいや錯覚をご本人が体験し、苦しんでいることを理解しなければいけません。その上で介助をや見守り支援が必要であると改めて実感させられました。しっかりと学んでいきましょう。















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2010年11月03日

レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックパート5

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート5



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)



2種類のレビー小体型認知症


レビー小体型認知症、発症年齢や初発症状などの違いから「通常型」と「純粋型」の2つに大きくわけられます。「通常型」は、高齢者に多く、発症年齢の平均は70歳くらいで、物忘れ(記憶障害)が最初にあらわれます。約30%の人は、亡くなるまでパーキンソン症状がみなれないという統計もあります。





一方、「純粋型」は、40歳くらいの若い人に多く、約80%の人の初発症状がパーキンソン症状です。また、両者の違いは、脳の中にアルツハイマー型認知症の病変があるかどうかで決まります。すなわち、アルツハイマー型認知症の病変があるのが「通常型」で、みられないのが「純粋型」です。その違いは、記憶障害の有無に関わってくると考えられています。





レビー小体型認知症の介護の基本


認知症の症状は、アルツハイマー型認知症を念頭に、「中核症状」と「周辺症状」に分類されるのが一般的です。幻視や妄想、抑うつなどの症状は、周辺症状に含まれます。ただし、レビー小体型認知症の場合、幻視や抑うつ症状、レム睡眠行動障害などは、それらが症状の中核になるため、周辺症状というより、むしろ中核症状といってもいいかもしれません。





中核症状と周辺症状


記憶障害や見当識障害、判断力低下など、認知症になると必ずあらわれる症状を「中核症状」という。それに対して、道にまよう、怒りっぽくなる。抑うつ、妄想、など、中核症状に伴って二次的にあらわれるものを「周辺症状」という。周辺症状はBPSDと呼ばれることもある。





レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の主なちがい


              レビー小体型認知症      アルツハイマー型認知症
困りごと・生活障害  主に視覚認知障害の基づく   主に記憶障害に基づく 
   幻視              多い                少ない
   妄想         幻視に基づく妄想         物盗られ妄想
 認知の変動            あり                なし
 睡眠の障害     レム睡眠行動障害に伴う      単純な睡眠障害
                  睡眠障害 
  





レビー小体型認知症にかぎらず、介護者が介護を行ううえでは、2つのことを知らなければなりません。1つは、相手の人のことを知ることです。もう1つは、相手の病気について知るということです。どちらか一方だけ知っているというのでは務まりません。相手を知るというのは、性格、嗜好、価値観、習慣、性格史などを知ることです。また、相手の病気を知るというのは、疾患やそれに伴う症状、特徴、治療法などの知識を持っていることです。   





なお、レビー小体型認知症におけるケアの3大ポイントは、1.適切な薬物療法 2.経過に沿った適切な介護 3.転倒の予防です。レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症以上に、薬や介護のあり方で症状・経過が左右されます。 







<ホーム長のつぶやき>  


レビー小体型認知症の方はアルツハイマー型認知症のかたより本人にとってつらいのだと思います。特に幻視に左右される妄想ですので、見えるものが我々職員には見えません。それを否定したりするとさらに症状が悪化する場合があります。よくそばに親族がいるような会話をしています。自分の視界から消えると大声で見えている方の名前を呼び、行ってしまったことに腹を立てるようです。そんな時幻視に伴う妄想が落ち着くまで静かに待ちます。長い時間は続きませんので見守ります。





後はレム睡眠行動障害による不眠が大変です。介護家族の苦労はよくわかります。介護されている自分たちが睡眠不足になると、翌日の仕事にさしさわりが出てしまいます。また、強い眠剤はふらつきや転倒の恐れもあるので危険です。2日眠れなければ翌日は眠れるというゆとりを持ちましょう。  















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Posted by 2人3脚 at 11:07Comments(0)医学講座

2010年10月31日

レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブックパート4

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート4



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)




レビー小体型認知症と
パーキンソン病とアルツハイマー型認知症





レビー小体型認知症は、大脳皮質を中心に中枢神経系から交感神経に至るまで広範にレビー小体がたまっていく病気ですが、パーキンソン病では、レビー小体が脳幹を中心にあらわれます。いずれの病気も、レビー小体が必ず存在することからレビー小体型認知症とパーキンソン病は、本質的には同じ病気だと考えられています。




なお、パーキンソン病に認知症が加わる場合は、かつて30%くらいとされていましたが、現在は70~80%と考えられています。理由は高齢で発病する例が増えているとともに、パーキンソン病の治療が進み、長生きする人(高齢者)が増えているためです。また、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症は、“親戚関係”にあります。異なる2つの病気が偶然に重なるというよりも、一緒に起こりやすいといえます。



【レビー小体のあらわれ方が病気を決める】


レビー小体が大脳皮質にあらわれるとレビー小体型認知症になる

レビー小体が主に脳幹にあらわれるとパーキンソン病になる


パーキンソン病


神経難病の一つ。中脳の黒質などにレビー小体があらわれる。神経細胞が壊れ、神経伝達物質のドーパミンが減ることにより、手足の振戦(ふるえ)、筋の固縮(こわばり)緩慢な動作、前屈姿勢、小股歩行、転びやすさなどの症状をきたす病気。多くは40歳以降に発症。映画「バック・トゥ・ザ・フェーチャー」主演のマイケル・J・フォックス氏、ボクシングの元ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリ氏などがこの病気と闘っていることで知られている。





脳幹



大脳と骨髄をつなぐ部分に位置する。呼吸・睡眠・血流・内分泌など、生命維持に必要な機能を司っている。






<ホーム長のつぶやき>


以前勤めていた病院でもパーキンソン病の人が時々入院してきた。よく付き添っていた主介護者のご主人が介護の困難さを訴えていた「。パーキンソンの症状が強くなると全面的に介助が必要になる。しかし、すごく状態の良いときと駄目なときの差が一日に何度も繰り返され一時も目が話せない」と、訴えていたことを思い出す。このガイドブックから納得のいく症状ばかりだ。良い状態のときもあるので、そういう状態が長く続けるように介護者側にアドバイスが可能だったかもしれない。いずれにしても原因がはっきりわかっているので、病気を理解することによって介護者側の心構えが変わってくる。本人の苦しさを一番理解できるのは主介護者なのだから。少しでも病気を理解し寄り添う介護を目指していきたい。















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Posted by 2人3脚 at 10:14Comments(0)医学講座

2010年10月28日

レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブックパート3

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブックパート3



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)




レビー小体型認知症の診断は難しい


チェックリストで、5個以上該当する項目があれば、レビー小体型認知症の可能性があります。もちろん、最終的にレビー小体型認知症と診断される溜めには、専門の医師による問診のほか、各種の検査が必要になってきます。





さまざまな症状があらわれるレビー小体型認知症は、診断基準がまだ十分でないため、診断が難しいといわれています。それにもまして、レビー小体型認知症は、前述のとおり初期には記憶障害があまり目立たないので、医師が認知症という診断をためらうという現状があります。






CTやMRI(磁気共鳴画像診断)を通して脳の写真を見てみると、典型的なレビー小体型認知症では、脳の萎縮が目立ちません。したがって年齢相応の脳と判断されたり、“心の病”などといわれたりすることがあります。レビー小体型認知症で見られる脳の特徴といえば、後頭葉で血流の低下が見られることです。これらはSPECTやPETなどの核医学検査によって確認できます。ただしその画像所見を見られるのは、5人に3人程度(約60%)といわれています。





また、レビー小体型認知症は、脳の病気であるにも関わらず、心臓に変化が見られることも特徴です。具体的にはMIBG心筋シンチグラフィーという検査を行なうこと、心臓でMIBG(メタヨードベンジルグアニシン)の取り込みが悪いことが分かっています。交感神経に障害があるため、に交感神経系の造影剤でMIBGを使っても心臓が造影されないのです。





SPECT(スペクト)


脳の血流や脳細胞の代謝状態などを調べるための画像検査。MRIなどを用いても脳の萎縮がみられない早期に、異常が確認できる利点がある。ただしこの検査をできる病院は、総合病院などに限られている。





MIBG心筋シンチグラフィー


心臓の交感神経を見つけ出す画像検査。心筋梗塞や心筋症、パーキンソン病、レビー小体型認知症などの診断に利用される。MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)は、心筋に集まる特徴を持っているため、MIBGが心臓に集まりにくくなれば、交感神経が障害されている証拠となる。





「レビー小体型認知症チェックリスト」


□物忘れがある

□頭がはっきりしているときと、そうでないときの差が激しい

□実際にはないものが見える

□妄想がみられる

□うつ的である

□動作が緩慢になった

□筋肉がこわばる

□小またで歩く

□睡眠時に異常な言動をとる

□転倒や失神を繰り返す

5個以上該当すれば、レビー小体型認知症の可能性あり







<ホーム長のつぶやき>

以前テレビ放映で認知症のことを取り上げ、レビー小体病のMIBGについて詳細に話されていました。そのときはとっても衝撃を受けました。早期発見早期治療につながり画期的なことだと思いました。しかし、医師が認知症を疑ってくれなければ早期発見にはつながりません。アルツハイマー型認知症も萎縮する前になんらかの方法で早期発見につながる手がかりが発見できることを望みます。皆さん介護者にお勧めしているのはちょっとした気付きや困ったことなどの症状をメモにとるということです。医師に経過や症状を伝えることによって認知症の診断のてがかりとなります。また今までかかった病気や服用している薬などの情報も必要です。















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Posted by 2人3脚 at 14:03Comments(2)医学講座

2010年10月25日

レビー小体型認知症の介護が分かるガイドブック・パート2

脳の地図と役割


脳の表面というのは、周囲をひだ状にたたまれた1~4mmの脳皮質に覆われています。その大脳皮質には、おおよそ140億個もの神経細胞が存在しているといわれています。(脳全体では1000億個)。大脳皮質は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分けられます。表面積の40%を占める前頭葉は、思考や感情、性格、意欲、理性などの働きを担っているといわれています。また、側頭葉は、記憶、言語、判断、欲求、聴覚などを司っているとされます。喉頭葉は、視覚や色彩の認識に関わっています。





レビー小体型認知症は三大認知症の1つ


レビー小体型認知症は、日本で見つけられた病気で、英語ではdemenntia with lewy bodies(ディメンシア レビー ボディーズ)といい、略してDLBと呼ばれてます。レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症とともに“三大認知症”といわれ、アルツハイマー型認知症ついで多いとされています。現在、わが国のレビー小体型認知症の人は、総計で50万人いると推計されます。65歳以上の高齢者に多く見られますが、40~50歳代も少なくありません。また、アルツハイマー型認知症と比較して、男性に多い傾向があります。(男性2:女性1)


レビー小体型認知症の発見

レビー小体型認知症は、筆者(小坂憲司)の1976年以降の1連の研究報告によって国際的に知られるようになり、筆者が提唱した「レビー小体病」「ビ慢性レビー小体病}(小坂病ともよばれる)を基礎としている。なお、レビー小体は、1912年にドイツの病理学者フレデリック・レビーにより発見された。






レビー小体型認知症とは、レビー小体型認知症の脳では、「レビー小体」という特殊な円形物質(神経細胞の中にある封入体とよばれるもの)が、中枢神経系を中心に多数見られます。このレビー小体が大脳皮質に広範囲に出現すると、その結果、レビー小体型認知症なります。





レビー小体型認知症は、認知症の一種ですので、記憶障害や理解力、判断力の低下などをきたします。ただし、初期から中期にかけては、記憶障害はあまり目立たず、幻視や認知の変動、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害、抑うつ症状、自立神経症状、など特徴的な症状がさまざまに現れます。また、レビー小体型認知症は、薬に対する過敏性が高い(副作用がでやすい)ことも、特徴の1つです。その意味でアルツハイマー型認知症などとは異なる点が多くあります。






<」ホーム長のつぶやき>




レビー小体型認知症を理解しているとコミュニケーションが図りやすくなってきそうですね。大脳皮質にみられるレビー小体の中心となるものは、アルファーシスクレインというたんぱく質が悪さをするそうです。今後、この本を読むことによってこの病気が明らかになっていくので、たのしみです。特に薬に対する過敏性がすぐに現れるので我々職員も観察が必要になってきます。















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Posted by 2人3脚 at 12:47Comments(2)医学講座

2010年10月24日

レビー小体型認知症の介護がわかるガイドブックよりパート1

レビー小体型認知症の介護が
わかるガイドブック



アルツハイマー型認知症よりも難しい、レビー小体型認知症の介護



「どうしよう?」「困った・・・」に対する具体策
          (小坂憲司・羽田野政治著 レビー小体型認知症家族を支える会編集)



<まえがき>


認知症は、歳をとるにつれて発病することの多い病気ですが、認知症には必ず原因となる疾患があります。その種類は、おおよそ70くらいといわれています。その代表格が「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」です。認知症の人の約50%がそれに当たります。そしてアルツハイマー型認知症の次に多いもの、それが「レビー小体型認知症」です。約20%を占め、国内で50万人程度いると推計されています。



レビー小体型認知症は、幻視やパーキンソン症状、認知の変動、レム睡眠行動障害などを特徴とする認知症です。初期には記憶障害が目立たず、認知症と見なされないこともしばしばあります。さまざまな誤解が多く、多様な症状や生活障害をもつ、レビー小体型認知症は、診断や治療だけでなく、介護も容易ではありません。





著者は、昨年、「レビー小体型認知症家族を支える会」と共に、「知っていますか?レビー小体型認知症」というガイドブック上梓しました。これは、レビー小体型認知症という病気を知るための格好の入門編として、ご家族ならびに専門職の方々から指示を頂いてきました。そしてこのたび、より具体的な介護方法に踏み込んだガイドブックがほしいとの声にお答えして編集したのが、本書「レビー小体型認知症のガイドブック」です。レビー小体型認知症の仕組みや特徴などを十分知れば、介護や対応方法、そのためのヒント・工夫がきっと見つかります。本書が、そのための一助となれば大変光栄です。


最後に、本書の編集に当たり、お世話いただいたメディカル出版の尾崎純郎氏にお礼申し上げます。

                        小坂憲司・羽田野政治




以前ブログアップした記事もご参照ください!
           ↓
ここをクリックするとレビー小体型認知症の最前線パート1

          レビー小体型認知症最新治療パート2
を見ることができます。認知症を介護している家族の方、介護職の方
パート2に記載のチェックリストを活用してみてください!







<ホーム長のつぶやき>


今年の6月、「認知症の人と家族の総会」で小坂先生にお会いしました。以前勤務していた病院に横浜市大の精神科の教授だった頃、病棟に診察に来ていました。久々にお会いし私を覚えていてくださいました。「レビー小体型認知症家族を支える会」ができているので宜しくとのことでした。是非レビー小体型認知症を抱えているご家族の方ご入会ください。この病気を知っていると介護の方法がわかるようになっていますので一緒に学んでいきましょう。一番介護者を悩ませる症状に突然精神運動興奮が出現し、時間が経つと正常に戻っていること、私も介護をしていてこのような患者さんや利用者さんに出会いました。病気を理解することによって対応方法も変わってきます。さらに、この病気を診断し、アドバイスをしてくれる医師が増えていくことを期待してやみません。

次回のパート2からのガイドブック・ブログアップにご期待ください。私も学べることを嬉しく思っています。
















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Posted by 2人3脚 at 09:58Comments(0)医学講座

2010年10月21日

世界アルツハマーデー 松本一生先生の講演内容パート5

2010年世界アルツハイマーデー
「記念講演会」



認知症の予防と家族支援


地域でともに生きるために  パート5


2010年(平成22年)9月26日(日)
公益法人 認知症の人と家族の会 静岡県支部主催
認知症の人と家族の会常任理事 
松本診療ものわすれクリニック 松本一生医師





【一部講演内容より】


皆さんこんにちは。2010年世界アルツハイマー記念講演会、皆さんと共に一緒に勉強しましょう。地域の人と、どのように支援していくか共有していきましょう。




介護者の心の変化について


驚愕→否認→怒り→抑うつ→適応→再起


否認


20年間うつ病、7年間認知症でした。うつ病から認知症を3年間否定していた。怒りの気持ちの自分、「コンチクショウ!」家内も怒り、「いいかげんにしてくれ!」夫に対する気遣い、家内の頭から「湯気」が出ていたのを3回見たことがありました。<笑い>家族の心、怒りを越えて一とびした。

抑うつ

耳を傾けてくれる方がいないと追い詰められます。身体が悲鳴をあげたら、周りの人が声を掛けてください。支援職も介護家族も同じです。


再起

母を看取った後半年が経ち27年ぶりにホットした。身体の症状が一杯出ました。介護は3割、7割は自分の人生を!家族と専門職と一緒に連携をとってください。





からだが悲鳴!


①.ふらつき、立ちくらみ、むかつき、めまい
②.朝からだが痛い。(自立神経が頑張って使いすぎています)
③.慢性以遠、慢性膵炎、こうけつ圧、糖尿病、免疫低下






家族を支え、本人の昼夜逆転が改善(H、16年発表)


家族支援は附帯事項ではなく本質的支援!


130人中65人は支援あり、65人は支援なし。支援ありの方は本人の昼夜逆転が減少してきました。どうしてよいかとまどいの症状、非言語的メッセージから昼夜逆転が起きます。18ヶ月で上昇(ピーク)家族(介護職)のバーンアウトが起きないか見つめていく必要があります。




あなたはどのような人?


□なぜか人に頼られる

□人が嫌がることは自分がする

□自分は陽気なほうである

□他人と対立するのはいや!




メランコリー親和性性格。1年半に1回は自分に目を注いでください。バーンアウトしないためにこのうちの1つを外し3回に1回はノーと言ってみる。手を抜いてやるとバーンアウトしません。






<ホーム長のつぶやき>



先生とは京都の総会でよくお会いしていました。特に若年性認知症の方の本人支援の本人交流会では、静岡県支部のKさんが若年性認知症の仲間4名と壇上に上がり、懇談会をおこないました。その際、先生がやさしくフォローしてくださいました。あのときの優しい眼差しと家族への気遣い、配慮されている姿勢が目に焼きついています。是非先生に静岡に来ていただき、あの優しく、そして患者さんのことや家族のことを思って診療にあたられている先生に講演していただきたいと思っていました。今回は念願が叶い、とても素晴らしいお話を聴くことができました。松本先生のような方が沢山増えてくれることを希望しています。今回、5回シリーズで講演内容をまとめてみましたが、先生の患者さんや介護家族、我々介護職に対する熱い思いを少しでもお伝いできればと思い、ブログにアップしてみました。    


                                 ―終わり―













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Posted by 2人3脚 at 10:09Comments(0)医学講座

2010年10月18日

富士市立中央病院・医師に聞く。高齢社会の嚥下評価

医師に聞く

”富士市立中央病院診療各科の前線” パート1   
      
  (富士市立中央病院耳鼻咽喉科高柳博久医師・富士ニュースより)



高齢社会の嚥下評価



高齢社会の進展に伴って、増加が予想される疾患の1つに嚥下(えんげ)障害がある。口の中に含んだ水分や食べ物などをのどから食道、胃へ送り込む機能が低下した状態だ。脳血管障害による後遺症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)やキンジストロフィーなど、神経系の機能が衰える病、外傷性の頚椎損傷など嚥下障害が発症する原因は多岐にわたる。




中央病院ではこうした患者らの機能を改善などに総合的に取り組むため、H.18年NST(栄養支援チーム)を立ち上げた。NSTには理学療法士や、作業療法士、栄養評価チーム複数の分野の専門家が参加。高柳医師が所属する耳鼻咽喉科は歯科医や言語聴覚士、看護師らと摂食・嚥下・口腔ケアチームとして加わり、主に嚥下機能の評価に携わっている。





嚥下機能の評価で行われるのは舌の運動や、のどの筋肉の反射、内視鏡による所見、食道造影など、さらに30秒間でだ液を飲み込む回数をチェックするテストで意識的な嚥下機能を評価したり、ゼリーを実際に飲み込む様子を内視鏡で観察したりして総合的に判断する。こうして嚥下能力の評価が決まると、ポタージュ状、ヨーグルト状、豆腐状、かゆなど食事の形態が決まる。





高柳医師は適切な嚥下評価が浸透することで「(口から食べる)経口摂取の患者さんが増えた」と話す。現在の患者の持っている嚥下の能力を的確に把握することで、チューブを通して直接胃に栄養分を投与する胃ろうへの安易な移行を防ぐ効果があるとの見方だ。





急性期の患者を扱う同病院では、適切なタイミングで地域の医療機関へ転院を求められる。口から食事ができることで、転院先の選択肢が広げられるほか、口から食べる喜びを感じ続けることができる。「何の楽しみもない」(高柳医師)という胃ろうの状態に比べ、QOL(生活の質)に格段の差が表れる。





胃ろうをめぐっては、さらに大きな課題もある。傾向摂取が不可能となった場合、国内では7割が胃ろうを選択。その際の平均寿命は2年で掛かる費用は700万円。米国では9割の患者が、点滴などの穏やかな治療に切り替え、限られた寿命を生きる。





高柳医師は「食べられなければすぐに胃ろうという今の日本の傾向は問題がある。こうした患者さんは呼びかけに反応もせず、意思疎通もできない。高齢者も増え、医療財源も限定された中でどういう選択肢をするか、生きるとはどういうことかも含め、立ち止まって考える必要がある」と話す。








<ホーム長のつぶやき>



大きな機関病院が上記のことを考え、地域の医療機関に転院されれば、その人らしく生きることができる。施設で関わっている我々スタッフも原因がわかり残っている機能がわかれば努力を惜しまないだろう。できるだけ家族や施設の仲間と接触を多くもつことがQOL(生活の質)の低下の予防策にもなります。セカンドオピニオンを利用しながら日常生活を過すことができること望んでいる。これは認知症にも言えることです。大きな機関病院で早期に診断がなされ、後のフォローを地域の医療機関でできれば住み慣れた地域でその人らしく暮らすことができのだ。












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Posted by 2人3脚 at 15:35Comments(3)医学講座

2010年10月16日

口腔ケア・口の中が乾く、痛むドライマウスの原因と対処

口腔ケアの必要性についてブログにたくさん載せてきました。新聞記事で、ドライマウスについて掲載されていましたので勉強して見ましょう。





ドライマウスの原因と対処



口の中が乾く、痛む



近年、注目が増してきた「ドライマウス」。現在、患者800万人、予備軍3000万人とも言われています。文字通り「口が渇く」症状ですが、深刻な痛みにつながることもあり、あなどれません。ドライマウスの症状、原因、対処法や治療法について、鶴見大学歯学部付属病院の斉藤一郎病院長(同大学私学部教授)に聞きました。




だ液は“潤滑油”



ドライマウスの主な自覚症状は、「口の中がいつもネバネバしている」「パサパサしたものが食べにくい」「口やのどが一日中渇いている」「口臭がきついと言われる」「入れ歯がすぐに落ちてしまう」「舌がひび割れて痛みを感じる」などがあります。すぐに生死にかかわる病気ではありませんが、生活の質(QOL)著しく低下することがあります。また、口の乾燥に加え、舌、上あごなどの痛みを訴える人も多いようです。





なぜ、口が乾燥する不具合が起こるるのでしょおう。通常人は1日1.5㍑ものだ液分泌します。だ液はいわば口の中の、"潤滑油”。乾燥しているのは、このだ液が不足している状態ですから物理的にこすれて痛みがでることもあります。





抗菌作用が弱まると


さらに重要なことは、だ液の持つさまざまな作用が、発揮されなくなるということです。だ液には、大きく「消化作用」「抗菌作用」「粘膜保護作用」「歯の保護・再石灰化作用」の五つの作用があります。このうちだ液の減少によって抗菌作用が弱くなれば、カビなどの菌が口の中に増加します。





「ドライマウス外来」を訪れる患者さんのうち、カビの原因で悩んでいる方が多いことが分かり、診断に訪れた方には、だ液の検査と共に、まずカビに関する検査をします。特に口の両端が口角炎になって切れている場合は、カビによる症状であることが疑われます






心因性の乾燥症状


ドライマウスと診断する、だ液分泌量の検査方法は3種類ありますが、実は、どの検査をしてもだ液の分泌量が少なく、基準値に満たなかった人は患者の1/3にとどまります。2/3の人は「実際はだ液が出ているが、口が渇くと感じる」状態です。このような場合心因性の乾燥症状であることも考えられます。ストレスなどで神経が過敏になっているため、口の渇きを感じるのです。





このように、口の渇きは、心の状態とも密接な関係にあります。口の乾燥感は、「少しストレスがたまっているな」とか、「うつに近い状態でないか」など、心の状態のバロメーターにもなります。その上で今日は疲れているから早く休もう」「一日中、乾いているわけではないから大丈夫だ」などと、自分自身の状態を冷静に判断し、安心感につなげていただきたいと思います。





そのほか、ドライマウスの原因には「薬の副作用」「糖尿病」「がん治療などの放射線障害」「脳血管障害の麻痺」「シェーグレン症候群(自己免疫疾患の一つで、目の渇きとだ液の分泌低下を主な症状とする病気)」「老化」「筋力低下」などが考えられます。






寝るときに乾くケース


「寝るときだけ乾く」ケースもあります。これは、寝る前に飲む薬が関係していることが多いようです。利尿薬、アレルギーの薬、(抗ヒスタミン薬)向精神薬などを服用している人は、副作用としてドライマウスが引き起こされる可能性があります。





鼻が詰まっているときなど、口をあけて寝る場合も、口の中が乾きます。上向き寝をすると口が渇きやすいので、就寝中に口が開いてしまう場合、横向きで寝ることがお勧めです。横向きでは寝られないという人は、抱き枕を使って横向きになる、内側のガーゼを湿らせて綿マスクをする、口腔内の保湿装置(マウスピース型のものなど)を使う方法もあります。






日常的な付き合い方


ドライマウスとの“日常的な付き合い方”については幾つか注意点があります。特に「かむ」ことが、だ液の分泌にとって重要です。健康で長寿の方は、たくさん「かむ」食生活を送っていることが多いように感じます。よく、「一口、何回かみましょう」と言われますが、そればかり気にしては、美味しく感じませんし、なか中続きません。はじめから、かみごたえのあるものを選ぶのもよいでしょう。






はし置きに、時折ははしを置きながら、少しずつ食べるなど、ゆっくり食べる工夫もしてみてください。現在ドライマウスの症状がない人にとっても、こうした点に気を配ることは、予防につながります。消化をよくするためにも有効ですので、取り組んでいきたいものです。









<ホーム長のつぶやき>


介護現場ですべて納得のいくことばかりで勉強になりました。色々の場面場面で先生のお話は結びつきます。例えば、寝たきりの重度の利用者様、たまに口角炎になりチョコラBBなど飲んで頂いていました。ビタミン不足からきているのかと思っていましたが、もしかして口腔ケアがしっかりできていなかったためではないかと反省します。臥床傾向の方はだ液量も減ってきます。だ液が減るということは、抗菌作用が減るということなのですね。





今2人3脚では訪問歯科医が週1回来ています。義歯が合わなくなっている方が多くなっていますので、裏打ちをしていただいたり、歯石をとっていただいたり、虫歯を治療していただいています。「かむ」ことの重要性を再認識しているからです。「かむ」ことによってだ液の分泌量も増えてきます。そして重要なのが口腔体操と、口腔ケアです。口渇(こうかつ)、口が渇く原因は大変勉強になりました。薬の副作用にも注意して自分自身の歯や利用者様の歯を大切にしたいと思います。











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Posted by 2人3脚 at 08:00Comments(1)医学講座

2010年10月13日

知らないと怖い!口の中の汚れ最終回だ液を出すマッサージ

口の中の汚れパート10 最終回 
               監修 医療法人社団 高輪会
               理事長/医学博士 深井眞樹
               歯科衛生士室長 大塚博子



口腔ケア」ガイドブックよりお届けします。2人3脚でも口腔ケアは特に重要視し食後の歯磨きや口腔体操を行っています。合わない義歯や歯が欠損しますとADL(日常生活自立度)が低下します。今回は口腔ケアの必要性について学んでみましょう!


舌のマッサージをしましょう


舌の動きが悪いと、感覚もにぶくなります。スプーンや歯ブラシで舌を刺激すると、感覚機能の低下を防ぐだけでなく、血行もよくなります。


●スプーン(又は歯ブラシ)のセでくるくるとマッサージする

●スプーン(又は歯ブラシ)のセで、舌を押さえつける






だ液を出すためのマッサージをしましょう


だ液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)をやさしくマッサージすると、その刺激でだ液の分泌物が促されます。食事の前に、だ液腺のマッサージをしましょう。


●耳下腺
両方の耳のし下あたりを、両手で優しくもむ


●顎下腺
耳の下から、あごの下あたりまで、5ヵ所を両手での指で軽く押す


●舌下腺
両手の親指をそろえ、顎の下から軽く押す







だ液の働き


●でんぷんを分解し、胃腸の消化・吸収をよくする

●細菌やウイルスを殺菌する

●食べ物を飲み込みやすくする

●口の中を常に中性に保つ

●粘膜や血管などの細胞を増やす

●食べ物を溶かし、舌で味覚を感知させる

●歯にカルシウムなどのミネラルを補給する











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Posted by 2人3脚 at 08:00Comments(0)医学講座

2010年10月08日

世界アルツハイマーデー松本一生先生の講演内容 パート4

2010年世界アルツハイマーデー
「記念講演会」



認知症の予防と家族支援


地域でともに生きるために  パート4 


2010年(平成22年)9月26日(日)
公益法人 認知症の人と家族の会 静岡県支部主催
認知症の人と家族の会常任理事 
松本診療ものわすれクリニック 松本一生医師





【一部講演内容より】


皆さんこんにちは。2010年世界アルツハイマー記念講演会、皆さんと共に一緒に勉強しましょう。地域の人と、どのように支援していくか共有していきましょう。





認知症は日々の体調管理から


アルツハイマー病、ピック病、レビー小体病、脳血管性認知症、等は日々の体調管理に関係があります。慢性の生活習慣病としての糖尿病、高血圧、脂質異常症等があります。血糖を上手にコントロールしている人とそうでない方と比べた時、認知症症状の出現に差がでます。追跡調査をした時の周辺症状では出方に違いがありました。血糖が150→300に上昇したとき、家族に対する妄想などが強くなることがあります。血圧が急激に上昇すると夜の睡眠リズムに関係し、昼夜逆転の症状等が出現することがあります。




認知症は生活習慣病から起こります


飽食は避けましょう。粗食に心がけている人と満腹食べて、贅沢な食事をしている人とでは認知症の割合の違いが多くなります。時々は美食記念日としてローソクがともる場所でご主人と外食してはいかがでしょうか。<笑い>動物性油より魚の油のほうがいい。慢性生活習慣病の予防がアルツハイマーの予防になります。




水分は多く摂りましょう


食事の中から800cc、その倍の800cc一気に飲むのではなく小刻みに飲んでください。食事の仕方は80代のように、水の飲み方は20代のようにチョコチョコと飲む・・・。<笑い>




有酸素運動


ちょっと息があがる位で細胞が酸素を取り入れます。有効な散歩の仕方は一日15分歩けばよい。散歩することでカロリーが消費されます。飽食を避けることにも役立ちます。




認知症の予防


何をやっていいかわからない。ゲームをしましょうと警鐘を一つだけ鳴らします。何度も同じことを繰り返すのは作用効率を上げるだけです。計算をしているだけでは駄目です。ただ、つらいデーターを取らせていただいた。計算を公民館でやり「こんなものをやらされて情けない」と、思った人は結果は予防力にはなりません。いやいやながらしぶしぶやる人はマイナスの効果になります。




地域のためにボランティア活動、自分にとっての生きがいとしてボランティア活動をし3年半になります。参加している方は進行が低下。一つや二つ病気があっても、何か自分に役割があると思う人は予防に役立ちます。認知症になったら終わりではなく、まず、ご本人が病気と思っても安心でき、自分でもやりがいがあると思っていれば、後だしができます。そうでない方もいらっしゃる。若年性認知症は進行が早いと家族の介護力は低下します。早い遅いは家族の介護力にも関係があります。











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Posted by 2人3脚 at 08:00Comments(0)医学講座

2010年10月07日

知らないと恐い!口の中の汚れ・「口腔ケア」ガイド パート9

口の中の汚れパート9 
               監修 医療法人社団 高輪会
               理事長/医学博士 深井眞樹
               歯科衛生士室長 大塚博子



口腔ケア」ガイドブックよりお届けします。2人3脚でも口腔ケアは特に重要視し食後の歯磨きや口腔体操を行っています。合わない義歯や歯が欠損しますとADL(日常生活自立度)が低下します。今回は口腔ケアの必要性について学んでみましょう!




飲み込む力強くする体操をしましょう


上手に噛んで、きちんと飲み込めるようになるためには、唇や舌、頬などの動きをなめらかにする体操が効果的です。食事の前または歯磨きのついでに行うとよいでしょう。




●むせを防ぐ

 「ゴックン深呼吸」


1.大きく鼻から息を吸う 
2.そのまま一度息を止める
3.唾液を1回ゴックンと飲み込んでから、ゆっくりと深く息を吐く

1~3を3回行う





●食べこぼしを防ぐ

「くちびるの体操」


1.かみながら「イー」と、くちびるの端を横に伸ばす
2.かみながら「ウー」と、くちびるをすぼめる

1~2を3回行う





●ほおの力ををつける

「ほおの体操」


1.口を閉じて、ほおを膨らませる
*舌を上あごに押し付け、口から息が漏れないようにする
2.ほおをギュッとへこませる
*息を吸うように、口をすぼめる

1~2を3回行う





●舌の動きを良くする

「舌の体操」


1.口をあけたまま、舌をできるかぎり前にだす
2.上くちびるを舌先でさわるように、舌を上げる
3.左右の口の端を舌先でさわるように、舌を動かす

1~3を3回行う












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Posted by 2人3脚 at 16:13Comments(0)医学講座

2010年10月03日

世界アルツハイマーデー松本一生先生の講演内容パート3

2010年世界アルツハイマーデー
「記念講演会」



認知症の予防と家族支援


地域でともに生きるために  パート2 


2010年(平成22年)9月26日(日)
公益法人 認知症の人と家族の会 静岡県支部主催
認知症の人と家族の会常任理事 
松本診療ものわすれクリニック 松本一生医師





【一部講演内容より】


皆さんこんにちは。2010年世界アルツハイマー記念講演会、皆さんと共に一緒に勉強しましょう。地域の人と、どのように支援していくか共有していきましょう。



認知症の種類による特徴



アルツハイマー型認知症

65%、脳全体が萎縮。やる気がなくなる、視覚失認。ベーター蛋白の蓄積


脳血管性認知症

2~3割針の先で突いたような小さなものの積み重ね。感情の移り変わりが激しい。涙を流したり怒りっぽい。一番診察のときに気を使います。糖尿病や高血圧は脳血管性認知症を合併しやすい。また、できる時とできない時の差が激しい。



レビー小体方認知症

幻が見え、抑うつ、パーキンソン症状がる。アルファーシリクレインが溜まります。ケアのあり方が違います。


ピック病(前頭側頭型認知症)

無頓着になる、恐怖の減少、社会性がなくなる。非社会的行為をします。若年の方が多い。
40歳のピック病の患者さんが受診してきました。ご主人は社長さんでしたが会社を追い出されたため、奥さんは、子育てをしながらレジのパートをしていました。やっとのことでヘルパーさんと外出してくれるようになり、自分の職場に連れてきてもらいました。スーパーをクルクル回り気になったものをポケットに入れてしまいました。歯磨き粉3個です。店長に見つかり「あんたなー俺達の行為をあだで返すつもりか」と怒りがおさまりません。そこに奥さんから連絡が入り、私は店に駆けつけ店長の胸ぐらをつかみ抗議しました。「ピックのことが理解できずそのようなことを言ってしまった」と、謝罪してくれました。少しでも認知症の差別が広がらないようにしたいと思います。






認知症の行動・心理症状


認知症症状は初期、中等度、重度それぞれ症状が違います。



初期
不安感や気分の沈みがあります。混乱している本人をパーソンセンタードケアで支えていく。

中等度
初期の不安感や気分の沈みは軽くなり、記憶の障害、家内の顔がわからない。風呂を嫌がる。身体を拭こうと思い、手ぬぐいで拭こうとすると、何か知らない人に首を絞められると思ってしまい、自己防衛が働きます。「何をする!」と、暴力を振るう。家内にとってはとんでもない体験。何年も連れ添った人に殴られる。そういうことになる一歩手前に防ぐごとが医療連携てできます。

重度
症状は消退しますが表面的に症状が消えたとき、たまたま、かきむしられたり、手をつねられました。(認知症の人の心は生きてる)。

                                              ―つづく―










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Posted by 2人3脚 at 09:42Comments(0)医学講座

2010年10月02日

知らないと怖い!口の中の汚れパート8入れ歯ののお手入れ

口の中の汚れパート8 
               監修 医療法人社団 高輪会
               理事長/医学博士 深井眞樹
               歯科衛生士室長 大塚博子



口腔ケア」ガイドブックよりお届けします。2人3脚でも口腔ケアは特に重要視し食後の歯磨きや口腔体操を行っています。合わない義歯や歯が欠損しますとADL(日常生活自立度)が低下します。今回は口腔ケアの必要性について学んでみましょう!


入れ歯の汚れは、しっかり洗い落としましょう



入れ歯にも歯垢はつきます。手入れが悪いと、細菌の温床となり、残っている歯が虫歯や歯周病になったり、誤嚥性肺炎を起こす危険が高まったりします。1日に1回、できれば毎食後、入れ歯を外して洗いましょう。





●入れ歯の洗い方



入れ歯についた食べかすを、流水で洗い落としてから、入れ歯専用のブラシで歯垢をこすり落とします。葉の裏側の凸凹部分、口の中で接触する部分、金属のばねの部分は念入りに、





入れ歯のお手入れで注意すること


●入れ歯洗浄剤では、汚れは落ちない


入れ歯洗浄剤につけただけでは、歯垢は落ちません。ブラシで入れ歯の汚れをしっかりとってから洗浄剤を使いましょう。


●歯磨き剤をつけてブラシでこすらない。

歯磨き剤には少量でも研磨剤が入って、ているので、歯磨き剤をつけてブラシでこすると、入れ歯に傷をつけます。


●入れ歯を水につけて保管しない

入れ歯の保管は、ふたつきのガラスケースなどに、水につけたままにしていると、細菌が増殖する可能性があります。


●入れ歯をはずしたあとは、お口のケアを

入れ歯をはずしたあとの口の中が細菌だらけではもともこもありません。必ず歯や歯茎(歯肉)、舌の清掃をしましょう。











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Posted by 2人3脚 at 08:00Comments(2)医学講座